誕生日で抜け番。第72期B級1組順位戦

タイトルは仮です。阿久津さんが誕生日のため抜け番でした。(たまたまです)。

削がれた更新意欲を、ゆるい更新でしのぐ。老人が酔拳で戦う、という感じですね。

この前、youtubeでジャッキーチェンの昔の何とか拳ってのをたくさん見ました。なんとなくアガりましたのでお勧めします。

たぶん、出社前にジャッキーと一緒に蛇拳とか、酔拳とかやってから会社に行ったら、気分よく出勤できると思います。・・・その勢いで上司を殴らないようにしてくださいねw

さて、あっ君こと阿久津さん、あつくつさんこと、阿久津さんの前髪ですが、たぶん今、過去最高にカッコいいと思います。そうなんです、もともとイケメンだし、おでこが広いのは禿たのではなく、もともと広いんですよ。

広い人は短い前髪、これです。山崎隆之プロがいい例ですね。決して髪の毛は多くない。おでこもなんとなく広そう。しかし禿ないタイプ。で、あの髪型です。美容室に行ったら、「分けなくていい程度の長さに」っていえばいいんですよ。それで大体は解決します。

前髪はどうしますか?って聞かれたら「何もつけずにおろしてても自然になるように」って答えるんです。あとは、もう天気の話でもしてれば完成です。切ったあとに何かつけますか?って言われたら、「今日はこのままでいいです」って答えるんです。どうせ、美容師がやったスタイリングなんて後で再現できないんですから。

そして、これで阿久津さんの結婚は間違いないですね。もともとのイケメンが最強の髪型を手に入れた。いわば猛烈な攻め将棋の中村太地が振り飛車党から居飛車党に転向したようなもんですよ。。

・・・このまま阿久津さんの前髪談議だけでブログ一つ別に建てられる(タイトルはあっ君の前髪)ぐらいには語るつもりですけど、そろそろ怒られそうなので、以下感想を簡単に書きますね。

お昼時点、夕方時点、終局後、という感じになると思います。例によってその時間帯の私の気分と、湿度、温度、によって分量は変わります。蕎麦打ちと一緒ですね…。

今、お昼時。

藤井vsハッシーは藤井先生の例の形。どちらにどういう工夫が出るのか?に注目。ただ私はこの角交換振り飛車は全然歓迎なのでどういう作戦が取られてもOK。この形というか角交換型で急戦調の含みがなくて・・・っていう作戦は居飛車党にとってはそんなに脅威じゃない気がするんだけどなあ…。

アマがやるなら、断然4→3とかの石田流系かごきげんでしょうね。(ゴキゲンの超速はアマ一定レベル以下の大部分の人にはそれほど勝ちやすい戦型ではないとおもう)。

畠山鎮vs鈴木大も角交換振り飛車ですね。

山崎vs木村一戦は先手の相掛かり。最近そういえば将棋ウォーズで相掛かり調が増えてきた気がします。理由は私がどっちをもってもやるから、というだけなんですがw

山崎流の角道をあけるのをなるべく後回しにする指し方は、意外に悪くないですよ。是非お試しください。少なくともひねり飛車よりは居飛車党に向いてる気がします。

丸山飯塚はノーマル角換わり腰掛銀っぽいです。スペシャリストの丸山さん相手に、穴熊の作戦が出るか?&先日のダニーのような打開になるのか?に注目です。

みっちーvsとよぴーは、横歩取り。とよぴーにとってはA級で通用するかどうか?の試金石第二弾っていう戦いですね。

松尾広瀬は後手のごきげん中飛車。戦型は超速に銀対抗ですね。私は相当前のブログで超速にはこの銀対抗しかないような気がするなーと書いた覚えがあります。それが主流になる前ですね。だからといって何も偉いわけでもなく、私の棋力があがったわけでもないのですが。耳年増、みたいなやつですね。女の子はみな、耳年増なんです。お勉強してるんです。おニャン子クラブ懐かしいですね。。

