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渡辺明、棋聖奪取で三冠に復帰。

いやーすごい将棋でした。58手目から100手目ぐらいまで一ミリも双方の手がわかりませんでした。

後手陣の状態が独特すぎて、先手の過激な手順に飛び込む構想がタイトル戦の土壇場と思えない胆力で、すごかったですね(小並感

いつも冷静な渡辺さんですが久しぶりに三冠復帰ということで、終局直後は感極まっているようにも見えました。羽生さんの後は俺、という気持ちもあっただろうしその実力も勿論あるわけですが瞬間的にスランプがありそこから復活しての三冠というのは一度地獄を見た後だけになんともいえないものがあったのでは?

後手雁木は割と渡辺さんが要所で谷間のエース的に投入しているイメージがあります。超急戦が怖いというかそれで厳密には先手が初期値より良くできるはずですがそれに対する準備があったのでは?

そういう意味で豊島さんが本譜の展開にしたのか、あるいは手順的に急戦を選びにくくする工夫が後手にあったのかもしれません。仕掛けの時点で35歩を切りにくい形なので先手の攻めが細いかな?という印象がありました。

中盤をすっ飛ばしていきなり過激な展開になってからは後手陣が2筋壁ゆえに難しくなっているように見え、実戦的な勝負術でした。ただそこからの渡辺さんの攻め、前述の58手目からの一段金までが絶妙でした。

先手は飛車をなりこんで一勝負だったはずが一手後手の攻めが早いという、細い攻めをつなげさせると棋界一、という渡辺さんの良さが出ていましたね。

豊島さんは初の防衛戦だったわけですがキープできずに二冠に後退。戦前に渡辺さんが言っていたように独走になるかどうか?というところでしたが渡辺三冠がひとまず第一人者の意地を見せました。

藤井聡太さんは竜王戦トーナメントで豊島二冠、勝つと渡辺三冠にあたるわけですが、先日の久保藤井聡太戦といい、本局といい、本当にすごい終盤のねじりあいが最近は多いですのでプロのすごみ、みたいなのが伝わってきて楽しいです!

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 渡辺明 豊島将之

藤井聡太、先手番で二敗目。▲藤井聡太vs△大橋貴洸

11/29(水)棋聖戦 一次予選で藤井聡太さんの対局がありました。結果から書くと、藤井聡太四段は負け。今期8敗目、先手番で二つ目の負けとなりました。ちなみにどちらも対横歩取りでした。戦績は49戦41勝8敗(0.8367)となりました。最高勝率の更新もちょっとむずかしくなったかもしれません。

というか大橋さんも今期勝ちまくってます。今期絶好調同士の同期対決でした。▲藤井聡太vs△大橋貴洸。藤井聡太の先手で横歩取りの△85飛車型に進みます。対戦成績は2-0で藤井聡太が勝っているものの、内容的には大橋四段が互角以上の戦いを見せており、どちらも藤井聡太の勝負師的側面が出て勝っていた記憶があります。

横歩取りにしてはちょっと変わった出だしのようにみえ、40手目後手が△81飛とひいた局面では陣形的には後手のほうが私の好みでした。先手は一歩得していますが、攻めの銀の位置と飛車の位置の違いで後手が先攻できそうです。

55手目、反撃の手がかりとして▲45桂と跳ねた藤井聡太四段でしたがすかさず空いた47の地点に垂らされた歩からの大橋四段の攻撃がうるさかったですね。左右挟撃になった辺りでは後手のペースのように見えました。

では具体的にどこが悪かったのか?ということで局面を戻してみると…やはりその場面その場面ではおかしな手があるかというとそういう訳ではないんですよね。プロなので当たり前といえば当たり前ですが、凄いといえばやはり凄い。最善手で進めていったはずなのに先手なのに辛くなっていた、そういう局面が現れたということは序盤のつくりが宜しくなかった、ということなのかもしれません。

個人的にはかなり序盤に戻りますが、横歩を取ってその後に26に引いた飛車を28にまた引いて、しかも先手から角交換して…という手順に違和感をおぼえました。プロ的にはどうなのでしょうかね?

また、角換わりが得意な藤井聡太さんが、相掛かりや横歩取りでは比較的負けている点、またその負け方にそれぞれの戦法の特徴や、藤井聡太四段の経験値の貯まり方が出ているかも?と思いました。幾つかの戦法においてはかなり経験値が貯まってる印象で、その道筋に入ると相当強い。ただ、やはりまだ若いですから全般的な知識としては他の棋士たちに一日の長があるのかもしれません。逆に言えば、そういう経験の足りなさを順位戦など長時間の将棋では圧倒的な読みの深さでどうにか互角以上に対峙しているのだとおもうと、やはり凄い棋士だなと改めておもいました。

横歩取りの思想である、一歩取らせるすきにその手得を活かして先攻する…という大橋四段の積極策が功を奏した一局でした。

テーマ : 将棋 - ジャンル : ゲーム

Tag : 藤井聡太 大橋貴洸

棋聖戦も羽生さんがストレート防衛。

いやーまたもや久しぶりの投稿です。今温泉にいるんですが、夜中もやってるところなので、寝起きの酔い覚ましにひとっぷろ浴びてきたんですが、深夜のスッピンほど怖いものはないですね…(-。-;

ちょっと遭遇した感がハンパなかったです。能面的なノーメイク…。

さて、昨日は朝日杯のアマプロもあったんですが、結果としては順当にプロ勝ち。しかしアマでは頭一つくらい抜けてる感のあるカクさんと今泉さんですが、ついに今泉さんがまたもやプロ入りのチャンスを迎えています。

