電王戦ファイナルの出場棋士5名が決定。&その感想。

なかなか忙しくて見れてないのですが、ついに発表になったようですね。

以下の五名です。 そしてその右にある数字は某所レーティングサイトから持ってきた各人のレーティング点。

阿久津主税(ちから)八段(32):1691
村山慈明(やすあき)七段(30):1716
稲葉陽(あきら)七段(26):1738
永瀬拓矢六段(22):1728
斎藤慎太郎五段(21):1647

一番点数の低い斉藤慎太郎五段がまだ伸びしろがあることを考えると、全員見事に上位陣が集まっている、という印象を受けるメンツだと思う。ファンの中では賛否両論あったようだが、タイトル戦に絡んでいる人たちを除いて考えると、指し盛りの30代前半から20代、将来的にもいつかタイトル戦に絡んでくる可能性が高い面々だと私は思う。

タイトル戦に今のところ絡んでいない、30代前半以下の棋士…ということで考えると、上から斉藤慎太郎の間を見ていくと、他にいる候補としては、佐々木勇気、佐藤天彦、森信門下の若手陣、ぐらいしか見当たらないからだ。

というわけで、タイトル戦に影響しない人選としてはベストメンバーに近いと私は思う。

あとは、今回が最後なので、どういう取り組み方でいくか?というのは重要だと思う。この棋戦に出ることが少なくともこの立候補した五名の将来にとってPlusになるようなそういう経験になってほしい。勝ち負けも勿論だが、五名にとっては来るべき未来の、タイトル戦の練習みたいなものでもあるわけで、羽生世代に大きく離されてる理由の一つでもある、大舞台での戦いの経験値をここで是非積んでほしい。

勝ち負けのところでいうと、面白い将棋を目指すか、或いは勝ちを目指すか、というところがある。今までは米長戦の呪縛というか、ああいう戦い方で負けると酷い言われようがあるので正々堂々と戦って負けたという面もあったような気がするが、全面的に米長さんがとったような作戦をとらないまでも、間合いを取るような局面ではうまくコンピュータが見えてないところで人間側に模様がよくなるような指し回しを見せてほしい。

斉藤慎太郎と永瀬拓矢がある程度研究でハメるような展開で連勝する可能性があるのではないか?という気がしていて、稲葉陽は兄弟弟子たちの協力もあるだろうからかなり期待できる。村山慈明は序盤戦術の巧みさはプロ随一だし、コンピュータを扱った研究でもそうだろう。

そして阿久津主税。プロになった年齢からも、プロ間の評価からしても、この棋士の活躍は正直不満の残るものであり、32歳にしてこの実績というのは、本人も想像していなかったのではないか。まさに行方尚史的な展開であり、その才能を存分に発揮するにはぴったりの舞台だろう。これを機会に大きく羽ばたくところを見せてほしい。

結果予想については今回は行わずに、最後となったこのお祭りをとにかく楽しく観戦したいと思います!





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広瀬章人、阿久津主税、ついにA級へ!高橋道雄・鈴木大介降級

広瀬章人はタイトル取ってますし、同年代ではやはり一番の才能ですから、順当でしょうか。阿久津主税はようやく…という感じですね。

他の棋士たちに比べると、やや精神面での幼さを感じる二人な気がしますが、ほかが老成しすぎている…ということもありますね、戸辺さんとか渡辺さんとか。いい意味で普通の若者感があります。

某所の棋士レーティングでは18位と20位。A級に上がると年間勝率が5割割るコース≒即降級コースというのが存在しますが、この二人はどうでしょうね。

二人の対戦成績では圧倒的に広瀬章人が勝ち越してますね。4-1とかですか。しかしA級にいる棋士との対戦成績でいうとかなり厳しい感じがどちらの成績からうけます。

特に羽生世代最強者たちと、渡辺明の対戦成績は仕方ないにしろ、全般的に指分程度以下、という。

昇級のおめでたい時にこういうことを書くのはアレですが、どうなるでしょうか。



以下、事実情報のみ。

[B級1組成績一覧] ( )内は順位

【9勝2敗】広瀬(8)、阿久津(9)
【8勝3敗】豊島(13)
【7勝4敗】松尾(4)、丸山(5)
【6勝5敗】山崎(3)
【6勝6敗】橋本(2)
【5勝6敗】藤井(12)
【4勝7敗】木村(6)、畠山鎮(7)、飯塚(11)
【2勝9敗】鈴木(10)
【1勝10敗】高橋(1)



