羽生善治2.0 朝日杯で優勝!短期決戦の面白さ

いやー面白い準決勝、決勝でしたね。

結果は羽生善治三冠の優勝となりました。

準決勝は、渡辺明二冠が角換わりからの穴熊、猛攻での圧勝でした。居飛車党であれば惚れ惚れする将棋でしたね。短期決戦らしい、穴熊の暴力、タコ殴りな将棋でした。

そして準決勝もう一方の山は矢倉からの先手豊島将之プロが穴熊。後手の羽生さんはなんと雁木からの先攻。横に弱いので飛車を渡すタイミングだけ気をつけなければいけない・・・という将棋ですが、飛車を渡さずに勝ち切りました。穴熊に雁木で攻めきるとかどんな人なんでしょうか…。

ここで短期決戦においては二つの傾向があることがわかります。穴熊のように実戦的に固めてドン!という方式。もう一つは羽生さんが準決勝、決勝で見せたような、駒落ちの上手のような薄い玉を苦にしないような戦い。

準決勝の豊島戦は、後手で先攻出来るということと、飛車さえ渡さなければ上部は厚い雁木、ということでわかりやすい展開になると踏んだんでしょうかね。

決勝戦の横歩取りは私の予想通りでしたが、まさかこういう力将棋?になるとは思っていませんでした。一目後手が変化球を投げている印象で、こういうのは渡辺明森内俊之以外には通用するんだろうなーとリアルタイムで呟きました(失礼ですね…)。

途中から後手のひねり飛車模様になったところからが一つの転機でしたでしょうか。明らかに渡辺明二冠が指しやすそうな雰囲気で進めていき、恐怖の三枚替えが実現したわけですが、そこが羽生マジックというか、勝負術でしたね。

感想戦で示された72手目の局面で、先手がじっと桂馬をとっておくぐらいで…(後手は辛い)という羽生さんのコメントがありました(ニコ生で言ってました)が、渡辺明二冠は強気に飛車交換の順を選びました。

先手玉は見た目以上に狭いわけですが、攻め合いでどうにかなるという手順です。そこで出た80手目の3一歩がやはり対抗型のような味わい深い振り飛車の一手。そうです、ここではもはや振り飛車と居飛車の対抗型のような将棋になっているわけですね。そうなると先手玉が舟囲いよりも不安定で左の金銀があまり役になっていないのがすごく気になるわけです。。

後手が駒損を少し回復しながら自陣に馬を引きつけたところではすでに後手が良い…まではなくてもかなり盛り返した印象です。

後手に△4三香という手が出て先手がせかされる格好となり、龍を切ってラッシュをかけますが届かず、桂馬をとって一呼吸あいた時に、後手の羽生善治三冠が一気に寄せ切ってしまいました。

この辺はリアルタイムで見ていて圧巻でしたね。そして詰みを悟った、負けを悟った渡辺明二冠の顔色が本当にさーっと変わったんです。長時間のタイトル戦だとこの辺、心の整理が行われて徐々に静けさが訪れてくる余地があるわけですが、そういうのとはまた違った楽しさがあります。

ニコ生ドワンゴ主催のタイトル戦が今後もし開催されるのであれば、この朝日杯のノウハウというのは相当役立つと思います。私は今でも朝日杯のこのスタイル、準決勝決勝の行われる会場のクオリティと運営の素晴らしさも含めて、一番好きですね。

渡辺明二冠は不調ではないですが、このぎりぎりの攻めの上手さが特徴ではあるわけですが、先日の三浦弘行挑戦者との棋王戦でも思いましたが、攻めが続かずに桂馬拾う…という展開のあたりに、少しだけつなげるのが上手いがゆえに、ちょっとだけ細かった…みたいなところが二局たまたまですが続いてるのでどうなのかな?という気はしました。

羽生さんは本当に圧巻ですね。そしてこの人、多分負け将棋でも短時間のものでもそんなに表情とか変わらないタイプなんですよね。動きは大きいけど、特に負けるときの感情のブレがぐわーっと表に出にくいというか、出てもすぐ消えるというか、そういう印象があります。

この朝日杯における準決勝・決勝での羽生さんの勝ち方は年下、次世代の覇者たちとの新しい戦い方を見せてくれたような気がしました。まさに羽生善治2.0です。どこまでバージョンアップしていくんでしょうか…。


大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)
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Tag : 羽生善治 渡辺明 森内俊之 豊島将之

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