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藤井聡太の魅力は大技にあり!藤井聡太の活躍が将棋界をどう変えるのか?


藤井聡太の若い頃の将棋を取り上げて解説しているものとして、最もオススメできるのは、「次の一手 藤井聡太29連勝の軌跡(将棋世界2017年9月号付録」です。https://www.amazon.co.jp/dp/B074GZ5828/

これ、師匠の杉本昌隆先生が、子供の頃からの好局というか藤井聡太さんの将棋の特徴が現れているものをピックアップしている、将棋世界の付録になります。
キンドルで120円なので藤井聡太さんのファンにはオススメします。

これ観るとわかるんですけど、あとは朝日杯優勝を決めた広瀬戦なんかもそうですけど、基本的には藤井聡太さんは常に次の一手級の、詰将棋的手筋であるような派手な手をまずは狙ってますよね。将棋のつくりとして。

ただ、相手もプロなのでそういう技が出にくい局面にしてくる。将棋界のステフィン・カリーと私は呼んでますけど、ステフィン・カリーってのは今までのバスケの歴史からみても規格外の3Pシューターなんですよね。シュートまでの動作が早すぎて小さすぎて誰も止められないし、遠くからでも決めてくる。ちなみにステフィン・カリーと藤井聡太さん、どちらもモンテッソーリ教育を受けてます。今から育てるなら、奥さん、モンテッソーリですよ?笑


で、その稀代の3Pシューターに打たせない展開に相手のプロ棋士は持ち込もうとする。その結果、藤井聡太さんが相手の面倒をみるような展開になっている…という感じがします。

ただ、藤井聡太さんが後手番のときには、先手番の棋士が主導権を握れるので、そのメリットを生かして派手なやり合いにならないように徐々に良さを拡大していく…というのが今のところ、藤井聡太さん対策としては一番有望なようにみえます。ただそれが滅茶苦茶難しいから8割を超える勝率を保たれているわけですが汗。

この前の順位戦、C1の対西尾明戦も鮮やかな収束でしたね。


今気になっているのは、藤井聡太さんが今後も長く活躍していくのは間違い無い中で、その活躍が棋界にどのような影響を及ぼすのか?という点です。これは人気度とかファン数とか世の中の注目とかそういうことではなく、純粋な技術としての話です。谷川浩司が終盤をパターン化し荒野が切り開かれました。そして羽生さんが序盤を整備して「知の高速道路無料化(笑)」を行い、全体的に早熟化が始まった。全体が早熟化した結果、三段リーグで渋滞が起こった訳ですが、藤井聡太が指し将棋と詰将棋の融合でぶっこ抜いて四段どころか七段になった。

ここまでが藤井聡太以降の世界で起こったことです。

いままでの将棋界は、一人の天才の登場により何かしらの棋界全体としてのブレイクスルーが起こっています。たぶん、そういう意味では藤井聡太以降の将棋界というのは、技術的な意味で何かしら新しいことが起きるはずです。それが何なのか?はまだ全然分かってないのですが、とてもワクワクしています。

ここから20年30年レベルで楽しめるはずなので、 今からでも遅くないので是非将棋のルールを覚えてほしいです!(と私は周りの知人たちに勧めています)。

最近の将棋界(八大タイトル・王座戦挑決・うつ病九段・藤井聡太)

ずっとブログは書いてない(バイトの方が書く戦前予想だけ)なのですが、久しぶりに書きます。


八大タイトルは複数冠が不在となり、長らく無冠だった豊島さんがホルダーとなり、初挑戦早よ!となってる藤井聡太さんはなかなか届かず…というのが現状。

王座戦の挑戦者は斎藤慎太郎さんになったので、中村太地王座が防衛しても奪取されても八人タイトルホルダー体制は維持されますね。

タイトル戦挑戦も最後あと2・3で挑戦、と煮詰まってくると流石に棋士の本気度も違うというか、本当に本当にみんな強いんだなーと思います。

藤井聡太さんにAbemaの収録で連敗した増田康宏さんが「一週間後に当たるかもしれないのでそのときは対策を練ってがんばります」と言っていたのが7月29日、日曜日のAbemaでした。収録タイミングから言って当たるかもしれない対戦というのはまさに竜王戦決勝トーナメントのことで、そこではしっかり勝ちきった増田康宏さん。凄すぎますね。

