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藤井聡太における「羽生マジック期」は終わった気がする。

ちゃんと調べてないんですが。あくまで印象論です。例のデビュー後の29連勝の頃がまさに何もなくても何かをひねり出す、羽生マジックみたいな状況だったと思うんですが、ここ最近の勝ち方を見ていると既に王道っぽい感じがします。

評価値でいうと、デビュー当初は藤井聡太七段側の評価値がマイナスの局面が頻出しつつ、何かしら勝負手を放って逆転して…という感じだったのが、ここ最近、特に今年の夏以降の将棋をみると中盤まで評価値のブレが少ないものの、徐々に良くなり終盤の入り口を有利な状態で迎えて緩み無く寄せきって圧勝・完勝、みたいな将棋ばかりに見えます。11月の王将リーグの広瀬戦は負けたものの、中盤まではまさにその展開でした。

トッププロとの対戦成績を見ても、豊島さんにはまだ勝ち星はありませんが振り飛車の実力者二人(久保・菅井)への苦手感のようなものは払拭されつつあるように思います。またVSをやっている永瀬二冠の言動からみても藤井聡太七段が互角以上の数字を残している模様。その他のトッププロとはだいたい最低でも「勝ったり負けたり」以上なので今期B2に昇格すると予選の枠が変わってくるので今まで以上にタイトル挑戦に絡んでくるのではないでしょうか。

若手時代の羽生さんは中終盤でひっくり返すスタイルが(時代的な理由もありますが)数年はあったように思いますが、藤井聡太七段は既にその域を脱して序盤が更に洗練されてスキが無くなったように見えます。プロの序盤、特にトッププロの序盤戦術にも既に追いついているというか。

ソフトの出現で昔よりも若手に情報の優位性みたいなものは(今でももちろんあるとは思いますが)少なくなっている中で、相手の準備に面食らうことが少なくなっています。流石に後手番だと負けることもあると思いますが、先手番では今期はA級棋士にしか負けていません。

棋聖戦はまだ分かりませんが決勝トーナメントに進出する場合、振り駒の引きの良さも必要になりますが4連勝で挑戦者になることは十分にありえると思います。


師匠の杉本さんの本が出るようです。
悔しがる力 弟子・藤井聡太の思考法

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北浜健介vs藤井聡太(第91期棋聖戦二次予選)の感想。

終わってみれば完勝でした。が、序盤から謎すぎる展開で、しかし藤井聡太七段がほぼ時間を使っていないのでこれで互角以上なんでしょうね。特にびっくりしたのが22手目の時点で前例が1局という。先手が中飛車で22手目で前例1つっていうことは今までなんだったんだ!みたいな気もしなくもないですが、ソフト研究が進んでいる証拠でもあります。

先手はわりと今までの常識的な手順なのですが後手は右金の活用方法など、大山升田時代っぽく古風にも見えますがソフト研究の裏付けがあるという。奨励会三段のコメントとしても驚いていない感じです。確かにソフトは桂馬の頭の弱点をカバーするために金を使う(すると歩で叩かれても銀ほどダメージがない)ですよね。

32手目の時点で北浜さん曰く「有効な手が思いつかない」とのこと。プロでそうだとすると、アマは初手から全然わからないのも仕方ない気がしますし、より序盤固定の意義があるなーと思いました。

41手目の局面、後手の進展性がなく先手はわかりやすい進展性があるので先手がいいのかな?と思ってましたが評価値的にはどうなんでしょうね。後手が飛車を五筋に持ってきて攻めが始まるわけですが結局後手の囲いはここからそのままでしたし、やはり囲いや固め方については従来の常識が通用しなくなっている気がします。ここの局面をどうみるか?ここから進展させるのか攻めるのが常識なのか?の違いは大局観として大きな差異だと思います。

先手は本譜では固めて、後手は割とこれで行けるの??と不安になるような金を使った攻めを行いました。金で桂頭をカバーするのはまだわかるんですが、棒金に代表される金を使った攻撃はややもっさりしているというか、本譜のように最終的には金が遊びやすいので大丈夫なのかな?と。

しかし後手は囲いが完成してから飛車と金と歩しか動かさずに絶妙に攻めを成立させました。おそらく先手の北浜さんとしては固めておけばあれだけ遠い所からしかも金と飛車だけで攻めてきても陣形の実利があるから大丈夫、と思っていたのではないでしょうか?私もそういう感じで局面を眺めていました。

66手目の局面、後手の飛車成がほぼ確実となりましたが、どうにも重い。今見ても重そうに見えます。ただ、北浜さんの感想にあった通り、ここで既に思わしくない、評価値的には後手良しになっているのかもしれません。

