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2019年、或いは2019年4月からの新年度は藤井聡太の年となるか?(今年の流行戦法は?)

久しぶりに自分で書きます笑笑。

いかに中学生(で四段になった)棋士といっても頂点に行き着くまでに一度はちょっとした停滞が在るものだ。少なくとも過去の中学生棋士はそうだった。

しかし、藤井聡太の場合は一局毎に精緻に見れば勿論惜しい負けはあるものの、一定期間で見たときの継続的な落ち込みは見られず、寧ろ少しの対局がつかなかった期間でそれ以前の弱点や課題点(がもしあったとすれば、ぐらいの些細なものがほとんどだが)を修正しているように見える。

今年の目標として藤井聡太はレートを100点あげたい(過去の自分と対戦して65%勝ちたい)と言っており、もしそれが実現するのであれば、現時点で既にトップ5の強さがあるので、(ポルシェかフェラーリが来ると思ったら戦闘機が来たという例の例えでいうと)藤井聡太という規格外のジェット機は、短い滑走路を猛スピードで駆け抜け、あっという間に離陸することになりそうだ。

昨年は、一言で言えばコンピュータの進化とプロ棋士におけるその導入が一層進んだ年だった。ほぼどの棋士も、アナログ派と思われている棋士も含めてほぼ全員がどのような形か、どの程度かはさておき、ソフトによる研究、分析を導入した年だった(はずだ)。

その影響もあり、瞬間的に戦法が拡散し、それがあっという間に集約された年だった。渡辺明の復調が、その軌跡と被っていたように思う。雁木調の作戦が一時的に拡散しすぐさまいくつかの展開に限定され、そして指されなくなった。

先手雁木にですら超急戦策が有効である為、雁木は廃れてしまった印象。桂馬を単騎で跳ねる作戦も基本的には廃れた。プロの将棋は手の殺し合いなので余程の好条件でないと成立せず、双方その手順を警戒するため、出現しなくなった。

矢倉は前述の二つの作戦以前に難しくなっており、後手番の振り飛車も同じ頃にはかなり難しくなった。

そういう流れの中で後手番の指せる作戦はほぼ角換わりに限定されている。その中でも腰掛け銀にのみ、5割以上勝てる可能性がある感じで、ほかの戦型は苦労が報われにくいので研究のしがいが無さそうに見える。

将棋のチェス化というか、後手番の難しさを如何に混沌とさせるか?が今年のメインテーマなのは昨年のタイトル戦動向のままだと思う。

今までは後手番の閉塞感が出てくるたびに色々なブレイクスルーがあって戦型の多様化時代と限定化時代を繰り返して来たが、いよいよ遂に集約化時代がやってくるのではないか。

先手の趣味や嗜好性としての作戦以外は、だいたいが角換わり腰掛け銀になり、その細かな手順の組み合わせで複雑化できるかどうか?だけが争点、という時代。

この辺実際にどうなのか?については、今年の三段リーグの将棋(いつも新しい作戦はここで生まれる)と、タイトル戦における先後の勝率(トッププロ同士が長い持ち時間で戦う)を見て判断したい。

仮に上記のような方向性で進むとして、今後はどのような棋士が勝つのか?というと、実は古い定跡、矢倉や対抗形の急戦などを修行時代に会得した棋士たちの活躍が(少なくとも一定期間は)続くのではないか。

例え話で言うと、古いインフラの整備された先進国と、その辺りをすっ飛ばして社会が構築されつつある発展途上国のような印象がある。

最先端の携帯や電子マネーの活用度や普及度で言えばリープフロッグ的に進化を遂げた発展途上国が秀でているが、全体的な完成度、トランザクションの最初から最後までを見たときの総合的な評価としては、実は、何はともあれ土台が構築されている先進国の方が勝ちやすい、或いは安定的、ボラティリティが小さい、といったような。

今年度の及川の活躍がその辺の可能性を示しているように思う。

ただ集約化時代が更に進むと戦型における中盤の掘り下げが進むのでまた話は変わってる気もする。そこに到達するまでにどのぐらいの時間がかかるのか?でタイトルホルダーの顔触れが変わるようにも思う。

究極的には振り飛車党が遂に絶滅するかもしれない。これは羽生さんが言うところの、「AIが60%こちらが有効である、と示した時に、95%の人がそちらを選択する」という話に近い。

もちろん(比較的不利とされた方向を掘り下げる人が激減したとしても)、中終盤力という基盤がしっかりした少数の振り飛車党は少なくとも今まで程度には勝ち続ける、というシナリオが現実的な気はするが。

話を藤井聡太に戻すと、来期は二つぐらい、タイトル戦挑戦者になるか、少なくともその手前までは来てくれるような気がする。

タイトル戦挑戦を決めた場合、その数がいくつであれ、全て獲得してしまうのではないか。持ち時間が長ければ長いほど強くなる印象があるので、はやく二日制での藤井聡太を見てみたい。反射神経に優れている年齢のうちに、死ぬほど深く読める藤井聡太の二日制を見てみたいのは私だけではないはず。

そしてその時に藤井聡太が後手番でどういう作戦を採るのか、どういう方針で後手番をやりくりするのか?が棋界全体に大きな影響を与えると思う。

長々と書きましたが、今年もよろしくお願いします!
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