金星?不調? 大和証券杯最強戦 ▲羽生善治-△菅井竜也
先手羽生善治名人で、菅井竜也のゴキゲン中飛車に。最近あまり見なくなった5五の地点で不思議な交換が行われた後に、飛車が二枚並ぶ、という珍形が登場する将棋になった。
この将棋は、正直居飛車側の形が気持ち悪すぎて、やや趣向を凝らしすぎている感じで、勝ちにくいと思われるのだが、43手目の時点で角銀交換で先手の駒得。ただし、歩の数も加えると「二枚替えは歩ともせよ」ではないが、▲角△銀歩という交換ではある。
47手目に仕掛けた羽生善治名人だったが、その仕掛けを普通に逆用されて、形勢を損ねてしまった。単純に、そこから糸が解れるようにして、後手の模様がよくなっていく。
そこから飛車切りの強襲をかける羽生善治名人の構想をみて、なるほどこれで良いということなのか、という恒例の羽生補正にて将棋を観戦していたが、80手目の△1二角が狙い球どんぴしゃりのホームラン、という手。
この手がいつでも使えるという状態だったので、であれば居飛車が良いはずがない。
後は普通に形作りがあって、後手菅井竜也の勝利となった。四段の棋士が羽生善治に勝つというのは、今はなき早指し棋戦で現八段の木村一基が勝利して以来のことらしい。
菅井竜也の将棋というのは、研究家ではあるものの、研究で良くしようというよりも寧ろ、居飛車の研究にハマらない為の研究、という風情があり、力将棋にさえなれば、チカラでどうにする自信に満ちており、見ていて楽しい。
羽生善治名人は例年七割勝っているが、今年は出だしから将棋の内容があまり良くないような気もするが、終わってみれば七割勝っている可能性もある。我々素人は、勝敗結果をより注視するし、目にみえている変化だけで判断するきらいがあり、しかもその目にみえている変化すらよく理解出来ていないので、よく分からない。
野球でも、ピッチャーがゴロを打たせることが出来るとしても、それがヒットになるかどうかのコントロールは出来ないので、打たせて取るタイプの投手で一時的なバラつきにより、勝敗や失点率がブレることがある。(結局は収斂するのだが)。
羽生善治の現状もそういうことなのかもしれないし、羽生善治以外の羽生世代にはひと通り行き渡った「華麗なる加齢の試練」が訪れているのかもしれない。オッサンは大変なのだ。
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