豊島将之八段、第67期王将戦の挑戦者に!(▲深浦九段vs△豊島八段)

いやースリリングな戦いでした。

深浦九段と豊島八段、対戦成績は五分と五分なんですが先手番をもったほうがサービスキープする展開が多かったんです。そして本局は深浦九段が先手、ということで王将戦挑決リーグ、混戦模様になるか?とちょっと期待していたのですが、結果投了図だけみると後手豊島八段の圧勝でした。

ただ、序盤中盤はかなり後手が欲張った手順で、なんらか咎めることが出来たような、もしくはそれができなかったのであれば、先手番での雁木調の序盤を後手の豊島八段が狙い撃ちした、ということになるのでしょうか。

20手目の△75歩で早くも戦いが始まります。後手は22が壁銀ですが、玉が一路逃げており、角道が通っています。かなり反撃のリスクのある先制ですが、先手玉が居玉で右が壁、角道が塞がっているということで既に成立している可能性すらあります。藤井システムの対居飛車穴熊の構想ではないですが、この局面を咎めるためには?という逆引きの考えで生み出した攻めのように思いました。

2筋を突き捨てて▲79角と引いてから激しくなりましたが、先日のA級での同一カードでもそうだったようにこの過激な応酬の結果、後手がよい局面しかなかったように思います。駒を取り合いますが自陣で先に取られる展開となったからです。▲16角など、先手は後手玉に襲いかかりましたが、ちょっと足りなかったように見えます。

条件よく44の角を取りに行く手順、39手目か2筋を突き捨ててからの45銀の手順しかなかったのかもしれません。(ただそこで△35角と逃げられた後、どうするべきか?がよくわかりませんが…)。

豊島さんはこれでまず王将戦の挑戦を決めました。まだ名人戦と叡王戦でも奪取の目があります。今期~来期にかけてでいきなり三冠王になっていても誰も驚かないでしょうが、果たしてどうなるか?

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王将戦挑戦者は?藤井聡太連勝続くか? 今日の見所(17/11/20火曜)

今日は久しぶりに藤井聡太さんの対局がありますね!平藤さんとは何局目だろう?

王座戦 一次予選 平藤真吾 藤井聡太

平藤さんの軽快な将棋に藤井聡太さんが翻弄されないことを祈りましょう…。

王将戦 挑決リーグはこれが最終戦でしょうか?

王将戦 挑決リーグ 渡辺明 佐藤天彦
王将戦 挑決リーグ 郷田真隆 斎藤慎太郎
王将戦 挑決リーグ 深浦康市 豊島将之

豊島さんは勝てば挑戦決定。豊島さんが負けて斎藤慎太郎が勝つと3人で決定戦やるのかな?斎藤慎太郎さんが負けると深浦さんと二人で決定戦??その辺は棋譜解説コメントで出てくるでしょう…。

ちょっと豊島さんの調子が落ちているような気がするので、そして深浦さんの前回のA級での対戦ではかなり押していたので、あの将棋を前提としたやり取りになる気がします。誰が挑戦者になっても奪取確率が50%以上はあると思うので本当にワクワクします。ここは斎藤慎太郎さんがまさかの逆転挑戦からの奪取で、豊島将之さんが悲運の実力者の称号を森内俊之永世名人から譲り受ける展開まであるのではないでしょうかw


朝日杯はこのカード。
朝日杯将棋オープン戦 一次予選 飯島栄治 三枚堂達也
朝日杯将棋オープン戦 一次予選 渡辺大夢 佐々木大地

三枚堂さんは去年一次予選抜けしてます。早指し戦での成績がよく、去年の覇者が八代さんということで若手は気合が入っていると思います。どちらも、かなりの激戦が期待されます。

