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ここ数日の将棋の感想。

26日は面白かったですね。

佐々木大地vs広瀬章人竜王の将棋は本当に謎の序盤で。相掛かりが定跡整備されていないとはいえ、ここまで謎の展開になるの?というかんじ。広瀬竜王はたしか後手番の勝率のほうがよかった時期が長く、いまはどうなのかな?しかしこの序盤みると終盤の切れ味があるので多少悪くても差し脚でまくれる!というのがよくわかります。

最近は序盤も安定してきてしかもこの中盤のねじりあいで既にちぎる、みたいな脚質の自在性が出てきた感じがありますね。本局は先手の義務と権利ということで先手が先攻しましたが無理攻めではないものの、攻めさせられている感じはありました。


同日にあった千田vs谷川戦もすごかった。これは最近のベストバウト賞じゃないでしょうか。プロがみて一番楽しいのはこういう将棋じゃないかな?と思いました。正直私レベルのアマチュアには難しくて、例えると「拳法の達人同士の戦いでお互いの繰り出す攻撃手が早すぎて回りのひとには二人とも止まって見える」という状態に近かったですねw

解説読んで初めてわかる、というような。

千田さんと広瀬さんは本当に終盤鬼だなーと思ってみてましたけど、藤井聡太さんはどっちにも勝ってるんですよね…恐ろしい。。

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2019年2月21日の将棋の感想。

久しぶりにざっくり感想書きます。

昨日は飯島vs阿久津が阿久津さんの坂田流向かい飛車、黒沢vs高野が黒沢さんの向かい飛車アナグマに後手急戦、金井vs深浦が角換わり腰掛け銀の最新形という感じでした。

飯島阿久津戦は序盤から不穏な出だしで、後手が端歩を突き越して振り飛車にする展開を阿久津さんは結構やっていると思いますが、まさかの坂田流というw

それをみて糸谷さんが驚いていましたwww




この将棋、序盤の終わりごろには既に後手が指しやすくなっていて、坂田流ありえんなーと思いました(良い意味で。

このレベルのプロでもこうなるならアマで作戦練ればかなり使えるんじゃない?っていう。私も後手番ではある展開になると大体とある振り飛車をやっているんですが、実戦的ではあるものの勝率があまりよくないので、今後はちょっと研究してみようかな?と思いました。

糸谷さんという異能な力強さゆえに成り立っているというよりは作戦としての優秀さがあるように感じたというか。

早々に終わっていたのが、黒沢高野戦。この先手の作戦はアマ同士だと大体アマが勝ちそうに思うんですが、高野さんがこれぞプロ!という指しまわしで圧勝していましたね。もともと対振り飛車には急戦を使う先生なので経験値が溜まっている印象を受けた手順でした。

アナグマを恐れないというのは一昔前は蛮勇に近いものでしたが、ソフトが強くなってみるとアナグマは実戦的だけど棋理としては…というのが今までも感触としてはあったものの、実際そうだよね、というのがわかってきた感じもあり、それゆえに居飛穴を怖がり過ぎない振り飛車党の生き残りがいたり、高野さんみたいに急戦派が自信を深めたりしているところはあるんじゃないかな?と思いました。

私は相穴熊とか見るのもやるのも嫌いなので良い傾向ですねw

金井深浦戦は研究家同士らしく最新形。棋王戦の第二局、渡辺広瀬の手順を踏襲しました。前例を離れたのがなんと76手目というw

そしてすぐあとの81手目48歩が敗着級の一手に見えました。この前の広瀬千田戦でも似たような味わいの角打ちがあっていきなりバサッと87にいる金と刺し違えてじっくりされてみると後手がやりやすい、みたいな将棋がありましたが(あれは本当に驚いた)、本局は恐ろしいほどあっという間にここから寄ってしまいました。投了図も大差。


簡単ですが、以上です。このぐらいだったらブログも更新できそうなので本業が超忙しすぎてバイトの方に任せっぱなしな状況ですが、今後も気が向いたら書きます。

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棋士のコスパと矜持

棋士のコスパ

奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~

うつ病九段

この辺のはなし。

片上さんが書いてる以下がまさしくそのとおりで、なった者とならざる者と横でみてる者の違いがあるんだろうなと思った。

プロの世界というものは、よほどその世界が好きで、あるいはその世界にどうしても入りたくて、志すものであって、いろいろな道をつぶさに比較検討した末の合理的な判断で入るものではない気がするので。