お昼休みはとりあえずそんな感じでした。

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夕方は、あまり見れませんでした…。

ただ、畠山鎮vs鈴木大介戦の穴熊にしてから銀冠は、後手にそれほど有効な手段がなく、穴熊になることもないので、銀冠最終形として考えている場合に、隙のない駒組みのやり方かもしれないと思いました。

夕方時点で松尾vs広瀬戦は流石に先手が良さそうと思いました。藤井vsハッシーは上手に組み上げるものだな…・と先手については思いましたが、先手の得がどのぐらい残っているのかは不明。角換わり腰掛け銀になった丸山vs飯塚戦は新手・新構想に期待。

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そして今は朝。結果はというと・・・


高橋 道雄九段(0勝2敗)●-○豊島 将之七段(2勝0敗)
先手の横歩取らずからの中原囲い。これは中押しで後手の圧勝でした。

畠山 鎮七段(2勝0敗)○-●鈴木 大介八段(0勝2敗)
これは夕食休憩時点の構想が面白いなと思いましたが、そこからが大激戦。馬を作った先手が良さを保ってそのままゴール。先手玉がよく動く?働く?将棋でした。

丸山 忠久九段(1勝1敗)○-●飯塚 祐紀七段(0勝2敗)
後手が相当攻めました。飯塚さんらしい攻め。しかし後手の攻めがさっぱりしたところでは、先手良し。馬で飛車をとって自陣に引きつけたところでは流石に先手が良くなっていたが、その手前では後手にも他にやりようがあるかもしれない・・・と思いました。

松尾 歩七段(2勝0敗)○-●広瀬 章人七段(1勝1敗)
これもプロレベルでは先手が良さを保って危なげなくゴールした感じでしょうね。ちょっと悩める天才は長くなりそうですなあ…。

山崎 隆之七段(1勝1敗)●-○木村 一基八段(1勝0敗)
これは不思議な力戦だった。先手が良さそうな局面から後手の桂馬が歩の餌食になる前に大仕事をしたところでは後手勝勢になっていた。山崎さんにとっては残念な将棋だろう。

橋本 崇載八段(1勝1敗)●-○藤井 猛九段(1勝1敗)
千日手指し直しからの先後入れ替えでまた角交換四間飛車。しかしこれは藤井プロの経験値が生きた戦いのような気がしました。というか、ハッシー不出来な戦いでは?

結果は松尾、畠山鎮、豊島が連勝スタート。連敗スタートは高橋、鈴木、飯塚。





勝負という生き方 将棋棋士32人の肖像勝負という生き方 将棋棋士32人の肖像
(2013/06/26)
高橋 呉郎

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内容紹介
羽生善治が、谷川浩司の光速流を目の当たりにした際の高揚を楽しげに語る。
佐藤康光が、タイトル戦の終局直後に思わず涙した理由を語る。
郷田真隆が、自らの信念と美学に裏打ちされた独特の将棋観を笑顔で語る。

トップ棋士だけではない。勝負に生きる者には、ひとりひとりに大舞台がある。
自らの哲学を、名誉を、人生を懸けて戦う棋士の姿にベテラン観戦記者が迫る。
将棋世界の人気連載「感想戦後の感想」から、32編を選り抜いて収録。
著者について
高橋呉郎(たかはし・ごろう)
将棋観戦記者。
昭和8年生まれ、千葉県出身。早稲田大学文学部仏文科卒業後、光文社に入社。『女性自身』『宝石』などの編集に携わる。
梶山季之主宰の月刊誌『噂』の編集長。将棋ペンクラブ大賞選考委員。著書に『週刊誌風雲録』(文春新書)など。


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コンピューター将棋における水平線効果とは?