92手目の局面まで、やはり藤井聡太七段は金と飛車と歩、あとは拾った香と桂だけしか使ってません。両者の金が7-9筋で遊びつつ、桂馬と香車が活用できて竜の効き具合に差異があるのでここでは後手が優勢になってます。

この局面までの指し方を見ていて、やはり現代風というかソフトの大局観を思い出しました。私は駒落ち(飛車落ち)をソフトで研究しているのですが、ソフト同士に自分の指した序盤から指し継がせると、驚くほど地味な展開になります。じりじりと鍔迫り合いをするような将棋です。本局もまさによくなるまでの後手の指し手がそういう感じで、先手が実戦的には難しいでしょう、という風に固めている間に徐々に徐々に評価値が後手側に傾いていった可能性があります。

良くなってからの藤井聡太七段の寄せは圧巻で、そこからはほぼ完勝だったように見えます。ここ最近の将棋をみているとさらにレベルアップしているような気がします。この棋聖戦が最年少タイトル獲得のためのラストチャンスなわけですが、中学生プロを実現させたように、少なくともこの棋戦もかなり勝ち進んでくれるのではないか?と思いました。

現代将棋における振り飛車のガイドブックはこちら

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Tag : 藤井聡太 北浜健介

藤井聡太はタイトル最年少記録更新できるか?

屋敷さんが棋聖を取ったのが18歳の後半。7月生まれの16歳なので2年ちょい、チャンスが残っています。

機会は19年(棋聖・王座・竜王)、20年(王将・棋王・叡王・棋聖・王位・王座・竜王)の10回。

今年の棋聖戦はあと5連勝で挑戦。王座戦はシードなので本戦Tの4連勝で挑戦。竜王戦は四位Tで4連勝、本戦Tで4連勝からの三番勝負で勝つと挑戦。

翌年の大変さも大体似たような感じ(順位戦で昇級すると少し変わる?)で、ぱっと見の大変さは王将戦・王位戦でしょうかね。ただ逆にリーグ戦が混ざることで藤井聡太さんの安定度が活きる、という可能性もあります。


以下はアンケート。よかったら回答してみてください!


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藤井聡太の魅力は大技にあり!藤井聡太の活躍が将棋界をどう変えるのか?


藤井聡太の若い頃の将棋を取り上げて解説しているものとして、最もオススメできるのは、「次の一手 藤井聡太29連勝の軌跡(将棋世界2017年9月号付録」です。https://www.amazon.co.jp/dp/B074GZ5828/

これ、師匠の杉本昌隆先生が、子供の頃からの好局というか藤井聡太さんの将棋の特徴が現れているものをピックアップしている、将棋世界の付録になります。
キンドルで120円なので藤井聡太さんのファンにはオススメします。

これ観るとわかるんですけど、あとは朝日杯優勝を決めた広瀬戦なんかもそうですけど、基本的には藤井聡太さんは常に次の一手級の、詰将棋的手筋であるような派手な手をまずは狙ってますよね。将棋のつくりとして。

ただ、相手もプロなのでそういう技が出にくい局面にしてくる。将棋界のステフィン・カリーと私は呼んでますけど、ステフィン・カリーってのは今までのバスケの歴史からみても規格外の3Pシューターなんですよね。シュートまでの動作が早すぎて小さすぎて誰も止められないし、遠くからでも決めてくる。ちなみにステフィン・カリーと藤井聡太さん、どちらもモンテッソーリ教育を受けてます。今から育てるなら、奥さん、モンテッソーリですよ?笑


で、その稀代の3Pシューターに打たせない展開に相手のプロ棋士は持ち込もうとする。その結果、藤井聡太さんが相手の面倒をみるような展開になっている…という感じがします。

ただ、藤井聡太さんが後手番のときには、先手番の棋士が主導権を握れるので、そのメリットを生かして派手なやり合いにならないように徐々に良さを拡大していく…というのが今のところ、藤井聡太さん対策としては一番有望なようにみえます。ただそれが滅茶苦茶難しいから8割を超える勝率を保たれているわけですが汗。

この前の順位戦、C1の対西尾明戦も鮮やかな収束でしたね。


今気になっているのは、藤井聡太さんが今後も長く活躍していくのは間違い無い中で、その活躍が棋界にどのような影響を及ぼすのか?という点です。これは人気度とかファン数とか世の中の注目とかそういうことではなく、純粋な技術としての話です。谷川浩司が終盤をパターン化し荒野が切り開かれました。そして羽生さんが序盤を整備して「知の高速道路無料化(笑)」を行い、全体的に早熟化が始まった。全体が早熟化した結果、三段リーグで渋滞が起こった訳ですが、藤井聡太が指し将棋と詰将棋の融合でぶっこ抜いて四段どころか七段になった。

