中村太地王座、連勝キープなるか?今日の対局の見所 11月15日(水)

15日はB2の対局があるので主にはそっちなんですが。ちょっとおもしろいなと思ったのは、以下の不戦敗2つ。

順位戦B級2組 先崎学 横山泰明 "名人戦棋譜速報"・不戦
王位戦 予選 森下卓 先崎学 不戦

どちらも先崎さんの休場に伴うものなんですが、日程調整のために二局ついている、っていう。不戦敗のときにはありがちな定跡なんでしょうかね?(ちなみに先崎さんは既に退院されていて来期から復帰見込みとのことです)。

で、B2ですが全勝が3名居ます。畠山鎮(1)、中村太(5)、野月(15)。(()は順位)。

というわけで当然注目はこの三人の対局になります(左側が先手)。

順位戦B級2組 中村太地 鈴木大介 名人戦棋譜速報・携帯
順位戦B級2組 畠山鎮 田村康介 名人戦棋譜速報
順位戦B級2組 野月浩貴 畠山成幸 AbemaTV・名人戦棋譜速報・携帯中継

パッと見の印象は、先手番を握っている全勝者の三人が居飛車党、後手番の三人が振り飛車党ということ。

後手番で振り飛車というと最近だと角交換振り飛車かゴキゲンでしょうか。と思いましたがちょっと違うかもしれません。

鈴木大介は中飛車か四間飛車、対する中村太地はイビアナ系の堅める作戦と予想します。

田村康介は三間飛車か中飛車。ここも相穴熊かな??

畠山成幸はこの三人のなかでは居飛車の可能性が一番高いかもしれません。兄弟の畠山鎮昇級のための援護射撃なるか?に注目です。

対抗形の場合、レーティング差とかそういう要素よりもまた違うところがポイントになる気がしますので三局ともどっちが勝ってもおかしくないものの、なんとなく3人共全勝キープする予感が…。

ちなみに残りメンツとの相手関係での厳しさを加味した昇級可能性ですが、野月>畠山>中村太という印象です。中村太地さんは当たりがキツいですね…。(村山・北浜・澤田という三人と当たってます)。

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Tag : 中村太地 畠山鎮 野月浩貴

誕生日で抜け番。第72期B級1組順位戦

タイトルは仮です。阿久津さんが誕生日のため抜け番でした。(たまたまです)。

削がれた更新意欲を、ゆるい更新でしのぐ。老人が酔拳で戦う、という感じですね。

この前、youtubeでジャッキーチェンの昔の何とか拳ってのをたくさん見ました。なんとなくアガりましたのでお勧めします。

たぶん、出社前にジャッキーと一緒に蛇拳とか、酔拳とかやってから会社に行ったら、気分よく出勤できると思います。・・・その勢いで上司を殴らないようにしてくださいねw

さて、あっ君こと阿久津さん、あつくつさんこと、阿久津さんの前髪ですが、たぶん今、過去最高にカッコいいと思います。そうなんです、もともとイケメンだし、おでこが広いのは禿たのではなく、もともと広いんですよ。

広い人は短い前髪、これです。山崎隆之プロがいい例ですね。決して髪の毛は多くない。おでこもなんとなく広そう。しかし禿ないタイプ。で、あの髪型です。美容室に行ったら、「分けなくていい程度の長さに」っていえばいいんですよ。それで大体は解決します。

前髪はどうしますか?って聞かれたら「何もつけずにおろしてても自然になるように」って答えるんです。あとは、もう天気の話でもしてれば完成です。切ったあとに何かつけますか?って言われたら、「今日はこのままでいいです」って答えるんです。どうせ、美容師がやったスタイリングなんて後で再現できないんですから。

そして、これで阿久津さんの結婚は間違いないですね。もともとのイケメンが最強の髪型を手に入れた。いわば猛烈な攻め将棋の中村太地が振り飛車党から居飛車党に転向したようなもんですよ。。

・・・このまま阿久津さんの前髪談議だけでブログ一つ別に建てられる(タイトルはあっ君の前髪)ぐらいには語るつもりですけど、そろそろ怒られそうなので、以下感想を簡単に書きますね。

