成長の糧 第67回NHK杯 ▲稲葉陽八段vs△藤井聡太四段

NHK杯で敗退してニュースになった例は今まであるのでしょうか…?

結果は既に出ていますがNHK杯、藤井聡太四段は稲葉陽八段に敗れました。公式戦では豊島さんに続く二人目のA級棋士との対戦で、連敗ということになります。

どちらの将棋も、A級棋士の試合巧者ぶりが目立つかんじで、序盤でペースを握られて頑張ったものの押し切られた印象を受けました。が、同時に恐ろしい強さを見せつけた感じもあります。ルーキーの打者と球界を代表するエース級の対戦で二打席とも三振に終わったが次の対戦が楽しみになる三振だった、というように。

第67回NHK杯 ▲稲葉陽八段vs△藤井聡太四段

おもいっきり後出しジャンケンになりますが、タイプ的に負けるならこういうタイプの将棋に負けるのではないかな?とは思っていました。どちらかといえばじっくりした展開よりもガンガン来られるほうが嫌、というのが現時点の藤井聡太さんの将棋のように見えます。やはり経験値が貯まってない戦型がまだあるので、トッププロで得意な展開、用意した作戦で臨まれると特に短い持ち時間の将棋では大変、という。

本局は相掛かりになりました。先手が主導権を握りやすい作戦で、本譜もそのようになります。横歩取りのような74の歩を取らせる作戦が流行っています。最近では山崎隆之さんや糸谷哲郎さんがこの作戦で稼いでいる印象があります。本譜は△73桂が勇気のある一着というかリスクのある一着です。歩を取らせて手得で戦う場合でも金銀で盛り上がる位をはる作戦ではなく、将来の桂頭の弱点がありつつも跳ねた、というのが意外でした。

先手は争点ができたので素早く美濃囲いを構築し、後手の桂馬を攻める展開となり勝ち負けは別として、方針はわかりやすくなったかもしれません。62手目、△6一桂と受けただけの場面では既に駒得+馬得の先手が良さそうに見えます。あとは後手がクソ粘りしているだけ…かと思いきや、110手目に△73桂と捨てた局面では先手の金と竜が遊んでいる分、かなり持ち直したように見えました。ただその後2筋で精算されてしまうとやはり先手が良い局面だったので、何かあったとしたらこの前後だったように思います。

終盤の千日手模様のところは千日手というよりは先手の時間稼ぎ。かなり離れていた将棋を万が一にも逃さないという稲葉陽八段の非情な真剣味のある場面でした。丁度同じA級の豊島さんが千日手になる手順に誘導して先手番を得たうえで完勝した将棋を思い出しました。これからタイトルを取ろうとしているバリバリのA級棋士が、棋士になりたての若造に負けるわけにはいかんのだよ!という気合をみた気がします。

ルーキーイヤーに活躍し、ある程度手の内を明かしていくと相手もプロなので対応してきて成績がある程度落ち着く…という現象を2年目のジンクスといいますが、そこまでの大きな弱点ではないものの、やはり天才の集まりであるところのプロ棋士同士の戦いなので、それなりに藤井聡太さんの特徴を掴みつつ、対応されているように見えます。ただそういう対応ですら、まだ若すぎるぐらいに若い藤井聡太四段にとっては糧となり、より大きく育っていくのだろうと思います。

今からすでにこれから20歳までの間にどのように活躍していくのか?が楽しみすぎますね。これからも応援していきたいと思います!

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Tag : 藤井聡太 稲葉陽

NHK杯の大石さんを見て改めて思ったこと。

NHK杯の大石さんを見て改めて思ったこと。

森信門下の大石プロの快進撃が続いている。順位戦での黒星無しの昇級、そしてNHK杯の準決勝進出。羽生さんや渡辺明二冠のように、長いところと短いところの両方で結果を出している。

割と研究して細かい変化まで網羅しているのかと思っていたのだが、解説の豊島プロ曰く、センスがある、考えてからではなく、まずはこうだろう、と指してからその後の組み立てをおこなうようなところがあるとか、上手く自分の求める展開に持ち込むテクニックに優れたタイプなのだという。


このへんはやはり実力が近い人同士じゃないとわからないところもあるし、研究会の相手だけが知っているところもあると思うので興味深い。

僕が久しぶりにNHK杯をみていて、そしてまた久しぶりに大石プロの指し回しをみていて思ったのが、中盤にやはり特徴のある棋士だなと思いました。

サッカーで例えると、わーっと混沌とした、そう然とした展開の中で、しっかりボールを一旦キープして局面を落ち着かせるミッドフィルダーのような雰囲気。

ぐぐぐっと、中盤の良さそうなところで更にスローダウンさせて、万が一にも負けることがないようにする、というか。

決してふるえてるわけではなく、絶対に勝つためのスローダウン。しかもそこから追い込まれても全く慌てない。そういう胆力も兼ね備える選手ですね。

羽生さんの踏み込みが勇気ゆえであれば、大石さんのこの留まりもまた勇気ゆえのもの。そういう感じです。

どうやらこのNHK杯の大石プロは、A級をなぎ倒してるようですね。なんとなくですがこのまま優勝しそうな感じがあります。

いやー面白い棋士がどんどん出て来て将棋界、本当に楽しいですね(^ω^)