大変注目されている電王戦の記事を書いたところ、言葉の定義が不正確に使われているということで非常に多くのご私的をいただきましたので、こちらにて水平線効果の正しい意味と、私が書きたかったことを少しだけ。

まずはウィキペディアから水平線効果について。

水平線効果

コンピュータ将棋を例に取り、プログラムがN手先までほぼ全幅探索に近い探索を行うとする。
単純化のためプログラム側にはa,b,cという3つの指し筋があるとし、指し筋aではn手先(nN)で詰んでしまい、指し筋cでは当面詰みは発生しないとする。この時の最適解は指し筋cであるが、プログラムはN手先までしか探索しないため、指し筋aを棄却することは出来るが、指し筋bと指し筋cのどちらが優れているか判別できない。
ここで実力のある人間ならばたとえN手先までしか読んでいなくとも、指し筋bの方が危ないというヒューリスティックな判断をすることが可能である。これが水平線効果である。このため優秀な将棋プログラムにはたいていヒューリスティックな判断を下せる評価関数が実装されている。しかしヒューリスティックな評価関数があれば水平線効果を回避できるというわけではなく、評価値でかなりの勝勢にあるにもかかわらず、直後に読み違いで頓死という例もしばしばある。
たとえば対戦相手がある手を指すと局面が大きく不利になり、もはや逆転はほぼ不可能であり、さらにその手を阻止することも非常に困難である場合を考える。この時、実力のある人間ならばその手が指されるか効果を発揮するまでに勝負を決めるよう乾坤一擲の筋を見出そうとする。一方N手先しか読めないプログラムは、とりあえずその手がN手先以内に指されないように努め、徒に勝負を先延ばしにしようとする。この水平線効果はドワンゴ・日本将棋連盟主催第2回将棋電王戦2戦目における習甦対阿部光瑠四段でも見られた。



私が言いたかったのは太字部分です。そして主にそれは違うと言われている方が指摘されているのが赤字部分ですね。

今回のツツカナの心?の動きについて手順を交えて詳しく書いてくれたのがこちらです。

94手目△6六銀について。
後手としては当初、直前の▲3八角に対し△5八金▲同玉△3八角成の詰めろを考えていた。
ただしその場合、△3八角成の後に▲2五竜以下、後手玉に詰みが生じる。
その筋を消すために後手は△6六銀▲同竜の交換を入れ、自玉の詰み筋を消しつつ詰めろ(△4九角から19手詰)をかけようとした。
しかし実際の△6六銀▲同竜の局面で、後手側は△5八金▲同玉△3八角成の瞬間に▲1五銀以下21手詰があることに気付き、予定変更して96手目△4二歩と守りに入った。



この△4二歩へのまもりに入るまでの一連の読み筋が、ニコ生の鈴木大介プロが指摘していたような、△4三同金は決めに言った手である、という言葉と対照的である、という話ですね。人間であれば、ヒューリスティックな判断でこの手順は「決めに行った手順だ」という風に判断する。

それに対して、コンピューター将棋は上記のような心?の動きがあった。という。


一方でこれは水平線効果ではない、という指摘については以下の様なものをいただきました。

水平線効果とはどう指しても将来的に悪くなる場面で、その局面を読める深さの先まで追いやるために、進行を先延ばしにするだけの小さな悪手を指してしまう現象です。

超手数の詰めろに気付いて攻めを中断し、受けに回った今回のケースは水平線効果とは言いません。
66銀でも結局は詰めろになるのならそれは水平線効果ですが、今回は立派な詰めろ逃れになっています。

66銀や、その周りの指し回しを水平線効果というのであれば、神の一手でない手や読みは全て水平線効果となります。
そのような言葉の使い方は間違っていると思います。



この方には何度か同様の趣旨のご意見をいただいていますが、上記のウィキペディアの記事と詰み筋と鈴木大介プロの発言で私の言いたかったことが補足されているように思いますがいかがでしょうか?

