FC2ブログ

藤井聡太七段、二つ目のタイトル挑戦!

例によって個人的な感想です。苦情反論はご容赦ください笑。

第61期王位戦挑戦者決定戦、昨日ありましたが、いやー藤井聡太七段強すぎました。最も負かしにくい相手であるはずの永瀬二冠にこういう勝ち方をするとは…パート2、ですね。最年少挑戦を決めた相手も永瀬二冠。その時は永瀬二冠の相掛かりを受ける将棋でしたが今回は先手番を引き角換わりを志向。

初手26歩の意味は相掛かりか角換わり。藤井聡太七段は相掛かりをやらないので角換わりをやりたいという気持ちを初手で示したわけですね。研究会の相手である永瀬二冠としては研究会で角換わりを受ける展開は多かったでしょうが果たしてこの早繰り銀を予想していたでしょうか。

研究会ですら見せてない気もしてるんですがどうなんでしょう。角換わり腰掛け銀という大エースをタイトル戦に温存しているのだとするとダブルタイトルマッチ、かなり両方とも獲るつもりというか獲れるように取り組んでいるのかも??

この作戦は永瀬二冠の得意戦法であり、私が見届け人として参加した前期の叡王戦第一局がまさにこの作戦でした。得意作戦を相手に指されるのって私は結構嫌なのですが、永瀬二冠としても自ら最有力な対抗策を出すのは嫌、というのはないのですかね。

相早繰り銀は先攻してすぐに相手から反撃手が来るのが特徴的な作戦で、細い攻めによって得られるメリットが小さいため、アマには指しこなすのが難しい作戦、という印象があります。

中盤のねじりあい、特に一時間半考えた末の角打ち以降のバランスを崩さない両者の指し手がすごかったですね。特に印象的だったのは、67手目の48金、68手目の15歩でした。48金の凄みは滅茶苦茶攻められてる状況で攻められてる左側はいじらず、じっと右側のポジションを整えたことです。しかも7分で。

一目の手、第一感の手ではないように思うのでトコトン読みつくしている、藤井聡太さんらしい、読みの将棋らしい手だなと思いました。この手の効果でこの先飛車を渡しても飛車の打ち込みの隙が無くなっています(本譜のように進んでも58に打たれない)。

対する永瀬二冠の△15歩は、正直私にはよい手には見えません。見えませんが、藤井聡太七段がやってきても大丈夫、とした局面で攻めを続けてもダメなのだろう・・・という意味合いもあったかもしれません。とはいえ、相手にやらされている手、なのでここでもやはり水面下にある選択肢のボラティリティを抑える藤井聡太七段らしい指し回しの特徴が表れていると思いました。

75手目、一分でさされた67桂から数手後の37桂~57桂の手順が藤井聡太ならではの桂使いでした。私の持論なのですが「人間は視覚的な理由で角と桂馬の利きや性能を正しく認識するのが難しい」のです。でも藤井聡太七段には普通の人、普通のプロ以上にその使い道がよくわかっている感じがあります。

詰将棋作家のセンス、なのでしょうか、藤井聡太七段の桂馬使いはとても印象的です。

95手目の局面、棋譜中継見れる人はみてほしいんですが先手の金銀は2枚しかなく、後手は6枚持ってるわけです。駒割りは先手が飛桂をもらって後手が金銀もらってる状況。しかし先手の48金-29飛の形が絶品で38銀とされるような展開にもならない。あと一手玉が右に行けばその先に圧倒的に安全なエリアが広がっている。

堅さではなく広さで戦う現代将棋というか一目こう指す、という感性の将棋だと流れ弾に当たってしまう展開を圧倒的な読みの量で保っているのが本当にすごいです。

普通の棋士だとある程度読みを入れても指す手は第一感の手…ということが多そうで故にプロ棋士が控室や大盤で解説していると手があたることが多く、それこそ七割ぐらいは当たっている気がしますが、藤井聡太七段の将棋については当たらないことが多いように思います。

