藤井聡太、50勝! (▲平藤眞吾七段-△藤井聡太四段)

いやー危ない時間が長かったですが、中盤からのスピード感がすごかったですね。これで通算50勝6敗(0.8929)、今年度の成績で40勝6敗(0.8696)となりました。中原先生のもつ年度の最高勝率を更新することへの期待も高まってきましたね!

序盤は後手藤井聡太の早繰り銀ぽい出だしでしたが、先手に機敏に動かれ、44手目にせっかく切った8筋の歩を低く△84歩と打たされた局面では後手が面白くないと思います。

先手が自然に後手の駒を圧迫していったように見えましたが、細かな手損というか手数を費やした手順に対して、それほどの戦果が上がらず、後手の8筋の歩が伸びてきたあたりでは後手もやれるように見えてきました。

後手が8筋を突き捨てて、△44角と後手が打った局面では後手がもしかして良いのか?とすら思ったのですが、88手目に銀交換した持ち駒を△33銀と投入した時点では後手からの攻めの材料がないのでやはり先手ペースが続いているかもしれません。

ただ、苦しい局面で暴発せずに、勝負どころはまだ先であるとしてここに銀を投入できる胆力がやはり中学生とは思えない老獪さです。その流れで指された104手目の△31歩も絶対に負けたくないという気持ちがこもった手に見えました。

お互いに局面をリードする手が指せないなかで遂に後手にチャンスが回ってきたのが106手目△63金。先手は何をとっても後手の駒が働く展開となりました。

遡って101手目では▲64角ではなく、▲79角と後手の五月蝿そうな53にいる攻めごまの銀を責める手がよかったようです。どの程度の形勢の差だったのか分かりませんが、少なくとも先手がしばらくの間リードしていたのと、そこから後手の藤井聡太さんが追いついて捕まえにいってそのままぶっ千切るまでのスピード感に、やはり恐ろしい才能を感じたのとともに、デビューからみて確実に成長しているし、ここからもまだまだ伸びていくかと思うとまさに「末恐ろしくて既に恐ろしい」天才だなあと。

今期ということでいうと、まだ3ヶ月以上残しており、銀河戦の本戦トーナメントがパラマスで残っており、放映日ベースでカウントされるとすればおそらくあと6・7個積み上がる計算です。最高勝率の更新も楽しみですが勝ち星を積み上げつつの更新というのを是非期待したいものです。

銀河戦・叡王戦、朝日杯、このへんでどの程度荒稼ぎできるか?NHK杯も含めて、今期-来期前半での初めての棋戦優勝のチャンスもまだ残ってますね。

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 藤井聡太 平藤眞吾

人生の半分以上が王座。(天彦さん、惜しかった。羽生さん強すぎる

羽生さんが既報の通り、3勝2敗で防衛しました。

まあ、冷静に考えれば振り駒で得た先手番キープしたということで絶対王者ですし仕方ないといえば仕方ないわけですが。

それでも今期の天彦さんは勝ちまくっていて、羽生さんとの将棋でもしっかり勝ってましたし、調子の良さという一言では表せないものがあったわけで。

王座戦は例年、活きの良い若者が挑戦してきている感じがありますが、それでも正直まだ届かないだろうなーと思うことも多かったのですが、今期の天彦さんだったらこれは奪取してもおかしくないというか、奪取するだろうなと予想してたのは、このブログで延々と書いていたとおりです。

横歩取りはひところの流行から一旦落ち着いて、流石に先手が指せる状態なのかなと思っています。ただ若さ爆発、気力充実、乗りに乗っていて研究万全な佐藤天彦さんだったのでかなり期待できる局面を序盤で作ることが出来たのではないでしょうか。

それにしても、羽生さんの序盤の手順にはびっくりしましたね。▲2二歩は同金に限定されるならば割りと打っても気分の悪くない手という気はします。私はこういう焦点の歩、みたいな手は大好きですね。ですぐに攻めずに桂馬を跳ねて溜める。からの催促の▲8六歩。この辺の手順はなかなか引っ張りこむような感じで胸を貸す…ではないですが、勇気のある手順だと思いました。

