山崎隆之「諦めなくてよかった」JT杯、優勝

昨日の朝、出先だったんですが、山崎隆之さんの対局が二局ある日だなと思って慌ててブログを更新しました。

なんとなく、女の勘っていうかそういうのが働いたんですよね、山崎隆之さんが勝つんじゃないかって。(男ですが働きましたね、女の勘が。

でふざけた記事を更新したんですが、山崎隆之ファンの皆様、ちゃんと町中を練り歩いたのかな?って。それだけが気になってます。でも練り歩いても全然おかしくない神吉の、じゃなくて歓喜の一日だったのではないでしょうか。

まずNHK杯。こちらは羽生さんのうっかり?もあって圧勝だったようですね。まだ棋譜はみてません…。

そしてなんといってもJT杯。相手は現時点で最強との呼び声高い、豊島将之さんです。去年のJT杯覇者ですかね。

いつもの謎将棋でした。序盤の馬を作った局面ではどうなのでしょうか。正直馬よりも歩損が痛いようにもみえましたが、プロ解説によると、馬の威力も大きいとのことでした。

流れ的には山崎隆之さんが良くなって、豊島将之さんが逆転して、再逆転して山崎隆之勝利、というかんじでしたが、やはり薄い玉は実戦的には大変、というのがわかる将棋でもありました。

現代将棋は堅さが正義!というのとともに台頭したのが渡辺明だとすれば、ソフト以降のプロ将棋、特にここ最近みられるのは堅さよりも如何に条件よく先攻できるか、相対的な堅さとは何か、という将棋感覚です。

ソフトでの研究に対して否定的な棋士、肯定的な棋士、その中間といるとすれば、山崎隆之さんはある時点における発言では少なくとも否定的な棋士でした。

否定的な棋士が自身で研究し自身のスタイルを貫き通していたなかで、ソフト研究全盛の今、なぜか時代が、将棋感性が、山崎隆之の将棋に追いついてきたのです。このあたりは、最後に貼っておきますがソフトに関する書籍「不屈の棋士」のなかで山崎隆之さんが語っていたことなのですが、ようやくここ最近になってようやく、私にも理解できるようになりました。

ソフト研究による将棋が出てきたら、なぜかそれがソフトともっともかけ離れているはずの、人間味あふれる山崎隆之の将棋の世界に近かった、という不思議さ。

山崎隆之さんの勝利後の「諦めなくてよかった」の一言はこの勝利に関してだけの言葉ではないな、と思ったのは私だけではないはずです。ファンの人たちはこの言葉に込められた思いに涙したのではないでしょうか。

以下、不屈の棋士から山崎隆之さんの言葉を引用して〆たいと思います。


自分の序盤戦はソフトと感覚が似ていると思います。人間よりソフトの方が自分の将棋に似ているなとわかって、びっくりしたことがあります。だから最近、僕みたいないい加減に見える力戦、序盤の不安定なところから動いていく将棋が全体的に増えましたけど、きっとソフトの影響なんだろうなって。正直、ソフトに「大丈夫」ってお墨付きを貰う前にやってくれよ、って感じですけどね(笑)



正直、ソフトに「大丈夫」ってお墨付きを貰う前にやってくれよ、って感じですけどね(笑)
ですよ!本当に諦めなくてよかった!おめでとうございます!山崎隆之八段!

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Tag : 山崎隆之 豊島将之 羽生善治

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さて、遅ればせながら「第33回JT杯決勝 久保利明vs羽生善治」の感想を。

その前に簡単に夕食メモ。ビールからスタートして、生牡蠣2個、コチ刺身、白子ポン酢、日本酒二杯、だし巻き卵。

JT杯といえば、タバコ。タバコといえば、やはり未成年から吸わないと正直習慣化しないものである。言い切ってしまってどうかとも思うが、私も含めほぼ全ての喫煙者・元喫煙者はそうだろう。私の場合は、両親が喫煙者だったために、思春期にすんなり影響を受けて喫煙・飲酒が始まった。

