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ソフト以降の将棋観について。

観る・指すどちらも好きな、普通のオジサンの感想なのでどこまで正しいかはさておき、最近思っていることを書きます。

この前の王将戦王位戦第2局、豊島さんが恐ろしかったですね。ソフトの評価値では1500点以上先手に振れていたみたいですが、そこらへんでの豊島さんの長考って、あれはソフトと戦っているというか対戦している経験値があるからじゃないかな?と思いました。

ソフトと駒落ちやるとわかると思いますが、自分が絶対勝ちそうな手合い、例えばプロとやるときは角落ちだったら四枚落ち、二枚落ちだったら六枚落ちとかでやってみてほしいんですが、とにかく負けないんですよ。

豊島さんが研究範囲は時間を使わないのって、苦しくなった時に一番粘れる順を探るため…というのもあるんだなーと思いました。いつもは良くなったときのここぞという局面で確実に勝つために時間を意図的に残しているんだなと思っていましたが、逆のケースでも相手が最も嫌がる、そしてもっとも点数の振れ幅が大きくなりそうな手順を深く読んでいました。

将棋は強い人がちゃんとやると凄く負けにくい、倒すのが大変なゲーム。ただ形勢の離れ方によっては単に粘っているだけ、になってしまうのでそうならない一歩手前でその負けにくさを維持するのが大事。ちょっとタイプは違いますが糸谷さんはその辺りがとても上手いです。

ソフトがめちゃくちゃ強くなっているので最強クラスのソフトだとプロでも角落ちだと相当大変なんじゃないでしょうか。プロが角落ちの下手を持ってどのぐらい勝てるのか・?というのは気になります。強いソフトに勝つには100手とかの勝負ではなく200手ぐらい掛かるので油断ならないと思います。

最近ソフトを使って角落ちの序盤研究とプロに指導を受けた棋譜の感想戦というか解析をやっています。あと将棋ウォーズ専用?の超急戦系の序盤の研究。

そこで思ったのは、人間の直感的な各駒の評価というのが割と実際の駒の強さとズレているんじゃないかな?ということです。

具体的には、私は今まで飛車の価値を高くみすぎていた気がします。あと角と金の差異は私が思っているよりも小さい。桂馬と歩の価値の差も小さくて、歩自体の価値は思っていたよりも高い。私の感性としての話ですし、もちろん局面や戦型にも拠る所はあるんですが、急戦調の将棋ほどそういう傾向があると思っています。

その辺りを意識しつつ、どの戦型においてもなるべく急戦調、それもできるだけ手順を端折った、早めに開戦できるような作戦を幾つか揃えています。中には厳密には全然こっちが良くない、具体的には数値で-300とかなんだけどそこからの展開としての経験値がこっちに溜まっているので早指しにおいてはこっちが有利、みたいな手順も含めています。
県代表とか目指すなら別ですがそれより下の目標の場合は、(ド)急戦調で序盤固定、というのが一番上達の近道のように今は考えています。

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将棋というゲームの強度と将棋ソフトの怪力。

昨日の藤井聡太七段vs高見叡王の一戦。逆転勝ちであることには同意します、私レベルで見ても後手が良さそうな局面が続いていたので。

しかしどのぐらいの差でどのぐらい逆転しやすい・しにくい将棋だったのかな?というのはよくわかりませんでした。感想戦や控室で示された手順が、アマでも一目見えるものでしたがその先を考えられるプロであればあるほど、怖さがある手順だったのではないでしょうか。

相手が詰将棋の鬼、藤井聡太であることもやはり無関係ではなかった、理解できる実戦心理だったと思います。

26角と打った88手目、あるソフトの評価値は後手に大きく振れていたそうです。具体的には1,000点を超えていたとのこと。ただ、そこまでの差異と感じる人間はプロを含めて居なかったのではないでしょうか。

将棋ソフトによる、人間の概念を覆すような新手や構想が次々にあらわれています。最近ではそれが更に進み、二手目の評価値、みたいな話が出てきているようです。具体的には二手目に角道を開ける手が悪手である可能性がある…という驚きの話です。角道を開けると、横歩取りか振り飛車か一手損角換わりか雁木になるわけですが、横歩取りと振り飛車は後手不利、一手損と雁木も先手からの速攻がある、ということが遠因のようです(もちろん、結論!とか断言!ということではなく、半分ジョークっぽいニュアンスも含まれた話のようですが)。

