第三回電王戦(の発表内容)の感想

ついに第三回電王戦について発表になりました。一部、ですけど。

ドワンゴとしては優良コンテンツであるところの将棋を余すところなくしゃぶり倒す!そういう覚悟を感じさせる内容になっているなと思いました。

開催が3月か4月だとすると半年は準備期間が欲しいからこの記者会見で全貌が明らかになるであろう、と勝手に思っていたので登場棋士として確定しているのが一人だったのはやや意外だった、というのが正直なところ。

屋敷さんがA級棋士であり、タイトルホルダーの出場がないと明言されていることから、大将としての登場であろうと思われる。

ツイッター上での私の限られた範囲での調査というか感触としては、屋敷さんには惜しみない賞賛が与えられており、かつ第二回メンツによる電王戦2.1のタッグマッチ・トーナメントは割と面白みのあるものとして受け止められていた。

私もこの二つについてはおおむね肯定的な印象を持っており、余興としてのタッグマッチは将棋の質が高まるとは思えないが、番組としては面白いだろう。屋敷伸之プロについても、割と気負うところなく、拍子抜けするほどアッサリと引き受けたような雰囲気を感じたがその心意気は素晴らしいと思う。

ただこういう企画を比較的簡単に受けてくれる人、という印象がある。ガチンコ10秒将棋などでもそうだったが。じゃあ勝つ可能性が高いのか?というと、朝日?竜王戦?でのプロアマの穴熊戦やら、10秒将棋のときのことやら、いろいろ思い浮かべることがある。。

ここ数年の屋敷さんは酒を断って再び才能の輝きを取り戻しているし、第一線級、大将格であることに異論はないが、じゃあ勝てるかというとそれは別問題のような気が・・・。

それぐらいに今のコンピュータの実力は高い。とても強い。・・・のではないかなと。

数か月前に、もし第三回をやるならこういう風に・・・という記事を書いたのですが、その時に書いたもののいくつかは実際に設定されています。事前にソフト・ハードの貸与を行う、というのがそれです。

ハードの制限というのは正直あまり考えていませんでしたが、ハードの制限を行い、事前貸与で十分に練習ができたとしても、はたして勝てるかどうか。阿部こうるプロが勝ったように、ある意味コンピュータの弱点を突くような指し方で有利になってそこからノーミスでどうか?という勝負でしょう。

人間が勝つかコンピュータが勝つか?という話でいうと、これまでのコンピュータ将棋と人間の戦い、将棋倶楽部24やニコ生やら電王戦などで示された結果をもって推し量れるというものです。

仮にこの電王戦が最後まで続いたとして、そこに名人やタイトルホルダーが出てくることがあるのだろうか?というとそこは相当懐疑的であり、渡辺明竜王はその時がきたら出ざるを得ないだろう、という発言を第二回の時にしていたが、そういうときというのはやってこないような気がする。

或いは、その時が来るかもしれないが、すでに凌駕されていることを踏まえたうえでのレギュレーションチューニング、ということなのだろうか。という点が今回発表された第三回の電王戦に対する違和感として一部の人には捉えられたような気がする(主体を自分に置かない卑怯な書き方ですが)。

ものすごく極論にはなるが、真剣勝負の反意語が茶番だとすれば、そのゼロイチの選択肢のなかでは、この第三回電王戦のレギュレーションというのはかなりエンタメ方面に偏った印象を受ける人がいても私は驚かない(またもや卑怯な書き方ですがw)。

このルールで急速に興味を失った、という人がいたとしてもエンターテイメントとしての仕上がりは十分に期待できるので、まずは開催されることを喜ぶべきだろう。また新たな登場棋士が違った側面を見せてくれて、ネット上の人々にプロ棋士のタレント(才能という意味ではなく日本語的意味でのタレント)の多様さを認知してもらうよい機会としてはっきり認識するべきかと。

コンピュータの選定方法について思ったのは、これは世界コンピュータ選手権との決別なんだろうな、ということ。前回の世界コンピュータ選手権はニコ生では放送されずに、何かしらの大人の事情があったように感じていたが、今回の大会ルールをみてそれは確定的な決定的なものだったのだな、と勝手に理解したわけだが、当たらずとも遠からずではないか。おそらくはエンタメか学術か、という目的の差異によるところが大きいような気がしている。