[B級2組成績一覧] ( )内は順位、*は降級点

【10勝0敗】佐藤天(4)
【8勝1敗】村山(22)
【7勝2敗】先崎(16)
【6勝3敗】飯島(3)、森下(10)、野月(14)、豊川(18)
【5勝4敗】中田宏(2)、北浜(6)、戸辺(7)、杉本(15)、稲葉(21)、泉(25*)
【4勝5敗】井上(1)、青野(11*)、田村(17)、中川(20)
【3勝6敗】阿部隆(8)、畠山成(13)、中村修(19)、南(24*)
【2勝7敗】窪田(5)、安用寺(9)
【1勝8敗】島(12)、堀口(23*)


[B級1組]
飯塚 祐紀七段(4勝7敗)●-○松尾 歩七段(7勝4敗)…23時8分
鈴木 大介八段(2勝9敗)●-○阿久津 主税七段(9勝2敗)…23時53分
高橋 道雄九段(1勝10敗)●-○藤井 猛九段(5勝6敗)…0時23分
丸山 忠久九段(7勝4敗)●-○広瀬 章人七段(9勝2敗)…0時25分
畠山 鎮七段(4勝7敗)●-○木村 一基八段(4勝7敗)…0時30分
山崎 隆之八段(6勝5敗)○-●橋本 崇載八段(6勝6敗)…0時53分

[B級2組]
泉 正樹八段(5勝4敗)●-○北浜 健介八段(5勝4敗)…17時46分
(安用寺 孝功六段-井上 慶太九段…20時17分千日手成立)
佐藤 天彦七段(10勝0敗)○-●豊川 孝弘七段(6勝3敗)…23時14分
窪田 義行六段(2勝7敗)○-●阿部 隆八段(3勝6敗)…23時38分
畠山 成幸七段(3勝6敗)●-○飯島 栄治七段(6勝3敗)…23時39分
杉本 昌隆七段(5勝4敗)○-●中川 大輔八段(4勝5敗)…0時7分
稲葉 陽七段(5勝4敗)●-○青野 照市九段(4勝5敗)…0時25分
村山 慈明六段(8勝1敗)○-●南 芳一九段(3勝6敗)…0時27分
中田 宏樹八段(5勝4敗)●-○中村 修九段(3勝6敗)…0時37分
井上 慶太九段(4勝5敗)○-●安用寺 孝功六段(2勝7敗)…0時37分
先崎 学八段(7勝2敗)●-○森下 卓九段(6勝3敗)…1時20分
戸辺 誠六段(5勝4敗)●-○島 朗九段(1勝8敗)…2時35分

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遂に順位戦開幕! 第72期B級1組順位戦

B級1組1回戦が最初に行われました。結果は以下のとおり。


△高橋 道雄九段-▲広瀬 章人七段・・・広瀬勝ち。
後手番では横歩取り、というみっちーのいつものパターン。に大平先生も注目する形へと進む。前期A級で久しぶりに渡辺明が用いて終盤勝ちになっていた形。

これが空中戦らしい激しい応酬で、最終盤残り13分。先手玉に詰みがあったが高橋が寄せを誤って負けになった。かなり勿体無いが仕方ないところか。広瀬にとっては大きな一勝になりそう。


▲橋本 崇載八段-△丸山 忠久九段・・・ハッシー勝ち。
今年のハッシーは振り飛車か?居飛車か?という意味で注目していたのだが、振り飛車。しかも端歩一手ついてからのごきげん中飛車。見た目がサラリーマンというかんじで好印象ですが、北浜先生が係長にみえるのに、ハッシーすごくまじめそうにみえるのに、なぜだか少しだけ胡散臭さが抜けない(いい意味で)。やはり池袋が似合います。

