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人間、連敗。電王戦第二局、やねうら王対佐藤紳哉

昨日は第二回電王戦第二局があった。対局開始からじっくりと観れる日であり、私にとっては第二回電王戦の初日…みたいなものだったのだが、結果はまたしても人間の完敗。

色々書きたい感想はあるのだが、時系列で簡単に振り返りたい。

まずは当日の朝。対戦前の騒動はあったが、対局を楽しみたい気持ちは変わらなかった。

対局開始前に私はTwitterで「とはいえカツラを被って来るんじゃないの?」みたいなことをつぶやいたが、とんでもなかった。そんなショウなんかではなかったことを一撃で思い知らされた。

佐藤紳哉プロの眼差しというか表情が、真剣とかそういうレベルのものではなく画面越しにも普通に怖さが伝わってきた。怖い人だな…と私は思った。羽生世代のノリに慣れ切っていた私には新鮮な驚きだった。街で前からあの眼差しの人が歩いてきたら、確実に道を譲るレベル。

しかも後で出てきた棋士たちや観戦の飯島さん木村先生曰く普段からああいう感じだという。順位戦速報の写真でよく夕食休憩中も考える佐藤紳哉プロの姿を写したものがあったが、そうかこういう表情で読みふけっていたのかと感心した。

写真では写し出さないもの、映像では映し出さないもの、実物でなくては伝わらないもの…三者三様にあると思う。そしておそらく文章にしないと伝わらないものもあるのだろう。

そういう意味では、あの第二局は佐藤紳哉というプロの勝負に臨む際の姿を万人に知らしめたということだけで、有意義だったのではないか。

そして初手。まさかの端歩。勿論無い手ではない。しかし完全ランダムで出る手なのかはわからない。出現頻度が過去のデータベース上の存在している比率に関連するようなロジックが組まれていれば、かなりの奇跡的な事態だと思う。

これを見て挑発とは言えない、普通の手であるという話もあったが私は挑発行為ととるかもしれない。もし人間にやられた場合は。勿論、一見同士の戦いの時に相手が振り飛車党かどうか?を見るということも以前はあったが、最近は少ないと思う。

先手のやねうら王は端歩を突き越してノーマル四間飛車に構えた。先手番でこの作戦を取る人はプロではもう二三人しかいない。

プロとしては平均的なレーティングを持つと思われる佐藤紳哉プロを相手にして、ノーマル四間飛車で勝てる人間はどれだけいるだろうか。

私はこの電王戦のようなコンピュータ将棋ソフトとの戦いが始まった当初から、この対抗系が出現するのを心待ちにしていた。

図らずも、第一回戦の菅井プロが飛車を振り、第二回戦ではやねうら王が振ってくれたことで、表裏両方見ることができた。

そして最も人間とコンピュータ将棋の実力差を測りやすいと考えていたコンピュータのノーマル四間飛車にプロの居飛車穴熊。しかも持ち時間は五時間。これでプロが敗れるならば、その負け方にもよるが、相当にコンピュータ将棋ソフトが強いということになる。

序盤のやりとりは人間の目で見た限りは人間側、後手側が十分な体勢に見えた。しかし、そこから中盤で人間のミスを咎める形でクルリと形勢が入れ替わった。

桂馬を丸得した時には、これは勝つべき将棋になったと私は考えた。こういうシンプルな駒得を勝利に結びつける技術を高精度でもっているのがこのプロ棋士達なはずだから。

しかし、幾つかの構想上の疑問と、手順前後、▲8三飛車という悪手…などにより、穴熊の強みが生きなかった。投了図が示すのは圧倒的な力の差だと思う。

第一回で一勝しただけでそのあとずっと勝ちのない状況が続いている。そして今回の敗戦がコンピュータ将棋ソフトと将棋プロ棋士の実力の位置関係をしめしたと私は思う。

河口老師の「こりぁ、大山将棋よりも強い…」という言葉が真実を表していると思う。この河口老師の観戦記がとても楽しみだ。

平均的な強さのプロ、しかも居飛車党の居飛車穴熊に、ノーマル四間飛車のしかも美濃囲いで圧勝するとしたらその棋士の実力は控えめに見積もっても、プロのトップクラスにあると言えるのではないか。

次の豊島将之は棋界ではトップクラスの棋士であり、出場可能性がある棋士の中でも最も強い棋士である。要するにこことの対戦結果、その内容によって棋界のタイトルホルダーとの棋力差が明らかになるのではないか。

三浦弘行戦の再来になる可能性が高いのではないかと現時点では考えている。

気は早いが次回の電王戦をやるとしたらどのようにやるべきなのだろうか。タイトルホルダー勢ぞろいで二日制でやったとしても果たして全敗にまぬがれることができるのだろうか。

戦いの構図としてはまさにコロシアムの様相を呈してきた。無観客だが、バーチャル空間には無数の観客がいた。五つの戦いが終わった後に何が待っているのか、まだ私にはわからない。

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Tag : 佐藤紳哉 やねうら王

コメント

No title

第3回ですね。

No title

なんというか、もうヒトがどうこう出来る領域でなくなってきてますね。

三浦プロ対GPSは巨人に握りつぶされるような圧倒的な絶望感、
菅井プロ対しゅうそは土俵の真ん中で組み合ったのも束の間、
電車道で一気に押し出す横綱と平幕の格の差、みたいな。

今回の佐藤プロ対やねうら王戦は、単純な腕力が違う印象です。
GPSしゅうそとは違い、COM側にも緩手はあったのに、力でねじ伏せた。
もう平均的なプロではどうにもならないんでしょうねえ。

豊島さんはさすがに・・とも思いますが、そう思って負け続けてきたし、
YSSには勝ててもポナツツカナは更にもっと強いからなあ・・。

番勝負

今後は、トッププロ一人に5番勝負をしてほしいです。
(最低B1)
名人戦の週の週末でいいです。

No title

全敗もかなりの確率でありえる状況になってきましたね。
次どうするのかな?
VS PCに足を踏み入れてしまった以上、いずれは名人が出る事に
なる日が来るとは思ったけど、かなり早い時期に来そうな・・・・
まさかこれでお終いには今更出来ないし、タイトルホルダー3人に
どう話を持って行くのか、谷川先生の心中を思うと第三者でも胃が痛い
禁断の扉を開けた張本人がするべき責任なのに、本人は鬼籍に入ってしまっている。何だかほんと先代会長らしいよな~とか思ってしまいます。

No title

素直にCOM強いなぁと思いました。
他の方も書いてますが落としどころが難しくなってきましたよね。
サッカーW杯や五輪みたいに4年に1度とか、
4年じゃ長いから2年に1度とか、そんな感じになっていくのかもしれませんね。

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