将棋は王道なのですが読みの量が半端ないのではないでしょうか。

これで二つ目のタイトル挑戦を決めました。相手が受けの名手木村一基王位。攻めの渡辺明三冠との棋聖戦、受けの木村一基王位との王位戦。全く違うタイプの二人との対戦で今年の夏はずっと楽しく過ごせそうです。

まだ竜王戦の挑戦の目も残っているので今期末にはもしかすると三冠王になっている可能性がありますが、私はその確率が50%以上あるのではないか?と思っています…。

藤井聡太七段、最年少挑戦を決める(第91期棋聖戦)

いやー遂にまた歴史を作りましたね。本当にできすぎた展開で、作家泣かせですね。これを超える将棋に関する創作はもはや無理です。

以下、私の個人的な感想です(異論反論あるかと思いますがご容赦くださいw)。

まずコロナ騒動による東西対局自粛と学校休校。この二つにより、藤井聡太七段の棋力が高まったのは間違いないでしょう。他の棋士でも熱心に努力されていた人は多いと思いますが年齢的に成長曲線の違いがあることを考えるとこの時期に一番伸びたのはプロ棋士では藤井聡太七段で、あとはそれに続くような成長をした奨励会員がどのぐらいいたか。

恐ろしいことに藤井聡太七段はコロナ騒動前の時点でレーティングサイト上での点数が一位になっていました。そこから2か月弱、本人的には行かないという選択肢も魅力的だったはずの学校も2か月なかったため研鑽を積むことが出来たという幸運。

師匠の杉本先生は試合勘などを心配されていたようですが準決勝の佐藤天彦九段戦では文字通り杞憂であることを証明し、昨日の永瀬二冠との対局でも二転三転のねじりあいになりましたが、勝ち切りました。

どちらかというと、この三人(藤井聡太七段、佐藤天彦九段、永瀬拓矢二冠)は攻め将棋ではあるものの、受けに持ち味のある棋士だと思います。羽生善治九段もややこちら側といえるのではないでしょうか。柔と剛という意味では前者というイメージ。

同じタイプに対しては比較的、藤井聡太七段が勝つ展開が多いような気がします(羽生さんに3-0、天彦さんに2-0、永瀬さんに1-0)。

タイトル戦で対峙するのは、渡辺明三冠。稀代の攻め将棋の天才で、筋の良い本筋、早見えかつ作戦家の棋士で今が本人の(10-15年続く・続いている)キャリアハイにある状態です。

渡辺明三冠は柔か剛でいえば後者。大一番では相手の棋風や性格を考慮して練った作戦を用意。先行逃げ切りタイプの攻めの棋風といって間違いないと思います。果たしてこういうタイプとの闘いでどういう成績を残すか。

藤井聡太七段の昨年度の敗戦では後手番で先手の居飛車党がしっかり準備した場合に押し切られてしまう展開が幾つかありました(というかそれが後手番というものであり、普通なのですが…)。

タイトル戦となると先手後手が予め決まっているので、渡辺明三冠の作戦家としての強みが出そうです。ただ、名人戦との棋聖戦の同時進行による過密日程での連戦…というのが懸念点。渡辺明三冠としても(おそらくは)念願の名人戦登場。相手の豊島将之竜王名人も鬼強いし二日制なので作戦の出し惜しみはできないでしょう。

となると棋聖戦は比重的には(相手の藤井聡太七段がそこまで作戦的に凝らないタイプであることもあり)、作戦は相手なりに…ということになりそうです。先手番では角換わりか矢倉、相掛かり。後手番では相手の角換わりに対応しつつ、星勘定的に余裕があれば多少変化するかも?

あとは戦型的には名人戦・棋聖戦で出た課題局面がもう一方でも出現するかもしれません。

渡辺明三冠といえば、羽生世代のピーク期に唯一対峙できた若手棋士でした。そして今は若手棋士に対して相当星を稼いでいる、最も強い中堅棋士であるといえます。これまでのタイトル戦ではすべての年下を返り討ちにしており、表向きの発言としては丁寧なものしかありませんが、盤上の指し回しを見る限りでは「まだまだ君たちには負けないよ?」という余裕すら感じさせてきました。

今回もそういう王者の風格でしっかり勝ち切るのか。或いは2か月前に既にレーティング一位になっていてそこから更に成長しているであろう、若き挑戦者の藤井聡太七段が初挑戦初戴冠となるのか。