ハッシーが中盤で優位を握るとそのまま落ち着いた指し回しで中押し勝ち。ハッシーの筋の良さが存分に発揮された将棋だった。



△山崎 隆之七段-▲阿久津 主税七段・・・山崎勝ち。
後手の山崎王子が、積極的な矢倉中飛車へ。しかし中盤で攻めがひと段落してからは先手阿久津さんのターン。このままいくと先手がよくなりそうな雰囲気。山崎さんもおでこ広いけど髪型が上手。分け目作らなくていい長さに阿久津先生もしたらいいのにな、見た目は整ってるのだから、と思う隣のお姉さん目線w

中盤あたりで先手の阿久津が穴熊に組み替えたのは苦しさを意識してのものだろうか?成り駒の物量作戦で全く穴熊が活きない終盤になっていたが、反撃してみたものの案外思わしくなく穴熊にしたということだったのかもしれない。


△松尾 歩七段-▲鈴木 大介八段・・・松尾勝ち。
ここは本日注目の一番となりました。戦型的に。しかしそれが千日手に。
先後入れ替えて松尾先手での角交換振り飛車は似たような陣形から先手が寄せ切りました。細かくは見ていません。。


△畠山 鎮七段-▲飯塚 祐紀七段・・・畠山勝ち。
ここも同様に注目の一番。やはり角換わり系が私は好きです。
相腰掛銀から、後手が穴熊にする作戦。先手の攻めが続くかどうか?だが、本局は穴熊の深さ遠さが生きた。先手の飛車角という攻めの主力が穴熊玉から最も遠いところに行ってしまったあたりでは後手ペースだったように思う。


△藤井 猛九段-▲豊島 将之七段・・・豊島勝ち。
未来のタイトルホルダーに現代振り飛車の創造者、藤井が立ちはだかる。B1で通用するかどうか?が占われる、そういう戦い。

戦型は角交換振り飛車で、以前豊島はこの戦型で本家に何度ややられているように記憶している。ただこの戦法もだいぶ認知度が高くなっているので色々対策は持っているところだろう。

この戦型の、後手番での振り飛車らしい展開。端歩はつきこされて玉形は銀冠と平美濃、攻め駒も攻め筋もそれほど多いわけではないが実戦的に相手玉を薄くしていく。ただ一目切れそうな攻め。先手の豊島が落ち着いて対処して後手の藤井の攻めが切れ筋であることが明らかになって藤井が投了した。


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全体的な対戦結果については、どちらが勝ってもオカシクない組み合わせなので特に触れないが、広瀬章人の勝利はかなり大きかったように思う。というか、悩める広瀬章人。大いなる才能とイマイチ爆発しない最近の成績。

高橋先生は年齢を考えるとしかたないところだが中終盤まではいつも一線級相手でもぎりぎりまで追い込むのだが、最後で失速してしまう、ということがここ最近の順位戦では多いように思う。

豊島は一期抜けの期待がかかるが、もし一期抜けを実現すると通算成績7割のままでのA級が久しぶりに誕生することになるのでぜひ頑張って欲しいところだ。


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電王戦開催中に、ニコファーレに行ってみよう!(後半に行くほど混むよ!w)

先週の第二回電王戦第一局、阿部光瑠(あべこうる)vs習甦(しゅうそ)の戦いはニコファーレにて行われた。戦い自体も注目されるところだったが、この今後も会場となるニコファーレがなかなか良かったので少しそのことについても触れておきます。

ニコファーレの詳細ページ

ニコファーレとは


日比谷線、六本木の4b出口から地上に出るとよいです。ラーメン屋の中華そば 幸楽苑 六本木店の前にでるので、それとみずほ銀行の間の道をひたすらまっすぐいく。
突き当りを右に進む。右手にみえる建物の地下がニコファーレで、セブンイレブンの入り口を過ぎたあたりに地下に下る入り口があります。

階段を下ると喫煙スペースがあります。その右手に入り口があり、中に入ると・・・正面が観戦スペース(有料)の入り口左手にエントランスホールが広がるかんじで、左手奥にはドリンクカウンター(有料)その右手に両替機があります。(プリクラ用の400円がなかったらここで両替できます)。

そのドリンクコーナーの上に巨大なモニターがあり、ここで観戦する分には無料でみれます。エントランスホールのモニター左側には、ニコクラ?(プリクラ)があり、そこで対戦棋士とのプリクラが撮れます。その奥には壁に沿う形で10席ぐらい椅子が用意されていました。その対面、右手には将棋スペースがあり、盤駒が10組ぐらいありました(こちらは席はなし)。

私が行ったのは初手前後だったのですが、有料客席についてはまだ余裕がありました。半分から6割ぐらいの入りでしょうか。ニコ生の直前企画、勝てたら100万円もそうでしたが徐々にこういうイベントは集客動員数があがっていくことが多いので、次回以降は初手前後で8割ぐらいの入りになるのかな?