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今日の見所 王将戦 挑決リーグ 郷田真隆vs糸谷哲郎

2-3の郷田さんは残留を賭けて、糸谷さんは3-2なので勝ってプレーオフ期待で。という対戦。

対戦成績は7戦して糸谷さんからみて5-2。

一手損角換わりが刺さりまくってる印象ですが、結構前の対戦も含んでいるのと、本局は糸谷さんが先手なので、どうなるか。

郷田さんは例の雁木の形はやらないので、糸谷さん次第でしょうか。角換わりか相掛かりを予想しておきます。

糸谷vs豊島をまたみたいので、プレーオフを期待して糸谷勝ちを予想しておきます。

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経験値の蓄積されていない作戦 ▲斎藤慎太郎七段vs△渡辺明竜王

今期の王将リーグは顔ぶれのせいなのかとても面白いです。いつにもまして面白い。

最近の将棋界の乱世ぶりを象徴するような途中経過であり、本局も初対局を斎藤慎太郎が制しました。斎藤慎太郎さんが先手だと大体矢倉かな?と当日の朝の記事では予想しましたがその通りに。対する渡辺明竜王は例の雁木模様やら急戦調かな?とも思いましたが、普通の矢倉っぽい出だしになりました。先手が早めに飛車先を決めてるのがちょっと通常の矢倉とは違いますが、駒組み自体は双方矢倉っぽいかんじ。

先手の46歩47銀という形、後手も同じ形ですが昔の矢倉戦、本当に昭和中期ぐらい将棋のような印象を受けました。

34手目、後手が52の金ではなく32の金を43にあがったのにはびっくりしましたが、前例があるそうです(豊島さん)。後手は将来の角交換に備えたバランス重視の構え、ということのようです。

先手が先攻し、後手が△22歩と謝った54手目の局面、相当な屈服にも見えましたが、飛車角の両方が利いている地点よりも一段低く受けつつ、手順にのって繰り出している守りの金銀のスクラムが先手の攻めごまを圧迫していて後手の序盤の構想が生きている印象を受けました。

とはいえ、先手も矢倉に玉を入城させることが出来たので強い戦いが出来ます。抑え込まれるとまずい先手が銀桂交換で先攻しましたが、駒の価値や63手目の▲同桂と取った手がどこにも当たっておらず後手に手番が移ったのでもしかするとここでは後手が指しやすくなっているのかもしれません。

後手が反撃して74手目、86に歩を垂らした局面では控室曰く後手良しとのことですが、言うほどの形勢の差はないというか、後手玉が薄すぎるので形勢が振れやすい将棋だった気もします。

とはいえ、馬を作りながらボロっと飛車を取れた82手目、△28角成では後手が良さそうに見えます。素人目には飛車を取らせるのは怖すぎるので81手目で銀ではなく角を取りそうなものですがプロ的にはこう進むところなのでしょうか。まさに王より飛車を可愛がり、の精神ですかねw

89手目、先手が▲79桂と受けたところでチャンスがあったようです。本譜も普通に見えましたが、受けたところを更に攻め立てる手順が良かったとのこと。確かに本譜はここから徐々にもつれた印象があります。

最も危なかった手、敗着ではないにしろ形勢の振れ幅をより大きくしたかもしれない手は96手目の△84飛だった気がします。▲65桂を打たせるのは流石に危険すぎたというか。

ただ、推奨手である△55金もその後に示される手順をみると相当おっかない感じではあります。先日の堅める時代かどうか?という渡辺竜王発言にもありましたが、こういう後手の作戦は指し慣れているかどうか?が大きいように思いました。これが例えば後手をもっているのが糸谷哲郎であればこの前の豊島戦のように生き生きと指していた気がしますねw

終局直後は竜王がやはり不調なのか?とも思いましたが、感想戦コメントをみつつ改めて見てみるとやはり玉が薄いと逆転されやすく、「堅さは正義」的な現実味が出ていた将棋のように思いました。

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糸谷将棋の魅力 第67期王将戦挑決戦リーグ▲豊島将之vs△糸谷哲郎

