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ダンディズム・島美学 第五回大和証券杯最強戦 ▲戸辺誠-△島朗


5月22日に行われた対戦。選出方法が大幅に変わって、登場メンバーががらっと変わった今回、ある意味一番目についたのはこの、島朗だった。観戦前にそれを呟き、選出方法について聞いて納得。

各段位から成績優秀者を選出し、高段位になるほど選出率が高いという方法であり、あわや順位戦昇級まであった島朗九段が選出されるのは当然だった。

島朗といえば55年組、というよりもバブル世代、という印象が強い…というと失礼かもしれないが、その時代を一番エンジョイしていた棋士、着こなしていた棋士という印象がある。

米長邦雄が対局に負けて窓から放尿しようとしたり、ホテルの大浴場まで裸で疾走している時、都内の高級ホテルのプールで、対局の記憶を徐々にリセットしている…そういう印象だ。

そんな都会派を代表するような島朗も今は地方在住棋士として普及に勤めつつ優雅な、ある種のセミリタイヤライフ、競技プロとしてのセカンドライフを送っており、このあたりもまた島朗らしい美学に彩られているなあと感心する。

島美学といえばもう一つあるのが、その投げっぷりの潔さ。窪田義行が悪形勢の利子で駒を失いながらも必死に自陣に金銀を打ち付けたり竜や馬を引きつけたりしている頃には島朗は自宅で就寝準備している…ぐらいの違いがある。

自身との戦い、というような負けを見切ったときの投げっぷりの良さは早投げのことを業界では「島投げ」といわれるぐらいだ。(嘘です、スミマセン)。

本局は、先手の5筋位取り型の中飛車に後手の亜急戦というか押さえ込み。一目アマだと先手の勝率が高そうな戦型。後手居飛車は先手の取り込みを逆用して盛り上がるが、玉が固くならないのと角が使えないのがポイントで、35手目における先手勝率が7割ぐらいあっても驚かない。

5筋逆襲策で後手から開戦したというか、先手の7筋への催促に乗った形だったが、一手、せめて3三角ぐらいになっているとまだ戦えるような気もするが、捌きあった後は、振り飛車ペースで進んだ。

50手目に△1四歩という手が出て、これで後手が勝つのであれば悠然としすぎているというか、優雅すぎると思った。戦いが始まってから、自ら開戦してのここら辺の二手はやはり勿体無かったようだ。

59手目の▲5二歩が勝利打点の味。並の島朗であれば既に東京駅で仙台行きの新幹線を待っててもおかしくない形勢だが、ネット棋戦の良いところ、島朗プロは既に自宅からの対局ということもあり、投げずに最後まで指してくれた。(注意:早く帰りたくて早投げしているわけではありません…)。

投了局面は取った手が竜当たりの先手でやむを得ない。

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この対局の解説が高橋道雄プロで、島朗の美学を知り尽くしており、同じ時代を戦った戦友同士にだけ通じ合う何か、を勝手に感じた次第。苦み走った中年男のダンディズムを感じた一局。というか勝ったのに殆ど戸辺誠プロについて触れずにスミマセン…。



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Tag : ゴキゲン中飛車 島朗 戸辺誠 高橋道雄 米長邦雄

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