藤井聡太、第2進化形に変身したかも?(朝日杯楽しみすぎる!)

第49期新人王戦は藤井聡太が先手となりました。

▲藤井聡太五段vs△古森悠太四段

序盤は後手番の古森さんが少し凝らしたかんじ。両者はやはり修行時代は被っているようで、しかし古森さんから「級位者時代は勝てたけど段位者になってからは勝ってないので頑張りたい」というコメントがあった模様。

戦型は角交換振り飛車でしたが、後手の銀が22に進む若干重そうな形に進み、後手から△35歩と無理気味に仕方なく仕掛けた時点ではもしかすると先手が指しやすいかもしれない、とのことでした(歩得のため)。

まだ中学生ですが老獪だなと思わせたのが37手目からの手順。流れ的には後手は二筋が自身の駒で詰まってたのが歩を代償にしつつ開通したのでそこをうまく活かして行きたいものの、それだと▲95歩がキツいということで本譜の△29角を選択。

そこからの手順はプロでも「もしかしてだけど~」というぐらいの感触の手だったようで、第一感ではない構想。ネット上でみたプロは一様にその手順を褒めていました。

ここに藤井聡太さんの凄さがあるなーと思うのですが、要はプロの世界というのは第一感の手が非常に近いなかで戦っていてパッと解説を聞いてる限りは7割以上は一目の手が合致しているように思います。

もちろん形勢が悪い方が変化したり棋風に殉じて指したりすることがあります(が、それすら解説の棋士が「◯◯さんだったらこう指すかもしれませんね」というような感じで当てることが多いです)。

藤井聡太さんの凄さは色々あるわけですが、まずはその詰将棋の回答能力に示されているように、読みの深さが挙げられます。そこは今までも十分に示されています。本局の手順・構想力はその読みの深さを活かしたものだと思いました。後手が一歩損しているので攻め合いではなく相手に動かせて完璧に切らせてしまおう、という前提があり、その前提に基づいて手を探索した印象があります。

人間ならではの経験を活かした大局観と、局面に対する先入観をもたないソフトのような深い読みのバランスの凄さがでているように思いました。今までのプロ棋士の考え方では良いときは自然に(第一感に基づいて)指して、悪いときはなるべく混沌とさせる…という感じだったと思いますが、藤井聡太さんの棋風はもっと一段踏み込んでいるように思います。特に相手が悪そうな時にその特徴が出つつあるような。

これはもはやポケモンじゃないですけど、年明けの連勝とその内容をみると第2形態に進化したのではないでしょうか。

そして終盤のクロージングの手順が凄かった。持ち駒が桂馬2、角2ということで如何にも藤井聡太さんっぽい駒が駒台に乗っていたのでどういうふうに組み立てるのか?と思いましたが鮮やかでしたね。


さて、土曜日はいよいよ羽生さんとの対局があります。非公式戦では1-1ですがあまりアテにならないでしょう。初戦の炎の七番勝負では羽生さんも良くないと知っている変化に敢えて飛び込んでみて、相手のチカラを試していた感じがします。勿論600点のハンデを貰ってそのまま勝ちきったことが藤井聡太さんの凄さではあるんですが。

二局目は獅子王戦という非公式戦でした。こちらもやはり羽生さんが相手のチカラを見に行っている感じがあり、またファンを意識した面もあり藤井システムでした。こちらははっきり羽生さんが勝ちきりまだチカラの差があるのかな?と思いました。しかし既にあれから時間が経っています。10代半ばから後半というのは最も棋力が伸びる時期のはずで、最近の藤井聡太さんの将棋をみるとそれを感じます。

現時点の藤井聡太さんの棋力はどのぐらいなのでしょうか?私は以下のようにつぶやきました。

現時点での棋力でいえば、羽生さんのほうが総合的にみて上の可能性が高いです(トッププロ中のトップなので当然ですが)。羽生さんは朝日杯でこの対戦が実現することに対して並々ならぬ意欲があったように思います。ちょうど叡王戦での佐藤天彦戦でものすごい粘り方をしていた将棋を思い出しましたが、前回の朝日杯では藤井システム連投で若手を連破しました。二局目は特に専門的にみれば2・3回はハッキリ負けの局面があるぐらいの泥仕合を乗り切っての勝利です。

土曜日に羽生さんが何を指すのか?はまだわかりませんが、羽生さんの頭のなかにはもしかすると自身が若かった頃に対局した大山康晴先生の姿があるかもしれません。大山vs羽生戦で異例の指し掛けにして青森で公開対局にした…という凄い話もありました。前回の流れから言うと羽生さんはまた先後問わず藤井システムにするのではないか?という気がしています。

藤井聡太さんも少しその可能性を考えているのではないでしょうか。藤井システム以降の三段リーグを抜けてきた若者には知識としての藤井システムはあっても実戦としての経験値は乏しいはずです。持ち時間が短いので藤井聡太さんが前述したような深い読みに裏打ちされた柔軟かつ遠大な構想をみせることも難しいでしょう。

どういう将棋になるか今から楽しみですが、この将棋だけは全ての将棋ファンがリアルタイムで見るべき(棋譜だけを追うでもよいです)だと思います。私はチケットが取れませんでしたが、ネット動画と棋譜中継で楽しみたいと思います。当日はみんなでツイッターで盛り上がりましょう!
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Tag : 羽生善治 藤井聡太

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