ここ最近の今泉さんは、かなり安定してますよね。序盤固定というか、研究でかなり細かいところまで整理しつつ、持ち前の中終盤の力強さを完璧に活かせる感じ。

カクさんのほうが更に追い込み型なのに対して、今泉さんは昔よりも少し前方に位置することにより、終盤の脚がしっかりつかえている、そんなイメージです。

プロ入り試験の相手はそんなに悪くないと思うので、プロ入りの可能性は五割以上はある気がします。五十万円の受験料は、キャンプファイヤーとかで募るといい気がしました。

そして、棋聖戦ですが。またもや羽生さんのストレートでした。戦い方が対森内戦ということでいうと、完璧に変わりましたね。

もう舗装路では戦わないよと。オフロードの戦いだよと。そういう感じ。5筋に桂馬を二枚突っ込むところからの進行とか、荒々しい雰囲気が出てると思います。

具体的にどうすれば良いのかは勿論私にはわからないのですが、その辺ではすでに後手のパンチが入ってる気がするので、後手の作戦勝ちだったのでしょうね。


しかしこれで羽生さんは今期負けなしの11連勝ですか。あり得ませんね…。

かなりざっくりした感想ですが、以上です。( ^ω^ )






Tag : 羽生善治 森内俊之

第85期棋聖戦第二局。羽生連勝。

いやーなんとも言えない戦いでした。

Twitterでご意見頂いたのですが、確かに羽生さんの何かが変わったような気がするここ最近ですね。

特に名人戦からは明らかに対森内戦においては少なくとも変わっています。定跡研究の最先端ではなく、違うところで戦っている印象。

森内さんの得意ではないペース、スタイルでの戦いを意識しています。がっぷり四つではなく変化。スタジオ録音ではなく、ライブ音源。そういう印象の将棋。

本局もこういう将棋では普通は勝てないというか、プロ同士或いは持ち時間が長い将棋では、先手が負けることが多いような戦いだったと思います。

勿論、定跡の最先端でも戦えるけど、森内さんとはもっとカジュアルに、いい意味でルーズに、自由に力でやり合いたいんだ、というような。

銀交換してから後手は持ち駒、先手は微妙なところに手放している辺りから延々と後手のほうが理論上は良いのだろうな、という局面が続きます。

なんだか、将棋ウォーズの3分切れ負けを見ているような気がしました。後手は時間が逼迫して入玉しかない展開。将棋ウォーズであればトライすれば勝ちですが、プロ将棋ではそうならないので、羽生さん相手に入玉するのは相当大変な気がします。

入玉将棋の性質上、正確な手を指し続ける必要がありますが、羽生さんの絡みから、嫌味の付け方がうますぎます。

左右に散らしたり、相手に選択肢を広く持たせたりと、どこまでもいやらしい。渡辺明だとギリギリの攻めを続け通して勝つ…という展開がありますが、本局の将棋はそういう感じではなく、厳密には無理のある、競馬でいうと大逃げに近い。先行していけるだけいって、そこからの粘り前残りが鼻先の勝利を産んだ、という感じ。

次もまた、謎の若干亜流な作戦を用意しているのでしょう。こうなると作戦の選択権を持つ後手のほうが良いとは言わないまでも、羽生さんの後手で何が出てくるかわからないというのは相当に怖いのではないでしょうか。

最初に触れた通り、Twitterで指摘された方がいましたが、将棋の違った意味での自由さをある意味追求し始めているのかもしれません。

定跡としてみた時の息苦しさはここ最近の特に後手番戦術においてはあったわけですが、そんなに舗装路ばかりで競わなくても、こっちの獣道走ろうよ、というような。

マラソンランナー森内に対してトレイルランナー羽生、という印象です。整備された42.195kmでは勝ち負けでも、トレイルになると…という。

次の戦型が本当に楽しみです。棋聖戦でもストレート防衛になると、森内さんや森内ファンには厳しい結果になりますが、羽生さんが新しい将棋の在り方をもしかしたら示してくれるのであれば、将棋界としては楽しみなことではないでしょうか。



Tag : 羽生善治 森内俊之

天衣無縫 。第85期棋聖戦羽生棋聖後手番で先勝。

ご無沙汰しております…さっぱり将棋は観れていません。が、昨日の棋聖戦だけはみましたよ。

なんというか、羽生さんの自在性に翻弄される森内さん、という構図にまた戻ったというか、序盤で早めに力戦ではないものの、未整備な道へと誘う羽生さん、という。

森内さんというのはマラソンでは強いんですよね。舗装された道の走り慣れたコースでは最も効率的に走ることができる。

対する羽生さんは、トレイルランナーというか、自在性のある人で、短距離からウルトラマラソンまでこなす超人なわけです。

そんな羽生さんが、横歩取りの序盤でコースから外れる藪のほうへ森内さんを誘い出します。

そこから見せた構想が面白かった。中原流の相掛かり調に、歩の裏側に歩を置く例の手筋を見せた。

先手の駒組みの進展性を阻害する手で、2筋の歩とのバランスも良い。後手としては特に代償なく大威張りできる序盤となったが、どこがその要因だったのかは、ちゃんと並べてないのでわかりません。

どなたかご教示いただけると嬉しいです。

中盤以降は後手の手ばかりがカッコ良く見えました。個人的には82に歩を打つまでの構想が勉強になった将棋でした。

羽生さんは、森内さんとの戦いでは少なくとも自分の土俵で、自分のペースで戦うことに切り替えたように見えますね。この前の名人戦と合わせてみると。

ここからストレート勝ちまでありそうな…今回はトトカルチョやってないですが(笑)。




Tag : 羽生善治 森内俊之