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清水市代女流王将vs.あから2010(コンピュータ将棋ソフト)の感想

遂に世紀の対決が始まった。

2010年10月11日 清水市代女流王将vs.あから2010(コンピュータ将棋ソフト)

持ち時間は3時間。戦型はどうなるだろうか?清水女流は居飛車。先後は振り駒だろうか。あからが先手番になって▲2六歩となった場合はかなり厳しい気がする。或いはあから後手番での横歩取りや一手損。女流で流行っていない形になった場合の難しさはあるかもしれない。

個人的には相居飛車が見たいが、対抗型であから穴熊に組んだときに清水女流がどういう陣形を選択するか。

どちらになるにせよ、延々と定跡を踏襲するような将棋には、清水女流がするとは思えないので、力戦調持久戦で斬り合いになるべく持ち込まずに入玉を狙うのがいいと思う。あからが四間飛車穴熊に来たら、右玉にして…と思うが右玉にしてボコられると先日の新人王戦のように恐ろしいことになるので勇気がいるところ。

…とここまでが私の戦前の予想というか期待していた点。

対局は始まってみると後手あからの△3三角戦法となった。清水女流は普段はあまり見せないように思う居飛穴を志向したが、不慣れなせいか、或いはあからが機敏だったのか、囲い切る前に開戦となった。

パッと見の私の意見としては、31手目の▲5九金が緩手だった可能性があるように思う(ただしプロ棋戦でも似たような例はあるとのこと)。32手目△4四角に対する▲4五歩も堂々としているようで危険だったか。

戦いが一段落した44手目の局面。手番は先手。駒割は▲金△桂(歩歩)で判断が難しいが、歩が関係ないとすれば先手だし歩切れの先手に対して二枚持っている後手を評価すれば後手。陣形はこれまた難しいが攻め駒との関係で後手のほうがやや安全だろうか。このあたりの形勢判断はとても難解。

コンピュータがこの桂金交換を許したということは、与えた金の運用先がないであろうこと、歩を二枚貰ったこと(厳密には金と歩歩桂の三枚替え)を高く評価したということなのかもしれない。人間だとこの金桂交換を避ける順から読むはずなので異感覚に映る。

49手目の▲4二角成の瞬間が甘く、後手のターン。得た二枚の桂馬を立て続けに打ち据え、二枚とも丸々金に替った57手目のところでは後手のあからが良いと思うがどうだろう。

ただし、攻め駒の飛車が隠居しており、狙いの先手玉のコビンもまだどうなる感じでもない。どうするのか?と見ていると△5二金打として、彼我の安全度の相対的な差を広げ、あわよくば本譜のようにお荷物の飛車と手数を掛けて作った先手の馬を交換してもらおうというものだった。交換となった辺りでは後手良し。

63手目、二枚の桂馬を得て、後に角の入手が見えている先手が控えの桂馬を▲8六桂と打ち据えたが、これを放置しての後手あからの応手が異筋の好手だと思う。

64手目の局面。ここであからは△6九金と打った。
101011_akara.jpg
この金に▲2四飛と走ると角を打たれて2二の角を取ると先手玉が詰んでしまう。先手陣は金銀があるものの、二枚は上ずり一枚は一段目にあるために守備力が低いのだった。

前述の筋を防いで▲7八金と引くと今度は玉のこびんが危うく、それを狙う△5七角。それに対して▲7七銀と引くと△5六銀で後手の駒が左香以外は全部使えるようになった。
ただし66手目の局面で、プロの見解としては▲7七銀以外の手を挙げる人が多かったようで、▲7七銀と△5六銀の交換は後手がかなり得をしたようだ。(ツイッター上では戸辺プロといつもん氏が▲4九飛を推奨しており、それにて先手が良いのではないか?という話まであった。となると△6九金は悪い手だったか?)。

その後も後手のあからの方に面白い手が連続する。終盤で印象に残った手としては△5五角(頓死筋の防ぎ)、△8五銀(一手スキ)だろうか。特に△5五角は焦りすぎない柔らかい好手だと思う。

