全体会見:第二回電王戦最終局▲三浦弘行vs△GPS将棋

第二回電王戦最終局▲三浦弘行vs△GPS将棋の第五局の会見が終わり、以下個別会見が19時20分頃から始まった。


引き続きまして、全体記者会見を始めます。

まず中央、瀧澤武信会長、川上量生ドワンゴ会長、谷川浩司会長。竹内章さん。山本一成さん。一丸孝則さん。伊藤英紀さん。金子知適さん。阿部光瑠四段。佐藤慎一四段。船江恒平五段。塚田泰明九段。三浦弘行八段。

以上の皆さんと記者会見執り行って参ります。

対局者に感想を。

竹内章さん「緊張して迎えて阿部先生に完敗して。密度の濃い時間で今まで興味のなかった人にも注目された。素晴らしいイベントを演出してもらって感謝している」

阿部光瑠「えーと、電王戦に出場が決まってこの日を迎えるのが凄く早いなと。一日一日が早いなと。できることだけをやってきた。ただ一日がはやかった。このような舞台を用意してもらって・・・今はなにもいえないですね」

山本一成「電王戦を振りかえって、プログラムがプロの棋士の方々とさせる、夢の様な日々でした。そこにすごい感動した。戦った棋士の生き様、人間が見えたのが驚いた。船江恒平先生が言っていたように自分を写す鏡だという言葉の通りだった。」

佐藤慎一「そうですね、まあ結果凄く自分の将棋も残念でしたしこの五局残念な結果になりました。とりあえず今後何日間も過ごしてきて、そういったもので将棋のファン、あまり興味がなかった人にも少しでもアピールというか見ていただけたのがよかったことかなと」

一丸孝則さん「私は結論だけいうと、とても楽しかったです。この半年間ぐらい、電王戦に向けて頑張ってきたんですけれども、プロ棋士とさせるという喜びというか憧れというか、そういうのを抱えながら、プロ棋士に通用するのか?と葛藤してきた。最終的に、コンピューター将棋の熱戦になってとてもたのしかったです」


船江恒平電王戦は結果は残念でしたが自分にとっては非常に良い経験となった。一年前からソフトは鏡だと思っていて、自分の力がどれぐらい出せるかと思っていた。一局指すだけで、自分のいいところ、わるいところがわかったのはすごいなと。多くの方に将棋に興味をもってもらって、製作者の方々にお礼を言いたい。」

伊藤英紀「私は98年ぐらいから始めたんですが、そのころはマスコミがくるとかなく、オタクの内輪のイベントだった。五年ぐらいまえからコンピューター将棋選手権にマスコミが来るようになって、去年の電王戦からテレビなど沢山くるようになって15年前と比べて隔世の感がある。自分のプログラムとして疑問なところがあったけど、観戦者に盛上てもら得たのが意義があった。対戦してくださった棋士の皆様、ありがとうございました。」

塚田泰明「結果的に持将棋だったんですが、これだけ称賛されたのは初めてでした。電王戦ならではの結果、反応だったと思います。そういう意味では参加してよかったと思います」

金子知適さん「やはり私からも棋士の先生方、ドワンゴ、運営の皆様のおかげで開催できたことをお礼したい。2ヶ月ぐらい眠れない日が続いて、自分の対局でもないのにこんなに興奮してもいいのだろうかとう日々でした。もしファンの皆さんも同じだったらこんなにうれしいことはない」

三浦弘行「今回負け越し決定で非常に申し訳ないなと思っています。塚田泰明先生も前局持将棋までにしてもらったのに申し訳ないなと。GPS将棋がこれほど強いとわかっていれば、もっと危機感をもって臨むべきだったなと反省していますし、悔いが残るところだなと」