そして先手はわかりやすい筋にしておいて後手が緩んだら許しませんょ?という局面に。

58手目の△2六香がぬるかったか?みたいな感想が解説でも本人からもあったようです。

個人的には、58手目ではやはり△3六歩、▲同飛車、△5四角という手順がいかにも横歩取りっぽいかなーと思います。手順の善悪はわかりませんが、一番普通っぽい手順。ちょっとだけこの手順が面白く無いとしたら、せっかく端っこで死にそうな飛車を手順に逃がすことでしょうか。銀と見合いになってる飛車、というのはそこだけみれば後手のほうが楽しい状況なので。

60手目で△3二金しかないのであれば、これはもう▲2二歩と打った甲斐のある展開です。ここでは先手に形勢が傾いていてもオカシクないですよね。

後手は龍をつくりましたが全く使えない展開。先手は作らせたついでにものすごく堅くなっていて、殺されそうだった飛車は逆にわかりやすい攻めのための特攻隊長となって反撃がきつかった、という。


67手目の▲8五歩とか打たれると相当アツい手ですが、これも序盤のやってこいの効果です。ほっといても取りに行く手なのに催促するの?と言われていましたが(私もこれは流石にそう思いましたが)、それでもこの局面でしっかり活きているとか、どこからどこまで読んでのあの催促だったのか。本当に恐ろしいですね。

飛車切ってからは先手の攻めがわかりやすく続きました。怪しく粘るのが天彦さんの得意技でもあるようですが、そういう展開にはならなかったですね。後手番での負けなので仕方ない。でも取れたかもしれないタイトルだったなー・・・というのはこれまでの羽生さん対若手棋士のタイトル戦の構図でしょうか。

そういう意味ではやっぱり羽生さんとのタイトル戦できちんと勝負になってる渡辺明は別格ですね。自虐的記事がこのまえあがってましたが、やはり実力はピカイチです。

天彦さんはこのままいけばかならずすぐにチャンスがくるのでこの好調と勢い、充実度を数年間は続けて欲しいと思いますし、続けられる棋士だと思っています。

ハブさんは人生の半分が王座。四五歳で23年保持とかありえませんね。田舎産まれ、45歳。上京して23年とかそういうあれじゃないですからね。やっぱりこの持ち時間の羽生さんは一番強さが発揮されるんでしょうか。

ともあれ、個人的には久しぶりに楽しくみたタイトル戦でした。若手棋士が出てくるとやっぱりたのしい!

Tag : 羽生善治 佐藤天彦

天彦、よーやった!

王座戦の第二局。先手番の佐藤天彦が見事な勝利でした。

角換わり腰掛け銀の先手番は20年も30年も、もしかしたらもっと前から、一応先手番のエースとして君臨している作戦です。

これを極めて頂点に上り詰めた棋士は多い。矢倉との二枚看板なわけです。相手が誰であろうとも先手番で角換わり腰掛け銀やれば勝てる、そういう絶対的な速球投手型のエース。

糸谷もそうでしたが、やはりこれをもって羽生さんをやっつけねば始まらないわけです。矢倉よりも作戦の主導権というか、幅の狭さゆえに準備のしがいと、どの道順に行ってもそこまでややこしく無いので、実はアマ向きのような気がします。

攻めの手順というか組み合わせも適当に突き捨てて持ち駒の角の投入時期とポイント、桂馬と銀の活用…くらいなので、雑にやってもそこそこ攻めれる。ま、適当すぎると切れやすいデスけどね…。

今回の序盤は後手番がかなり勝っているらしい形なので興味深く見守っていたのですが、攻めさせて余してほぼ中折れ…じゃなくて中押しに近い勝ち方でした。

追い込まれてからの羽生さんは更に強いので、後手番は大胆に。あるいはなりふり構わず。もしくは諦めずに。

先手番はやはり矢倉か角換わり腰掛け銀。相手が変化してもしっかり勝ち切る。そういう感じで是非。

天彦さんはタイトルを必ず取れる棋士です。どうせ取るなら早いほうがよい。マグレの無い世界で世代トップを子供の頃から続けてきたわけですし、弛まぬ鍛錬の日々だったわけですからこのタイトル戦は頑張って欲しいですね。

糸谷、天彦…となると泥臭さというか力強さがタイトル戦で突き抜けるための一つポイントなのかな?という気はしますね。

この前の糸谷竜王の順位戦後手番はすごかったです。昔からの妖しげな糸谷テイストに加えて諦め無いところ、緩まないところ、着実に個性を保ったままに成長してるんだな~と、この前のNHK戦と合わせて思いました。

今の天彦さんは実力の充実だけではなく勢いを感じます。次の後手番で勝って欲しいです。気合が空回りしない程度に、とはいえ用意周到な後手番作戦で臨んで欲しいと思います。

天彦さん、頑張って!














