藤井聡太、先手番で二敗目。▲藤井聡太vs△大橋貴洸

11/29(水)棋聖戦 一次予選で藤井聡太さんの対局がありました。結果から書くと、藤井聡太四段は負け。今期8敗目、先手番で二つ目の負けとなりました。ちなみにどちらも対横歩取りでした。戦績は49戦41勝8敗(0.8367)となりました。最高勝率の更新もちょっとむずかしくなったかもしれません。

というか大橋さんも今期勝ちまくってます。今期絶好調同士の同期対決でした。▲藤井聡太vs△大橋貴洸。藤井聡太の先手で横歩取りの△85飛車型に進みます。対戦成績は2-0で藤井聡太が勝っているものの、内容的には大橋四段が互角以上の戦いを見せており、どちらも藤井聡太の勝負師的側面が出て勝っていた記憶があります。

横歩取りにしてはちょっと変わった出だしのようにみえ、40手目後手が△81飛とひいた局面では陣形的には後手のほうが私の好みでした。先手は一歩得していますが、攻めの銀の位置と飛車の位置の違いで後手が先攻できそうです。

55手目、反撃の手がかりとして▲45桂と跳ねた藤井聡太四段でしたがすかさず空いた47の地点に垂らされた歩からの大橋四段の攻撃がうるさかったですね。左右挟撃になった辺りでは後手のペースのように見えました。

では具体的にどこが悪かったのか?ということで局面を戻してみると…やはりその場面その場面ではおかしな手があるかというとそういう訳ではないんですよね。プロなので当たり前といえば当たり前ですが、凄いといえばやはり凄い。最善手で進めていったはずなのに先手なのに辛くなっていた、そういう局面が現れたということは序盤のつくりが宜しくなかった、ということなのかもしれません。

個人的にはかなり序盤に戻りますが、横歩を取ってその後に26に引いた飛車を28にまた引いて、しかも先手から角交換して…という手順に違和感をおぼえました。プロ的にはどうなのでしょうかね?

また、角換わりが得意な藤井聡太さんが、相掛かりや横歩取りでは比較的負けている点、またその負け方にそれぞれの戦法の特徴や、藤井聡太四段の経験値の貯まり方が出ているかも?と思いました。幾つかの戦法においてはかなり経験値が貯まってる印象で、その道筋に入ると相当強い。ただ、やはりまだ若いですから全般的な知識としては他の棋士たちに一日の長があるのかもしれません。逆に言えば、そういう経験の足りなさを順位戦など長時間の将棋では圧倒的な読みの深さでどうにか互角以上に対峙しているのだとおもうと、やはり凄い棋士だなと改めておもいました。

横歩取りの思想である、一歩取らせるすきにその手得を活かして先攻する…という大橋四段の積極策が功を奏した一局でした。

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 藤井聡太 大橋貴洸

棋聖戦も羽生さんがストレート防衛。

いやーまたもや久しぶりの投稿です。今温泉にいるんですが、夜中もやってるところなので、寝起きの酔い覚ましにひとっぷろ浴びてきたんですが、深夜のスッピンほど怖いものはないですね…(-。-;

ちょっと遭遇した感がハンパなかったです。能面的なノーメイク…。

さて、昨日は朝日杯のアマプロもあったんですが、結果としては順当にプロ勝ち。しかしアマでは頭一つくらい抜けてる感のあるカクさんと今泉さんですが、ついに今泉さんがまたもやプロ入りのチャンスを迎えています。

