穴熊退治のお手本 ▲松尾歩八段vs△藤井聡太四段(第11回朝日杯 二次予選)

午前中に屋敷伸之九段の急戦矢倉を後手番でうまく反撃して破り、公式戦での対A級の初勝利を飾った藤井聡太四段。もちろん非公式戦での成績をみる限り時間の問題とは思っていたが、本番と非公式戦では意味合いが違ってくる。本人もホッとしたところはあったのではないか。

そして迎えたのが実力者松尾歩八段。

▲松尾歩八段vs△藤井聡太四段(第11回朝日杯 二次予選)

またもや藤井聡太が後手番となり、矢倉模様のオープニングから松尾歩八段が飛車を振った。意味合いとしては、後手からの急戦を回避しつつ、実戦的に勝ちやすい穴熊に囲い、対振り飛車であまり性能のよくない囲いを用いる印象のある藤井聡太の持久戦調の将棋にしようということだろうか。

先手の一手分の得をそういう実利に回した印象がある。

お互いに角を捌きあった局面では厳密には棋理としては居飛車側が良さそうな雰囲気はあったが、そうは言っても相手は松尾八段でしかも穴熊。香車で竜を追われると、馬が働いてくるのでどうするのか?と見ていると自陣に引きつけて角と交換になった手で金を引き締め、先手の馬がやや空振る格好となった。そして絶妙なタイミングでの端歩。対抗形におけるこの端歩のタイミングがいつも絶妙で、中盤から終盤への切り替えが見事な一局でした。


それにしても。繰り返しになりますが、あの薄い陣形から互角に捌き合って桂馬三連発で一気に寄せるとは…。一気に寄せ形にもっていくスピード感はまさに将棋界のステフィン・カリーと呼びたい感じ。シュート体勢の作り方、遠くからでも入れてくる終盤力、まさにステフィン・カリーみたいじゃない?

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今日の対局の見どころ(藤森哲也vs加藤桃子、渡辺明vs斎藤慎太郎)

11月14日(火)の対局から2つピックアップ。

朝日杯将棋オープン戦一次予選 藤森哲也vs加藤桃子

カトモモ先生はキレイな将棋を指す印象があります。この前の里見さんとの王座戦、穴熊にしてからの指し回しは見事でしたね。最近の対女流でみても里見さん・香川さん・甲斐さんにそれぞれ2連勝しています。というか、ほぼ対女流では負け無しなかんじです。そもそも里見・香川・甲斐が対女流でそういうかんじなのにその3人に連勝しているあたりに好調さを感じます。

対男性棋士でいうと直近は2連敗ですが、この朝日杯では藤倉・中川を破っての対藤森戦です。藤森さんは抜群の勝負根性で相手なりに好勝負に持ち込むタイプ。たとえば佐々木勇気さんと3-3の指し分けです。反面格下への取りこぼしもあるんじゃないか?と失礼ながらにカトモモ先生応援したいところ。

戦型ですが、藤森さんといえば急戦矢倉という印象がありますが最近どうなんでしょうか?加藤桃子さんも居飛車正統派、というイメージです。どちらか先手になったほうが矢倉系を志向するのか、或いは最近流行りの雁木系が登場するのか。

勝ったほうが一次予選抜けをかけて泉八段と対戦予定です。激アツですね。


王将戦 挑決リーグ 渡辺明vs斎藤慎太郎

両者2-2で迎えたこの対局。王将リーグは3/7名陥落するので勝つのと負けるのでは大違い。斎藤は最後に後手番で郷田戦、渡辺竜王は先手番で佐藤天名人との対局を残しています。

この二人は初手合でしょうか?好調の斎藤慎太郎とやや不調だった所から脱しつつある渡辺竜王。斎藤慎太郎さんは矢倉党なので先手矢倉を志向した駒組みになるかもしれません。対する渡辺竜王は最近「攻めるか、玉を固めるか、という選択肢がある局面で自分の好みは圧倒的に後者なんですが、先日の順位戦も長考した局面でその辺りを葛藤した上で時代に取り残されないためにチャレンジした意味はありました。隙あれば穴熊、はもう古いんだな。」と言っていたので、後手番で右四間飛車などの急戦調を採用する可能性は高いかな?と思っています。

タイトルホルダー乱立の戦国時代に突入していますが斎藤慎太郎さんがこの乱世に名を挙げられるかどうか?を占う意味で重要な対戦になります。

すごく失礼な書き方をすると、安定的に勝ちつつも超一流には刺さってない…というのがここまでの印象です。(糸谷さんの逆、みたいなかんじ)。

矢倉党が先手番で矢倉を志向すると、新型の急戦への対応策と従来定跡で出てきた有力な後手の対応策の両方が必要になるので苦労が多い印象がありますがどうなるか?