個人的な予想としては渡辺明三冠には申し訳ないのですが、藤井聡太七段の奪取を予想しておきます。理由としてはやはり名人奪取のほうが重要なので…というのと、藤井聡太七段が強くなりすぎている可能性があるからです。

私の予想では数年後、藤井聡太七段が名人位を獲得するとして、それが八冠目になっているかはわかりませんが、全部のタイトルを手にする日が名人位獲得とほぼ同時期に訪れると思っています。

近年の将棋をみていると色々ありましたが、やはり作戦的に相当煮詰まっている印象があり、細かい形の変化など専門性を先鋭化することで凌いでいる振り飛車党と、先手番の作戦の脅威に対して具体的解決策というよりは多少悪いくらいの局面をキープして勝負としてどうにかするしかない居飛車党、という構図に見えます。

そういう状況が今後は延々と続くと思われ、そうなるとエラーレートがどの棋士と比べてもおそらく著しく低いであろう藤井聡太七段が特に番勝負になればなるほど、その正確性と終盤力ゆえに勝ちまくる未来しか見えない気がします。。

タイトル戦、前夜祭や祝賀会がないのは残念ですがそれゆえに対局者は盤面に集中しやすくなるでしょう。レベルの高い芸術作品をこの夏は沢山見ることが出来そうです。

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 渡辺明 藤井聡太 永瀬拓矢

藤井聡太における「羽生マジック期」は終わった気がする。

ちゃんと調べてないんですが。あくまで印象論です。例のデビュー後の29連勝の頃がまさに何もなくても何かをひねり出す、羽生マジックみたいな状況だったと思うんですが、ここ最近の勝ち方を見ていると既に王道っぽい感じがします。

評価値でいうと、デビュー当初は藤井聡太七段側の評価値がマイナスの局面が頻出しつつ、何かしら勝負手を放って逆転して…という感じだったのが、ここ最近、特に今年の夏以降の将棋をみると中盤まで評価値のブレが少ないものの、徐々に良くなり終盤の入り口を有利な状態で迎えて緩み無く寄せきって圧勝・完勝、みたいな将棋ばかりに見えます。11月の王将リーグの広瀬戦は負けたものの、中盤まではまさにその展開でした。

トッププロとの対戦成績を見ても、豊島さんにはまだ勝ち星はありませんが振り飛車の実力者二人(久保・菅井)への苦手感のようなものは払拭されつつあるように思います。またVSをやっている永瀬二冠の言動からみても藤井聡太七段が互角以上の数字を残している模様。その他のトッププロとはだいたい最低でも「勝ったり負けたり」以上なので今期B2に昇格すると予選の枠が変わってくるので今まで以上にタイトル挑戦に絡んでくるのではないでしょうか。

若手時代の羽生さんは中終盤でひっくり返すスタイルが(時代的な理由もありますが)数年はあったように思いますが、藤井聡太七段は既にその域を脱して序盤が更に洗練されてスキが無くなったように見えます。プロの序盤、特にトッププロの序盤戦術にも既に追いついているというか。

ソフトの出現で昔よりも若手に情報の優位性みたいなものは(今でももちろんあるとは思いますが)少なくなっている中で、相手の準備に面食らうことが少なくなっています。流石に後手番だと負けることもあると思いますが、先手番では今期はA級棋士にしか負けていません。

棋聖戦はまだ分かりませんが決勝トーナメントに進出する場合、振り駒の引きの良さも必要になりますが4連勝で挑戦者になることは十分にありえると思います。


師匠の杉本さんの本が出るようです。
悔しがる力 弟子・藤井聡太の思考法

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

北浜健介vs藤井聡太(第91期棋聖戦二次予選)の感想。

終わってみれば完勝でした。が、序盤から謎すぎる展開で、しかし藤井聡太七段がほぼ時間を使っていないのでこれで互角以上なんでしょうね。特にびっくりしたのが22手目の時点で前例が1局という。先手が中飛車で22手目で前例1つっていうことは今までなんだったんだ!みたいな気もしなくもないですが、ソフト研究が進んでいる証拠でもあります。