勿論、水平線効果という言葉の定義が異なっている、違っている!というご指摘も理解できますがその部分の論争?はこの場では避けさせていただきたいのです。

ウィキペディアにおける「ここで実力のある人間ならばたとえN手先までしか読んでいなくとも、指し筋bの方が危ないというヒューリスティックな判断をすることが可能である。これが水平線効果である。」という一文と、鈴木大介プロの「△4三同金は決めに行った手」という発言、そして最後に受けに回った△4二歩、その後の打った駒をぼろぼろと取られて形勢逆転した、ということを水平線効果として書きました。

とてもコンピューター将棋的な、線ではなく点の読みであることの特徴がよく出た手順だと思いました。

繰り返しますが、将棋ファンの皆さんとこの言葉の定義について論争するつもりはなく、上記の意図がうまく伝えられなかった私のミスですが、どうかご理解ください。


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昨日の携帯中継をみて思うこと。二人の振り飛車党(西尾明vs鈴木大介、野月浩貴vs小倉久史)

昨日の携帯中継は面白かった。居飛車党としては悔しい?気持ちもあるが、二人の振り飛車党がらしい戦い方で共に勝利していた。

鈴木大介プロは後手番で角交換振り飛車を選択。序盤角を投入した西尾明プロが良さそうにみえた。1-3筋で手を作って駒得を果たす。鈴木大介プロは駒得よりも駒の効率を重視する方針で序盤の苦戦を乗り切り、馬を自陣に引きつけ、そして局面をスローダウンさせた。

両者ともに駒得だが3筋の先手の攻め駒が重く、先手が実戦的には大変、という見解だったようだ。

トドメは斬り合いからの一段金で先手西尾明プロの攻め駒の力を弱めて、しかもその残りの攻め駒を素抜きする保険を掛けた局面を作り上げた。

そうしてから、華麗に詰みあげるというまさに鈴木大介らしさ全開の将棋だった。

もう一局は小倉久史プロの三間飛車に先手の野月浩貴プロが居飛車穴熊に。先手が端歩を受けたことがアヤとなり、後手が攻めに攻めまくる。

そうしていても居飛車穴熊が深い、ということが多いが、本局は後手の完勝だった。攻めを決断した小倉プロのコメントにシビれた。

どういうところから攻めを決断したのか?というところを聞いて、コンピュータ将棋が人間を超えるためには、ここを越えなければいけないのだなと思った。

端歩の突き合いがあるから右金の運用が立ち遅れており、攻めが成立するのではないか?という経験に基づいた仮説。そしてそれが実現したのが本局だった。

勿論、先手の野月浩貴プロも単純に不利を受け入れたわけではなく、先に一応狙いの筋・展開があったがそれが通らないほど後手の小倉久史プロの攻めが的確だった。攻め始めてからはずーっと攻めの手だけが続いた印象。野月浩貴プロの玉の遠さを生かした反撃の狙い筋が入らないぐらいの攻めだった。

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コンピューター将棋は西尾明vs鈴木大介戦における、3筋の攻め駒の重さと駒得をどのように見るのだろうか。こちらは何となく、先手良しとしてなんやかんやと攻めを繋げてしまう気がする。或いは受けきりを目指すかもしれない。

そして野月浩貴vs小倉久史戦では、小倉プロが決行した攻め筋をどう評価するのだろうか?コンピューター将棋だったら決行しようとしただろうか?それは無いように思う。攻め始めたところからコンピューター将棋に指し継がせたらどうなったか。といえば上手く指したような気もする。

収束していく局面や、人間に対する応手という意味で言うと相当に性能を発揮しそうなコンピューター将棋だが、この日の二つの将棋のような序盤の機微はやはりまだ及ばないということを再確認した気がする。

佐藤慎一プロが昨日更新したブログの中で、「コンピュータ将棋は点の読み、人間は線の読み」というようなことを書いていたが、まさにそういうことなのだろう。

「直感精読」という言葉もあるが、久保利明プロが座右の銘と最近している「前後裁断」という言葉のように、プロの中でも一局面一局面を初めて見るものとしてその場面での最善を常に考えていく、手なりで進めない、というような言葉が語られることもある。

このへんは優劣はつけがたいところではあるが、終盤の詰将棋においてコンピュータ将棋が人間を凌駕したように、いつかこの線の読みにおいてもそうなる日が来るのだろうと思うと、これについては正直私はワクワクしてしまう。

