青嶋未来の将棋に注目。

青嶋未来。小学生の頃から全国大会で実績を残している天才である。奨励会時代の成績は可もなく不可もなくというところ。四段昇段も12-6なのでそれほどずば抜けた感じでもない。


順位戦参加1期目を9-1で抜けているが、正直当たりが悪くなかったので取りこぼさずに上がったんだな、ぐらいにしか思っていなかった。前期は私があまり将棋を観れていなかったので個別の将棋の内容は観ずにそのように判断していたのだった。


今期も二連勝スタート。七夕の日に行われた豊島将之戦も勝っていた。この豊島戦、途中までみていたのだが、相穴熊で先に手がついたのが後手の青嶋陣で、ちょっとこうなると先手が勝つのだろうなと思って寝た。起きると青嶋未来が勝っていた。


実は寝る前に、青嶋の勝率がいいことと、順位戦の第2戦目の将棋もなんとなく違和感があったので今期の初戦もみてみたのだが、結構悪そうな将棋を逆転で勝っていたのだった。二戦目もやはり圧勝という感じではなく、これで勝つのか・・という感じの不思議な将棋だった。


そして、あの豊島将之にあの展開から勝ったのか・・・と驚いて棋譜を再生すると、やはりなんというか独特な雰囲気のある将棋だった。糸谷哲郎の不思議さにも似ているが、あそこまで荒ぶらないというか、もっと暖簾に腕押しっぽい棋風。


気になったので、前期の順位戦の初戦も並べてみたが、これまた不思議な将棋。多分これは先手の村中のほうが良いよなあ・・というところからなかなか決まらずにいつのまにか逆転している。


佐々木勇気だと、背負投げのような、一本背負いのようなクルリと形勢が入れ替わるような鋭い手順があったりする。(以前の)糸谷哲郎だともっと悪くなっているところから粘り倒す。青嶋未来のはその中間というか、ちょっと辛そうだけど具体的にどうするのかわからないところで、その状態を維持するのが上手い・・・という感じ。


悪くなって粘ってるわけでもない。かといって悪くなってないかといえば多分少し悪くなっている。ただ、相手の模様が良さそうな状態のままで何故かそれが維持されていく・・・という面白さがある。


居飛車と振り飛車をバランスよく使いこなすのもこの不思議な中盤力にあるのだろう。糸谷哲郎が将棋倶楽部24で修行したように、インターネット将棋やコンピュータソフトの経験を感じさせる棋風だと思う。


終盤は間違いなく強いのだが、そこに至るまでの手続きが普通のプロとはちょっと違う。これからも青嶋未来の将棋には注目したいと思う。
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青嶋五段の四段昇段時の勝敗は16-2ですよ。歴代トップタイの成績ですね。

No title

四段昇段は16ー2
歴代トップタイ
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「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

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