ここ最近の今泉さんは、かなり安定してますよね。序盤固定というか、研究でかなり細かいところまで整理しつつ、持ち前の中終盤の力強さを完璧に活かせる感じ。

カクさんのほうが更に追い込み型なのに対して、今泉さんは昔よりも少し前方に位置することにより、終盤の脚がしっかりつかえている、そんなイメージです。

プロ入り試験の相手はそんなに悪くないと思うので、プロ入りの可能性は五割以上はある気がします。五十万円の受験料は、キャンプファイヤーとかで募るといい気がしました。

そして、棋聖戦ですが。またもや羽生さんのストレートでした。戦い方が対森内戦ということでいうと、完璧に変わりましたね。

もう舗装路では戦わないよと。オフロードの戦いだよと。そういう感じ。5筋に桂馬を二枚突っ込むところからの進行とか、荒々しい雰囲気が出てると思います。

具体的にどうすれば良いのかは勿論私にはわからないのですが、その辺ではすでに後手のパンチが入ってる気がするので、後手の作戦勝ちだったのでしょうね。


しかしこれで羽生さんは今期負けなしの11連勝ですか。あり得ませんね…。

かなりざっくりした感想ですが、以上です。( ^ω^ )






Tag : 羽生善治 森内俊之

第85期棋聖戦第二局。羽生連勝。

いやーなんとも言えない戦いでした。

Twitterでご意見頂いたのですが、確かに羽生さんの何かが変わったような気がするここ最近ですね。

特に名人戦からは明らかに対森内戦においては少なくとも変わっています。定跡研究の最先端ではなく、違うところで戦っている印象。

森内さんの得意ではないペース、スタイルでの戦いを意識しています。がっぷり四つではなく変化。スタジオ録音ではなく、ライブ音源。そういう印象の将棋。

本局もこういう将棋では普通は勝てないというか、プロ同士或いは持ち時間が長い将棋では、先手が負けることが多いような戦いだったと思います。

勿論、定跡の最先端でも戦えるけど、森内さんとはもっとカジュアルに、いい意味でルーズに、自由に力でやり合いたいんだ、というような。

銀交換してから後手は持ち駒、先手は微妙なところに手放している辺りから延々と後手のほうが理論上は良いのだろうな、という局面が続きます。

なんだか、将棋ウォーズの3分切れ負けを見ているような気がしました。後手は時間が逼迫して入玉しかない展開。将棋ウォーズであればトライすれば勝ちですが、プロ将棋ではそうならないので、羽生さん相手に入玉するのは相当大変な気がします。

入玉将棋の性質上、正確な手を指し続ける必要がありますが、羽生さんの絡みから、嫌味の付け方がうますぎます。

左右に散らしたり、相手に選択肢を広く持たせたりと、どこまでもいやらしい。渡辺明だとギリギリの攻めを続け通して勝つ…という展開がありますが、本局の将棋はそういう感じではなく、厳密には無理のある、競馬でいうと大逃げに近い。先行していけるだけいって、そこからの粘り前残りが鼻先の勝利を産んだ、という感じ。

次もまた、謎の若干亜流な作戦を用意しているのでしょう。こうなると作戦の選択権を持つ後手のほうが良いとは言わないまでも、羽生さんの後手で何が出てくるかわからないというのは相当に怖いのではないでしょうか。

最初に触れた通り、Twitterで指摘された方がいましたが、将棋の違った意味での自由さをある意味追求し始めているのかもしれません。

定跡としてみた時の息苦しさはここ最近の特に後手番戦術においてはあったわけですが、そんなに舗装路ばかりで競わなくても、こっちの獣道走ろうよ、というような。

マラソンランナー森内に対してトレイルランナー羽生、という印象です。整備された42.195kmでは勝ち負けでも、トレイルになると…という。

次の戦型が本当に楽しみです。棋聖戦でもストレート防衛になると、森内さんや森内ファンには厳しい結果になりますが、羽生さんが新しい将棋の在り方をもしかしたら示してくれるのであれば、将棋界としては楽しみなことではないでしょうか。