奥のイベントスペースでは矢内女流と阿久津主税プロが解説していました。私は諸事情により遠くから眺めるだけで、エントランスホールにてプリクラを撮り、将棋の盤駒をチェックして(プラ駒とゴム盤でした)、15分ぐらい観戦してから先手一手損角換わりの戦型を確認してから会場を後にしました。

近場に安い食事処(一人でも入りやすい)が多いですし、夜飲みに行くにも六本木交差点そばということで困ることはないので、友達や一人で遊びに行くにはピッタリなイベントだと思います。入場料も大人1500円、学生で1000円と映画に行くよりも安い上に1日中楽しめます。出てくるゲストも豪華ですし、初戦の矢内女流プロを見ていて思ったんですが、NHK杯でのフォーマリティとはちょっと違った、いい意味で肩の力が抜けたやりとりがあり、とても面白かったです。

矢内さんは第四戦でも再登板の予定ですから、今回の経験を踏まえてさらにぐぐっと面白くなる可能性が高い!・・・とみています。(特に面白かったのは、佐藤深夜先生の登場で、例のNHK杯パフォーマンスについて、自ら深夜先生に振ったあたりw これは本当に見事だなと思いましたw)。

あとは、阿久津さんとのやり取りで面白かったのは、阿久津さんが女流のタイトル戦の記録係をやったときに、おやつを食べたかどうか?という話を他人事のように聞いていた矢内さんでしたが、実は清水女流プロの対戦相手が矢内さんだったということが判明し、当然のように気づいていなかった矢内さんとその事実を明かす阿久津プロのやりとりはとても微笑ましいものでした。

第二戦は、解説者:野月浩貴七段、聞き手:山口恵梨子女流初段、ゲスト:藤澤一就(囲碁棋士八段)、柴田ヨクサル(漫画家) 、観戦記:先崎学八段というかんじです。野月プロも解説上手ではきはきしていて割と形勢についてはっきり言い切るタイプで、タイプでいえばダウンタウンの浜田、のような印象。関西弁ではないけれどもその棋風同様、鋭い切れ味。山口恵梨子女流初段はどちらかというと天然系。その天然っぷりを生かした意表をつく野月プロへのえぐりと、逆に天然っぷりを突っ込む野月さん、という展開になるのでしょうか。野月プロはプライベートでも佐藤慎一プロと遊んでいるはずなので、その辺の暴露話も楽しみなところw。

ゲスト以外にも観戦記を書く先崎学プロもおそらく登壇されると思われます。そして将棋自体も相当面白そうな理由としては、佐藤慎一プロは全くソフト提供されていないので、普通の熱戦になる可能性が高いことです。第一戦の記者会見の後に、阿部光瑠プロが習甦との練習将棋、直近は8連勝だったと語っていたらしいですが、そういうことが全く佐藤慎一プロにはないでしょうから。しかも相手のポナンザの軍師というか作者も山本一成さん。かなりの策士です。

機械学習の詳細についてよくわかっていないのですが、たとえばなんですが序盤における端歩の価値を高めるような補正を入れることはできないのでしょうか。あるいは序盤で玉が三段目に行くこと&桂馬が5段目にいくことの評価を下げる、というような。評価関数が多すぎてそういうことができないのかな?変数の一つとして序盤特有の事象を組み込んでおけばいいような気もするのですが。

ニコファーレで形勢判断ボードに示されていた数値は、ぼんくらーずの最新版に近いものだったようです。ということは機械学習系のソフトは一様に端歩の評価と桂馬のシンプルな跳ねに弱点を抱えてる可能性があるわけです。コンピュータ将棋選手権を毎年見てて思うのはやはり序盤の穴があるな、ということ。電王戦の第一局は特にその傾向が出て破れてしまったわけですが、山本一成さんがどのような作戦をもって対局に臨むのか?は本当にわくわくしてしまいます。