今から佐藤天彦の初タイトル戦が楽しみすぎる。

佐藤天彦、その耽美主義とギャップのある力強い将棋。

この前の挑戦者決定戦でもその雰囲気が出た将棋を魅せてくれた。

挑戦ならず…に終わった同郷(といってもよいのかな?)の先輩深浦との挑戦者決定戦もかなり力強い将棋になっていたような記憶がある。

中終盤に力強いタイプというのは大抵悪力というか序盤に難があるものだが、糸谷がそうだったように佐藤天彦も自分の中で確立した、系統だった序盤戦略があるように思う。

短い時間でも強い羽生を銀河戦で破っていることも好材料だろう。歪んだ形で強いというのは羽生が広瀬との王位戦初戦で見せたような将棋で力を発揮するということだ。

糸谷同様に誤魔化されにくいところがあるのではないか。

あとは、これまでの取り組み方や、こなしてきたイベント、次点二回からのフリクラ入り回避や瀬川プロ編入試験などの経験値。あとはもともとあまりあがらないタイプだろうし、初タイトルでいきなり力を発揮してくると思う。

問題は羽生がものすごく実力を発揮してくる中距離の夏競馬…じゃなくて夏将棋だというところ。王座戦や棋聖戦のような持ち時間で時期の将棋に羽生は滅法強い。

秋茄子は嫁に食わすな、夏羽生は誰も食えない、という諺が千駄ヶ谷にあるくらいだ(嘘です

ここで突き抜けることができれば次の天下を取る一人として名乗りをあげることになるだろう。

初タイトル奪取は羽生以外から…という展開が一番楽ではあるが、ここは是非期待したいところ。







佐藤天彦、王座戦挑戦者決定戦に勝利、初タイトル戦へ!

今期絶好調というか、年度ではなく年で考えると2015年は殆ど負けてない佐藤天彦。調子の問題ではなく、世代出世頭が遂に目覚めた…という感じ。

この活躍には糸谷竜王誕生が絡んでないとは思いにくい。ここ最近の豊島も含めた若手のタイトル戦への登場が増えたのはよい意味で糸谷があるならば…という現実味というか実感が出てきたところはあるのではないか。

棋聖戦の豊島や今まだまさに羽生と戦っている広瀬と比べた場合にどうなのか?という意味では、銀河戦での対羽生戦勝利もあるし、作戦の充実度でいうと最も期待できる若手棋士かもしれない。

先手番でしっかり勝ち切る作戦を用いて、後手番ではたまに羽生が見せる余裕というか趣向というか、相手の作戦に乗るようなところが出てくるとかなりチャンスだし、糸谷のようにキチンと先手番で勝ちを積み上げたところから振り駒で先手を引いて…というフルセット奪取も、今後のための経験としてはかなり大きいだろう。

それにしても、挑戦者決定戦の将棋は凄かった。本質的には力強い両者らしい戦いというか。模様の取りにくい将棋ではあつたものの、馬と歩の得という実利は大きかったのではないか。

まだ途中からの展開を並べてないのだが、先手の飛車がああいう形で暫く隠居し続ける将棋というのはなかなか無いので、思わず久しぶりにリアルタイムで観戦してしまった。

プロ将棋界というのは本当に必然しかない、まぐれのない、実力世界なのだなぁということを、豊島プロや天彦プロの活躍を見ていると思う。

瀬川さんのプロ編入試験のことや、次点を蹴った決断など、将来のタイトル戦登場を思えば必ず糧になるであろうプロセスを経てきた佐藤天彦プロ。

是非初めての大舞台からその実力を最大限に発揮して将棋界最高峰とよい戦いをしてほしい。

天彦プロ、本当におめでとうございます!

Tag : 佐藤天彦