その後の王座戦でも後手番を引いた藤井聡太さんですが、相手は今回挑戦を決めた斎藤慎太郎さん。内容的にはほぼノーミスの、僅かな先手番の有利を上手く拡大して勝たれた印象があります。続く渡辺明棋王との挑決ではかなり序盤から苦しい展開だったように見えましたが、歩頭にうつ▲35桂が 狙っていた筋だったようでこの一発で逆転して挑戦獲得。噂では挑決では一度も逃したことがないらしいですね。

中村太地王座は去年度後半はかなり調子崩しているというか、初獲得したタイトルホルダーあるあるな展開というか、やはり色々細かな部分であるんでしょうね、という感じでしたが今期は復調気味?かどうかはここからタイトル戦が始まるまでで明らかになるでしょう。とはいえそれまでの調子とタイトル戦は別物、というタイプも多いですよね。

中村太地vs斎藤慎太郎といえば東西イケメン王子対決、ということで各地で女性ファン(及びおっさん)のイベント参加率が高まりそうです。私も一局ぐらいは行きたいなあ。太地さんは見たことあるけど、慎太郎さんは無いので…。

この二人の戦いだと、なんとなくですが中村太地王座のものすごい攻めと斎藤慎太郎さんのやや受け、という感じになるような気がします。最初の1・2戦で勢いを掴んだほうがストレートで獲得する、というような。

中村太地王座、といえば兄弟子の先崎学九段がうつ病で休場、そのことを書籍にして発表されました。うつ病九段というそのものズバリのタイトルでした。その中で何人かの棋士との親交というか練習というか、交流が描かれているのですが、弟弟子としての中村太地王座の件が登場人物としては一番ページ数が割かれている気がします。

人間同士の戦いでは人間力?的なものがモノを言う気がするので、先崎学九段との交流は一つ大きなチカラになるのではないでしょうか。先崎学さんと研究会をされている幾人かの棋士の名前を見ましたが、彼らもまたなかなかに活躍しているので、無関係ではない気がしました。


藤井聡太さんの初タイトル挑戦ですが、やはりまだクラスがC1なので予選スタートが多く、プロはどこまで行っても紙一重なので流石に確率的にどこかで負けてしまいますね。あと後手番が多すぎる。今期の対局、先手4局、後手12局、みたいな感じらしいですよ。あり得ないぐらいの後手番の多さですね…。通算でも57%ぐらいが後手番らしいです。そのうち収れんするのだとは思いますが。

藤井聡太さんの初タイトル挑戦の目が残っているのは棋王戦ですが、六連勝ぐらい必要ですよね。シード権などクラスが上がればそれなりに複数タイトル挑戦ありそうですが、それまではなかなか難しいかもしれません。逆に言うと、それでも挑戦出来た場合は番勝負で藤井聡太を負かす棋士がどのぐらい居るのか?という気はしますね。

まずは新人王戦、藤井聡太さんは最後の出場なのでぜひ決勝まで勝ち上がって番勝負を戦う所を見せてほしいです。

現在ベスト8まで来てますね。→ https://www.shogi.or.jp/match/shinjin/49/

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

藤井聡太の進化。(三段リーグ~プロ入り初期、そして今)

細かい棋譜は振り返ってないのであくまでも印象論ですが。

超初期からプロ入り29連勝、その後の10局ぐらいはなんというか終盤力がまず大前提としてあり、それを活かした圧倒的な寄せという感じだった。ギリギリの応酬から得た持ち駒を活用した長手数の詰みや、ちょうどバスケットボールでいうところのスリーポイントシューターのような、シュート動作の初動が早くて相手が反応出来ないような鋭い寄せを見せていた。前者は特にプロ入り前の三段リーグの棋譜でみられたもので、後者はプロ入りから29連勝するまでの間に何度か見せていた。

