28連勝!再び角換わり。▲藤井聡太vs△澤田真吾(王将戦 一次予選)

28連勝。

藤井聡太がまだ発展途上であることは間違いない。しかし同時に現時点でトップレベル以上であることも間違いないと思う。谷川浩司が終盤の概念を変え、羽生善治が序盤の体系化を進めたように、藤井聡太はパラダイムシフトを起こした。圧倒的な詰将棋解答能力と従来の知識の上に、AIの感覚を取り込むことに成功した唯一の棋士であると言える。

まだ従来の将棋のコモンセンスに自身の下地が埋め尽くされる前にソフト活用を始めたことで他の棋士よりもよりその感性・感覚を取り入れることが出来たのだと思う。藤井聡太自身で言語化できるのかどうかは分からないが確実にその活用しているソフトの読み筋・スタイルを取り込んでいるだろう。

私はやはり藤井聡太が20歳になるまでに殆どのタイトルを獲得している未来しか見えない。

以下、昨日の将棋の感想。

藤井聡太四段先手で角換わりに。澤田さんに用意があるのでは?と予想していましたが逆に藤井聡太が▲5八金型に構えた。

ちょうど先日の叡王戦、梶浦宏孝四段との対戦では後手番をもった藤井聡太が先手番の形を採用するということは感想戦やその後の検討で試したい構想があったということだろう。前例は6局。

それに対して澤田真吾は研究にハマるのを嫌ったのか、前例のない△6五歩で早々に開戦した。パッと見た感じでは後手からの攻めが無理気味に見えるので先手がそのうち良くなるのではないか?という印象を私は持った。

後手の澤田真吾は8筋を突き捨てずにじっと△76歩としたがここで緩むようだと厳密には先手にポイントが上がっている局面に見えるがソフトの評価値的にはどのぐらいどうなのか気になるところ(誰か教えてくださいw)。

先手の藤井聡太は少考から▲6三歩。この手に後手は△7二金とかわすしかないのがこの角換わりの独特なところで、これでバランスが取れているというのは正直私には信じられない。玉が42にいて、63の歩をとれずに金をさらに一路玉から遠ざけて大丈夫、というのが凄い度胸というか。

先手は続けて▲73歩も決める。後手はどちらの歩も取れないので△71金。81飛車との関係性が最悪(横利きを消している)がここで先手の攻めは続かないでしょう、という手でもある。先手は質駒の桂馬をアッサリとり、後手に手番が渡った。後手の澤田は飛車に銀を引っ掛けて、銀の取り合いで馬をつくったが、▲55角で馬を消された。次の△28角(▲38飛車、△19角成)が甘かったのか、あるいはそこに至るまでの手順(先手の飛車に働きかける手順)に問題があったのか分からないがそこから先は先手が良くなっている気がする。

そこから先も勿論難しい。控室の手と藤井聡太の手は一致しないままに、先手の模様が良さそうなままに進む。そしてやがて先手勝勢が告げられ、ついに藤井聡太四段が28連勝タイ記録を達成した。

以下、棚瀬さんのツイートを引用。


プロだと大平さん、アマでもこの将棋では●●には勝てないという表現をされている方を散見しているが、その様子はプロとソフトが戦った時の初期の言葉によく似ている。ソフトが恐ろしいのは苦戦気味になってからの指し回しである。

恐らく藤井聡太の恐ろしさにはまだ二段階ぐらい見せていない姿があると思うので今後当たるプロには是非藤井聡太を追い込んでほしいと思う。その時にソフト活用の別の側面、羽生マジックにも似た何かが見えるのではないかと思う。

澤田との初戦がその片鱗だと思うがより洗練された形で今後もああいう恐ろしさを見せてくれることになると思う。



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