穴熊のココロ 対コンピュータ戦にむけて 第三期マイナビ女子オープン第一局

第3期マイナビ女子オープン第1局
先手:甲斐智美女流二段
後手:矢内理絵子女王

結果から言うと、矢内の中折れとなった。下品な表現だとは思うが、これが一番適切な表現だろう。中折れのタイミングは92手目の同桂(33桂)。この手の罪が何よりも重かった。穴熊のパンツ脱ぎという言葉があるが、パンツを脱いで中折れでは、興ざめ甚だしいというところ。これからが面白いという瞬間の出来事だった。穴熊の遣い手であれば、一秒も読まない類の手であろう。

とはいえ、そこまでの矢内の指し回しは素晴らしかったと思う。棋風どおりの、そして熟練の穴熊の遣い手かと思われるようなものだった。それだけに途中から一方的になってしまったのが残念でならない。甲斐はやはり、その基礎基本が確りしている棋風どおりに、良くなってからは誤りなく勝ちきった。

端角からバックしてくるなど、多少の作戦ミスがあったが、振り飛車であることを考えればこのぐらいのワカレでも我慢できる範疇だった。


今日の夕飯を仕込みに近所のダイエーに赴いている間に将棋は終わっていた。今白ワインを飲みながらこれを書いているところなのだが、なんとなく、対ソフトの女流棋士は矢内なのではないと思い始めてきたところだ。

矢内が正調の序盤戦術を用いる理由として、今期の成績があまり奮わないこともあるかもしれないが、対ソフト戦では相穴熊の可能性が、そして勝てる戦い方としては急戦調よりも持久戦、それも速度計算や詰みの有り無しがわかりやすい穴熊が良さそう、という認識が一般的にはあるように思う。

そういう意味で、矢内が対戦者としての用意を始めたのではないか、ということだ。そして今気づいたが、もしこのタイトルを失うと矢内は、無冠どころかB級の棋士ということになってしまうようだ。

独立問題前後や、その後のおかれた立場での苦労を考えると酷いと思うが、この試練を乗り越えることで、男性棋士が使いこなす戦法を使いこなせるようになることで、もう一段高みに上る可能性もあると思うので頑張って欲しいところだ。

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Tag : 矢内理絵子