結果だけみると序盤は難解だったものの、途中からは後手のコンピュータソフトの圧勝だった。この将棋の異質なところは、先手が歩を手にすることも後手が得た歩を使うことも終局まで一度も無かったということだろう。

清水女流は何の得もない勝負を勇気をもって受けて、この日唯一戦っている生身の人間として正々堂々の勝負をみせてくれた。並の男であれば、平常心を保つことすらままならない戦いだろう。普段はみせない着物姿に込められたものを考えずにはいられなかった。

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コンピュータ将棋の弱点

それは恐怖や痛みを感じないことだと思う。これはコンピュータ将棋の長所でもあるのだが、長所と短所は表裏一体だ。

本局でいえば63手目の▲8六桂に対し、あからは全く受けなかった。(本譜においては確かに受ける必要がなかったが)。数年前に行われた渡辺明vsボナンザの際も、相穴熊に知悉した人間ならば一目の竜切りの筋を、その効果が形としてではなく、実利として生じるのが先だったために候補手として上がらなかったのだった。

今回、合議制であってもその痛みと恐怖心の無さを完全には無くすことが出来なかったようにも思うし、その一方で冷静な△5二金?△2二飛という手があったことを見ると多少は解消されているようにも思う。(どちらの手も合議制によるものというよりは、ある一つの個性をもったソフトによるものの可能性も高いが、違う個性のソフトを組み合わせるメリットが出ている)。

人間側の戦略としては、コンピュータが震えることがないために、気づかぬうちにどうにもならなくなっているような戦い方が良いのだろう。そして現時点では入玉がその一つに挙げられる。


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ではコンピュータソフトの実力はどの位あるのか?

将棋連盟の出版事業を一元委託されている毎コミュ。そこで販売している将棋ソフト激指の広告は機関誌である将棋世界にも掲載されている。そこには控えめではあるが堂々とこのように記されている。

本ソフトの(中略)強さは「将棋倶楽部24」でレーティング3000点台(プロ級)といわれています。



戦前の清水女流vsあから2010の勝敗予想では、元奨励会三段で週刊将棋編集長だった古作氏などが2?8程度を予想しており、これはちょうど女流棋士の対男性プロとの勝率(対男性棋士で2割弱の勝率)に近く、プロレベルであることが確認される。

以下、私が戯言レベルの話として書いたコンピュータ将棋の実力に関するもの。日付が古いものから順番に並べており、一番下のコンピュータ将棋の将棋倶楽部24でのレーティングは3000点以上か?が最新。

もし新四段に8割勝つレベルだとするとプロ棋士レーティングでトップ20ぐらいに位置することになる。ここを上限とし、最大で見積もってプロのトップ20と同格、最低でも奨励会三段リーグレベル。ということになる。

私は何度か清水女流が男性棋士と戦う姿を見ているが本局ほどの圧勝劇というのはなかなか無いように思う。少なくともプロ四段クラス以上であることは間違いないのではないか。

今後、連盟が指定する男性棋士が対局する予定であり、最終的には名人か竜王が対戦するとのこと。名人竜王といえども、100%勝てる相手ではなく、せいぜい7?8割ぐらいだろう。そして現時点の羽生・渡辺に2?3割勝てるプロというのは低位?中堅クラスぐらいに位置しているという事実があり、そこから考えるとコンピュータ将棋は既にプロの中堅ぐらいまで来ている可能性がある。

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コンピューター将棋(将棋ソフト)の実力(レーティング)は奨励会入品レベル

続:コンピューター将棋(将棋ソフト)の実力(レーティング)は奨励会入品レベル?

コンピュータ将棋のような、羽生善治プロの第一次全盛期(の将棋の例)

コンピュータ対羽生名人まである可能性

#csalive ターミネーター製造工場の視察 ?第20回世界コンピュータ将棋選手権を3日間眺めての感想?

コンピュータ将棋の将棋倶楽部24でのレーティングは3000点以上か?
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Tag : 将棋 穴熊 △3三角戦法 清水市代 あから GPS将棋 ポナンザ 羽生善治 渡辺明

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