糸谷将棋の魅力 第67期王将戦挑決戦リーグ▲豊島将之vs△糸谷哲郎

かねてから公言している通り私は糸谷哲郎のファンです(知らなくて当然な情報ですが…)。

今の一押しはやはり藤井聡太さんですが、糸谷哲郎の将棋はやっぱりおもしろい。この前の佐藤天彦名人に中終盤でシッチャカメッチャカになった気がするのに時間を残して勝利。そして今回もまた、現時点で棋界最強と思われる豊島将之さん、しかもその先手を相手に圧勝しました。1時間半以上時間を残して。

今朝私が行った戦前の戦型予想は思いっきり外しましたが、後手番で一手損角換わりを主戦法にしていた頃の糸谷さんと、今の糸谷さんは違う。多分、年齢が近い棋士にとって将棋普及のための仲間としてこれほど頼もしく、対戦相手として対峙したときにこれほど嫌な相手は居ないのではないでしょうか?笑。

糸谷さんの凄さは何と言っても力強さ。薄い玉を苦にしないところ。悪くなってからの怪しい指し回し。持ち時間の残り具合に影響されない、震えない早見え早指し…などが挙げられます。数学的な解析能力で局面を処理しているというよりは…雰囲気。雰囲気で指している感じが否めないw

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こんな↑かんじですね。

…というのはもちろん冗談で、糸谷さんの名言として「直感は経験の集積から成る分析」というのがあります。まさにこういうことなのでしょう。糸谷さん本人にとってもある意味ブラックボックス化された思考エンジンが過去の経験から導き出した最善手を示している、そういう感じです。あんまり最善手っぽくない手が多い印象があるんですが、独特な将棋観を構築するような過去の経験があるんでしょうかね?

個人的には相穴熊とか始まると大体棋譜はみないです。自分が穴熊をやらないので。プロは商売なので仕方ないと思いますがアマチュアは楽しんでナンボ、だと思うので楽しい作戦で戦っています。

玄人好みの指し回し、も似たようなものがあって負けない指し回しが職業棋士としてはもちろん重要だと思います。ただ、藤井聡太さんや糸谷哲郎さんのように、薄い玉を厭わず、踏み込む所ではしっかり踏み込んで勝つ、そういう将棋をエンターテイメントとしては鑑賞したい気持ちがあります。羽生さんの将棋もそうですよね。

いま、糸谷哲郎さんのファンサイトの糸谷哲学を全面改修して(もらって)ます。しばらく時系列でキャッチアップできていない所も追々更新していく予定です。先日の佐藤天彦戦、今日の豊島将之戦で糸谷将棋の魅力を再認識しました。

以下、個人的に気になった本局のポイントについて簡単に触れます。

先手の豊島将之が角換わりではなく雁木系に進めようとしたのがまず最初のポイント。47銀型ではなく57銀型。最近人間が指す雁木では古来の57銀型も多いように思う。後手は右四間飛車に構える。先手は対右四間飛車によくある専守防衛の形。先日の行方渡辺竜王戦では79に角を引いた手が悪そうに見えたが、本局は88においたままの徹底抗戦という雰囲気。

小競り合いののち、先手が後手の攻めの桂馬を攻めてと金をつくる展開となった。手順や形は全然違うが、行方渡辺竜王戦でも後手の桂馬を攻める手があまり効いておらず後手が優勢になった。本局もと金は作ったものの、後手玉から遠く、しかも8筋に動かすようでは辛かったかもしれない。

そこで攻守交代で後手の反撃に。4筋に飛車を回った辺りでは、後手玉に囲いが存在しない状態ではあるものの既に指しやすくなっている可能性がある。しかも指しているのが糸谷哲郎である。一頃の一手損角換わりの大変さを思えば条件が良いほうかもしれない。そこから金銀のスクラムで盤の中央での勢力を維持し、飛車交換を強要、同玉と取った局面ではトッププロ同士だと後手が勝ちだと思う。

だとすると、かなり序盤まで遡ることになり、下手すると▲55歩からの開戦が駄目で、9筋の端歩を突きあって角を88から動かせる余地をつくるべきだったのかもしれない?

後手の攻めの桂馬を攻める展開というのは、トッププロでもなかなか上手く行かない…という例を2つみたことになる。私も実戦では控えようと思いました。

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