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北浜健介vs藤井聡太(第91期棋聖戦二次予選)の感想。

終わってみれば完勝でした。が、序盤から謎すぎる展開で、しかし藤井聡太七段がほぼ時間を使っていないのでこれで互角以上なんでしょうね。特にびっくりしたのが22手目の時点で前例が1局という。先手が中飛車で22手目で前例1つっていうことは今までなんだったんだ!みたいな気もしなくもないですが、ソフト研究が進んでいる証拠でもあります。

先手はわりと今までの常識的な手順なのですが後手は右金の活用方法など、大山升田時代っぽく古風にも見えますがソフト研究の裏付けがあるという。奨励会三段のコメントとしても驚いていない感じです。確かにソフトは桂馬の頭の弱点をカバーするために金を使う(すると歩で叩かれても銀ほどダメージがない)ですよね。

32手目の時点で北浜さん曰く「有効な手が思いつかない」とのこと。プロでそうだとすると、アマは初手から全然わからないのも仕方ない気がしますし、より序盤固定の意義があるなーと思いました。

41手目の局面、後手の進展性がなく先手はわかりやすい進展性があるので先手がいいのかな?と思ってましたが評価値的にはどうなんでしょうね。後手が飛車を五筋に持ってきて攻めが始まるわけですが結局後手の囲いはここからそのままでしたし、やはり囲いや固め方については従来の常識が通用しなくなっている気がします。ここの局面をどうみるか?ここから進展させるのか攻めるのが常識なのか?の違いは大局観として大きな差異だと思います。

先手は本譜では固めて、後手は割とこれで行けるの??と不安になるような金を使った攻めを行いました。金で桂頭をカバーするのはまだわかるんですが、棒金に代表される金を使った攻撃はややもっさりしているというか、本譜のように最終的には金が遊びやすいので大丈夫なのかな?と。

しかし後手は囲いが完成してから飛車と金と歩しか動かさずに絶妙に攻めを成立させました。おそらく先手の北浜さんとしては固めておけばあれだけ遠い所からしかも金と飛車だけで攻めてきても陣形の実利があるから大丈夫、と思っていたのではないでしょうか?私もそういう感じで局面を眺めていました。

66手目の局面、後手の飛車成がほぼ確実となりましたが、どうにも重い。今見ても重そうに見えます。ただ、北浜さんの感想にあった通り、ここで既に思わしくない、評価値的には後手良しになっているのかもしれません。

92手目の局面まで、やはり藤井聡太七段は金と飛車と歩、あとは拾った香と桂だけしか使ってません。両者の金が7-9筋で遊びつつ、桂馬と香車が活用できて竜の効き具合に差異があるのでここでは後手が優勢になってます。

この局面までの指し方を見ていて、やはり現代風というかソフトの大局観を思い出しました。私は駒落ち(飛車落ち)をソフトで研究しているのですが、ソフト同士に自分の指した序盤から指し継がせると、驚くほど地味な展開になります。じりじりと鍔迫り合いをするような将棋です。本局もまさによくなるまでの後手の指し手がそういう感じで、先手が実戦的には難しいでしょう、という風に固めている間に徐々に徐々に評価値が後手側に傾いていった可能性があります。

良くなってからの藤井聡太七段の寄せは圧巻で、そこからはほぼ完勝だったように見えます。ここ最近の将棋をみているとさらにレベルアップしているような気がします。この棋聖戦が最年少タイトル獲得のためのラストチャンスなわけですが、中学生プロを実現させたように、少なくともこの棋戦もかなり勝ち進んでくれるのではないか?と思いました。

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テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 藤井聡太 北浜健介

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