作戦を考えてくるとしたらポナンザ側であり、人間側である佐藤慎一プロはもしかするとやる可能性があるのは、第一局をみての一手損角換わりでしょうか。ただ後手の一手損は定跡DBに入ってそうなのでボコられそうですね・・・。(後手△8四歩型の一手損は後手が悪い可能性が現時点ですでにあります…)。

というわけで、ニコファーレ。第五局は朝から並ぶこと必至なので、その前に早めに行くことをお勧めします。私は勝てたら100万円企画の初日の朝、始発で行かないと並んでる人いっぱいいるだろうなーとつぶやいたわけですが、初日二日目はそれほどでもなかったです。しかし最終日はなんと始発でも間に合ってなかったという。

そういうことを思えば、序盤にこそ早めにいって(たぶん待っても10分ぐらいで余裕で席はとれるはず)、堪能してもし最悪つまらなかったら六本木で飯食って帰ってくる・・・でもいいと思うので是非一度ニコファーレに行ってみてください。プリクラもありますし、将棋盤もありますし、楽しさは約束しますよ!

・・・と、以上、入場せずにエントランスホールだけ訪問したわたくし将棋観戦からのレポートでしたw


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奔放な山崎流など全局感想 第71期B級1組10回戦 (2012/12/20) 

久しぶりに全局感想を。

鈴木大介八段(4勝6敗)●-○行方尚史八段(9勝0敗)…21時27分
一番最初に終わったのがこちら。昇級の掛かる行方が全勝で昇級を決めた。ただし一番早く終わったので昇級が決まった時には帰宅?飲み?に行っていて昇級インタビューは無かった。

戦型は先手中飛車に対して後手も5筋の歩をついてそこから銀を上がる作戦。金銀分断され、角交換するので右側の金は置きっぱなしになるため、先手からの技が決まりやすいのだが、馬を作ってからの指し回しがこれぞ行方流という感じで素晴らしかった。

ほぼなにもさせずに完勝といっていいだろう。ここからの数年間の行方尚史は羽生世代並に活躍すると思う。一頃の木村一基状態になるというかw



木村一基八段(3勝6敗)○-●畠山鎮七段(6勝3敗)…23時43分☆
ここが畠山鎮負けで、行方尚史の昇級が決まったわけだが終了時刻に2時間の開きがあるので仕方ないところか。戦型は相掛かりの後手高飛車という最新のもの。

両者の持ち味がでる序盤で畠山鎮の攻め、木村一基の受けという形に。ただし端から攻める将棋というのは多少の形勢の差しか産まない事が多く反撃がきついか、形勢がひっくり返りやすい。本局は前者で2筋から先手が逆襲する形となって勝負あり。

個人的には一番好きなタイプの戦型と展開となったが先手の反撃が的確に決まり続けたというか、序盤の構想が勝ちに結びつけるまで難しそうな印象をうけた。



中田宏樹八段(2勝7敗)●-○松尾歩七段(6勝4敗)…23時46分
矢倉。しかし後手の松尾歩が五筋に飛車を転回する急戦策をとった。木村一基の上記の将棋でもそうだが私は銀が横に二枚並ぶ形がとても好きなのだが、この将棋も後手の二枚の銀が四段目で並んだ。そういう攻勢をとった将棋だった。

どこで悪くなったのかわからないが序盤から守勢に立たされた先手が二筋に飛車を戻して銀と桂馬で攻めの形を作ったものの、それが間に合わずに五筋で決戦されて悪くなった、という印象。投了図には先手の攻めの三枚が自陣に手付かずで残っていた。



久保利明九段(7勝2敗)○-●山崎隆之七段(5勝4敗)…0時33分☆
この将棋はなんというか山崎隆之らしい将棋だった。16手目の時点で後手の山崎は2~4筋の位を取った。そういう将棋(笑)。普通に考えてこの位は負担になるとしたものだが、プロから見て後手良しの局面を築きあげるのだから恐ろしい男だ。