Tag : 羽生善治 森内俊之

天衣無縫 。第85期棋聖戦羽生棋聖後手番で先勝。

ご無沙汰しております…さっぱり将棋は観れていません。が、昨日の棋聖戦だけはみましたよ。

なんというか、羽生さんの自在性に翻弄される森内さん、という構図にまた戻ったというか、序盤で早めに力戦ではないものの、未整備な道へと誘う羽生さん、という。

森内さんというのはマラソンでは強いんですよね。舗装された道の走り慣れたコースでは最も効率的に走ることができる。

対する羽生さんは、トレイルランナーというか、自在性のある人で、短距離からウルトラマラソンまでこなす超人なわけです。

そんな羽生さんが、横歩取りの序盤でコースから外れる藪のほうへ森内さんを誘い出します。

そこから見せた構想が面白かった。中原流の相掛かり調に、歩の裏側に歩を置く例の手筋を見せた。

先手の駒組みの進展性を阻害する手で、2筋の歩とのバランスも良い。後手としては特に代償なく大威張りできる序盤となったが、どこがその要因だったのかは、ちゃんと並べてないのでわかりません。

どなたかご教示いただけると嬉しいです。

中盤以降は後手の手ばかりがカッコ良く見えました。個人的には82に歩を打つまでの構想が勉強になった将棋でした。

羽生さんは、森内さんとの戦いでは少なくとも自分の土俵で、自分のペースで戦うことに切り替えたように見えますね。この前の名人戦と合わせてみると。

ここからストレート勝ちまでありそうな…今回はトトカルチョやってないですが(笑)。




Tag : 羽生善治 森内俊之

仕方ないっすね。第84期棋聖戦 第4局 ▲渡辺明-△羽生善治

ついに政権交代か…と思ったんですが、防衛で三冠、三冠、名人という勢力図は変わらずでしたね。

第84期棋聖戦 第4局 ▲渡辺明-△羽生善治


今日はちょっとテンション低めで行きます。。夏バテ、ではないものの更新意欲は下がってますね・・・。ダニーのNHK杯の敗戦が今頃ボディーブローのように悲しくて・・・というのは本当ですが、そこまでウブではないので、まあ夏のせいにしておきます。。

羽生さんとの対戦成績がある程度ある棋士のなかでは唯一対戦成績で勝ち越してる渡辺明三冠。2敗してあとがなかった第三局を逆転で先手番の第四局を迎えた。

羽生に追い込まれてから、マクった棋士というのも少ない気がする。先行逃げ切り・・・は森内名人をはじめ何度か記憶にあるものの。

渡辺明三冠は例の竜王戦での伝説的な逆転勝利がある。今回ももしや・・・という期待がファンにはあるだろう。ファンでなくても、最終局にもつれるような激戦を期待するところではないか。

戦型は後手羽生三冠の誘導で横歩取りになった。8四飛型、先手中住まい、後手中住まい型の中原囲いという感じ。奇異にうつるのは、後手による9筋の突き越しが早いところだろう。渡辺明三冠も端歩突き越すタイミングがあると、突き越すタイプだが、羽生さんも同じ気がする。

ただ、渡辺三冠はそれで苦戦に陥った・・・というのが最近あったが本局はどうなるか。

ちなみにこの対局の解説が勝又教授と竹部さゆり。なかなかの名コンビでとても抑制の効いた発声でどちらの声も聴きやすくてよかった。耳がつかれない、かつ聴いていて楽しいやり取りになっていたと思う。

これは何度でも書くが、ニコ生では笑い声等、必要以上に音を拾う高さの音があるようで、女性の相槌などで、息を吐くか吸いつつ笑い声をあげると、あの音が耳に刺さる。そういう意味では竹部さゆりさんはとても抑制の効いた発声で、耳に疲労がたまらなかった。

高音は綺麗に拾うっぽいので、このぐらい小さい声でもいい気はする。(環境差がありそうなのでこの辺のご意見はいろいろあると思いますが)。

31手目の▲3五歩は後手の9筋の2手よりは価値が高い手だと思う。後手としては手待ちではないものの、形を崩さずに待ち受ける状態になったともいえる。先手の攻めが右から来るのか左から来るのか、という。後手玉は中住まいでどちらにも対応可能。