通常の角換わりについては、手順的に先手が先手としての得を保持したまま進めるには回避しにくく、後手が千日手に持ち込める可能性がある…という話も出ていました。どちらも「やねうら王」さんのブログで読んだんですが。(http://yaneuraou.yaneu.com/ )

こうなると将棋というゲームを、ソフトを使ってクラッキングしている…という状況に近いなぁと思ってしまいます笑。

クラックされにくさは言い換えるとそのゲームの奥深さであり強固さです。人間にとっては、たとえば将棋をよりシンプルにした(必勝定跡のある)「どうぶつ将棋」ですら充分楽しめる複雑さ、強度を有していると思いますが、将棋というゲームの強度では徐々にソフトに太刀打ちできなくなっているのかもしれません。

以前は新手一生、ついこないだまでは新手一勝と言われていましたが、もはや新手一笑、みたいな世界に感じます。人間が新手を編み出すのではなく、ソフトの解析を用いてまだ大丈夫な局面を探し出す作業に近づいているというか。

プロにならなければ意味がない三段以下の奨励会員もほぼ全員、ソフトを使っていると思います。三段や新四段の構想がプロ棋界で流行るというのが今までありましたが今後はどうなっていくのか、とても興味があります。

藤井聡太七段や、アマの折田さんのように中終盤の力が充分に強化されてからソフト導入でもうひと伸び、というのとは違った棋力強化が図られているはずでどういう将棋がトレンドになり、どういう棋風がメジャーになっていくのか?という点を見ていきたいと思います。(最近、ある意味そういうソフトのトレンドに逆行するように振飛車党の若手が誕生しているのも面白い現象ですよね)。

以下、関連する私のツイート。










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ここ数日の将棋の感想。

26日は面白かったですね。

佐々木大地vs広瀬章人竜王の将棋は本当に謎の序盤で。相掛かりが定跡整備されていないとはいえ、ここまで謎の展開になるの?というかんじ。広瀬竜王はたしか後手番の勝率のほうがよかった時期が長く、いまはどうなのかな?しかしこの序盤みると終盤の切れ味があるので多少悪くても差し脚でまくれる!というのがよくわかります。

最近は序盤も安定してきてしかもこの中盤のねじりあいで既にちぎる、みたいな脚質の自在性が出てきた感じがありますね。本局は先手の義務と権利ということで先手が先攻しましたが無理攻めではないものの、攻めさせられている感じはありました。


同日にあった千田vs谷川戦もすごかった。これは最近のベストバウト賞じゃないでしょうか。プロがみて一番楽しいのはこういう将棋じゃないかな?と思いました。正直私レベルのアマチュアには難しくて、例えると「拳法の達人同士の戦いでお互いの繰り出す攻撃手が早すぎて回りのひとには二人とも止まって見える」という状態に近かったですねw

解説読んで初めてわかる、というような。

千田さんと広瀬さんは本当に終盤鬼だなーと思ってみてましたけど、藤井聡太さんはどっちにも勝ってるんですよね…恐ろしい。。

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2019年2月21日の将棋の感想。

久しぶりにざっくり感想書きます。

昨日は飯島vs阿久津が阿久津さんの坂田流向かい飛車、黒沢vs高野が黒沢さんの向かい飛車アナグマに後手急戦、金井vs深浦が角換わり腰掛け銀の最新形という感じでした。

飯島阿久津戦は序盤から不穏な出だしで、後手が端歩を突き越して振り飛車にする展開を阿久津さんは結構やっていると思いますが、まさかの坂田流というw

それをみて糸谷さんが驚いていましたwww




この将棋、序盤の終わりごろには既に後手が指しやすくなっていて、坂田流ありえんなーと思いました(良い意味で。

このレベルのプロでもこうなるならアマで作戦練ればかなり使えるんじゃない?っていう。私も後手番ではある展開になると大体とある振り飛車をやっているんですが、実戦的ではあるものの勝率があまりよくないので、今後はちょっと研究してみようかな?と思いました。

糸谷さんという異能な力強さゆえに成り立っているというよりは作戦としての優秀さがあるように感じたというか。

早々に終わっていたのが、黒沢高野戦。この先手の作戦はアマ同士だと大体アマが勝ちそうに思うんですが、高野さんがこれぞプロ!という指しまわしで圧勝していましたね。もともと対振り飛車には急戦を使う先生なので経験値が溜まっている印象を受けた手順でした。