今回の電王戦の結果がどうなるとしても、人工知能的な意味合いでは既に最初の二局をみた限りでは人間の知性に及ばないところと凌駕したところの間の深い谷、については自分なりの理解ができたように思う。ここから先はジャンケン、ではないものの、勝負の側面がより強いというかそこしか無いだろう。

今後、コンピューター将棋が機械学習と評価関数のように新たなブレイクスルーでこの日の小倉久史プロのような決断が出来る日が来るとしたら、それは本当にワクワクするような出来事だと思う。

いつの日か無数の点がつながることで意思のある線を引けるようになる日がくればそれはそれで楽しいと思う。


島研ノート 心の鍛え方島研ノート 心の鍛え方
(2013/03/29)
島 朗

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著者は「島研」を主宰し、羽生善治森内俊之佐藤康光という三人の名棋士の成長を十代の時からつぶさに見守ってきた。
著者は語る。「羽生善治という存在を中心として、佐藤康光森内俊之の追いかけ、追いつきそして並走し、また抜きつ抜かれつの、長い戦いの中で見せる棋士の弱さや脆さを、みんなが鍛錬の中で身につけた全人的強さで克服していく過程こそが、私が長年圧巻の思いで見続けている物語なのである」。
トップクラスで戦い続ける三人の、長持ちする驚異的な技術と、それを支える精神構造の秘密がこの一冊に結実している。
将棋ファンはもちろん、ビジネスマンにも参考になる「心の鍛え方」のヒントが満載である。




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二人の早指し棋士、田村康介と鈴木大介(の最近)

二人の早指し棋士。

昨日の携帯中継は、松尾歩vs鈴木大介田村康介vs広瀬章人という対戦だった。全然気づいていなかったがそういえばこのそれぞれの対局に登場している田村さんと鈴木さんというのは若かりし頃?は早指しで競い合うような早見え早指しの棋士だったのだった。

なぜこのようなことを書くかというと、夕方にふと見てみたらどちらの対局も18時よりも前に終わっていたから。終わっていたのをみて「あ、そういえば・・・」と思った次第。

早いといっても昔のような消費時間30分、みたいな感じではなかったので早すぎてがっかり、ということはない。むしろ戦型的には面白い趣向が両方の対局にあり、そしてその趣向を出したのが田村康介プロと鈴木大介プロの二人だった。片方の工夫は幸いし、もう片方の工夫は残念な結果に終わったのだが。

まずは幸いしたほうから。田村康介vs広瀬章人戦は、広瀬章人ゴキゲン中飛車に。最近流行復活の兆しがある丸山ワクチンの端歩交換を入れる前に角交換してしまう展開に。

その後の展開は、瀬川プロが得意としている、すきを作ってその隙を突かせる形で後手だけ角を手放させる・・・という作戦。対筋違い角ではないがそれに似た発想で後手の歩得と先手の持ち角の違い、&手順で固めた・・・というのが先手の主張点。

シンプルに左美濃に囲ってからの先手田村康介プロの速攻が素晴らしかった。イメージ的には左美濃に対する藤井システムのような素早さ。玉は8八ではなく、7九の地点で前述の手得と合わせて、後手陣が未整備な状態で仕掛けてそれが成功していた。

広瀬章人プロは強いのだが序盤にやや難があった・・・という過去の印象があるが、それがここ最近は明らかに表に出ているような気がする。前回の対行方尚史戦のゴキゲン中飛車での穴熊もそうだし、今回もそんな感じ。

53手目の▲3五銀が素晴らしい一手。遊びかけてた銀を活用してこの手で先手良しが確定したように思う。

そこから後手も猛烈に追い込むものの、田村康介プロが淀みなく寄せて勝利。ケンカ殺法、いい意味でのラフファイトな味も含めてすべて田村康介プロペースだった。

広瀬章人プロは後手番は四間飛車穴熊も目が慣れられてしまい、ごきげん中飛車も対策が進み、勝率が良かった後手番も苦労するようになってしまった。ただ才能は段違いなのでこれで終わることはないと思うが、苦難は続く。