お金と棋士という話で、違う視点からその様子が伝わったのが先崎学九段の著作うつ病九段。この中ででてくるお金に関するエピソードは非常に興味深かった(ネタバレしないために書きませんがそういう視点でも読んでみることをオススメします)。

そして、この本で私が一番グッと来たのは、先崎さんの病を知って、奥様が言った一言。これはしびれた。泣けた。棋士のコスパという話でいうと、この一言に集約されてるんだと思う。

昔村上龍が、天才テニスプレイヤー(ジョン・マッケンローって知ってる?w)にはテニスラケットの穴が、ジミヘンにはギターの穴が開いていてその穴は才能なんかじゃなくて欠落なんだと。その欠落を埋めるために彼らはそれらを行なうし、下手すると身を滅ぼすと。

その穴の中には多分魔物?が潜んでいてそいつが将棋棋士だったりのプロと呼ばれる人たちに囁きかけ、命じている…ぐらいまではあるなと。才能は祝福ではなく呪いですらあるのかもしれませんね。天才の中の超天才だけが一人勝ちする世界においては。

ちなみに、そもそもコスパっていう話でいうとライターも相当…だよ?笑。

片上さんはコスパでいうなら、プロ経営者やトレーダーを勧めてるけど、私のオススメはやはりちゃんといい学校出て、2個以上の専門的な職能を身につけ、母国語+最低1ヵ国語を操る、プロサラリーマンをオススメしますね。

ただ、10年後といういみでいうとそういう世界すら恐らくはAI的なものに侵食されるとおもうので、テクニックよりもアートな領域のほうがいいとおもう。スキル・テクニック的な土台の上にアートなものを構築するのが重要になるとおもう。10年ぐらい前に書いた10年後の将棋世界という与太話では色々書いたけど、各地に棋士が散らばり、新しいスポンサーが出てきて、既存スポンサーは頑張り、ベストシナリオに近い展開になっていると思う。

あとは経営もっと頑張って将棋アプリで月10億ぐらい稼がないとだめだよ?とは思うけどねえ。普通にやれば3億ぐらいまでは行くと思う。ちゃんとした人がやれば。

話は逸れましたが、以下は本当にそのとおり。良いまとめと思った。

ところでちょっと本書の内容からはそれるが、
・習慣を意識せずとも自然にできるのが才能、習慣を意図的に作り出すのが努力。
・少ない習慣で成果を出せるのが才能、大量の習慣に縛り付けることでなんとか成果を出すのが努力。
・そしてその違いを意識しない鈍感力もまた、ひとつの才能。
なのではないかと、最近思っている。


というわけで以上です。たまにはブログも書いとくか、ということで書きました笑。

Tag : 片上大輔

髙見泰地叡王の勝負術が参考になりすぎる件。

髙見泰地叡王の特集記事、インタビューが始まりましたね。
https://www.shogi.or.jp/column/2018/08/takami_01.html


髙見泰地叡王 、常識的な振る舞いや空気をよんだ感じがいかにも近年の若者らしい棋士です。最近の若手棋士は本当に人間としての、社会人としてのバランス感覚が素晴らしいですね。親御さんの教育が良かったのでしょうか。一人の親として羨ましい。こんな子に育って欲しい、と思わせる立派な人格者のお一人だと思います。

失礼ながらに、あまりきちんと高見叡王の将棋に注目していなかったんですが、すごく面白いですね。勿論、良い将棋を普通に勝ち切る展開も多いのですが、ソフト的にいうと少し悪い局面、200-300点ぐらいのちょっとだけ模様が悪そうな局面で見せる勝負術が素晴らしい。糸谷さんだともっと悪くなってから悪力でどうにか誤魔化しに行くかんじですが、そこまでじゃなくて、怖いけど開き直って勝負手を放ち、割と相手を急かせるような感じで形勢差を縮めたりひっくり返したりするのが見事というか。

