竹内雄悟新四段に!(千田翔太と森門下ワンツーフィニッシュ!)第52回奨励会三段リーグ戦

第52回奨励会三段リーグ戦が決着したようだ。

竹内雄悟三段が新四段に

1987年12月17日生まれ(25歳) 広島県広島市出身

奨励会入会
2004年9月
三段リーグ入
2008年10月(第44回奨励会三段リーグから)
得意戦法
振り飛車
将棋を始めたきっかけ
祖父に教わった
本人のコメント
「まだふわふわしている感じです。緊張しやすいタイプなので、今日の1局目は、競争相手の勝敗を見ずに2局目を戦いました。連勝して、周りの人に上がっているよ、と言われて、『えっ、本当!』と声が出て、うれしさがこみ上げてきました。師匠を安心させられて、とてもうれしいです。」



年齢と在籍期間から考えると???という感じだったが、奨励会のデータベースをみて理由がわかった。16歳、3級での入会のようだ。年齢は24歳だが在籍は9年と長すぎる感じではない。

面白いのがその成績で、3級・2級・1級はかなり苦労している印象がある。それぞれに半年・一年・一年という具合。ただそこで奨励会の水に馴染んだのか、初段・二段は良いペース。

このあたりは、入会年齢というのが大きく関係していそうな気がする。1人だけアウェイ感があったのが級位者時代だったのではないだろうか。

三段リーグは前期までで八期在籍し、ちょうど指し分けの成績。今期は最終節を五敗で迎えたが五敗勢五名の中で一番下だったので、連勝したのは五敗勢で竹内雄悟だけだったということだ。

凄く突出した成績ではないが、必ずその環境・クラスにアジャストしていくタイプのようで、田中悠一西川和宏というような雰囲気を、成績推移から感じるのだが、森門下なのでもっと力戦風味なのだろうか?同じ広島ということで今泉健司さんのような将棋だと楽しそう(だが苦労するかなその場合は…)。

振り飛車党でC2初参戦ということでいうと、降級点をもらう可能性もあると思うが、そのうちアジャストしてくるのではないか。奨励会での成長のようにじっくりとしかし確実に伸びていくだろう。


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(2002/05/07)
大崎 善生

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Tag : 竹内雄悟 千田翔太 今泉健司 田中悠一 西川和宏

第70期C級2組順位戦 10/18

10/18に行われた第70期C級2組順位戦について。

4-1の成績がいっぱいいて、一目では10人ぐらいか。全勝が3名。アベケン、中村太地、船江恒平という、新卒社会人風の面々。一人は優秀だが留年したクチか。

真面目な性質がこういう長い将棋には必要ということで上位二名はわかるし、地頭の良さということで船江恒平プロも納得できる。特に中村太地プロは振り飛車党からの転身が上手く行ったようで素晴らしい。

一敗勢ではなんといっても勝又清和教授が素晴らしい。どの将棋をみても、その勝ち方が完璧に美しいのが今期の順位戦における勝又清和プロ。続く澤田真吾・菅井竜也は関西が誇る実戦経験豊富な二人。特に澤田真吾は相当に伸びる気がしている。中終盤に得体のしれない不気味さがある将棋だ。(この日も負けたものの相当追い込んだ。)

最年少近辺の佐々木勇気阿部光瑠は苦戦中。どちらも将棋の内容が良くない。やはり奨励会の短いところの将棋と、順位戦という糊代を賭けた戦いというのは、つくりが全然違うのだろう、まだアジャストできている感じがない。

ただし、若いので今期・来期で勝ち負けになっていくのだろう。あせらずにその才能を開花させて欲しいところだ。


面白かった将棋は田中悠一vs長岡裕也の将棋(http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2011/10/18/C2/5780.html)。長岡裕也プロは居飛車党の作戦家で、本局も失敗するものの、個人的には注目している棋士の一人だ。

3五歩の位の主張が裏目に出て四間飛車に飛車先交換されては辛い所だが、後手番とは?というのがよくわかる将棋だった。

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左?右?変幻自在の佐藤康光玉 第4回朝日杯二次予選 ▲佐藤康光?△田中悠一

この日は午前二局、午後一局あり、どれも面白かった。元?振り飛車党の鈴木大介プロが田中悠一プロの石田流を受ける展開というのも、対抗形好きにはたまらないものがあるし、先崎学プロがケレン味たっぷりの、そして佐藤康光流を模倣したような序盤戦術に対して、本家?の佐藤康光プロが速攻で破る将棋も凄かった。

しかし右玉党としては、やはりこの将棋を取り上げたい。

第4回朝日杯二次予選 ▲佐藤康光?△田中悠一

先手の佐藤康光プロが後手田中悠一プロのゴキゲン中飛車に対して、佐藤流の自ら角交換をして端歩をつく作戦を採った。

この手順をみてマニアな将棋ファンはもしや?!と思ったはず。そう、将棋世界 2010年 12月号 [雑誌]のお好み対局、里見香奈戦で見せた、あの変態戦法が出るのではないか?という。

