右四間で圧勝。 第76期順位戦A級行方尚史八段vs渡辺明竜王

昨日行われたA級は渡辺明竜王の圧勝だった。

戦型は行方さん先手ということで後手が追従すれば矢倉になる。後手の渡辺明竜王は藤井聡太四段が得意にしている右四間の形に。これで藤井聡太は森内さんをNHK杯で破り、またアベマTVの非公式戦でも行方さんを撃破している。よって行方さんとしては経験のある形で備えがなかったわけではないのだと思うが…。

27手目の飛車先を交換した時点で既に先手の得がなくなっている可能性がある、というのが将棋ソフトが強くなった現代の感覚。飛車先の歩の交換に得がある…というのはもはや古い感覚になっている。

本譜は得た一歩を活かす意味で後手の右桂の桂頭攻めを先手が敢行したが、危険だった。後手は先手の言い分を聞いた形にはなったが、先手のお陰で7筋の歩が切れたのが大きい。後手の構えが完成しているのに対し、先手玉は矢倉に入城できるめどがたっていない。

37手目にして既に先手に敗着とは言わないまでも後手ペースになる一手が出る。▲79角。これで後手の右四間の炸裂が確定した。85桂と跳ねた手にどのように応じても66の地点への利きが足りてないので本譜のように角金交換にはなるが後手の攻めが続く形となった。

結果論にはなるが、76銀と立つか、68銀しかなかったようにおもうし、それが駄目なら序盤の構想として相当最初に遡る必要がある。少なくとも数局みた限りでは後手番が勝ちやすい、あるいは攻め立てる展開にはなりやすいので先手番としては面白くない気がする。

52手目の39銀で一丁上がり、というかんじ。後手は77への叩き、6筋への歩、2筋への飛車の転回…など攻めに困らないし、陣形も金が離れていることすら飛車の打ち込みに強くなっていて手の施しようがない。

矢倉が終わった…かどうかは分からないが、こういう将棋をみていると、昔からアマチュアのための作戦、みたいなニュアンスのあった諸戦法が実は相当に優秀だったことがわかる。原始中飛車や石田流、右四間飛車…など。

渡辺明竜王は現代の最新の戦法や感覚についていけていない…と言っていたが、余裕のある自虐だったようで、元々細い攻めをつなげる技術は素晴らしいので穴熊的なものからこういう激しい作戦にシフトしたほうがよいのでは?と思った。

どのみち勝率もここから七割には今期は戻らないだろうし、野球でいえば多少失点があったとしても打ち合いの試合のほうが面白い、と無責任に考えました笑。

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Tag : 渡辺明 行方尚史

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