渡辺明(amazon検索結果)

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羽生善治2.0 朝日杯で優勝!短期決戦の面白さ

いやー面白い準決勝、決勝でしたね。

結果は羽生善治三冠の優勝となりました。

準決勝は、渡辺明二冠が角換わりからの穴熊、猛攻での圧勝でした。居飛車党であれば惚れ惚れする将棋でしたね。短期決戦らしい、穴熊の暴力、タコ殴りな将棋でした。

そして準決勝もう一方の山は矢倉からの先手豊島将之プロが穴熊。後手の羽生さんはなんと雁木からの先攻。横に弱いので飛車を渡すタイミングだけ気をつけなければいけない・・・という将棋ですが、飛車を渡さずに勝ち切りました。穴熊に雁木で攻めきるとかどんな人なんでしょうか…。

ここで短期決戦においては二つの傾向があることがわかります。穴熊のように実戦的に固めてドン!という方式。もう一つは羽生さんが準決勝、決勝で見せたような、駒落ちの上手のような薄い玉を苦にしないような戦い。

準決勝の豊島戦は、後手で先攻出来るということと、飛車さえ渡さなければ上部は厚い雁木、ということでわかりやすい展開になると踏んだんでしょうかね。

決勝戦の横歩取りは私の予想通りでしたが、まさかこういう力将棋?になるとは思っていませんでした。一目後手が変化球を投げている印象で、こういうのは渡辺明森内俊之以外には通用するんだろうなーとリアルタイムで呟きました(失礼ですね…)。

途中から後手のひねり飛車模様になったところからが一つの転機でしたでしょうか。明らかに渡辺明二冠が指しやすそうな雰囲気で進めていき、恐怖の三枚替えが実現したわけですが、そこが羽生マジックというか、勝負術でしたね。

感想戦で示された72手目の局面で、先手がじっと桂馬をとっておくぐらいで…(後手は辛い)という羽生さんのコメントがありました(ニコ生で言ってました)が、渡辺明二冠は強気に飛車交換の順を選びました。

先手玉は見た目以上に狭いわけですが、攻め合いでどうにかなるという手順です。そこで出た80手目の3一歩がやはり対抗型のような味わい深い振り飛車の一手。そうです、ここではもはや振り飛車と居飛車の対抗型のような将棋になっているわけですね。そうなると先手玉が舟囲いよりも不安定で左の金銀があまり役になっていないのがすごく気になるわけです。。

後手が駒損を少し回復しながら自陣に馬を引きつけたところではすでに後手が良い…まではなくてもかなり盛り返した印象です。

後手に△4三香という手が出て先手がせかされる格好となり、龍を切ってラッシュをかけますが届かず、桂馬をとって一呼吸あいた時に、後手の羽生善治三冠が一気に寄せ切ってしまいました。

この辺はリアルタイムで見ていて圧巻でしたね。そして詰みを悟った、負けを悟った渡辺明二冠の顔色が本当にさーっと変わったんです。長時間のタイトル戦だとこの辺、心の整理が行われて徐々に静けさが訪れてくる余地があるわけですが、そういうのとはまた違った楽しさがあります。

ニコ生ドワンゴ主催のタイトル戦が今後もし開催されるのであれば、この朝日杯のノウハウというのは相当役立つと思います。私は今でも朝日杯のこのスタイル、準決勝決勝の行われる会場のクオリティと運営の素晴らしさも含めて、一番好きですね。

渡辺明二冠は不調ではないですが、このぎりぎりの攻めの上手さが特徴ではあるわけですが、先日の三浦弘行挑戦者との棋王戦でも思いましたが、攻めが続かずに桂馬拾う…という展開のあたりに、少しだけつなげるのが上手いがゆえに、ちょっとだけ細かった…みたいなところが二局たまたまですが続いてるのでどうなのかな?という気はしました。

羽生さんは本当に圧巻ですね。そしてこの人、多分負け将棋でも短時間のものでもそんなに表情とか変わらないタイプなんですよね。動きは大きいけど、特に負けるときの感情のブレがぐわーっと表に出にくいというか、出てもすぐ消えるというか、そういう印象があります。

この朝日杯における準決勝・決勝での羽生さんの勝ち方は年下、次世代の覇者たちとの新しい戦い方を見せてくれたような気がしました。まさに羽生善治2.0です。どこまでバージョンアップしていくんでしょうか…。


大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)

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雪の朝日杯、決勝は、渡辺明vs羽生善治!!

いやー、朝日杯、いっつも雪降ってませんか?そういう印象があります。雪の朝日杯、決勝は渡辺明vs羽生善治となりました。

冬将軍たる渡辺明二冠が連覇するのか、常勝将軍たる羽生善治三冠がここでも貫禄を示すのか。

戦型は短期決戦なので、後手を引いた人が横歩取りにするような気がしています!どうなるか?!

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今週月曜からの朝日杯が豪華すぎる件。


久保の中飛車

昨日のを今遅ればせながら見てるんですが、そして今日のラインナップと明日の取り組みをみると続々とA級、タイトルホルダーが出てるじゃないですか…。

しかもどの取組も、面白い戦型になっているし。

羽生久保戦、三浦藤井戦はアマチュアとしては見ても指しても楽しい対抗型ということで完璧ですし、歩越し飛車はやはりきまりそうで決まらないんだなあと思った羽生久保戦と、久しぶりの本家の藤井システム後手番でなかなか楽しい激しい将棋になった三浦藤井戦。

というか月曜日から始まってましたね…。月曜日のは、渡辺明二冠デーでした。めちゃくちゃつええ。それを再認識した一日でしたね。

そして昨日は羽生デー。羽生三浦戦は名人戦を思い出させるような横歩取りの対決となりましたが激しいやりとりの先にあったのは、先手羽生善治二冠の良い局面でした。

今日のはこれから見ます。移動完了したので明日のはリアルタイムで見れるかな…?

明日は屋敷デー…になるかどうか?
角交換四間飛車破り (マイナビ将棋BOOKS)

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