米長邦雄氏 追悼特別番組 あ​りがとう米長会長 (会長編)

谷川浩司:棋士編入試験、瀬川晶司。批判もあったが結果的に良かった。羽生善治米長邦雄の戦いの記録係が瀬川晶司だったのも運命を感じる。

田中寅彦:ニコニコ動画と将棋の親和性を見切ったり、その先見の明はすごかった。二手三手先を読むのでついていくのが大変。一緒にいた七年間?で凄く色々変わった、これを受け継いでいくのがプレッシャーである。

北島忠雄:新聞社は紙面のためなので、ネット中継のご理解を頂くのに時間がかかったが根気強く理解を求めた。インターネット中継で真ん中の層のファンがふえて厚みができた。最初は無茶なことをおっしゃるなと思っていたが、やって本当に良かった。

田中寅彦:ファンの言葉、本当にありがたいことで、携帯でもニコナマでもなんでもいいので触れていただいて、将棋の機関紙や新聞を楽しんでもらう。野球をテレビでやると来なくなるんじゃないか、という不安があったというが、楽しみ方を深めることとなった。次の世代に如何に将棋を普及するか。学校に将棋を、というのを何度も言っていた。少子化と言われているが、相当増えてきたのではないか。先日の大会もギネス申請できるぐらいの人数が集まった。


(ニコニコ動画だからだと思うが、あの電王戦がきっかけだった、というファンの書き込みが多かった)。


米長邦雄のインタビューが一〇分程度流れたが、お姿はあの通り、頭は抗癌剤のためか頭髪がない状態、身体もやせ衰えた状態で、呼吸音も入る形で大変辛そうに見える。しかし、声だけはあのままだった。米長邦雄のハリのある声のままだった。

プロが自分というものを殺し、コンピュータの長所も弱点も知り尽くした上で指せるかどうか。カッコイイ姿を見せようとするとそれは棋士の負けるときだ。

練習で指してみて、コンピュータがあまりにも強すぎるということが分かったでしょう。コンピュータの恐ろしさと意外な弱点。それをプロが的確につけるかどうか。それと勝ちになったと思ってからが問題で、コンピュータは意外な手をやる。そこのところのギアの切り替えが非常に難しい。

プロの3勝2敗ではないかと思っている。その後、どういう風になっていくかというと、コンピュータがどんどん強くなっていくのではなく、人間側がコンピュータに慣れて人間側がおいついてくるのではないか。

ここまで来ると四段だろうが羽生とか渡辺だろうが、引退棋士だろうが、コンピュータをどこまで研究しているかどうかにかかってくる。強い棋士だから勝てるとかそういう状況ではないと思っている。

社会的な意味としては、一番大事なことは共存共栄。コンピュータ将棋についてプロ棋士がどれだけ貢献できたか。それとプロが分からみて、コンピュータの進化に寄与するとともに、人間と全く違う、異次元の世界の将棋が出てきたということで、プロが頑張っていく。

ファンが喜ぶかどうか。それが大きいと思う。


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米長邦雄のインタビューを経ての各人の発言。

田中寅彦:400年前に完成していたゲーム。それが今でも解明されずに戦われ続けている。そしてコンピュータ将棋と人間が対戦するという局面がやってきた。それが凄いと思う。コンピュータ将棋はとてつもなく強いものという認識。特に終盤は敵わない。飛行機ととびっこして敵うわけがないと思っている。なのでそうではなくて、コンピュータ活かし方を考えたい。F1のようにマシンと生身の人間の協力というような。

谷川浩司:一年ほど前に会長宅でどれだけ相手のボンクラーズと対戦しているかというのがよく分かった。事前の準備が必要だというのは間違いない。最新型の自分の得意な形で戦うか、対コンピュータの戦い方をするかなやむところだが、コンピュータを知ったうえで決めて欲しい。

中村太地:インタビューをみてみて、師匠がなくなる最後までやりたいことを考えていたのだなと。電王戦では師匠の真剣勝負での姿を初めてみることができた。それを脳裏に焼き付けていきたい。


西村一義:7年半近くにいたが、将棋の普及が第一。そのためには社会の注目が必要。今子供への普及も米長邦雄の努力が実りつつある。将棋界の発展のために、普及、子供の普及に努力していく。それが米長邦雄へのなによりの供養になるはず。

北島忠雄:米長邦雄会長は、これからは若手の時代だから君たちが引っ張っていくんだぞと、若手棋士のみならず、連盟の若手の職員に対しても研修講師を勤めるなどしていた。まずは電王戦で米長邦雄会長に報いたい。

田中寅彦:米長邦雄会長のやられたことはあまりに多すぎて一つ一つ言ってられないが公益法人改革があった。その法人をしっかりと保って、色々行われた改革が進むように努力していきたい。

谷川浩司:会長が最後に将棋会館にいらっしゃったのが11/27。一番喜んでいたのは日本シリーズの東京大会でギネスに認定されたこと。三日後にインタビューがあった。将棋ファンのかたを大切にしておられたのだなと感じた。私達がその気持を引き継いで行かなければいけない。


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