そのへんは最近のAbemaの番組でもそうですし、タイトル獲得までの道のり、タイトル戦での指し回しも同様です。 羽生マジック、じゃないですが、高見シャイニング!みたいな笑。

10代でプロ入りはタイトル獲得の可能性が高い、ということで大学進学&卒業を差し引いても当然の活躍といえます。また、個人的な見立てでは大卒棋士は寿命が長いというか、活躍期が長くなるのではないか?という印象もありますので、ご自身が語られていた通り、今後もタイトル戦に絡んでくるのではないでしょうか。

初タイトル獲得後に調子を落とす棋士が本当に多いですが、そういう感じがしないですね。順位戦は初戦で負けてますが上位陣がつぶしあいの取組表になっているのでまだ全然間に合います。


たまたまなのか、相性なのか対戦相手によって星の偏りがあるように見せますが、勝負手が奏功するときとしないときがあるのか、そういうのにハマりにくい相手とは相性が悪いのか?はよくわかりません。対同年代とは大体五角以上の一方で何人かの特定棋士には全敗、というのが面白いですね。

タイトルをとって更に強くなるタイプの性格にみえるので、今期から数年間はフィーバーが続く可能性があると見ていますがどうなるか?

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Tag : 髙見泰地

プロの第一感(直感)とは何か?

土日はあまりネットを追えないこともあり見逃していたのですがこれは良い記事ですね。

http://shogi-daichan.com/2018/02/17/直感とは何か/

私もよくブログに書くのですが、大体の局面においてプロだと第一感、一目でこれ、という手が多くの場合に重なり、しかしその手がアマ三・四段であっても全然さっぱり当たらない…という話。

プロレベルのアマチュア強豪だと当たるので、これは純粋に終盤力が一つ関係しているように思います。終盤力というのは2つの要素からなり、それは終盤特有の手筋をどのぐらい記憶しているか?という部分とどのくらい広く・深く局面を読むことが出来るか?という脳内盤面上の操作能力なのかなと思います。

そのどちらもが機能して、ある程度分かりやすい局面ではプロの第一感が同じ手になるのではないでしょうか。第一感で見える手というのは言い換えれば局面が自分にとって最も良くなる(最も悪くならない)手順の初手であり、ある程度深く読めるプロには自明でそうでない例えば四段以下の人には見えない…のかなと。

あと考えられることとしては、「棋は対話なり」という言葉がありますが将棋には言語的な要素もあると思っていて、例えば藤井猛プロはたまに自虐的に(多少誇張は含まれていると思いますが)、「彼ら(羽生世代などを指して)彼らは子供の頃からやっているけど、こっちは始めたのが遅かったから秒読み勝負になると…」ということを言うことがあります。

そういう意味では、いわば将棋ネイティブな人たち(藤井猛プロを含むプロ&アマ強豪)の会話する将棋言語と、それよりも低い棋力の人たちの将棋言語の違い、というのもあるかもしれません。いわゆる手筋や定跡は言語でいえば言い回しや慣用句などに該当し、大局観はモードというか様式のようなものなのではないでしょうか。日本語だとわかりにくいですが、ある種の言語や国では階級毎にハッキリと違いがあります。それに似たものがあるような気もします。

指し手の流れが言い回し的な要素を含むとするとその言語を幼少期から用いてきた小さな集団(奨励会)のなかで無意識に形成されたものがあるのではないでしょうか。人間の能力はそこまで違いがないはずなのに、年齢が上がっていくと勝てなくなっていく理由の一つもこの辺にあるような気がします。奨励会三段レベルで新たに形成された表現手法に思考が硬直化した高齢者がついていけなくなる…というような。羽生さんの柔軟性と長期に渡る活躍のヒントもこの辺に隠されているのではないでしょうか。

私は長年定跡も覚えず詰将棋もやらず楽して将棋を指しているせいでほぼ棋力が上がっていません。そういう人間が考える「アマチュアが手っ取り早く将棋を強く方法」は詰将棋(の回答能力をあげること)じゃないかな?と思っているのですが…。最近やってる詰将棋って将棋連盟のサイトの毎日詰将棋(https://www.shogi.or.jp/tsume_shogi/everyday/)だけですね…。真面目に終盤勉強しようかなぁ…どうしよう?

Tag : 片上大輔