NHK杯大石プロが羽生善治三冠、から大金星

いやー驚きましたね。早指しだし、この戦型だしってことで大石さんなら一発あるで!っとツイッターではつぶやいていましたが、まさか本当に勝ってしまうとは。

うまく研究がハマったというか、駒組み時点で後手が作戦勝ちしていた雰囲気もありますね。それにしても羽生さんに後手番で若手が勝つというのはなかなかにないことです。

大石さんの焦らずミスの少ない棋風が向いた展開になっていましたでしょうか。

途中から羽生さんもマジック繰り出すすべもなく、と金捨てて迫るような非常手段も見られましたが流石に序盤中盤の貯金が大きくそのまま大石さんが逃げ切りましたね。

昨日は実は観るつもりなかったんですが、羽生さんがでるということに気づいて見たんですよね。いやーいいものみせてもらいました。こうなったら、羽生さんを打ちとった責任を果たしてほしいと思いますが、今期のNHK杯はかなり荒れそうな雰囲気ですね。渡辺明、羽生善治といなくなりましたので、まだチャンスのある棋士たちはボーナスゲームだと思ってしっかり優勝目指して頑張って欲しいです。

昔なつかしの土日トーナメント。町道場でありましたよね。私は大体道場で一番強い人達にはかなわないので、大体準決勝止まり。良くて準優勝。そういう感じでした。それが、たまに上位が潰されて、しかも私もまぐれ勝ちしたりして。

その結果、弱い者同士の決勝とかになるんですよね。そこで勝ちきれるかどうか…という勝負は年に2・3回ぐらいあったのかなあ。それを思い出しました。若手もベテランも頑張れ!

個人的な予想としては船江恒平、ということでいかがでしょうか!?><

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なぜ羽生さんはNHK杯決勝で無理やり矢倉を用いたのか?(への回答)

http://shogiwatch.blog63.fc2.com/blog-entry-1927.html
にコメントをもらったので、別記事にて。


>一つだけ「負けるつもりがあったわけではないのでしょうが、本格的な将棋で相手また間合いを吸収されることを避けたんじゃないか?」が気になりました。いくつか質問したいです。

という質問でした。いや、ただ何となく書いただけなんです・・・というのが正直なところです、すいませんw
でも、なぜあの決勝の場であの作戦を用いたんでしょうね?本当に不思議です。専門誌のインタビューなどで語られるかもしれません。


>1. 羽生さんには過去にもそういう傾向が見られたのでしょうか。

過去、後手番で2手目にいろいろな手を試したということはあります。そういう意味では何らかの趣向があったとは思います。逃げたというニュアンスよりは、最新形で渡辺明の研究にハマるよりは、力将棋というか深く研究していないところで専守防衛の作戦をとってみて、時間も短いし逆転のチャンスが訪れるのではないか?と見ていたんでしょうかね。わからないですが。


>2. 過去の記事でむしろ「羽生さんが対局を通じて相手の間合いを吸収し、見定めて以降、圧倒的優位を築く」という傾向を指摘されていたような気がします。もし、渡辺さんとの関係でその逆になっているとすれば、それはどういうことでしょうか。(先を行くものと、後から来るものの関係? あるいは、たんに個人と個人の力量の関係? それとも??)

弊ブログを非常にしっかり読んでいただいているようで恐縮です。羽生さんが間合いを意識しているなあと思ったのは、ニコ生での川上量生会長との対談で、コンピュータ将棋の実力について問われて、「何度も指していくとどういう棋風なのか、どういう特徴があるのかが分かるようになる。コンピュータにもそういう個性のようなものがあるのか?は興味のあるところ」と答えているところです。

渡辺明についてもどうようの理解が進んでいるとすれば、何かしら渡辺明という棋士についての対策のようなもの、対策じゃないにしても対応方法についてもあるはずです。それがありつつの今回の作戦ということであれば、そろそろベテランとしての私、というような昔の大山先生や中原先生のようなモデルチェンジを少しずつ意識し始めているのかもしれません。完全に何かを変える、ということではないにしても、中原先生が「行書から草書へ」と言っていたような変化が徐々に加わっていくのかもしれません。

渡辺明というよりは、今後の自身の在り方、というような。また後手番の苦しさがかなり明らかになってきたということを踏まえると最初から専守防衛、千日手狙いというような作戦は今後増えるような気もしています。多少の犠牲を伴いつつも主導権を得ようとする作戦の苦戦が徐々に明らかになっているので、そういう意味では無理やり矢倉に何かしらの期待を持っている・いた、というか。