45手目▲7七角の一手で、私は後手がちょっと模様を張りすぎた印象を受けたのだが、そこから進んだ57手目では後手に一発かます手があったようだ。それにて後手良しということだったが、その順を見送りやや形勢は先手に傾くこととなった。

73手目で先手から強く飛車交換を挑まれて交換した局面では、先手の壁銀は解消し、模様を張りすぎた将棋に飛車交換はやはり後手がつらそう。そこからは先手ペースで久保プロが押し切った。

少し話はそれるが、コンピュータ将棋に模様をはる、位を取る将棋が良いというが、勝つときに簡単に勝てるがその勝率自体はあまり変わらないような気もする。勝ちになった時の勝ちやすさは上がるが、ほころびが出た時の負けやすさは通常の将棋以上であり、そういう点を踏まえた上で位を取る将棋を電王戦では行われるのか?というのがちょっと気になるところ。(まだ位取り宣言は誰もしていないが。。)


丸山忠久九段(4勝5敗)○-●広瀬章人七段(6勝4敗)…0時34分
後手の広瀬章人が9筋位取りの角交換型四間飛車に。この作戦は一流どころに通用するのだろうか?しないのではないか?と当日この戦型が確定した時点で私はTwitterで呟いた。

プロの将棋においてはこういう戦型は駒落ちから鍛えた将棋ということでしっかりと序盤から徐々に先手が良くしていくような印象がある。

47手目の局面の先手は玉頭の歩を交換して位は張っているものの伸び伸びとしている。このへんは序盤に無理をして広げた位との違い。ただし、対抗型で煮詰まったときに先手が穴熊ではないので、後手の主張点としては悪くない。

62手目の△4六角の成否が本局の命運を分けたかもしれない。私も右玉などでこういう展開を経験するのだが、この角を打った後、よっぽど丁寧に指さないとよくならない印象がある。先手の右側の桂馬香車はやはり捨て駒じゃないが攻めゴマなので取られたら取られたなりの代償があれば働いたということになるのだろう。

七九手目の局面、控え室では評価がわかれているらしいが、コンピュータにかけたらどうだろうか。おそらくどちらかに評価が傾いている局面のようにも思う。私はと金と龍の威力をみて、先手が良いのではないかと思う。

そして九三手目の8七香が出た。こういう序盤の貯金が終盤で生きるような展開になると、人間対コンピュータとなったときに、構想力の違いが出そうだ。コンピュータに知性はないので、定跡とその局面の解析能力だけで将棋を指しついで行く。人間は構想力、自分の意思のチカラがあるので、それがつながった時に美しさがある。

偶然性が(少)ない将棋においてはそういう展開に持ち込むことができるので、そこに私はロマンを感じる。山崎隆之の将棋の魅力もやはりそこだろう。

本局は113手目に9一銀というほおりこむ手があって後手がしびれた。やはりこの戦型の宿命というか、位取りした九筋で反発されて止めの手が出るようでは、作りとして難点を抱えているように思うのだが。

卓越した終盤力をもつ広瀬章人だが、序盤中盤でリードしなければその終盤力は粘りに活かすことしかできない。ちょうど振り飛車党で圧倒的な終盤力をもつ久保利明プロが見せる脅威の粘りにかぶるようながんばりが最近は目立つがその理由は振り飛車など戦型選択に問題があるような気もする。

ただ矢倉では経験値の違いなどもあり行方尚史プロにやられたりとかしているので、一流どころに決めだまの球筋を見られたあとの2年目のジンクス的な展開がちょうどいまきているということなのかもしれない。



井上慶太九段(2勝7敗)●-○阿久津主税七段(3勝6敗)…0時34分☆
阿久津主税プロもちょうど広瀬章人プロのような感じだった。天才と器用ゆえの戦型選択と一流どころとの対戦結果。最近の佐々木勇気や斉藤慎太郎、あとは八代が伸びそうな印象を持つのは矢倉の本格派という雰囲気があるからなのだが、それは私の感覚が古いせいかもしれない。

ここは最新の横歩取りで正直どういう将棋だったかわからない。横歩取りはわからないというか、あまり興味がないので阿久津主税が勝った、ということだけ記しておく。


久しぶりに書くとやはり時間が掛かるので、次は暫く先になりそうです…。



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Author:将棋観戦
「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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