ここまでが藤井聡太以降の世界で起こったことです。

いままでの将棋界は、一人の天才の登場により何かしらの棋界全体としてのブレイクスルーが起こっています。たぶん、そういう意味では藤井聡太以降の将棋界というのは、技術的な意味で何かしら新しいことが起きるはずです。それが何なのか?はまだ全然分かってないのですが、とてもワクワクしています。

ここから20年30年レベルで楽しめるはずなので、 今からでも遅くないので是非将棋のルールを覚えてほしいです!(と私は周りの知人たちに勧めています)。

最近の将棋界(八大タイトル・王座戦挑決・うつ病九段・藤井聡太)

ずっとブログは書いてない(バイトの方が書く戦前予想だけ)なのですが、久しぶりに書きます。


八大タイトルは複数冠が不在となり、長らく無冠だった豊島さんがホルダーとなり、初挑戦早よ!となってる藤井聡太さんはなかなか届かず…というのが現状。

王座戦の挑戦者は斎藤慎太郎さんになったので、中村太地王座が防衛しても奪取されても八人タイトルホルダー体制は維持されますね。

タイトル戦挑戦も最後あと2・3で挑戦、と煮詰まってくると流石に棋士の本気度も違うというか、本当に本当にみんな強いんだなーと思います。

藤井聡太さんにAbemaの収録で連敗した増田康宏さんが「一週間後に当たるかもしれないのでそのときは対策を練ってがんばります」と言っていたのが7月29日、日曜日のAbemaでした。収録タイミングから言って当たるかもしれない対戦というのはまさに竜王戦決勝トーナメントのことで、そこではしっかり勝ちきった増田康宏さん。凄すぎますね。

その後の王座戦でも後手番を引いた藤井聡太さんですが、相手は今回挑戦を決めた斎藤慎太郎さん。内容的にはほぼノーミスの、僅かな先手番の有利を上手く拡大して勝たれた印象があります。続く渡辺明棋王との挑決ではかなり序盤から苦しい展開だったように見えましたが、歩頭にうつ▲35桂が 狙っていた筋だったようでこの一発で逆転して挑戦獲得。噂では挑決では一度も逃したことがないらしいですね。

中村太地王座は去年度後半はかなり調子崩しているというか、初獲得したタイトルホルダーあるあるな展開というか、やはり色々細かな部分であるんでしょうね、という感じでしたが今期は復調気味?かどうかはここからタイトル戦が始まるまでで明らかになるでしょう。とはいえそれまでの調子とタイトル戦は別物、というタイプも多いですよね。

中村太地vs斎藤慎太郎といえば東西イケメン王子対決、ということで各地で女性ファン(及びおっさん)のイベント参加率が高まりそうです。私も一局ぐらいは行きたいなあ。太地さんは見たことあるけど、慎太郎さんは無いので…。

この二人の戦いだと、なんとなくですが中村太地王座のものすごい攻めと斎藤慎太郎さんのやや受け、という感じになるような気がします。最初の1・2戦で勢いを掴んだほうがストレートで獲得する、というような。

中村太地王座、といえば兄弟子の先崎学九段がうつ病で休場、そのことを書籍にして発表されました。うつ病九段というそのものズバリのタイトルでした。その中で何人かの棋士との親交というか練習というか、交流が描かれているのですが、弟弟子としての中村太地王座の件が登場人物としては一番ページ数が割かれている気がします。

人間同士の戦いでは人間力?的なものがモノを言う気がするので、先崎学九段との交流は一つ大きなチカラになるのではないでしょうか。先崎学さんと研究会をされている幾人かの棋士の名前を見ましたが、彼らもまたなかなかに活躍しているので、無関係ではない気がしました。


藤井聡太さんの初タイトル挑戦ですが、やはりまだクラスがC1なので予選スタートが多く、プロはどこまで行っても紙一重なので流石に確率的にどこかで負けてしまいますね。あと後手番が多すぎる。今期の対局、先手4局、後手12局、みたいな感じらしいですよ。あり得ないぐらいの後手番の多さですね…。通算でも57%ぐらいが後手番らしいです。そのうち収れんするのだとは思いますが。

藤井聡太さんの初タイトル挑戦の目が残っているのは棋王戦ですが、六連勝ぐらい必要ですよね。シード権などクラスが上がればそれなりに複数タイトル挑戦ありそうですが、それまではなかなか難しいかもしれません。逆に言うと、それでも挑戦出来た場合は番勝負で藤井聡太を負かす棋士がどのぐらい居るのか?という気はしますね。

まずは新人王戦、藤井聡太さんは最後の出場なのでぜひ決勝まで勝ち上がって番勝負を戦う所を見せてほしいです。

現在ベスト8まで来てますね。→ https://www.shogi.or.jp/match/shinjin/49/

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