個人的にはすでに戦わずとも統計的に考えて人間を凌駕している、その証明を行う必要がない(Q「ライオンと丸腰の人間が戦ったら?」 A「大体人間が負ける。運が良ければ勝つこともあるかも」)ということであれば、それを改めてその世界の第一人者を引っ張りだして行うことはないのではないかと思う。

そういう意味ではエンタメ方面に(少なくとも一度は)傾いても仕方ないというか。殺し合いが洗練されてスポーツなり格闘技になり、その格闘技をエンタメ化したものがプロレスなのであれば、私はそのプロレスを楽しむ程度の教養は持ち合わせているつもりだ(それが教養によって得られる悦びなのかどうかはしらないが)。

ドワンゴとしても決着を欲しているわけではない。決着するべき物語を延々と引き延ばす少年ジャンプの漫画のように、この電王戦もどんどん章を重ねて、将来的にはこち亀を超えて、兄が死んでも弟が志を引き継ぎ、末永く続いていくことを祈っている。

ライオンが強すぎるのであれば、多少調整するのは、それを試合として成り立たせるためには仕方のないところだと思う。

ただそれでもなお、何となく拍子抜けしてしまった人たちの気持ちがわからなくもない。第二回(やその周辺)で決着がついたとは言えない!と思っている人たちがそれに該当するだろうか。

そういう人たちは何かしらの期待をもってこの記者会見を待ち望み、そして視聴したはずだ。そういうふくらみに膨らんだ期待が、ぷしゅーと音を立てて古くなった風船のようにしぼんでいく・・・という感触が彼らのなかではあったのではないか。

川上会長はこの勝負をジャンプの戦いに例えていたが、唯一ジャンプと違うところとしては、「少年ジャンプの戦いというのは、どんどんインフレしていくものである」という点だろうか。この点に対する違和感。第一回から第二回へのインフレ、その先、究極的な結論として待つのはハードの限定ではなく、全世界のハードをつないだ将棋倶楽部24のレーティング換算で6000点のモンスターソフトと、羽生善治か渡辺明かはたまた別の棋士でもいいが、その時点最強の棋士との対決だろう。

そういう期待をもって第三回以降を待ち望んでいた人たちがいたのは確かだ。しかしそれがなんというか違うものが提示された肩すかし感。ドラゴンボールの新展開を望んでいる人に対して提示されたドクタースランプ。確かに同じ鳥山明ですけど…というアレ。

その辺の違和感をもつ人々の存在に対する想像力、みたいなものがやや両陣営には欠けていたような気がする。ナアナア感みたいなものを感じるというか。プロモーターとしては両手手ごま状態だとこういうことが起こりうる。

将棋でもこういう状況を示すのにふさわしい言葉がある。「ココセ」だ。まあ私自身はといえば、上記に書いたような話というのはやや感傷的すぎるというか、大人の事情を考えよう!というか、そもそもなんというか結論は…というか。そういう気持ち。

なので、今度こそは勝ちたいと思います、といくらプロ棋士や理事が言ったところでそれが薄ら寒く感じるのは粋ではない。プロレスラーは戦った後に仲良くご飯をたべるものであって、それをみてライバル関係が茶番であることにがっかりするのは不粋というものである。

というわけで、ここまできたら、その戦いが多少ショウアップされていてセメントじゃないにしろ、完璧な状態で臨んでもらいたい、というのはプロ棋士に臨まれるところではある。そしてそこは100%安心していいと思う。彼らは幼いころから勝つことだけが存在意義という中で育って勝ち上がってきた人たちだ。

まわりが萎えようが、ブーイングを浴びようが全身全霊、その時のベストを尽くすことは間違いないだろう。プロレスといっても負けた時の辛さが変わるものではないので、この点においては内容はわからないが、真剣勝負が期待できる。

レギュレーションに萎えた人たちをも感動させる人間ドラマがまた見れることは間違いないだろう。

ということで、あたかも他人の心情を察したかのような書き方で私の気持ちを書いてみました。長いねw
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基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

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