29連勝のあと、17年7月2日に佐々木勇気に負ける。その後、18年1月6日に大橋に負けるまでの間の成績が37戦26勝11敗(0.703)だった。勿論、悪い成績ではないがプロ入り後最初の壁のようなものを感じていたのではないか。A級や年上の実力者に負けている。ただ11敗のうち5つが早指し戦の負けであり、経験の無さを読みのチカラで補うことで勝ち星を増やしていたことを逆に裏付けている(そして現在に至るまで夕食休憩のある将棋で負けたのはあの30連勝をかけた佐々木勇気との対戦だけなのだ)。

年明け初戦は大橋に負けたもののその後15連勝中。年末年始の8日間の休暇で更に進化したように見える(おそらくリラックスして将棋に没頭した期間なのではないか?)。

29連勝中は相手のプロがまだ藤井聡太が何者なのか分かっていなかった所もあったはず。その後の37戦は藤井聡太の距離感を掴んだプロがそれを警戒した将棋を指したために経験値等で格上の棋士たちが順当に勝ちきった時期といえる。その後の15連勝をみて思うのは、”局面のスローダウン”ということだ。

先日のA級プレーオフ、▲豊島将之vs△羽生善治戦の終盤で「△4八と」という鋭い手が出た。手の意味としては攻めあいで後手の羽生が勝ち、ということもあるが一直線の手順に応じざるを得ない状況をつくり、その先にある局面では羽生が勝っていますよ、という主張の手である。読みぬけがあると負けになるので勇気のいる一手であり、羽生が常々自身を鼓舞するように言っている踏み込み、局面をスピードアップさせる手だった。

最近の藤井聡太の将棋は、ある意味羽生のこの踏み込みとは真逆に見える。一手違いの切り合いに持ち込むのではなく序盤で得た微差を更に拡大するような指し回しが目立つ。昔で言えば大山流の指し回しというか、一手前に受ける、というような手を指してから万全の状態になってからあの詰将棋解答能力を用いして寄せに入る。29連勝で見せた鋭さと、その後の36戦で先輩棋士たちに警戒された後の将棋を経て、更に進化した印象だ。

ちょっと模様の良さそうな中盤でスピードアップさせずに模様の良さを具体的な数値としての良さに繋げて、そこでも慌てずに相手に暴発させて討ち取る、という将棋。特に衝撃的だったのは先日のC2の最終局、三枚堂達也戦で、50手目に三枚堂が△31歩と底歩を打ってから終局まで後手の三枚堂の駒台に歩が乗ることがなかった。通常、将棋の攻めというのは燃料としての歩があるはずで相手に歩を渡しながら攻撃のキッカケを得たり、手番を得て良くしていくものだ。

そういう手を一切指さずに次に厳しい手を見せて後手に動かせてその動いた手をひたすらに咎めて、本来は歩を打っておびき寄せる手を後手が指すしかなくなってからおもむろにようやく寄せにでたのだった。

次の対戦(3月22日)で藤井聡太はA級に圧倒的な成績で上がった元タイトルホルダーでタイトル戦経験が複数ある糸谷哲郎と対戦する。糸谷将棋の特徴としてはその創造力豊かな指し手にある。考慮時間の使い方にも特徴があり、そのコンビネーションにやられる棋士も多い。現在のトッププロでは最も個性的な棋士の一人であることは間違いなく、こういうタイプの将棋に対して藤井聡太がどういう指し回しを見せるのか?非常に楽しみである。持ち時間は5時間なので作戦的に翻弄されたとしても持ち直すことは十分に可能なはずで、幻惑する糸谷vsそれを必死に振りほどこうとする藤井聡太…という構図になるのか、或いは糸谷が先手で非常に真っ当なチカラのこもった将棋になるのか。

どちらが先手になるかによって大きく変わってくる気がするが非常に楽しみな対戦であることは間違いない。ここでもし藤井聡太が勝つようだと自身のもつ29連勝の記録を上回る連勝をしても誰も驚かないのではないか。

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 藤井聡太 糸谷哲郎

「1マイル4分の壁」を突破した将棋界の今後。

「1マイル4分の壁」というものを知っていますか?