かねてから公言している通り私は糸谷哲郎のファンです(知らなくて当然な情報ですが…)。

今の一押しはやはり藤井聡太さんですが、糸谷哲郎の将棋はやっぱりおもしろい。この前の佐藤天彦名人に中終盤でシッチャカメッチャカになった気がするのに時間を残して勝利。そして今回もまた、現時点で棋界最強と思われる豊島将之さん、しかもその先手を相手に圧勝しました。1時間半以上時間を残して。

今朝私が行った戦前の戦型予想は思いっきり外しましたが、後手番で一手損角換わりを主戦法にしていた頃の糸谷さんと、今の糸谷さんは違う。多分、年齢が近い棋士にとって将棋普及のための仲間としてこれほど頼もしく、対戦相手として対峙したときにこれほど嫌な相手は居ないのではないでしょうか?笑。

糸谷さんの凄さは何と言っても力強さ。薄い玉を苦にしないところ。悪くなってからの怪しい指し回し。持ち時間の残り具合に影響されない、震えない早見え早指し…などが挙げられます。数学的な解析能力で局面を処理しているというよりは…雰囲気。雰囲気で指している感じが否めないw

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こんな↑かんじですね。

…というのはもちろん冗談で、糸谷さんの名言として「直感は経験の集積から成る分析」というのがあります。まさにこういうことなのでしょう。糸谷さん本人にとってもある意味ブラックボックス化された思考エンジンが過去の経験から導き出した最善手を示している、そういう感じです。あんまり最善手っぽくない手が多い印象があるんですが、独特な将棋観を構築するような過去の経験があるんでしょうかね?

個人的には相穴熊とか始まると大体棋譜はみないです。自分が穴熊をやらないので。プロは商売なので仕方ないと思いますがアマチュアは楽しんでナンボ、だと思うので楽しい作戦で戦っています。

玄人好みの指し回し、も似たようなものがあって負けない指し回しが職業棋士としてはもちろん重要だと思います。ただ、藤井聡太さんや糸谷哲郎さんのように、薄い玉を厭わず、踏み込む所ではしっかり踏み込んで勝つ、そういう将棋をエンターテイメントとしては鑑賞したい気持ちがあります。羽生さんの将棋もそうですよね。

いま、糸谷哲郎さんのファンサイトの糸谷哲学を全面改修して(もらって)ます。しばらく時系列でキャッチアップできていない所も追々更新していく予定です。先日の佐藤天彦戦、今日の豊島将之戦で糸谷将棋の魅力を再認識しました。

以下、個人的に気になった本局のポイントについて簡単に触れます。

先手の豊島将之が角換わりではなく雁木系に進めようとしたのがまず最初のポイント。47銀型ではなく57銀型。最近人間が指す雁木では古来の57銀型も多いように思う。後手は右四間飛車に構える。先手は対右四間飛車によくある専守防衛の形。先日の行方渡辺竜王戦では79に角を引いた手が悪そうに見えたが、本局は88においたままの徹底抗戦という雰囲気。

小競り合いののち、先手が後手の攻めの桂馬を攻めてと金をつくる展開となった。手順や形は全然違うが、行方渡辺竜王戦でも後手の桂馬を攻める手があまり効いておらず後手が優勢になった。本局もと金は作ったものの、後手玉から遠く、しかも8筋に動かすようでは辛かったかもしれない。

そこで攻守交代で後手の反撃に。4筋に飛車を回った辺りでは、後手玉に囲いが存在しない状態ではあるものの既に指しやすくなっている可能性がある。しかも指しているのが糸谷哲郎である。一頃の一手損角換わりの大変さを思えば条件が良いほうかもしれない。そこから金銀のスクラムで盤の中央での勢力を維持し、飛車交換を強要、同玉と取った局面ではトッププロ同士だと後手が勝ちだと思う。

だとすると、かなり序盤まで遡ることになり、下手すると▲55歩からの開戦が駄目で、9筋の端歩を突きあって角を88から動かせる余地をつくるべきだったのかもしれない?

後手の攻めの桂馬を攻める展開というのは、トッププロでもなかなか上手く行かない…という例を2つみたことになる。私も実戦では控えようと思いました。

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