>3. 「手の内を見せない」ことで先のより重要な勝負にかける、という考えは分からなくはないのですが、
>(1) NHK杯の5連覇ってのはそんなに重要度の低いものなんでしょうか。
>(2) それよりなにより、そんな姑息なことを考え出した時点で、相手との関係において負けになっている、という気がしないでもありません。王者たろうという人が、そんなこと考えるものなのでしょうか。

こちらも2に付随しますが、今後を考える上ではどの対局でもなく、最強の相手と舞台で試すことに意義がある、と考えたのかもしれませんね。私は棋譜を見ただけで放送は見てないので全くわからないのですが。。手の内を見せないというよりは、新しいものを試した、という意味のほうが強いかもしれません。こういう負け方になるとどうしても騒ぎ立てられてしまうので、第一人者は大変だなと思うわけですが、そういう意味でもこの作戦を採った勇気はすごいなと思いました。

ちょっと不思議なのは、3つも2段目に歩を打った鬼辛抱ですね。ああなると確実に勝てない気がするんですが、打開すると勝てないと見たからの自重とは思いつつもちょっと普段は見ないような展開でした。確かに辛抱してついていく展開というのはあるわけですが、こういう屈服系の辛抱はあまりないような気もしたので。

回答になっているかどうかわかりませんが、ひとまず回答とさせていただきます。




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「攻め好きの方、お待たせしました」

主導権が握りやすく、破壊力のある戦法を伝授する「すぐ勝てるシリーズ」第3弾!!今回のテーマは急戦矢倉です。

この戦法は矢倉戦の出だしから、定跡を外して急戦を仕掛けます。飛角銀桂がどんどん前に出る将棋で、相手が受け方を間違えれば、立ちどころに大優勢となる、シリーズのコンセプトにもぴったりの戦法といえます。
著者はこれが処女作となる及川拓馬五段。幅広い序盤の知識と深い研究で知られるオールラウンドプレイヤーで、その甘いマスクと丁寧な解説は広く将棋ファンに知られています。

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Tag : 羽生善治 矢倉 渡辺明

NHK杯▲渡辺明二冠vs羽生善治三冠、後手の無理やり矢倉から25連勝ならず。

さて、NHK杯。テレビで見てないんですが、渡辺明二冠のブログやTwitterや将棋ブログ界隈を見ているとどうやら渡辺明二冠が初優勝したようです。

それもほぼ圧勝に近かったと。これは完全に渡辺明時代の幕明けですね。遂にワタナベアキラ号、牡28歳、馬体重-5キロ、騎手めぐみ。遂に本格化しました。元々最終コーナー回ってからの伸びのある末脚には定評があったんですが、まだ若い頃はチャカつくわけではないにしてもちょっとよそ見するところがあったんですよね。夏休みに毎日棒アイス1本食べたりとかw

基本は自分でペースを握っての軽い逃げか先行なんですが、特に後手番で横歩取りによる逃げを中心にしていたのが、△8四歩からついて行く展開も学んだのが大きかったんでしょうね。

やはりクラスがあがって重賞レースで古馬と当たるようになってからは、逃げ一辺倒では勝てないと見たんでしょう。騎手の伊那めぐみも馬の特性をよく理解していてね、手綱も鞭も殆ど使わない…ように見えてちゃんとつかってるんだな、これが。使ってることが馬にバレちゃうと馬のほうが拗ねるから、そのへんを自然体で無意識のうちに理解して体現してるよね。

今回は最強の敵、ハブヨシハル七冠馬が思いっきり負かそうというよりはやや消極的な作戦に出ましたね。正直戦型が無理やり矢倉だと聞いて「これは先手の勝率七割だろうな」とTwitterでつぶやきました。多分、冗談抜きでこの戦型での重賞クラスの馬の先手勝率はこのぐらいあると思うんですよ。

で、途中図を見ましたが後手陣の歪みっぷりがすごかったですね。道中の不利があったんでしょうが二筋、五筋、そして七筋と3つのコーナーで二段目に歩を打たされてる。ここまで展開のあやはあったとはいえ、後方に追いやられてはマクる可能性も少ないですよね。

最後は決め手級の▲5六角という攻防の角があり、勝負あり。ハブヨシハル号は負けるつもりがあったわけではないのでしょうが、本格的な将棋で相手にまた間合いを吸収されることを避けたんじゃないか?というような印象を受けましたね。ここから三冠vs四冠での七冠戦争が始まる可能性があるから。あるというより高いんじゃないでしょうかね。

事実は小説より奇なりといいますが、私がこんなあらすじ書いたら絶対に笑われちゃうよなあという展開ですよね。今年の夏競馬は本当にアツくなりそうです。やっぱり競馬っていいですね!

(以上、棋譜をみてないので誤魔化し誤魔化し、競馬にたとえて書いてみましたw)


毎月16日発売なんですね。

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