将棋指しでいえば、先崎学、田村康介あたりがそういうクチではなかろうか。小博打も中学生ぐらいからやっていて、クラス中で競馬新聞を広げている金曜日や土曜日、という風情。

そういう啓蒙活動が将来のタバコ購買量にかかっているということを心底理解しているJTはそういうわけで、子供大会にチカラを入れているわけです。

このへんが将棋連盟の痛し痒しであることはみんな知っているが、内部の人、および周辺の人は慮って書かないので外部の私の見解を述べたい。

喫煙者に最も手厳しいのは元喫煙者であり、非喫煙者は実はそれほどうるさく言わない印象がある。私は元喫煙者なので、そういう視点であることを先に記しておく。

一番驚くのが、対局室内で、いまだにタバコが吸えるということ。この分煙化の時代においては相当に珍しいように思う。このへんもスポンサーに慮ってのことだろう。

将棋は学校教育・子供の情操教育にも良い、という展開とこのJT杯は難しい関係にあるが、このへんは上手くJTの別事業の将来的な展開を絡めて欲しいところである。


このへんの配慮、苦慮というのが、以下のJT杯の紹介に現れている。


本シリーズは日本将棋連盟と各地区新聞社主催のもと、全国の主要都市で開催している国内最大規模の将棋イベントです。

(中略)

『将棋日本シリーズ』は、将棋を通じて日本各地に上質な感動や伝統文化の奥深さと、こどもたちの健やかな心を成長する機会を提供することで、地域社会の活性化と青少年の健全育成に貢献したいとの想いで開催しています。



というわけで、サイト自体はJTのサイトではあるものの、事務局運営であり、将棋連盟と新聞社主催ということである。

子どもたちもJTがなんの略かは分からずに、将来的にはJTブランドのドリンクやお菓子?等を買う可能性はあるので、そういう展開になることを希望しておこう。

さて、ものすごく逸れたが、将棋の感想を以下にて。

戦型は先手中飛車に後手から角交換する形に。個人的には中飛車に5筋を突き合う、そして角交換する形は中飛車側に攻め筋が多すぎて、素人同士だと中飛車が楽しみが多いので選ぶべきではないと思うが、二手目を△8四歩だと石田流にされるので、仕方ないところか。

53手目の局面、角を打ち合って局面がスローダウンして、銀を投入した後手が自分から銀桂交換の駒損になってしまったのは、どうだろうか。8一の桂馬が使えない展開での駒損なのでこの時点で、後手が思わしくない可能性があると私は考えた。

しかし駒の損得ではなく駒の効率、ということで後手から5筋に再び転戦し、先手振り飛車の左翼を遊ばせる方針だった。遊んでる駒自体は先手に左金がある分、不満でしょう、というところか。

87手目の局面、派手な応酬があって、駒割りは先手が飛車銀を手にして、後手はその代償に角を得ているので二枚替えだ。ただし先手の金銀が7筋で遊んでいるので効率は後手のほうがいい、という主張なのだが、左の桂馬は捌けているのと、手持ちの桂馬が2五の地点、銀冠の屋根を支えに打てそうだったり、矢倉風の後手の囲いの心もとなさはある。

93手目の銀が後手陣の二枚金に働きかけたところではその弱点が露呈している。後手のと金もそっぽにされてしまっているし、先手の攻めが一足早いように見える。

97手目の攻防の角が気持ちのよい一手。将棋は一度に一手しかさせないとしたものだが、両方に狙いのある手がさせると両方一辺に防ぐことができないので、確実にポイントを稼いでいる。

107手目の桂馬を捨ててからの、遊んでいた銀を活用して投了図、というのは美しい手順だった。

先手の左金が遊んでいる分、中飛車は…と言われたのも今は昔、片銀冠の性能の良さで遊ばせたままでもどうにかなる、という如何にも現代らしい将棋だったように思う。


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