羽生天彦戦@銀河戦が凄かった。

さっき、ツイッターのTLでそのようなツイートを拝見したので慌てて確認しましたが・・・これは凄いですね。

ぱっと見は、先手がやらかした感ある将棋のような気もしますが、中盤以降の手順が凄い。

佐藤天彦の充実っぷりを示すような、震えない手順。とてもカッコイイなと。

銀座戦のCブロックの決勝でみれます。パパっと並べるだけでも難しいことなく(あるんでしょうけど)、見た目が派手で楽しいので是非御覧ください。
http://www.igoshogi.net/shogi/ginga/index.html


後手の佐藤天彦の横歩取り研究が脅威だから変化する・・・ということなんでしょうかね、これは。
(この前の王座戦挑戦者決定戦の豊島さんしかり)。

佐藤天彦としては横歩取りが万全で、先手が角道をふさいできたときの作戦も豊富だとすると後手番として万全であるという心理的なメリットは大きいと思います。

相居飛車で先手が先に角道をとじてくれれば、少なくともしばらくは後手が主導権握れる可能性高いですしね。

いやー王座戦、楽しみになってきた・・。

一手損相早繰り銀 第19期銀河戦 Cブロック5回戦 ▲糸谷哲郎vs△富岡英作

早指しの棋戦ではかなり走りそうな雰囲気のある糸谷哲郎プロが研究家で佐藤康光の若き日のスパーリングパートナーを務めていた富岡英作プロと対戦。

先手糸谷哲郎プロで一手損の早繰り銀の戦いになった。

後手は居玉、先手は玉が7九。この違いがどうでるか?居玉のほうが敵の攻めから遠いという意味がある…というのが後手の主張点。ただし居玉故に8筋で銀交換をするには一手損に加えて24手目の△9四歩が必要なので善悪は微妙、というか先手としては勝たなければいけない勝負のような気がする。

玉の位置に関係する部分以外は似たような手が続く。先手は銀交換を拒否して8八に引き(玉が7九にあるので)、後手は2二に引いても損なので4四の地点で交換となった。

43手目の▲6三角が良さそうな手だった。居玉で2筋からだけ攻めるよりも左右挟撃の形を作るほうが効果的。ただしどちらからの攻めもまだ実現する感じではないので、若干もたれて指しているというか、相手の攻撃を貰ってから反撃したい、という感じの手だろうか。

49手目、馬が出来たところでは瞬間的には相当先手がずうずうしい。後手としては飛車を渡してでも強く反発したいのだが、飛車を取られた手がまた6一の金に当たっているのが次の▲4一飛などがみえてなんともやる気がしない。

とはいえ、本譜の手順でも飛車交換の後の▲4一飛が詰めろで明快に1手勝っている。59手目の飛車のぶつけが勝利打点の味。

▲8八銀でしゃがんでおきながら、相手の飛車先交換のタイミングにあわせて馬を作り、見事なカウンターが決まった。

糸谷哲郎プロが一手損の真髄を知り尽くしていることを、本譜のように明快に居玉を前提とした組み立てを見て感じることができた。

相早繰り銀は居玉が活きる可能性はあるのだが、△9四歩の一手が王手飛車の防ぎ以外に殆ど活きないことを考えるとその分、勝ちにくいと思う。少なくとも私レベルのアマには使いこなせない気がする。




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糸谷プロらしさ 第19期銀河戦Cブロック4回戦 ▲糸谷哲郎vs△遠山雄亮

棋譜はこちらで。

後手遠山雄亮プロのゴキゲン中飛車に先手糸谷プロが▲3七銀急戦から例の5五の地点で先手が蓋をして、後手の飛車を5六の地点に閉じ込める将棋に。

ただし、これまで見たことのない蓋の仕方で、手をつけるだけ付けてから蓋をしたのが先手の工夫。従来型は先手の飛車が窮屈だったが、このやり方だと大上段に大威張できるので大違いだ。

37手目に▲6八銀と引く手が利いて相当気持ちが良い。従来型だと歩を垂らされて受ける形だったが、飛車が5四の地点にいる関係でそれが無いのも大きい。

飛車の裏に歩を打つのは相当後手としては面白くないが2二や3三の地点では受からないので仕方ないか。(4四の地点はあったかもしれない)。

40手目の時点では▲飛△銀桂香の三枚換えだが、5筋でのと金生成があるので、そして振り飛車側の左翼の駒が全く働いていないので先手が最早良さそうだ。

70手目の局面は手番は後手、玉の堅さも後手、駒の損得もやや後手だが、後手が拾える駒が無いのに対して、一手余裕が出ると駒を拾える先手、ということでこのあたりは先手の糸谷プロが得意の受けで余しに掛かっている、ということだろうか。

攻め手がない後手は8筋9筋に転戦するがそこでもまた糸谷プロらしい応酬を見せて、何と言うか相手にするととてもムカつくだろうなあという指し方というか、気づけばボロボロに駒損にされていて最後も投げ場らしい投げ場もなく、無残な投了図となった。

多分、糸谷プロの森内策を前提とした研究だったと思われるが、その後の進め方がなんとも糸谷プロ風味で面白い。ノータイム指しがまたもや炸裂したのかどうか?については放映を観ていないので分からないのだが、恐らくそうなのだろうなあ、と思う。


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第18期 銀河戦 決勝戦 ▲丸山忠久九段 vs△佐藤康光九段

羽生名人を撃破した丸山プロと今期絶好調の佐藤康プロの対戦。戦型は一手損の早繰り銀最先端の形となった。通は32手目で△4五銀と出る定跡、といえば伝わるだろうか。知らない方のために簡単にいうと、もっとも柔軟性のある・含みのある手だと思う。先日のNHK杯、慈明vsダニー戦と同じ将棋