ウィキペディアから引用するとこのようなものです。


1923年にフィンランドのパーヴォ・ヌルミが1マイル4分10秒3の記録を樹立。それまで37年間も破られずにいた記録を2秒も更新する驚異的な世界記録だった。もうこれ以上の記録は出せないだろうと専門家は断言し、1マイル4分を切ることは人間には不可能というのが世界の常識とされていた。世界中のトップランナーたちも「1マイル4分」を「brick wall(れんがの壁)」として「超えられないもの」と考え、エベレスト登頂や南極点到達よりも難しいとさえ言われていた。

しかし、オックスフォード大学医学部の学生であったバニスターは、トレーニングに科学的手法を持ち込み、自分のコンディションを科学的に分析した。そして、2人のチームメイトをペースメーカーにして4分の壁を破った。

46日後の1954年6月21日、フィンランドのトゥルクで、ライバルだったオーストラリアのジョン・ランディが3分58秒で走り、バニスターの記録は破られた。その後不思議な事に、1年後までにランディを含め23人もの選手が「1マイル4分」の壁を破った。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ロジャー・バニスター




将棋界における四分の壁はなんなのか?というのはあるものの、何かしらの心理的な障壁を打ち破ったのは紛れもなく藤井聡太その人でしょう。

29連勝、五段昇段すぐに朝日杯で名人・竜王・A級をなで斬りにして優勝で六段。しかもまだ中学生。

藤井聡太がミラクルであることは間違いないですが、そのミラクルに引きずられるようにして幾つもの驚くべきことが立て続けに起こっています。

若手タイトルホルダーが誕生したのも、各順位戦が超ハイレベルな昇級戦線を維持したのも、A級の6人プレーオフも全て将棋界における常識のようなものが崩れたからこそなのではないでしょうか。

漫画のような展開、漫画であればボツになるストーリーと言われる出来事が頻発していますが、これからも起きるような気がします。可能性の上限キャップが外れた世界となり、更に盛り上がっていくのではないでしょうか。

藤井聡太さんの活躍に触発される棋士が多い中、もっとも奮起しているのはもしかすると羽生善治竜王かもしれません。先日のA級プレーオフ、豊島将之八段戦での後手の桂頭を攻める▲35歩がそこまで厳しくないと読んだ手順、そして53に角をなられてぼろっと23の金を取られても平気と読み切った△48と金。じっと我慢する所と一気に踏み込む変幻自在の手順に、羽生善治の真髄をみた気がします。

以下、私の感想ツイートから引用して終わります。


テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 羽生善治 藤井聡太

もし藤井聡太物語が漫画だったら?

SFとかでたまにみるのが、あるタイミングで本当の世界から異世界に移行してしまっていた…という話。

最近本当にそうなってしまったのではないか?と思う出来事、多くないですか?代表的なのは藤井聡太さんの恐ろしいまでの活躍。色々な人たちが言っていますが、藤井聡太さんのこれまでの活躍、プロ入り前を含めた出来事ってすごすぎます。このまま漫画や小説のストーリーとして提示すると確実に編集さんにボツを食らうよね、という意見も多いです。

きっと我々は知らぬ間に異世界に突入してしまっているのかもしれません。だとすると、ここから待ち受けている展開はどういうものか?というのを以下に示します。小説だと無理筋…という展開がきっと待っているはずです。

2018年5月、竜王戦5組優勝で七段に昇段。

2018年8月、 上州YAMADAチャレンジ杯で優勝。

2018年9月、竜王戦挑戦者決定戦に勝利。初タイトル挑戦を決める。

2018年10月、王座戦挑戦~奪取。初タイトル獲得。同時期に行われている新人王戦で優勝。

2018年12月、竜王奪取。二冠に。竜王位1期獲得で八段昇段を果たす。

どうでしょうか?まだこの物語のシナリオとしては甘いですかね?国民栄誉賞辞退、とかもあるかもしれませんね。

ちなみに昇段規程はこちら→https://www.shogi.or.jp/match/dan_provisions/

年末に何段になってるでしょう?というアンケートも取っています。よろしかったら回答お願いします。

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 藤井聡太