そして中原囲いは低いままで耐久性に優れる。9筋の端歩は将来の貯金というか年金。そのまえに死んだら払い損、という手だろう。将来活きたときには、もつれたときには必ず効いてくる、効くような組み立てにできるのがこのクラスのトッププロだ。(・・・と思ったのだが、中盤で作戦勝ちになっていたのだった)。

待つことで1-3筋の攻めが確定する。その場合、9筋の位が相対的に価値を高める。そういう印象もある。

先手が3筋の位を取った手に対して、後手は1筋も伸ばして馬を作った。これにて大平プロいわく、「これで先手が勝ったら神レベル」とのこと。謙遜と断言の絶妙のバランスで私は大平プロの形勢判断が結構好きなのだが、金銀の働きが大差で馬がいる後手。そして手番と歩得がある先手ではあるが、それを生かす順がない、ということなのだろう。

53手目はそういう意味では、手番と歩得を生かした手ではある。玉のコビン、壁銀のままにあけるのは怖いが同馬には手番が続いて桂馬を活用できる。ただ、その先に待ち受けていたのは大いなる駒損と先手の苦戦だった。

80手目、後手が自然に金で桂馬を取った局面では、▲角と△金銀桂の三枚替えの勘定。しかも後手の駒で遊んでいるものがひとつもないに等しい。これはさすがに先手が辛そうだ。

ただ、ここまで来ると私でもわかるのだが、途中のすでに大平プロが見切っていた局面では全くよくわかっていなかった。この辺の感覚の違いが、横歩取りの難しさであり、鑑賞の難しさだと思う。(実力の無さを他責にするようで恐縮ですが…

もっといえば、わかりにくいというよりは、「わかったような気になりにくい」が正しいとは思う。対抗形などは、分かったような気分になりやすい。

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ここまでは終局前に書いたものになります。で、途中で私の目でみても流石に勝てないだろうなと思って書くのを止めたんですが。

感想戦のあとのインタビューで渡辺明三冠が以下のように発言していました。

終局直後

■渡辺明竜王
―― 渡辺さん、残念な結果になりましたが、今日を振り返っていただいていかがでしょうか。
渡辺 そうですね。馬作られたあとがちょっと指しにくかったので、そのあたりで形勢を損ねたような気がします。
―― 馬を作られてもやれるという読みだったのでしょうか。
渡辺 歩が多いのでやれると思ったんですけど。馬作られたあとにあまりいい手がなかったですね。
―― そのあとはいかがでしたか。
渡辺 うーん……△4六金(72手目)打たれてちょっと手がなかったので、そこで悪いような気がしました。
―― シリーズを振り返られていかがでしょうか。
渡辺 まあ、仕方ないですね。



とのこと。馬作らせても、歩得だし…って感想は目分量でいかにも竜王って感じですね。

逆にいえば、トッププロレベルでも一目の形勢判断が難しいのが横歩取りの魅力なのかもしれません。ただ、馬を作った局面をみて大平武洋プロはこれで先手が勝ったら神レベルと言っていたのでどうなんだろうな…。とはいえ、渡辺明三冠はこういう感想であまり嘘をつくタイプでもないので。。


まあ、仕方ないっすよ。本当に。ここまで続いた羽生善治政権は別にアキラタンのせいではありません。その前の世代達のせいです。ようやく自身のピークがやってきたのでここで焦っても仕方ないっす。

私には羽生さんが音無響子、渡辺明さんが五代裕作、そんな風に見えて来ました。最後に結ばれるのは知ってるんです。今焦っても仕方ないです。今はまだ惣一郎さんのことが整理がついてなくて…みたいな。

政権交代前の後手番横歩取りでの羽生さんの猛烈な勝ちっぷりはまだまだ許さん!という音無響子さんの芯の強さを感じた次第でした。。


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