後手は無理をしているので目一杯に行くしかないのだが、最初から目一杯でいくと息切れするのでちょっと溜めたというかそういう味のある手。対する先手の応手▲3八金が安全堅実なようでいて、あまりイケテない。こう指してくれるなら私は毎日この戦型の後手番を持ちたいところだ。

具体的に変わる手は難しいのだが、こう指してくれるならば、後手の言い分は通っている。37手目の▲5五銀までは前述の慈明ダニー戦と同じ。収録日-放映日の関係でどっちが先なのかは分からない。

38手目の応手、△1五角がとにかくゴツい手だ。如何にも佐藤康光、という雰囲気が漂っている。そこからは必然の応酬プラスプロっぽい7七の地点を開ける手、▲6六銀上があったのが51手目。
丸山さ


駒の損得は▲角銀△飛桂馬(と金)でやや後手。手番は後手。玉形は微妙。ということでここでは後手を持ちたい気がする。特に先手の攻めの常套手段である▲3四歩が4五の銀でケアされているのが大きい。6四手目の歩頭に桂馬の△8六桂が勝利打点の味。

+++++++++++++++++++++++++++++

ここまで見て、後手の凄い圧勝っぷりに驚き、この局面になったら絶対に指そうと思ってみた先週の週刊将棋に、真相が出ていて再度驚いた。プロっぽい、強い人らしい▲6六銀上が悪く、7七玉⇒8八玉と動くつもりがその暇がなかったとのこと。

2筋の折衝でかなりの駒損を強いられた後手だが、寄れば終盤なので関係ない。寄らなければ流石に酷い。そして▲6六銀の代わりに▲7九玉からの普通な手順だとどうなるか?というのがその5日後に行なわれたという対木村戦で、将棋世界 2010年 11月号 [雑誌]の後ろのほう、194ページに載っている。

その手順がなかなかのものでこれぞ丸山激辛流というものだった。後手が無理やりに攻めずに香車を拾ってと金を寄せていく手順だと流石に忙しいので、この展開はプロではもう現れない。そうすると出てくるのは5五の銀をどかすような、村山糸谷戦のような展開だろうか。

個人的には昨日早繰り銀の場面で相手に指された手を咎める手順で頭が一杯なのですが、飛車の横に金が来てくれる展開というのは有難いように思うのですがどうでしょうか?


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第18期銀河戦 決勝T 準決勝第1局 ▲佐藤康光vs△中村太地

先手佐藤プロで相矢倉に。後手番の中村プロは元振り飛車党で今は居飛車をメインに指すようだが、かなり上手に指しこなしている。本棋戦でもオール居飛車ではないだろうか、前局の対橋本プロ戦も見事な指し回しだった。

本局もテーマをもって臨んだようで、12手目の3二銀で現代矢倉の最前線を思わせる出だしとなった。いわゆる既存のノーマル矢倉は過去の蓄積が深すぎて広すぎるので、ゼロから学ぶのには躊躇するものがあるが、この展開はそれに比べるとまだ未解決か、狭いので転向組にはやりやすい意味があるのだろう。この左美濃・早囲い系は大きく区分するといわゆる藤井流として良さそうな駒組み。(最も藤井プロは後手番では指さないわけだが)。

角を手順に捌かせると面白くない先手は本譜のように角を飛び出して先手飛車を睨んで金銀を盛り上げていく指し方となる。

この指し方、かなり強い人は別にして、先手番としてはそんなに楽しくないというか、指しこなすのが難しいと思うので後手としては全然優勢ではないのものの、気分だけは良い気がする。本当に気分だけで、形勢はむしろ棋理としては先手が良いとは思うが。

良く分からないのが先手陣の堅さ具合。この端が狭く桂馬が跳ねており、銀が上ずったような銀立ち矢倉?というのは堅いのかどうかというのはいつも悩む。ただし飛車・角・桂馬だけとはいえ先攻できたことは間違いないので多分先手が良い。

67手目、直ぐに見える後手からの攻めもないのでずばっと角を切ったのが佐藤康光プロらしい強力の攻め。続く構想として5筋で一歩もったのはいいとして、5筋の銀取りを放置しての端攻めには驚いた。

飛車が成り込まれると相当危ないように見えても金や飛車など後ろに利く駒さえ与えなければOKということで、確かにそれらを与える機会はしばらく無さそうだが、これでいいなら話は早い。

続いて81手目、香車も棄てての▲3三歩。この時点での形勢判断は、玉の堅さは当然先手、手番も先手、駒の損得は先手のザ・角損。既に局面は終盤ということだ。攻めが続けば玉の堅さが大差なので、先手が勝てそう。

89手目の▲4一銀が勝利打点の味。この手に金を逃げることは出来ない。ぱっと見えるのは逃げても角打って玉逃げて2三に馬作られると3三桂成?飛車成という感じ。後手に飛車や金が渡る日は一生来ないので、飛車に成られても怖くない。

溜まった攻め駒で反撃を試みる後手だが、金or飛車がない時点でどこまで行っても…という状況に変化はなく、最後は二枚の強力な大駒の力で先手の佐藤康光プロが寄せ切って終局となった。

++++++++++++++++++++++++++++++++++

本譜は相居飛車・相矢倉らしい攻防というか先手の攻撃、特に捨駒、手抜きが印象に残る一戦だった。佐藤康光が先手を持つとこのようにしてタコ殴りの展開があるのだなあと改めて感心した次第。

矢倉も最近ではスピードアップが図られて、新二十四手ですら悠長な具合になってきたように思われるが今後の矢倉における流行に注目していきたい。

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「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

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