先手はわりと今までの常識的な手順なのですが後手は右金の活用方法など、大山升田時代っぽく古風にも見えますがソフト研究の裏付けがあるという。奨励会三段のコメントとしても驚いていない感じです。確かにソフトは桂馬の頭の弱点をカバーするために金を使う(すると歩で叩かれても銀ほどダメージがない)ですよね。

32手目の時点で北浜さん曰く「有効な手が思いつかない」とのこと。プロでそうだとすると、アマは初手から全然わからないのも仕方ない気がしますし、より序盤固定の意義があるなーと思いました。

41手目の局面、後手の進展性がなく先手はわかりやすい進展性があるので先手がいいのかな?と思ってましたが評価値的にはどうなんでしょうね。後手が飛車を五筋に持ってきて攻めが始まるわけですが結局後手の囲いはここからそのままでしたし、やはり囲いや固め方については従来の常識が通用しなくなっている気がします。ここの局面をどうみるか?ここから進展させるのか攻めるのが常識なのか?の違いは大局観として大きな差異だと思います。

先手は本譜では固めて、後手は割とこれで行けるの??と不安になるような金を使った攻めを行いました。金で桂頭をカバーするのはまだわかるんですが、棒金に代表される金を使った攻撃はややもっさりしているというか、本譜のように最終的には金が遊びやすいので大丈夫なのかな?と。

しかし後手は囲いが完成してから飛車と金と歩しか動かさずに絶妙に攻めを成立させました。おそらく先手の北浜さんとしては固めておけばあれだけ遠い所からしかも金と飛車だけで攻めてきても陣形の実利があるから大丈夫、と思っていたのではないでしょうか?私もそういう感じで局面を眺めていました。

66手目の局面、後手の飛車成がほぼ確実となりましたが、どうにも重い。今見ても重そうに見えます。ただ、北浜さんの感想にあった通り、ここで既に思わしくない、評価値的には後手良しになっているのかもしれません。

92手目の局面まで、やはり藤井聡太七段は金と飛車と歩、あとは拾った香と桂だけしか使ってません。両者の金が7-9筋で遊びつつ、桂馬と香車が活用できて竜の効き具合に差異があるのでここでは後手が優勢になってます。

この局面までの指し方を見ていて、やはり現代風というかソフトの大局観を思い出しました。私は駒落ち(飛車落ち)をソフトで研究しているのですが、ソフト同士に自分の指した序盤から指し継がせると、驚くほど地味な展開になります。じりじりと鍔迫り合いをするような将棋です。本局もまさによくなるまでの後手の指し手がそういう感じで、先手が実戦的には難しいでしょう、という風に固めている間に徐々に徐々に評価値が後手側に傾いていった可能性があります。

良くなってからの藤井聡太七段の寄せは圧巻で、そこからはほぼ完勝だったように見えます。ここ最近の将棋をみているとさらにレベルアップしているような気がします。この棋聖戦が最年少タイトル獲得のためのラストチャンスなわけですが、中学生プロを実現させたように、少なくともこの棋戦もかなり勝ち進んでくれるのではないか?と思いました。

現代将棋における振り飛車のガイドブックはこちら

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 藤井聡太 北浜健介

藤井聡太はタイトル最年少記録更新できるか?

屋敷さんが棋聖を取ったのが18歳の後半。7月生まれの16歳なので2年ちょい、チャンスが残っています。

機会は19年(棋聖・王座・竜王)、20年(王将・棋王・叡王・棋聖・王位・王座・竜王)の10回。

今年の棋聖戦はあと5連勝で挑戦。王座戦はシードなので本戦Tの4連勝で挑戦。竜王戦は四位Tで4連勝、本戦Tで4連勝からの三番勝負で勝つと挑戦。

翌年の大変さも大体似たような感じ(順位戦で昇級すると少し変わる?)で、ぱっと見の大変さは王将戦・王位戦でしょうかね。ただ逆にリーグ戦が混ざることで藤井聡太さんの安定度が活きる、という可能性もあります。


以下はアンケート。よかったら回答してみてください!


テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム