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「羽生善治三冠と川上量生ドワンゴ会長のスペシャル対談」を観た。

羽生善治三冠と川上量生ドワンゴ会長のスペシャル対談を観た。

いやー面白かったですね。正直、対談というのは雑誌では読むことがあっても、生で見ることって少ないのでよくわからないところもあるんですが、かなり出来の良い対談だったように思います。

以下、覚えてるところ適当に書いていきます。

羽生「将棋ソフトがプロを負かすのは2015年というのは将棋年鑑の質問であったので適当に書いただけなんですよ(笑)。何時間も考えて書いたわけではなくて。なのでそれを大きく取り上げられるとちょっとツラいです(笑)」。

羽生「ただ印象的な話として、ソフトの進化ではなくハードの進化だけでいつか追いつく、というソフト開発者の話があって。」

川上「似たような話は確かにあって、CADの世界ではオートキャドがシェアを握っているんですが、昔は日本のソフトのほうが優れていた。アルゴリズムのチューニングをすごくやって性能を引き出していたんですが、オートキャドはそれ専用のハードの開発があり、その結果一番早くなった。」

このへんから質問コーナーまでは割りと概念的な話が多く、週刊ダイヤモンドの編集されたバージョンで読んだほうが理解が進むと思いますw

川上氏が言っていた、人間はハードの制約があるので圧縮した読みで臨まなければいけないが、コンピューター将棋はそういうのがないので、全部読める。パターン認識の分野では人間の書いた文字を判読するという一点においては、実は人間よりもコンピューターのほうが優れている。ただ人間が読めない字を字として判読するというのは本当の意味で判読しているといえるのかどうか?というような話はなかなか面白い切り口だった。

確かにコンピューター将棋の対戦を見ていると、それに似たようなところがある。人間同士の対局ではちょっとみられないような展開になることがあり、同じ言語を扱っているものの、違う環境で独自進化したピジンイングリッシュやシングイッシュのようなものを連想する。

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川上「アニメ・政治・将棋がニコ生で一番みられている。政治と将棋というのは、普通生放送サイトを作ろうとおもって普通に想定しないもの。というのが面白い。」

羽生「昔の縁台将棋ってこんなものだったのではないか。一つの盤にみんなが集う。そういうのがインターネット上に、今風にアレンジして再生している」

川上「ニコ生が始まった時に、ネットでみんなでわいわいすることで、お茶の間が復活したと言われた。」


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視聴者からの質問「これから先、コンピューター将棋が新たな戦法、新手をだす可能性はありますか?」

羽生「そういう可能性はある。ひとつの局面とかで、分からない場面・答えが見つからない部分を、コンピューター将棋に聞いてみて、人間の盲点をついた手がでてくる可能性はある。」

川上「その場合でも人間がツールとして使うことになる。本当に自律的に出すのはまだまだ時間がかかるのでは。」


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視聴者からの質問2「プロ棋士がコンピューター将棋に勝てなくなると、魅力がなくなり棋士の価値がなくなるのではないか?」

羽生「身近なところでチェスの例を出すと、ディープブルーに負けたんですが、それはそれとして人間が指すものは指すものとして普通に続いている。それによって何が変わったかというと何も変わらなかった。なので多分、心配は無い。」

川上「馬よりも車よりも遅いけどマラソンに魅力はある。肉体的には狩られる側だったので、プライドをもっていない。でも頭脳において動物より優れているという根底があるので、受け入れがたいところがあったが、これからそういうものを受け入れていくのが21世紀になると思う。世の中ではそういうことがいっぱい起こっているので、それを分かりやすい形で示していくことになるのが電王戦

羽生「負けたくないのは当然なのだが、強いものと戦いたいという気持ちはプロ棋士はみんな持っている。やってみないとわからないのでやってみるというところはある」

ここは補足すると、4時間という持ち時間で電王戦は行われる。いくらテスト対戦している棋士でもこの持ち時間で指している人は少ないと思う。なので真剣勝負として4時間の持ち時間でやったときにどうなるか?というのはやってみないと分からない、というような話。練習将棋の四時間と真剣勝負の四時間が異なるというのは人間の場合は確かにありえる。

羽生「(コンピューター将棋と戦いたいか?と問われて)どういうものなのか知りたいというのはある。何局か対局していると、この人ってこういう棋風なんだ、というのが少しづつ見えてくるというのがある。ソフトとかコンピューターの時に、そういうものって見えるのかどうか?というのに感心がある。」

ここも私の感想としては、羽生善治三冠は相手との対戦を重ねる毎に相手の得意を吸収するわけではないが、相手の得意を把握したうえで、その棋風を前提とした展開に持っていく事が多いように思う。一時期互角に対峙していた深浦康市プロもそういう具合に最近は分が悪くなっている印象。


川上「羽生さんの本を何冊か読んできたけど、羽生さん自身が棋風がない、といわれていた」

羽生「そういう意味ではコンピューター的であると思われているんですかね(笑)」

質問「将棋の今後の発展について?(忘れました・・)」

羽生「将棋の新しい戦法がここ20年ぐらいで幾つか出てきているが、少し悪そうな手、意外性みたいなところに可能性があると思っている。統計的なもののちからがものすごく大きいので、6対4で6のほうを毎回選ぶ。」

川上「私の仕事のやり方として、あえて悪い手を指すということがある。悪い手を指すということは、誰もやりたがらないのでライバルがいない。勝利の方程式を選ぶと競争が激しい。どういうところが一番楽なのは、いいのかどうか自分も分からないところを選ぶと、振り返ると一番いいことがおおい。」

羽生「米長先生の将棋と似ている。少し悪く無いと力が発揮できない。不利にはなるけど、挽回の余地がある。」

川上「悪い手にも二つあって、一直線に悪くなる手と、挽回の余地がある選択肢の増える悪い手がある。」

羽生「米長先生や大山先生がまさにそれですね。ちょっとぐらいの不利でも混沌とした局面では自分のほうが強いからという」

羽生「(羽生先生が経営者だったら何を意識して経営する?という問いに)私経営者になったらすぐ潰しちゃいますよ(笑)。全体の流れってあるじゃないですか、私がちょっと思ってるのはいろんな人がいて、いろんな才能があるひとがいても、時代とマッチングしているかどうか?を見極めることが大事なのかなと。ここの能力を伸ばすのも大事なんだけど、それと同じかそれ以上に大事なことではないかと。」

川上「私は逆張りが大好きなのですが・・・(ここで私のPCのウィンドウズアップデートが始まり記事が全部消えたと思ってその衝撃で以下の内容は忘れました…


いやー記事が消えたと思ったら残っててよかった…。ここからの続きは忘れたんですが、ほぼここらへんで話はおしまいでした。続きはネットで!じゃなくて、続きは週刊ダイヤモンド本誌で!という感じのオチ。

最近web記事で一部紹介して、続きは雑誌で方式が割りとありましたが、今回はそれのニコ生版。音楽業界でもライブに行くと、帰りにライブCDがもらえる!みたいなのがありますが、こういう広い意味でのO2Oチックなものは今後もはやっていくんでしょうね。

ドワンゴの会長の川上量生さんは非常に醒めた方で英語で言うところのクールな印象を受けました。ロジカルシンキングや統計が流行ってる昨今ですが、それを踏まえた上で自身の決断を下すところに経営の要諦があるのだ、というのがその発言に色濃く出ていて、タイプ的には米長邦雄が愛した人だろうなぁ、相性良かっただろうなあと思いました。

羽生善治三冠も、インタビュアーのかなり踏み込んだ質問(ただし抑制の効いた感じでとても好印象のインタビュアーでした)にどこかいい意味で他人事のような、自身や将棋界を俯瞰するような発言が多く、棋界を背負って立つ、どころか超越した雰囲気が出ててよかったです。相変わらず声高いっす。

また、週刊ダイヤモンドの司会進行の方は画面には出てませんでしたがとても良い進行だったと思います。かなりズバッとした質問、「羽生先生よりもコンピューター将棋のほうが強いんじゃないか?」というものもされていましたが、全然失礼な感じじゃなくするっと聞いていて、個人的には相当びっくりしたんですが悪印象は全く持ちませんでした。

それに対する羽生先生の回答は基本やってみないと分からないということなんだろうな、というようなものでしたが、昔は詰みの局面だけだったが、それよりも手前のところでも、確かに強くなっている、というのは感じる。こういう手がありましたか?と対局後にコンピューターの指し手を言われることがあるが、考えてみると確かにある。あるが人間では絶対に思いつかない手だったりする、と答えていました。



まだ4月1日発売の4月6日号はamazonでは発売になってませんが、一応「週刊ダイヤモンドの検索結果」のリンクだけ張っておきます。

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Tag : 羽生善治 川上量生 電王戦 米長邦雄

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