お昼時点、夕方時点、終局後、という感じになると思います。例によってその時間帯の私の気分と、湿度、温度、によって分量は変わります。蕎麦打ちと一緒ですね…。

今、お昼時。

藤井vsハッシーは藤井先生の例の形。どちらにどういう工夫が出るのか?に注目。ただ私はこの角交換振り飛車は全然歓迎なのでどういう作戦が取られてもOK。この形というか角交換型で急戦調の含みがなくて・・・っていう作戦は居飛車党にとってはそんなに脅威じゃない気がするんだけどなあ…。

アマがやるなら、断然4→3とかの石田流系かごきげんでしょうね。(ゴキゲンの超速はアマ一定レベル以下の大部分の人にはそれほど勝ちやすい戦型ではないとおもう)。

畠山鎮vs鈴木大も角交換振り飛車ですね。

山崎vs木村一戦は先手の相掛かり。最近そういえば将棋ウォーズで相掛かり調が増えてきた気がします。理由は私がどっちをもってもやるから、というだけなんですがw

山崎流の角道をあけるのをなるべく後回しにする指し方は、意外に悪くないですよ。是非お試しください。少なくともひねり飛車よりは居飛車党に向いてる気がします。

丸山飯塚はノーマル角換わり腰掛銀っぽいです。スペシャリストの丸山さん相手に、穴熊の作戦が出るか?&先日のダニーのような打開になるのか?に注目です。

みっちーvsとよぴーは、横歩取り。とよぴーにとってはA級で通用するかどうか?の試金石第二弾っていう戦いですね。

松尾広瀬は後手のごきげん中飛車。戦型は超速に銀対抗ですね。私は相当前のブログで超速にはこの銀対抗しかないような気がするなーと書いた覚えがあります。それが主流になる前ですね。だからといって何も偉いわけでもなく、私の棋力があがったわけでもないのですが。耳年増、みたいなやつですね。女の子はみな、耳年増なんです。お勉強してるんです。おニャン子クラブ懐かしいですね。。

お昼休みはとりあえずそんな感じでした。

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夕方は、あまり見れませんでした…。

ただ、畠山鎮vs鈴木大介戦の穴熊にしてから銀冠は、後手にそれほど有効な手段がなく、穴熊になることもないので、銀冠最終形として考えている場合に、隙のない駒組みのやり方かもしれないと思いました。

夕方時点で松尾vs広瀬戦は流石に先手が良さそうと思いました。藤井vsハッシーは上手に組み上げるものだな…・と先手については思いましたが、先手の得がどのぐらい残っているのかは不明。角換わり腰掛け銀になった丸山vs飯塚戦は新手・新構想に期待。

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そして今は朝。結果はというと・・・


高橋 道雄九段(0勝2敗)●-○豊島 将之七段(2勝0敗)
先手の横歩取らずからの中原囲い。これは中押しで後手の圧勝でした。

畠山 鎮七段(2勝0敗)○-●鈴木 大介八段(0勝2敗)
これは夕食休憩時点の構想が面白いなと思いましたが、そこからが大激戦。馬を作った先手が良さを保ってそのままゴール。先手玉がよく動く?働く?将棋でした。

丸山 忠久九段(1勝1敗)○-●飯塚 祐紀七段(0勝2敗)
後手が相当攻めました。飯塚さんらしい攻め。しかし後手の攻めがさっぱりしたところでは、先手良し。馬で飛車をとって自陣に引きつけたところでは流石に先手が良くなっていたが、その手前では後手にも他にやりようがあるかもしれない・・・と思いました。

松尾 歩七段(2勝0敗)○-●広瀬 章人七段(1勝1敗)
これもプロレベルでは先手が良さを保って危なげなくゴールした感じでしょうね。ちょっと悩める天才は長くなりそうですなあ…。

山崎 隆之七段(1勝1敗)●-○木村 一基八段(1勝0敗)
これは不思議な力戦だった。先手が良さそうな局面から後手の桂馬が歩の餌食になる前に大仕事をしたところでは後手勝勢になっていた。山崎さんにとっては残念な将棋だろう。

橋本 崇載八段(1勝1敗)●-○藤井 猛九段(1勝1敗)
千日手指し直しからの先後入れ替えでまた角交換四間飛車。しかしこれは藤井プロの経験値が生きた戦いのような気がしました。というか、ハッシー不出来な戦いでは?