松尾歩vs鈴木大介戦は鈴木大介プロが後手番でかなりの趣向をみせて面白かった。結果は失敗に終わったのだが、おもしろい将棋を見せようという心意気は感じた。一手損の3手目角交換から、ダイレクト向かい飛車ではなく△5三銀を急いでそれから振ろうとした手順を先手が2筋突破を目指して咎めに行く・・・という展開。

結論からいうと無理だったのだが、本当に面白い将棋だった。(先手の▲7七桂という序盤の一手で終了していたようだが…)。

こちらについては携帯中継でご確認ください。

アマの振り飛車にはゴキゲン中飛車よりもこっちのほうが合うかもしれません。

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君臨する羽生世代 第69期B級1組順位戦

正確にいうと、羽生世代という印象は無いのだが遂に屋敷伸之プロがあがった。その才能は誰もが認めるところであり、10年?の長きに渡ったC1での停滞があったが、やはりよくも悪くも収まるところに収まるということだろう。

しかも最後は最終対決、どちらが勝つかで昇級が決まるという勝負でしっかり大差で勝ち切ったのは大きい。いつかは挑戦まで見たい棋士である。そして故新井田基信氏が、広瀬章人について、「才能だけなら屋敷以上」という言葉を残していたことが、この昇級の事実をもって広瀬章人への期待を高める。

屋敷 伸之九段(8勝4敗)○?●松尾 歩七段(7勝5敗)…23時34分
相居飛車は後手に選択肢がある。松尾歩が一手損中座飛車を選択し、屋敷伸之がそれに応じた。

しかし僅か50手ばかり進んだところで後手の桂損。その代償は見当たらないのであれば先手が優勢という声が控え室から出ても仕方ないところ。

そこから少しだけ手は進めるものの紛れの無さに早々に駒を投じることとなった。作戦巧者なだけにやや不可解な終局だった。ともあれ、屋敷伸之A級へ。


中田 宏樹八段(6勝6敗)○?●山崎 隆之七段(6勝6敗)…0時28分☆
特に昇級降級に関係のない取組だが、好きな二人の対戦なので少しだけ触れる。

戦型は後手山崎隆之の一手損中座飛車。先手の中田宏樹プロは自身の読みを頼りに独自の作戦を用い、それが棋界に広まるというタイプの棋士であり、その点においては山崎隆之プロに似ている。両者を私が好む理由だ。

先手の作戦に感心した。相中原囲いかと思ったが、4九の金がポイント。飛車の打ち込みに強いのは先手の陣形だ。

そして飛車の交換となったところでは手番は後手だが角の働きと飛車の活用範囲において先手が上回っていると思う。しかし手番を握った山崎隆之プロの飛車の打ちどころが流石の一着で一旦は千日手まであったが、先手が打開して後手が中原囲いの耐久力を活かせるかどうか?という勝負になり、先手陣に攻めが及ぶことなく、先手が攻め切った。


杉本 昌隆七段(4勝8敗)●?○鈴木 大介八段(6勝6敗)…0時48分

こちらは降級を争う中で最も危なかった杉本昌隆プロが落ちることとなった。豊川・杉本というのは申し訳ないがある意味順当だろう。二人の実力が劣るというわけではなく、他の面々は実績面でもかなり秀でておりAクラスにいてもおかしくないからだ。

豊川・杉本の両者はまさに鬼の棲家に相応しいが、A級かと言われればその実力ではなく、将棋の雰囲気としてそういう感じでもない。戦型はノーマル中座飛車に先手中住まいでじっくりした将棋に。

55手目、この歩が取れないようでは、そしてこれがと金になり取れないどころか香車を先に損するようであれば先手が辛いと思う。そこからの手順も淀みなく、後手の完勝譜だろう。

終わってみれば、松尾と深浦も7?5。やはり次期の昇級候補であることは間違いない。山崎隆之プロの6?6というのは、完全な力将棋であることを思えば仕方ないが、その実力からすれば物足りない。来期の奮起を期待したい。



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「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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