超速(▲3七銀)戦法が、ゴキゲン中飛車を殺す(殺した)のか?

現時点で最新号であるところの「将棋世界 2012年 04月号 [雑誌]」が非常に良かったので、是非立ち読みしてほしい。勿論買ってもらいたいのだが、立ち読みすれば、欲しくなること請け合いである。

阿部光瑠の記述、プロ棋士対談(豊川孝弘vs近藤正和)もよかったが、大川氏の、朝日杯にかんする記事において、ゴキゲン中飛車についての気になる記述があった。

御存知の通り、朝日杯のベスト4で羽生善治vs菅井竜也の対戦があり、自身現時点のエースとしている菅井流の△4四歩に対し、関東では既知であったという▲7八銀が指されて序盤は羽生善治がペースを掴んだ。

久保利明・菅井竜也の△4四歩での正確な戦績・勝率は知らないのだが、個人的にはゴキゲン中飛車の軽快さという意味ではあまり趣旨に合わないような気もしていた。

上記の「将棋世界 2012年 04月号 [雑誌]」の大川氏によると、関東のとある若手が「△4四歩の菅井流は▲7八銀で絶滅させた」と言っていたとのこと(瀬川プロ経由の言葉として語られている)。

あの朝日杯の敗戦から、菅井竜也が修正案を用意しているとは思うが、今後の対超速のアイディアには注目したいところ。

また、万が一ゴキゲン中飛車がダメだった場合に、振り飛車党にとってどの作戦が次の主流になるのか?というのも注目したい。藤井システムの絶滅により、藤井システムを頼りに昇段したプロが軒並み転向を迫られた頃と似ている。

やはり、選手寿命ということでいうと、居飛車党のほうが長いのかもしれない。今のベテランで振り飛車党がほぼいないに等しいのも、過去の何度かの振り飛車受難のせいである。

居飛車穴熊、藤井システム攻略、そして今度はゴキゲン中飛車の絶滅…となるかどうか。

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ピークアウト 第61期王将戦 第五局 佐藤康光九段vs久保利明王将

久保利明がピンチに立たされている。A級からは陥落、王将位は佐藤康光に奪われ、棋王位は郷田真隆に奪われる寸前。二冠で、竜王と名人挑戦まであった数カ月前からこのような状況になるとは想像だにしなかった。

第61期王将戦 第五局 佐藤康光九段vs久保利明王将

将棋は、後手の久保利明ゴキゲン中飛車ということで、先手の佐藤康光超速に構える。もともと佐藤康光はこういう乱暴な?将棋が大好きではないか。

超速に対する、後手振り飛車の対策としては、玉の囲いを急ぐか、或いは銀か金で先手の右銀の速攻を受けるか。もしくはもっと軽ければ、菅井竜也的に△4四歩とする。

ただし、菅井流はゴキゲン中飛車の本質からかけ離れているような違和感があり、角道開きっぱなし、というほうがゴキゲン中飛車っぽい気はする。

とはいえ本譜の展開も、玉を固く囲って実戦的ではあるものの、具体的に振り飛車が良くなる展開を後に用意しているような作戦ではないようにも映る。

▲2三銀成りが非常に「いかつい手」でこういうのをいなして捌ききるのが久保将棋の真骨頂であるはずだが、本局は54手目でもはや振り飛車にとっては難局となっていたように思われる。

久保将棋の好調さは左側の駒、特に桂と香の残り具合でわかると思うが、本局でも久保の桂と香は終局まで残っていた。

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久保利明が振り飛車で天下を取る前に一頃頂点に君臨したのは藤井猛であったがやはり2年か3年ぐらいで対策が講じられてしまい、藤井システムの流行が終わった。あの頃は、まだ代替案としてのゴキゲン中飛車などが出つつあったが、今はそれがないように思われる。

「飛車を振るところがない」という言葉と共に自身初の勝率五割以下から復活した久保利明なので、次の復活を期待したいところ。次に流行る有力な振り飛車があるのかどうか?というのは相当楽しみなところだ。



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盤上の貴公子 第37期棋王戦第3局 ▲郷田真隆-△久保利明

もはやオッサンに過ぎない、もはや貴公子ではない、と考えられていた郷田真隆だが盤上の指しまわしは貴公子そのもの・そのままだった。美剣士健在、である。

第37期棋王戦第3局 ▲郷田真隆-△久保利明

後手久保利明ゴキゲン中飛車に先手郷田真隆超速となった。

20手目、先手の銀の速攻を封じるために後手は△4四歩とする。この作戦が今の流行ではあるものの、ゴキゲン側の勝率は芳しくない。本譜は、立石流のような作戦となったが、一目危ない。

この形になって、いくつかの選択肢はあるものの、郷田真隆が指すであろう手は大体の郷田真隆ファンには想像がついていた。すなわち、すぐに反発する▲4六歩である。

28手目の△6六角の決断はわからないが、その手前まではほぼ一本道ではないか。また、この△6六角も恐らくやるのだろうな、という手。この前の第二局同様に、振り飛車の駒損攻撃を先手が受ける…という展開になった。

しかしこの展開になった時の、郷田真隆の強さは恐ろしいばかりである。たしかにこの攻めをみて怖がるのは、精々低段者ぐらいまでであり、その低段者に含まれる私も受け将棋なので当然居飛車を持ってみたいと思う。

この将棋はわずか61手で先手が中押し勝ちするわけだが、そこまでの郷田真隆の指し手の優雅さに酔いしれるための四十手がここから始まっている。

なんとなくだが、久保利明の心の中にはA級から落ちたということの淀みのようなものがあったのかもしれない。金曜日の深夜までの死闘からの日曜日のこの対局である。

普段は投げっぷりの悪い前後不断な久保利明ではあるが、流石にここから指し継ぐことはできなかった。


41手目の▲6五歩は指に覚えさせたい抜群の味の良さ。この一手の味わいがわかるだけで将棋を知っていてよかったと思う類の手である。

53手目の▲5五角打ちも同様の味わい。こういう将棋を見ていると、指し将棋は止めて、プロの棋譜だけをただただ並べて鑑賞していたい…という気持ちに襲われる(さっき24で負けたし…)。

投了図も、久保利明が指し継がなかった理由の一つであり、とにかく美しい。この盤面のかっこ良さがわからなきゃダメ、とかわからないのにカッコイイ!と言って欲しいわけではないが、角と銀が5筋と3筋に同じ様子で配置されていることが美しく見える、というのはなんとなくわかってもらえるのではないか。

もはや絶滅した、あるいはUMAかとおもったら、本当に美剣士、貴公子は居ました!(ただし盤上に限る)。

イカガ?(´・ω・`)つ 第65期将棋名人戦七番勝負―森内俊之VS.郷田真隆


いや、実は盤上じゃなくて、現物もとてもカッコイイんですけどね…。

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