結果は松尾、畠山鎮、豊島が連勝スタート。連敗スタートは高橋、鈴木、飯塚。





勝負という生き方 将棋棋士32人の肖像勝負という生き方 将棋棋士32人の肖像
(2013/06/26)
高橋 呉郎

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内容紹介
羽生善治が、谷川浩司の光速流を目の当たりにした際の高揚を楽しげに語る。
佐藤康光が、タイトル戦の終局直後に思わず涙した理由を語る。
郷田真隆が、自らの信念と美学に裏打ちされた独特の将棋観を笑顔で語る。

トップ棋士だけではない。勝負に生きる者には、ひとりひとりに大舞台がある。
自らの哲学を、名誉を、人生を懸けて戦う棋士の姿にベテラン観戦記者が迫る。
将棋世界の人気連載「感想戦後の感想」から、32編を選り抜いて収録。
著者について
高橋呉郎(たかはし・ごろう)
将棋観戦記者。
昭和8年生まれ、千葉県出身。早稲田大学文学部仏文科卒業後、光文社に入社。『女性自身』『宝石』などの編集に携わる。
梶山季之主宰の月刊誌『噂』の編集長。将棋ペンクラブ大賞選考委員。著書に『週刊誌風雲録』(文春新書)など。

テーマ : オセロ&将棋&囲碁&チェス - ジャンル : ゲーム

Tag : 橋本崇載 藤井猛 松尾歩 広瀬章人 丸山忠久 飯塚祐紀 畠山鎮 鈴木大介 高橋道雄 豊島将之

奔放な山崎流など全局感想 第71期B級1組10回戦 (2012/12/20) 

久しぶりに全局感想を。

鈴木大介八段(4勝6敗)●-○行方尚史八段(9勝0敗)…21時27分
一番最初に終わったのがこちら。昇級の掛かる行方が全勝で昇級を決めた。ただし一番早く終わったので昇級が決まった時には帰宅?飲み?に行っていて昇級インタビューは無かった。

戦型は先手中飛車に対して後手も5筋の歩をついてそこから銀を上がる作戦。金銀分断され、角交換するので右側の金は置きっぱなしになるため、先手からの技が決まりやすいのだが、馬を作ってからの指し回しがこれぞ行方流という感じで素晴らしかった。

ほぼなにもさせずに完勝といっていいだろう。ここからの数年間の行方尚史は羽生世代並に活躍すると思う。一頃の木村一基状態になるというかw



木村一基八段(3勝6敗)○-●畠山鎮七段(6勝3敗)…23時43分☆
ここが畠山鎮負けで、行方尚史の昇級が決まったわけだが終了時刻に2時間の開きがあるので仕方ないところか。戦型は相掛かりの後手高飛車という最新のもの。

両者の持ち味がでる序盤で畠山鎮の攻め、木村一基の受けという形に。ただし端から攻める将棋というのは多少の形勢の差しか産まない事が多く反撃がきついか、形勢がひっくり返りやすい。本局は前者で2筋から先手が逆襲する形となって勝負あり。

個人的には一番好きなタイプの戦型と展開となったが先手の反撃が的確に決まり続けたというか、序盤の構想が勝ちに結びつけるまで難しそうな印象をうけた。



中田宏樹八段(2勝7敗)●-○松尾歩七段(6勝4敗)…23時46分
矢倉。しかし後手の松尾歩が五筋に飛車を転回する急戦策をとった。木村一基の上記の将棋でもそうだが私は銀が横に二枚並ぶ形がとても好きなのだが、この将棋も後手の二枚の銀が四段目で並んだ。そういう攻勢をとった将棋だった。

どこで悪くなったのかわからないが序盤から守勢に立たされた先手が二筋に飛車を戻して銀と桂馬で攻めの形を作ったものの、それが間に合わずに五筋で決戦されて悪くなった、という印象。投了図には先手の攻めの三枚が自陣に手付かずで残っていた。



久保利明九段(7勝2敗)○-●山崎隆之七段(5勝4敗)…0時33分☆
この将棋はなんというか山崎隆之らしい将棋だった。16手目の時点で後手の山崎は2~4筋の位を取った。そういう将棋(笑)。普通に考えてこの位は負担になるとしたものだが、プロから見て後手良しの局面を築きあげるのだから恐ろしい男だ。

45手目▲7七角の一手で、私は後手がちょっと模様を張りすぎた印象を受けたのだが、そこから進んだ57手目では後手に一発かます手があったようだ。それにて後手良しということだったが、その順を見送りやや形勢は先手に傾くこととなった。

73手目で先手から強く飛車交換を挑まれて交換した局面では、先手の壁銀は解消し、模様を張りすぎた将棋に飛車交換はやはり後手がつらそう。そこからは先手ペースで久保プロが押し切った。