続きまして川上会長、瀧澤会長、谷川会長に今後の抱負などを。

川上量生「今回縁がありまして、主催させてもらいました。大変世間でも話題になるような電王戦を開催させてもらって感謝しつつ恐縮している。歴史のない会社がやるのは大変おこがましい、申し訳ないと思っていますが、ただ、やらせていただいた以上は出来る限りのことをして盛り上げようと努力してまいりました。これでビジネスのためにやっているという部分もあるが、それではなくて将棋の今後の発展に寄与したいという気持ちが80%ぐらいです。

今回メディアの人に来てもらって嬉しいのですが、ここに座っている事自体が取材を減らすのではないかと危惧していて、次回以降は隅っこにいようと思っています。コンピュータが勝ったということではなく、そこにまつわる人間ドラマにこそ意義があると認識している。」


瀧澤武信「このような場を設けていただいたことに感謝します。39年前に将棋のプログラムを作ったが、このような日がくるとは思っていなかった。プロが対局してくれるようになって、しかも勝つようなものが出来るとは。私自身も非常に驚いています。勝った先生、負けた先生いらっしゃいますが、アマチュアではわからないんですね。どのぐらい今のプログラムが強いのかわからないので、それを解明してくださっていることに感謝しています。

じゃあ実際その悪い手をどうやって咎めるか?というのは、アマチュアにはわかりませんのでそれを咎めてもらうことでさらなる発展が望める。塚田泰明先生の頑張りも今後の成長にありがたいこと。とても感動しました。どの対局も人間のドラマとして大変感動しました。一番の良かったことは全ての対局が素晴らしいものだったこと。」

谷川浩司「皆様本当にお疲れ様でした。昨年に引き続き、開催していただいて厚く御礼申し上げます。今回厳しい結果となったが、五名の対局者は全力を出し切ったと思っております。今日も三浦八段の姿を見ておりますと私も心が痛むわけですが、責任を感じずに胸を張ってほしい。特に若い棋士は今回のことを今後に活かしてほしい。し

勝負に重きが置かれると思っていたが、五局それぞれにドラマがあった。特に印象に残ったのは第三局。通常苦しくなると気持ちが折れるが、現時点の最善手を追求していく、という人間では難しい部分がありまして、私自身も精神力の重要性をコンピュータに教わるとは思ってなかったんですが、人間の長所短所、コンピュータの長所短所
わかってきましたので今後につなげることができればと思っています。

以前もお話したかもしれませんが、コンピュータと人間は共存共栄、人工知能の進歩発展につなげていく、たとえば医療や災害救助の現場で役に立つようなものにつながるように、と祈って続けております」


これより質疑応答。


共同通信「第三回の電王戦に関して決まってることがあれば」

谷川浩司「第三回に関しては、現在協議中でありまして、前向きに考えたいと思っております。まだはっきりたことはもうしあげられないが、もし第三回が実現したら、コンピュータも進化していると思いますが、棋士もまた違った内容がおみせ出来るのではないかと思っています」

共同通信「今の質問に追加して、タイトル棋士の番勝負というのを観たいという思いに至った人も多かったとおもうのですが」

谷川浩司「そのあたりは勿論、団体戦として今日の結果で決着がついたので具体的な人選などについてはまだはなせないということでご理解いただきたい。」

日本テレビ「今後五人の方にがんばっていただきたいということでしたが、今後指し方に変化は?」

阿部光瑠「ちゃんと聞いてなくて。ぼけーとしていて…。(今後の指し方に変化は?)それはあると思います。人によっては変わってくると思います。自分もやっぱり変わってくると思います」

佐藤慎一「まあ、自分にとってのプラスになるところを取り入れてこの後も自分の将棋が変わっていけるように向き合って行きたい」

船江恒平「ソフト提供されてから何十局も指しているので、いい意味で既に変わってきているので、今後練習として使って行きたいと思っています。それがいい効果を及ぼすと思っている。」

塚田泰明「影響はあった。ボンクラーズとツツカナ。局面の意見を聞いてみると私が考えないような手を示すのでコンピュータを活用するというのはあると思う」

三浦弘行「コンピュータは当然終盤が強いんですが、プロが結論を出した局面でもまだ奥深さがあることをおしえてくれたので、特に終盤戦において、今後競争というか、自分の終盤力の精度を上げる意味で活用して行きたいと思います」

