羽生が連敗。


羽生善治が連敗。しかも若手相手に。いやーこれは・・・これはもしや・・・世代交代!と思いたくもなりますが。ものすごいことが起きたようにも思えますが、しかしどちらも羽生さんが後手番だったということも事実です。

ひところの、A級順位戦における先手番勝率を考えると(いまももしかしたら続いているかもしれないですが)、やはりトップクラスの棋士であればしっかりとサービスキープしてほしいところです。ただ、今までは後手番が羽生さんとなるとそうもいかなかった・・・という感じ。

そのなかで才能があり継続的努力を怠らない世代がようやく台頭しつつあります。なんだか自分が「日本は財政破綻する!」といいつづけて早二十年、の経済評論家になったような気もしますが、ようやく遂に羽生世代も大変じゃないのかな?という感じがしますよ?

羽生世代も40半ばになって、自分の子供と同じぐらいの世代がプロとして十年ぐらいのキャリアを積んできたことを考えると辛いでしょう。


羽生世代をやっつける世代。しかし世代とひとくくりにするには広すぎる感じもします。ざっくりといえば現在二十代の棋士達。ただプロ入り後の経過年数で考えると大体十年ぐらい経っている。豊島、糸谷、広瀬、天彦、そのへん。

そう考えると、台頭してきた若手のなかで一番若いのが永瀬拓矢。先日羽生を竜王戦で破った永瀬拓矢はまだデビューして5年ぐらいなので相当早い感じがする。研究の鬼というよりも勉強の鬼。努力を努力と思わないというか努力することが当然である、という永瀬拓矢。勉強は月に何日ぐらいしていますか?と聞くと入れられるだけ入れる、と答えるような男。その積み重ねが5年のキャリアで棋界のトップと勝ち負けになっている理由なのでしょうね。

永瀬拓矢はノーマル振り飛車でデビューしその後居飛車に転向した。菅井竜也も居飛車を指すようになっているが、永瀬拓矢のほうがうまく持ち味が居飛車でも活かせているようにも思える。キャリア5年ぐらいで棋風転換もしててそれでここまで羽生さんに勝てるとなると相当な才能だと言わざるをえない。順位戦でなかなか勝ち星に恵まれないのは懸念材料だが、羽生さんに勝てることが信頼となり、そのうちすんなりと上のクラスにあがっていくのではないかと思います。今は若干、先輩たちがムキになっている感じがしますが、そのうち諦めてくれるでしょう!

永瀬さんの今回の竜王戦における対羽生戦での指し回し、素晴らしかったですね。あれは定跡形なんでしょうか。そういうふうには見えなかったんですが、もし力将棋だとしたら、羽生さんにごまかされずに勝ち切るというのは凄いことです。このへんは、前期の竜王戦で初タイトルをリーチ一発ツモした糸谷さんと一緒ですね。

羽生さん相手に、先手番で、騙されずに勝ち切る。ここがまずはスタート地点のようです。

それを基準にすると、豊島さんと広瀬さんは若干騙されてる感はあります。二人とも人間的に素直なタイプなんじゃないでしょうか笑。羽生さんの対相手、雰囲気読む感じにまんまとやられてしまっているというか。

糸谷、永瀬はちょっと違いますよね。糸谷は天然っぽいし、永瀬はいい意味でひねくれてる。天彦もどっちかというとこっちタイプで、とにかく震えない感じがします。とよぴーは震えないんだけど素直すぎる気がする。広瀬さんは純朴な感じ。はい、全部私の印象なので全く根拠無いですが…。


で、先日竜王戦で負けた羽生さんは、王位戦で広瀬さんと第三局をやったわけです。初日の指し回しをみて思ったのは、後手番で歩を損したとはいえ、ひとまず先攻の権利は得たので気分はいいなと。そう私は思いました。横歩取りというのはそういう戦法ですから、ちょっと無理かな?辛いかな?でも攻めちゃうよ・?攻め続くかな?細いかな?ってかんじで攻めてく。街頭ナンパ師みたいな作戦です(そんなことない)。

馬を作ったところでは、先手の広瀬さんが生角を手放しており、鬼辛抱すぎるだろうと。馬と角の性能差でさすがに羽生さんが良いのでは?と私は思っていました。しかし感想戦のコメントをみるとそんなこともなかったみたいですね。常に楽観視しない羽生さんということはあるものの、馬はあるけど二歩損なので・・・と自信なさげでした。私としては「でも角があんなところにいますよ?」と思いましたけど、羽生さんがいうのであればそうなのでしょう。

後手は元々ぎりぎりに攻めていく戦法です。そういう中では形勢の差はわずかなものの、ぎりぎり勝ってる状態のままゴールするのではないか?と。特に羽生さんが指しているので大体の人がそう考えたのではないでしょうか。

事件は最終盤で起こりました。幾つか選択肢があったなかで羽生さんが選んだルートはそれでも勝ち切る手順はあったものの、恐ろしい展開を含んでいました。

さっき、広瀬さんのブログを読んだんですがどうやら詰んだのは読み筋というよりは偶然だったみたいですね。わりと正直な性格(だから羽生さんの曲線的な展開にごまかされる!)なので本当だと思うのですが、詰む!と思って詰ましたというよりは、その筋しかない展開だったので突っ込んでみたら詰んだとのこと。

ただ、読みきれずに突っ込んでちゃんと詰ますのがさすがの終盤力ですね。有利のままにそれを維持して勝つのがベストではあるものの、不利でも辛抱して届く差足ってのは魅力です。本人もこれで我慢のしがいが、今後も出てくるでしょうし。羽生だ、ダメだ・・ってならないだけでもかなり大きい気がします。そういうタイプだけが、きちんと先手番で勝ち切っているので。。

羽生さん2連敗しましたが。次の相手は北浜さんっぽいですね。北浜さんといえば、相横歩取りで羽生さんをぶっ飛ばした(旧いネタ)のを覚えてますが。さて、どうなるか。
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基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

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