そして、佐藤康光プロが期待を裏切らずにその戦法がお目見えした。

盤面画像を用いずにその戦型の姿を説明すると。金銀の位置関係でいうと「清野流岐阜戦法」に似てなくも無い…と書いて分かる人には説明が不要だろう…。

金銀の連携はとても良い。銀二枚が6七と4七、金が5八と3八にある。丁度二枚の銀を一段下げて、一路右にずらした位置に金がある感じ。そして一段飛車が銀の割り打ちなどを防ぎ、桂馬が二枚とも跳ねている。

問題は玉の位置。玉が金二枚の間、4八に居ればこれは戦型としての良し悪しは別にして右玉と呼ばれる作戦になる。

しかしこの作戦における佐藤玉は6八の地点に居る。対ゴキゲン中飛車、佐藤康光流角交換型左玉戦法と呼べばよいだろうか。

この戦い方における先手の主張点は何だろうか。一つは後手の△2五桂ポンが無いことだろう。対ゴキゲン中飛車における佐藤新手の▲9六歩が最近指されなくなった理由は片銀冠+4四銀+3三桂馬の形からの後手のシンプルな攻めが五月蝿いということにあった。
とりあえず本譜の手順で玉を囲い、▲3八金と備えられれば前述の攻めは無い。ただとりあえずの目的としてはそれしかないようにも見える。ここからどうするのか?と見ていると、飛車を八筋に転回しての玉頭攻撃を行ったのだった。

こうなってみるといわゆる高田流などの左玉と同じであり、かつ通常の?左玉よりも右翼方面での関係において得をしている。

これらの得、高田流よりも得、従来の▲9六歩以降の形よりも得というのは局所的にみれば確かに得なのだが、広く対ゴキゲン中飛車として眺めるとこの「佐藤康光流角交換型左玉戦法」よりも分かりやすい戦法は沢山あるように思う。

よって恐らくはこの戦法は、一手損における「佐藤康光流▲2五歩位取り向かい飛車」同様にあまり流行らないだろう。

流行らないとは思うが、「佐藤康光流▲2五歩位取り向かい飛車」もしばらく愛用していた私としては、この作戦も試したいとも思う。

この独創性、一目変態的であってもちゃんと理路整然としている、人の目を気にせず独自の狭いところの棋理を追求していて、凄く得ではないにしろ成立している、という戦型を掘り下げる佐藤康光プロの姿勢を尊敬する。

藤井猛プロや佐藤康光プロのこういう姿勢が将棋を豊かなものにしてくれているのではないか。…というとカッコつけすぎで、単に私が用いる序盤戦術からの派生が容易であり、相手の得意形ではないことが明確だからである。そういう意味で、アマ向きだと思う。

後手がじっくりした関係で、先手の指し手が難しくなったのが58手目の局面。右玉系の将棋にいえるのは、両方の桂馬が攻め駒であり、出来るだけこの二枚の桂馬に働いてもらうのが重要ということ。

場合によっては(例えば相手が歩切れであれば)歩との交換や、単に取られること(例えば3七の桂馬を取らせている隙に寄せる)すら好手であることがある。

ということで桂馬交換の戦果に満足してヤドカリよろしく▲5七玉、▲4八玉とお引越しするのだった。ようやく先手玉の終の棲家を見つけた佐藤康光プロは63手目、▲2四歩から攻撃を開始する。

そこからのいちゃもんのつけ方は、角交換将棋ではありがちな展開。ちょっと気分が良いがこれで直ぐに良くするのはなかなか難しい。

本譜は桂馬を全部手にしてからの手順が流石だった。私的右玉の心得としては。兎に角桂馬を全部捌く。桂馬を沢山手にしたらまず使い切ることを考える。というものがあるのだが、本譜の佐藤プロの指し方をみて、その考えが正しかったことが分かった。

飛車角成り込んで桂馬を三枚後手に押し付けたところでは先手勝勢。そこからの寄せも淀みなく佐藤康光プロの完勝だった。

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振り飛車党側の気持ちにたって考えると。こういうマイナー戦法のために有限な研究時間を割くことは馬鹿らしいだろうから、それほど深掘りしないだろう。そもそも深掘りしがいのない(力戦調なので直ぐ逸れる)ので、初見で対応するだろう。

そうなると、こっち(右玉やら左玉やらをやる側)としては、逆に研究する価値はある。ゴキゲンが確定して局面を限定しやすいという意味ではアマでこそ流行りそうな戦法のような気がする。今でもアマでは相居飛車・対抗形かかわらず右玉が多いので。


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現時点で、佐藤康光プロによる対ゴキゲン中飛車、角交換型左玉戦法についての細かい解説がされている棋譜が存在するのは上記の将棋世界しかない。

対振り飛車の糸谷流右玉の講座が載っている将棋世界が未だに重要であるように、上記の将棋世界も重要になる可能性があるので気になっている方は購入検討の余地があると思う。

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Tag : ゴキゲン中飛車 左玉 右玉 佐藤康光 田中悠一 里見香奈 藤井猛