少し話はそれるが、コンピュータ将棋に模様をはる、位を取る将棋が良いというが、勝つときに簡単に勝てるがその勝率自体はあまり変わらないような気もする。勝ちになった時の勝ちやすさは上がるが、ほころびが出た時の負けやすさは通常の将棋以上であり、そういう点を踏まえた上で位を取る将棋を電王戦では行われるのか?というのがちょっと気になるところ。(まだ位取り宣言は誰もしていないが。。)


丸山忠久九段(4勝5敗)○-●広瀬章人七段(6勝4敗)…0時34分
後手の広瀬章人が9筋位取りの角交換型四間飛車に。この作戦は一流どころに通用するのだろうか?しないのではないか?と当日この戦型が確定した時点で私はTwitterで呟いた。

プロの将棋においてはこういう戦型は駒落ちから鍛えた将棋ということでしっかりと序盤から徐々に先手が良くしていくような印象がある。

47手目の局面の先手は玉頭の歩を交換して位は張っているものの伸び伸びとしている。このへんは序盤に無理をして広げた位との違い。ただし、対抗型で煮詰まったときに先手が穴熊ではないので、後手の主張点としては悪くない。

62手目の△4六角の成否が本局の命運を分けたかもしれない。私も右玉などでこういう展開を経験するのだが、この角を打った後、よっぽど丁寧に指さないとよくならない印象がある。先手の右側の桂馬香車はやはり捨て駒じゃないが攻めゴマなので取られたら取られたなりの代償があれば働いたということになるのだろう。

七九手目の局面、控え室では評価がわかれているらしいが、コンピュータにかけたらどうだろうか。おそらくどちらかに評価が傾いている局面のようにも思う。私はと金と龍の威力をみて、先手が良いのではないかと思う。

そして九三手目の8七香が出た。こういう序盤の貯金が終盤で生きるような展開になると、人間対コンピュータとなったときに、構想力の違いが出そうだ。コンピュータに知性はないので、定跡とその局面の解析能力だけで将棋を指しついで行く。人間は構想力、自分の意思のチカラがあるので、それがつながった時に美しさがある。

偶然性が(少)ない将棋においてはそういう展開に持ち込むことができるので、そこに私はロマンを感じる。山崎隆之の将棋の魅力もやはりそこだろう。

本局は113手目に9一銀というほおりこむ手があって後手がしびれた。やはりこの戦型の宿命というか、位取りした九筋で反発されて止めの手が出るようでは、作りとして難点を抱えているように思うのだが。

卓越した終盤力をもつ広瀬章人だが、序盤中盤でリードしなければその終盤力は粘りに活かすことしかできない。ちょうど振り飛車党で圧倒的な終盤力をもつ久保利明プロが見せる脅威の粘りにかぶるようながんばりが最近は目立つがその理由は振り飛車など戦型選択に問題があるような気もする。

ただ矢倉では経験値の違いなどもあり行方尚史プロにやられたりとかしているので、一流どころに決めだまの球筋を見られたあとの2年目のジンクス的な展開がちょうどいまきているということなのかもしれない。



井上慶太九段(2勝7敗)●-○阿久津主税七段(3勝6敗)…0時34分☆
阿久津主税プロもちょうど広瀬章人プロのような感じだった。天才と器用ゆえの戦型選択と一流どころとの対戦結果。最近の佐々木勇気や斉藤慎太郎、あとは八代が伸びそうな印象を持つのは矢倉の本格派という雰囲気があるからなのだが、それは私の感覚が古いせいかもしれない。

ここは最新の横歩取りで正直どういう将棋だったかわからない。横歩取りはわからないというか、あまり興味がないので阿久津主税が勝った、ということだけ記しておく。


久しぶりに書くとやはり時間が掛かるので、次は暫く先になりそうです…。



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1月19日(水)第4回朝日杯将棋オープン戦、本戦トーナメント

第4回朝日杯本戦 ▲渡辺明-△畠山鎮

この組み合わせで先手が渡辺明竜王となると相矢倉が多いだろうか。先手の渡辺明竜王は藤井流の早囲いを目指す。正直この戦い方での有利というのはとても小さなものであり、それをもって優秀とみるかどうかは意見の分かれるところ。

