竜王戦第三局の研究? 2010年11月28日第60回NHK杯二回戦第十六局 ▲木村一基vs△松尾歩

居飛車党バリバリのトップクラスの二人の対戦。後手の松尾プロが作戦家なので何を用いるかに注目した。

2010年11月28日第60回NHK杯二回戦第十六局 ▲木村一基vs△松尾歩

ノーマル中座飛車になり、先手が深く2九へ引く形に。何度もこのブログでかなり昔から言っているが、この対策が一番有力だと私は感じている。主に中村修プロのさしこなしを見ていての感想だ。

途中までは竜王戦の展開をそのままになぞっていたように思う。が、放映日と収録日のタイムラグがあるので、こっちが先なのだろうか?松尾プロは羽生名人との研究会をやっているのでその可能性も高そうだ。

この竜王戦第三局系の先手の形を、横歩をやらない私が興味をもって眺めるのは、先手の右翼が苺囲いと見ることも出来るから。角交換系で、玉を中住まいにしたり、佐藤康光流に左玉にしたりすることもあり、部分的な受け方・凌ぎ方に注目したのだが。

結果から言うと本譜は後手の攻めが炸裂していた。もっとも酷い部類のやられ方だろう。
真面目にみてもよく分からないのでパッと見の印象でいえば56手目に後手が龍を作った辺りではもう終わっている可能性があるのではないか。

後手の3一玉型の遠さ、狙いの攻め筋、全て松尾プロの研究発表会的な炸裂具合だった。恐らく羽生善治名人はこの将棋、この研究を知っていて、△3一玉を指したのだろうなと思う。

中原囲いで6?8筋方面で戦いになるときはいつでも△3一玉が有効になりうる、というのは例の羽生木村でのタイトル戦以降かなり認識されることになったので開発者は羽生名人本人なのだけれども。


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(2010/11/26)
羽生 善治

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Tag : 将棋 羽生善治 中座飛車 松尾歩 木村一基 佐藤康光

コメント

感想戦は20分でした

 感想戦は20分ありました。
 謙遜もあるかもしれませんが松尾七段は△7六角から8筋に飛車を成り込む仕掛けは成算はなかったようでした。逆に木村八段は指せるはずという感触。
 木村八段は57手目▲7四歩の前に▲2三歩を利かせた方が良かったかもしれないと後悔していましたが、実際、改めて考えると損得はは微妙かもしれないとも。
 感想戦で一番焦点になったのは、67手目▲6二とでは▲9六角と打つべきだったと(木村八段)。
 以下△5九角▲3九玉△8九龍▲6二と(ここで手抜きして△3七角成を許すのが凄い)△3七角成▲6九歩△同龍▲4九桂(龍をあえて取らず敵陣に利きを残しておく)△2七桂▲同飛△同歩成▲3七金△2九飛▲同玉△4九龍▲3九合駒で打ち歩詰で逃れています。
 なので▲3七金の時△4九龍として▲同玉に△5九飛とする手も調べられました。以下▲4八玉△3七と▲同玉△2五桂▲2七玉△2九飛成▲2八歩△2六歩▲1六玉と逃げて、△2四桂を打たせてから▲2六玉△2八龍▲2七金で詰まないそうです。羽生-久保戦か羽生-渡辺戦のようなきわどい変化です。
 また▲9六角に△7三龍と手を戻すのは▲7四金と押さえられて後手自信なしだそうです。
 感想戦では▲9六角と打っておけば先手の勝ちという結論が出ましたが、短時間の検討なので、見落としがあるかもしれません。
 本譜の▲6二と(▲9六角とせずに)以後も本当にきわどい変化が延々と続きました。▲6二とに△5九角▲3九玉△5八との変化も、また▲6二とに本譜の△2七歩成にも手抜きで▲5一とでも先手が残しているようです(短時間の検討なので怪しい部分もあります)。
 本譜は△2七歩成に▲同飛と応じたため本当にきわどいですが後手の方が良くなったようでした。
 先手玉は簡単に詰みそうなのですが、ギリギリ逃れているという面白い変化が盛りだくさんでした。

Re: 感想戦は20分でした

おー!NHKの感想戦の解説、いつもありがとうございます!
ちょっと忙しくて最近ブログ本文も手抜きな私ですが、助かっています!!

なるほど、一目寄りそう、しかし逃れている、という展開のなかでぎりぎり寄った、というのが真相だったのですね。ぱっと見は圧勝なのかと思ってしまいました。それにしても確かに9六角はとても良い手、端角に名手あり、という格言通りの味の良さですねえ。



>  感想戦は20分ありました。
>  謙遜もあるかもしれませんが松尾七段は△7六角から8筋に飛車を成り込む仕掛けは成算はなかったようでした。逆に木村八段は指せるはずという感触。
>  木村八段は57手目▲7四歩の前に▲2三歩を利かせた方が良かったかもしれないと後悔していましたが、実際、改めて考えると損得はは微妙かもしれないとも。
>  感想戦で一番焦点になったのは、67手目▲6二とでは▲9六角と打つべきだったと(木村八段)。
>  以下△5九角▲3九玉△8九龍▲6二と(ここで手抜きして△3七角成を許すのが凄い)△3七角成▲6九歩△同龍▲4九桂(龍をあえて取らず敵陣に利きを残しておく)△2七桂▲同飛△同歩成▲3七金△2九飛▲同玉△4九龍▲3九合駒で打ち歩詰で逃れています。
>  なので▲3七金の時△4九龍として▲同玉に△5九飛とする手も調べられました。以下▲4八玉△3七と▲同玉△2五桂▲2七玉△2九飛成▲2八歩△2六歩▲1六玉と逃げて、△2四桂を打たせてから▲2六玉△2八龍▲2七金で詰まないそうです。羽生-久保戦か羽生-渡辺戦のようなきわどい変化です。
>  また▲9六角に△7三龍と手を戻すのは▲7四金と押さえられて後手自信なしだそうです。
>  感想戦では▲9六角と打っておけば先手の勝ちという結論が出ましたが、短時間の検討なので、見落としがあるかもしれません。
>  本譜の▲6二と(▲9六角とせずに)以後も本当にきわどい変化が延々と続きました。▲6二とに△5九角▲3九玉△5八との変化も、また▲6二とに本譜の△2七歩成にも手抜きで▲5一とでも先手が残しているようです(短時間の検討なので怪しい部分もあります)。
>  本譜は△2七歩成に▲同飛と応じたため本当にきわどいですが後手の方が良くなったようでした。
>  先手玉は簡単に詰みそうなのですが、ギリギリ逃れているという面白い変化が盛りだくさんでした。

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