第2期リコー杯女流王座戦、カロリーナ・ステチェンスカ 1勝!

外国人選手で初めて将棋の女子プロを破ったということで相当話題になっていたが、遅ればせながらこちらのブログでも簡単に触れておく。


第2期リコー杯女流王座戦一次予選 ▲カロリーナ-△高群佐知子


この日、カロリーナ・ステチェンスカは、高群佐知子千葉涼子と対戦し、前者に勝利、後者に敗北して1-1となり予選通過はならなかった。ではこの二人が女流の中でどのぐらいの強さなのか?というのが、野次馬根性的には気になるところだろう。

女流棋士と呼ばれる人々は今のところ2つの団体あわせて50人ぐらい存在するようだ。頂点をおそらくは里見香奈として考えた時に、千葉涼子は一頃若手の筆頭に含まれる程度の実力の持ち主であり、そこから大きく崩れていないと思う。

タイトルを取り切るところまでは難しいかもしれないが、挑戦者や挑戦者決定戦に出てきても全くおかしくない存在、というところだろう。

そことの対決においては明らかな力の差が、カロリーナ・ステチェンスカとはあったように思う。

女流の振り飛車党、というとこの前の長谷川優貴?もそうだったが戦型固定してもなお序盤が甘い、という印象があるが、カロリーナ・ステチェンスカも似たようなものを二戦目では感じた。

高群佐知子は女流では失礼ながら下位に位置する選手だろう。トーナメントプロとしてのピークはやや過ぎた感がある。たしか塚田泰明プロの奥様だったような。南の島事件という有名なエピソードがある。

で、高群佐知子戦。

序盤は相当に強引な気もしたが、その強気が良い方向に出た結果が今回の勝利だろう。

この選手の序盤の手順は私もやられたことがあるのだが、なんとなく咎めたい気がする。この序盤を通してはいけない気がするのだが、トーナメントということと最初のチャンスは見送る的にはありなのかもしれない。まあ中終盤でボロがでるだろう、という考え方で私もリアルタイムで見ていてそう思ったのだったが。


立ち上がりの出会い頭で先取点が入ったのは、49手目の▲6三歩だろう。これで先手が指しやすくなった。7七の銀が負担になるような展開がもはやなくなった。

序盤で私が思ったのは普通に左美濃でシンプルに囲ってはダメだったのだろうか?ということ。3三の地点で交換になれば特に問題ないし、手数が掛かっていない。あとは、32手目の△6五歩がやや軽い気がする。片銀冠まで組んだのであれば普通にじっくりと△6三銀でも良かったような気がする。

61手目の▲4五桂は不思議な手ではあるが意思がある手だ。本譜の展開と、取りきりに来ることが考えにくいことから無くはない。

73手目の▲6九歩で先手玉の生命力があがった。82手目の△1五歩が怖い手。これがこのあとの展開の伏線になっている。悪い手ではないが間違いが起きやすくなる手だったように思う。

その後の、4五の地点でおかわりがきく展開で、ブンブン行くカロリーなペースになったかもしれない。攻めごまが少なすぎるので、迷いようがない。玉が露出すると受け間違いが出てくる。それが本譜の展開で、111手目、▲7八角で詰めろ飛車取りからは徐々に本領発揮しているふうにすらみえる。

ネットで鍛えた将棋だなあと思ったのは、行ききらずに手を戻すタイミング。1八玉とか、145手目の4五龍とか。ネット将棋は泥仕合になりやすく、深く手順探索せずに見えやすいところまで進めてから休める、というのが多い気がする。

にしても強かった。どのぐらいの実際の実力なのかわからないが、プロ相手に長手数になって、混戦になって、しかも秒読みの手が長々と続いて勝つというのは本当に凄いことだ。最終盤、投了図までの手順も絶品で、駒をぴったり使っての詰みとか、女流プロ同士の対戦でもなかなかないと思う。

文化の違いなのか或いは個性なのかわからないが、カロリーナの将棋には確かに観る価値があるように感じた。少なくともこの一局についていえば文句なしに素晴らしかった。


テーマ : オセロ&将棋&囲碁&チェス - ジャンル : ゲーム

Tag : カロリーナ 高群佐知子 千葉涼子 塚田泰明 里見香奈