報知新聞「コンピュータ開発者に聞きたいが第三回があったとして誰に挑戦したいか?」

竹内章さん「今回負けてますし、色々言っていますからいまさらですが習甦という名前に思いを込めた方に挑戦したい」

山本一成さん「誰が出れるか分からないですが、大将として最も強い棋士と戦いたい」

一丸孝則さん「まだ考えてないです」

伊藤英紀さん「次回がどうなるのか?自分がでるのか?わからない」

金子知適さん「申し訳ないですが我々が申し込むのではなくてお招き頂くという形だと思いますので」


谷川浩司「(団体戦の中で負けるという形になったが)えーそうですね、まあ正直にいいまして、5局対局するわけですから、その中で棋士が負けることになるとは思っていましたが、こういう結果になったのは厳しいというのは間違いない。コンピュータは強くなっているので、勿論準備をして臨んだとは思いますがより準備を重ねてやっぱり投了の声を利くまでは決して気を緩めないという強さも必要だと思っていました」

船江恒平「(今回、反対に人間の強みを感じましたか?)私の対局でいうと、終盤自体は人間も負けてないなという、終盤は強いことは分かっていたが一直線の斬り合いだったら負けてないなと。ただそこからもう一ラウンドのところではソフトの粘りが強かった。序盤中盤終盤、どこも人間が負けてないところはあったと思います。強みとしてはこれから次第かと思いますが、負けた将棋が糧となって活かしていけたらそれが人間の強みとなる。」

産経新聞「川上社長にビジネス2割、将棋のために8割としていましたが、実際の今回の観戦者数は?」

川上量生「正確な数字は分からないが、予想以上の反響でした。(累計で190万人とのこと)」


以上記者会見でした。

私の個人的な感想は別途記します。(誤字修正@4/21)


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記者会見:第二回電王戦最終局▲三浦弘行vs△GPS将棋

第二回電王戦最終局▲三浦弘行vs△GPS将棋は一度もプロ棋士が王手することすらなく、GPS将棋に圧倒されて終わった。勿論、押さえ込みの将棋だったので王手がなかったことや攻撃できなかったことは責められる話ではない。

以下、18時50分からの記者会見の様子について記します。口述筆記に近い形で書いていますので単純な誤字脱字がある可能性は高いですが、コメントいただければ正しますので怒らずどうかご教示いただきたく存じます。

記者会見の前の、屋敷伸之プロと矢内理絵子女流のやりとりは、落ち着いたものだったので良かったです。書き記してはいないですが、今日は泣く日ではないと思う。


記者会見はじめます。

記者会見、田丸昇九段。三浦弘行八段。GPS将棋開発者金子知適さん、コンピューター将棋協会の瀧澤武信会長。

102手にて後手GPS将棋の勝ちとなりました。

GPS将棋金子知適「(現在のお気持ちは?)東大駒場の600台以上を使う特別なプログラムを使っていたのでまずは無事に動いてよかった。本日はこのような貴重な機会をあたえていただき、ありがとうございます。」


三浦弘行八段「(現在のご感想は?)そうですね、電王戦を今後も盛り上げて大きなイベントにしたかったので今日は勝ちたかったんですけれども、正直どこが悪かったのかちょっと分からないことがありまして、今日の将棋が、ええまあGPS将棋が強いことはよく分かっていたつもりなんですが、事前準備から1台と670台は違うんでしょうけど、あまり付け入る隙がないソフトだなあと。」

瀧澤武信会長「えーとまあ本局ですね、当然あのGPS将棋も勿論強いんですけれども、三浦先生はA級八段ということで金子さんには悪いんですが、分が悪いんだろうなと思っていました。実際に見る限りでは米長邦雄先生が第一回で指されたようにしていたので、米長邦雄先生は途中出体力負けしてしまったけど、三浦先生は勝たれるのではないか?と思っていたので結果は驚いております」