脇システムとの合流もありえた(途中は合流していたかもしれない)が、先手が片矢倉で収めて手数の省略を図った。

片矢倉の弱点は8筋にあり、という何となくの通説から、8筋は大丈夫なのだろうか?とみていたのだが、後手の8筋での角銀交換の後に待っていた渡辺明竜王の用意の一手で先手良し、ということだった。

これは気づきにくい手順だったが、後手はどう応じても(準)王手飛車が掛かる。事前研究の含みとして、後手が片矢倉の弱点とみてこの交換を狙ったときには、こういう切り返しがあるとした渡辺明竜王の誘いの隙が見事な一局で先手の完勝だった。

こういう罠を張り巡らすことが出来るのがMY定跡の愉しみであろう。そう、あまねく広まったとはいえ、藤井流の指し方というのは藤井猛プロのMY定跡なのだった。



第4回朝日杯本戦 第4回朝日杯本戦 ▲久保利明-△村田顕弘

関西の若手と実力者の激突。久保利明二冠が先手で石田流穴熊vs後手銀冠穴熊になった。銀冠穴熊は女流ではあまりみない気がするが、プロやアマトップでは良くみる。と金から先逃げしつつ、穴熊の遠さのメリットも享受するという一粒で二度美味しい欲張りセット。

戦いが始まって後手の形も居飛車党としてみた場合まずまず、という印象だが61手目の垂れ歩がウザッたい。この歩をすぐに取りきれない気持ち悪さは棋理もさることながら、精神的に嫌なところがある。

ただしこの歩が本局における勝負の分かれ目のアンカー(重し)となったように思う。前後不断という言葉を掲げる久保将棋ではあるが、人間の習性として、性として、それはなかなかに難しいことで、この垂らしが、73手目の▲5三歩の垂らしに繋がった。

この垂れ歩は前述の銀冠穴熊からするとやや温い手だった可能性があり、おまけに角が9筋で飛車と交換になった辺りでは、もしかすると形勢は居飛車に傾いたかもしれない。

やや後手良しで進んだ104手目が穴熊をやっていて一番気持ち良い瞬間であるところの竜切り。そしてそこからは穴熊らしい、やや見ているがわにとっては詰まらない手続きが続いて、村田プロの勝ちとなった。これは金星と呼んでよいだろう。



第4回朝日杯本戦 ▲渡辺明-△村田顕弘

後手村田顕弘プロがゴキゲン中飛車に構える。先手の渡辺明竜王は▲3七銀戦法。村田顕弘プロ、二つ目の金星なるか?が注目されるところで、朝日杯は佐藤和俊プロなど勢いに乗ったものが、勝ち上がることがある棋戦なので、十分にありえる話し。特に渡辺明竜王竜王は一発もらいやす…ゲフンゴフン。

4四の地点と4六の地点でお見合いしてからの相穴熊かと思われたが後手が美濃を選択した。

囲いあってから5五の地点で銀交換+歩得となった場面では金が前線に繰り出されているが、先手が棋理としては良さそうだ。ただし、46手目に交換になった銀を自陣に再投入する手が実戦的であり、そこから一転渋い戦いに。

ただし攻め将棋で細いのも厭わない渡辺明竜王としては言葉上のものよりは安心度というかやりやすさはあったように思う。

67手目の▲3二角の場面ではぱっと見て先手が良さそう。こういう角が入るときは大抵居飛車が良いとしたもの。後手は飛車を五筋に成り込むが57で成って、5九に入るという手が間怠っこしいと思ったが、先手も似たような動きで敵陣に竜が侵入したのでおあいこだろうか。

最後は、攻め合いになったが、そうなると序盤からの有利の蓄積と穴熊の遠さで居飛車の勝ちとなった。投了局面では馬が逃げると馬でと金を取る手などがあり攻めが続かず、馬を切るとシンプルな一手負け以上ということで、後手の村田プロの投了となった。

この日の渡辺明竜王はどちらもかなり強い勝ち方だったように思われ、いわゆる第一人者としての風格、羽生世代三強を二度ずつ負かしている男としてのオーラが出ていた。

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Tag : 将棋 渡辺明 久保利明 畠山鎮 村田顕弘 ゴキゲン中飛車 藤井流矢倉 石田流 藤井猛

右玉らしさ。 第4回朝日杯二次予選 ▲畠山鎮?△南芳一

関西の実力者同士の戦い。後手番の南芳一プロは密かに色々と勉強させていただいている。先手番では頑なに横歩を取らず、後手番では頑なに相手の得意を外す。実にアマが真似しやすい戦略。プロ的にはどちらもやや損の可能性があるが、それを具体的に勝敗に結びつけるのが難しいことは将棋というゲームの本質をご存知の方はお分かりだろう。