アナグマを恐れないというのは一昔前は蛮勇に近いものでしたが、ソフトが強くなってみるとアナグマは実戦的だけど棋理としては…というのが今までも感触としてはあったものの、実際そうだよね、というのがわかってきた感じもあり、それゆえに居飛穴を怖がり過ぎない振り飛車党の生き残りがいたり、高野さんみたいに急戦派が自信を深めたりしているところはあるんじゃないかな?と思いました。

私は相穴熊とか見るのもやるのも嫌いなので良い傾向ですねw

金井深浦戦は研究家同士らしく最新形。棋王戦の第二局、渡辺広瀬の手順を踏襲しました。前例を離れたのがなんと76手目というw

そしてすぐあとの81手目48歩が敗着級の一手に見えました。この前の広瀬千田戦でも似たような味わいの角打ちがあっていきなりバサッと87にいる金と刺し違えてじっくりされてみると後手がやりやすい、みたいな将棋がありましたが(あれは本当に驚いた)、本局は恐ろしいほどあっという間にここから寄ってしまいました。投了図も大差。


簡単ですが、以上です。このぐらいだったらブログも更新できそうなので本業が超忙しすぎてバイトの方に任せっぱなしな状況ですが、今後も気が向いたら書きます。

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棋士のコスパと矜持

棋士のコスパ

奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~

うつ病九段

この辺のはなし。

片上さんが書いてる以下がまさしくそのとおりで、なった者とならざる者と横でみてる者の違いがあるんだろうなと思った。

プロの世界というものは、よほどその世界が好きで、あるいはその世界にどうしても入りたくて、志すものであって、いろいろな道をつぶさに比較検討した末の合理的な判断で入るものではない気がするので。



お金と棋士という話で、違う視点からその様子が伝わったのが先崎学九段の著作うつ病九段。この中ででてくるお金に関するエピソードは非常に興味深かった(ネタバレしないために書きませんがそういう視点でも読んでみることをオススメします)。

そして、この本で私が一番グッと来たのは、先崎さんの病を知って、奥様が言った一言。これはしびれた。泣けた。棋士のコスパという話でいうと、この一言に集約されてるんだと思う。

昔村上龍が、天才テニスプレイヤー(ジョン・マッケンローって知ってる?w)にはテニスラケットの穴が、ジミヘンにはギターの穴が開いていてその穴は才能なんかじゃなくて欠落なんだと。その欠落を埋めるために彼らはそれらを行なうし、下手すると身を滅ぼすと。

その穴の中には多分魔物?が潜んでいてそいつが将棋棋士だったりのプロと呼ばれる人たちに囁きかけ、命じている…ぐらいまではあるなと。才能は祝福ではなく呪いですらあるのかもしれませんね。天才の中の超天才だけが一人勝ちする世界においては。

ちなみに、そもそもコスパっていう話でいうとライターも相当…だよ?笑。

片上さんはコスパでいうなら、プロ経営者やトレーダーを勧めてるけど、私のオススメはやはりちゃんといい学校出て、2個以上の専門的な職能を身につけ、母国語+最低1ヵ国語を操る、プロサラリーマンをオススメしますね。

ただ、10年後といういみでいうとそういう世界すら恐らくはAI的なものに侵食されるとおもうので、テクニックよりもアートな領域のほうがいいとおもう。スキル・テクニック的な土台の上にアートなものを構築するのが重要になるとおもう。10年ぐらい前に書いた10年後の将棋世界という与太話では色々書いたけど、各地に棋士が散らばり、新しいスポンサーが出てきて、既存スポンサーは頑張り、ベストシナリオに近い展開になっていると思う。

あとは経営もっと頑張って将棋アプリで月10億ぐらい稼がないとだめだよ?とは思うけどねえ。普通にやれば3億ぐらいまでは行くと思う。ちゃんとした人がやれば。

話は逸れましたが、以下は本当にそのとおり。良いまとめと思った。

ところでちょっと本書の内容からはそれるが、
・習慣を意識せずとも自然にできるのが才能、習慣を意図的に作り出すのが努力。
・少ない習慣で成果を出せるのが才能、大量の習慣に縛り付けることでなんとか成果を出すのが努力。
・そしてその違いを意識しない鈍感力もまた、ひとつの才能。
なのではないかと、最近思っている。


というわけで以上です。たまにはブログも書いとくか、ということで書きました笑。

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