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将棋世界 2010年 12月号の感想


将棋世界 2010年 12月号 [雑誌]

【巻頭カラー】
・第23期竜王戦七番勝負[第1局]渡辺竜王×羽生善治名人
 「波乱の幕開け 急転直下の終局」 観戦記・西條耕一

竜王戦ということで西條耕一氏。これは毎年のことだ。羽生渡辺戦ということで西條耕一氏も興奮しているであろうことがよくわかる記事だった。

棋力としても四段だったか五段の腕前の西條耕一氏が終盤△1一歩以降について、感想戦等の解析結果を踏まえた現時点評価を冷静に語っているのが好対照で面白い。


・第58期王座戦五番勝負[第3局]羽生善治王座×藤井猛九段
「情熱の炎は消えない」 観戦記・大川慎太郎

今となっては遥か昔に感じるのが月刊誌とネット中継が存在する世界。UST中継まであったということで、即時性を上回る何かが欲しいところ。そしてこの記事にはそれがあった。

藤井猛プロによる、羽生将棋・自身の将棋の評価、今回の作戦の意味。このあたりは藤井猛プロが本音で語っていて面白い。


【プロ棋戦】
・第58期王座戦五番勝負[第2局]羽生善治王座×藤井猛九段
 「新藤井システムの登場」
シンプルにまとまっている。


・第60期王将戦挑戦者決定リーグ戦 羽生善治王座×森内俊之九段
 ≪注目の一戦≫ 「100局目の静かな激闘」 記・結城広大
まだ読んでいない。


・第41期新人王戦決勝三番勝負[第2局]阿部健治郎四段×加來博洋アマ
 「終盤の逆転劇」 記・相崎修司
まだ読んでいない。


【特別対局】清水市代女流王将 vs あから2010
 「「知」を巡る物語」 レポート・松本哲平
力戦系に勝機ありと見ているのが人間側ではなくコンピュータ側にあったのは面白い。現時点の対コンピュータに特化した勝ち方としては、駒交換を歩以外には一切せずに盛り上がって入玉する、という手段が良さそうに考えている。

本局のコンピュータ将棋の奔放な読み筋を見るとその考えが正しいように思われた。人間が読まない異筋の駒の打ち込みの出現度が高すぎるので、普通の持ち時間では恐らく勝てないだろう。(異筋ではあるがギリギリ成立している手順を読んでくるのが問題)。

例えば中原誠名人や、糸谷哲郎プロのように入玉感覚に優れたプロが、最初から入玉狙いで指せば、駒落ちであっても勝てるのではないかと思う。

コンピュータ将棋に、入玉専用ルーチンみたいなものが出てくるまでは有効だろう。ただしそれは正確な意味での将棋の強さを競うということにはならないので、その点が解消されるまではプロが指す価値はないのかもしれない。

逆に言えば。プロがそのあたりのコンピュータ将棋の特性を理解した上で、駒落ちであれば定期的に戦ってあげてもよいのではないかと思うのだが。


<新>イメージと読みの将棋観 文/構成・鈴木宏彦
メンツが変わったが、面白さは変わらない。


突き抜ける!現代将棋
[第15回]ゴキ中対策と角換わり問題 講師・勝又清和 構成・浅川浩 
相変わらずアベケンプロへのインタビューが良い。


【隔月新連載】将棋エッセイ
鬼六おぼろ談義 ―棋士交遊録― 団鬼六
某休刊誌を思い出す新エッセイ。多分死ぬまで書いてくれるだろうから、あと何年かは分からないが、団鬼六節を楽しみたいと思う。


トップ&旬の棋士による リレー自戦記 [第29回]西川和宏四段
第41期新人王戦準決勝 vs 加來博洋アマ 「信じられない大逆転負け」
一人苦難の道を歩む西川和宏プロ。(対鈴木大介戦での角落ち負け、初参加の順位戦でのいきなりの降級点しかも四勝五敗で!、そしてこのアマに大逆転負け)。

しかしその特異な感覚は、ノーマル振り飛車の使い手として未知の伸び代を感じさせる。本自戦記も通常は書く気がしないと思うのだが、冷静に振り返っている。そして最後の〆もとても良い。


[中カラー/企画対局]里見香奈 試練の三番勝負[Extra Round]
「永世棋聖に挑戦」 vs 佐藤康光九段 観戦記・鈴木宏彦
これは面白かった。佐藤康光プロが用いた、殆ど駒落ち上手のような作戦がとにかく面白くて、佐藤康光プロが作戦勝ちしてからの里見香奈女流三冠のがんばりも凄い。

佐藤康光プロの里見香奈女流へのエールの送り方も、女流云々ではなく、伸び盛りの若手へのものとしてであり、そこも感動した。自身の弟子との比較までしており、性差を全く意識していないことが理解できた。


【連載読み物】
月夜の駒音 内館牧子
もうそろそろ終了したほうが良いかもしれない。

感想戦後の感想「第64回」広瀬章人王位 高橋呉郎
この連載はいつも楽しめる。

関西棋界みてある記 東和男
△3二飛戦法を絶滅させる…かもしれない糸谷新手について注目。

【連載講座】
最強久保流振り飛車 さばきのエッセンス 久保利明棋王・王将
△3二飛車戦法についての続編。上記の糸谷新手との絡みで続きがあるかもしれない。


◆別冊付録◆ ―王子から王位へ― 広瀬章人王位の軌跡 実戦次の一手
これは難問揃いでちょっと難しいかもしれない。回答部分のショートエッセイが良い。最終問題の回答部分は女性ファン必読。


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(2010/11/02)
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