先手の畠山鎮プロは細くも鋭い攻めが持ち味。北浜健介プロも細くて五月蝿い攻めを得意としているが、それよりも無理っぽさがない…というと北浜プロに失礼だろうか。

本譜は相居飛車、角交換をしない形の右玉になった。

第4回朝日杯二次予選 ▲畠山鎮?△南芳一

右玉愛好家としては。個人的には、角交換しない右玉というのは銀で攻められることが明らかなので苦労が絶えないと見ているが、南プロの右玉は大抵これ。しかもこの右玉で豊島将之プロなど結構な実力者を屠っている。

右玉に対する方針は大きく分けて二つある。一つはじっくり囲って居飛穴など堅さで勝負!という将棋。もう一つは本譜や新人王戦の第二局でアベケンプロがみせたような速攻。

私レベルでの出現率は堅さ:速さ=7:3ぐらいだろうか。どちらが有難いかといえばどちらも有難くない。右玉は佐藤康光ならばいざ知らず、積極的に行くというよりは相手が何かやったらそれに反応する、という将棋なので基本的には最善を尽くされると負けるだろうなあと思って指しているところがある。

右玉にも色々な形があるが、後手番であればストレートに手損なく△7二玉?△6二玉型を(いつかその形にするのであれば)作りたいと思う。しかし本譜は速攻だったので、△6二玉?△5二玉型になった。善悪あるのだが、本譜は結果論として当りがキツくなっていたかもしれない。とはいえ、速攻されるとそれしか囲いようがないのでそれこそ結果論だ。

46手目の△2八銀が南芳一右玉の真髄。こういう僻地に歩を打ったり垂らしたり出来たと金をジリジリ引いたりして相手の緩手で差が急に詰まる…と勝ち、という展開が多い気がする。

52手目、角銀交換の駒損となるものの、どうせお荷物になる角なので、そして攻めに桂馬を参加させることが出来るのでよしとしたもの。この当りの感覚は、角交換型ばかり指している私としては参考になった。打ち込んで相手の金と刺し違える、というのは良くある話だが相手の攻めの銀と交換しても指せる(或いは仕方ない)と見ている。

58手目の局面。手番は先手、玉の堅さは先手、駒割りは▲角△銀桂香と三枚換えだが後手の銀が僻地にいる。先手の右側の駒が攻め駒だとすれば捌けているとも見てとれる。

59手目の▲2二角が感想コメントによると暴発だったようだ。言われてみると嘘でも納得する程度の棋力ではあるが、確かに備えているところ、玉から遠いところへの不足している大駒の打ち込みは後手からみてありがたい。

この辺の数手で双方攻め駒が捌け切ったものの、▲2三歩?▲2四飛の形が残っている先手の攻めが遅そうにみえる。

78手目、△1五角が勝てば勝利打点間違いないの味の良さ。これで負けるとはまさか思わないだろう。もし将棋倶楽部24でこの手が指せれば相手の考慮時間にツイッターを眺めはじめていてもおかしくない。

しかしここから自然な攻めの後手が突如難しく見えるのが右玉の怖いところ。駒得しながら先手玉を追いかけて悪いはずはない、と思うのだが入城されてみると良く分からなくなっていた。

ここで88手目の解説コメントにある感想での正着に驚く。「銀は成らずに好手あり」とはいうものの、ここで銀成らずがさせるのはそれこそコンピュータだけだろう。

そしてこれが右玉というものだろう。良さそうに見えてもあっという間に寄ってしまう不思議な玉。相手が腰の入ってない攻めをしてくれれば、するすると逃げられるのだが、一旦手がつくとこの金銀桂馬がどんな形だろうが、玉がどこにいようが直ぐに寄ってしまう。

本譜の敗着をもって南プロのミスだと言い切れないのは私が右玉党だからだろうか。

こういう終盤の一気に差が詰まる(実際には元々それほどの差がなかったにしても、実際に指しているとお互いに急接近しているように感じるはずだ)ところがあるからこそ、勝ったときの爽快感もひとしおなのだと思う。(こういう将棋ですら負けるから指したくないのだ、という意見があるのも分かるが…)。



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上記は右玉関連書籍。とっておきの右玉は狭いところまでみているので結構お勧めです。

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