田丸昇「最近のプロの将棋は似たような将棋が多いです。本局も矢倉の定跡ですが勝又六段曰く、新手なんですね。まだまだ将棋は無限の可能性があるなと教わった気分になりました。今後はプロとコンピューター将棋が強調して、無限の将棋の可能性を探求してほしいな、と思いました」


フリーライター「三浦八段、自宅で練習されていたGPSと今回のは大体どのぐらい違うか?感覚的にもしもわかれば」

三浦弘行「うー・・・ん。そうですね。いや、うーん。すいません、まだちょっとわからないです。1台でも十分強いです」

フリーライター「金子さん、今回さきほどノートラブルで動かれたと。そのために準備されたことは?過去ですとマシンが落ちたという話でしたが」

GPS金子知適「そうですね、ちょっと重要性は前後するのですが、今朝も電源が入らないものもあったと。自動起動セットはするのですが、駒場に3人をおいて万一自動起動しなくても対局が遅れないように配慮しました。つづいて、ネットワーク接続してますので、切れたらすぐ分かるようにしました。第二局でのトラブルでの反省を活かした知見。600台あると電源が落ちる可能性があるので、それでも大丈夫なように設定していた。こちらの不手際で迷惑をかけないようにできた」


東京新聞「いやな質問ですが、三浦さんに。プロの中で本当にトップですが、どうでしょう、今後コンピュータに人間は勝てないという実感は?」

三浦弘行「いや、あの…まだまだ強い棋士は沢山いますので」

GPS金子知適「私個人としては出来不出来が対局後とに激しいので。開発者は40局とか100局とか1000局とかやって強さを測るわけで、一局の結果で力を測るという文化はないです。残された棋譜・ログから棋士の方々が読み取っていただければ幸いです。私にはわかりませんので」

瀧澤武信会長「とても決着ついたとは思いません。今日は勝ちましたが完璧に勝ったというわけではなく、これまでもそう。将棋の段位がないので、我々では強さがわからないレベルになった、というのが今回言えること。プロを超えたということではなく、近づいたという印象」

三浦弘行「(もう一度やりたいか?)いやいまはそういうことを言える立場ではないと思っています」

テレビ朝日「金子さんにお伺いしたいのですが、今日かなりGPSかなり早いペースで指していた印象が」

金子知適「基本的に四分で指していた。4分55秒で指していた。難しい時は7分55秒で指していた。ネットワークトラブルからの復旧のための持ち時間を30分自主的に短くしていた。60秒未満を活用して、実質五分考えていた。将棋として早く指しているように見えたのは、定跡で少し長めに進んだのが影響している。コンピュータは定跡から外れたときに、序盤か中盤かが判断できないので、早めに抜けた場合に備えてこの設定でなければいけないとおもった」


三浦弘行「(人間となにか違った感触は?)特にそういったことはなくてGPS将棋が難敵だなと思ったのは、序盤に付け入る隙があれば、それをついて終盤力がつかえない展開にもっていけるが、序盤に穴がなかったので大変さは覚悟していた。(人同士であれば腹の探り合いとかあると思うが、今回そういう意味での違和感は?)そうですね、えー・・・いやでも私、今回最終局だったので一局目から四局目までは若い人もいたので動揺して実力発揮できなかったということもあるかもしれませんが、私は他の棋士よりその点は普段と違う対局との違和感は私は分かっていたことなので言い訳はできない」


瀧澤武信「(今回、人間対コンピューターとしてクローズアップされていますが、開発者も人間ですが?)そうです、勿論そうです。我々ではわからなくなったので、プロの先生に色々弱点をあげてもらうことを期待していたので、人間と人間の戦いであることは間違いないです。」

GPS金子知適「(質問聞こえず)記憶では1990年以降の棋譜だけ定跡として記録している。最近の棋譜は順位戦中継を先日今期のものをまとめていれた。配布されているものより少しだけ最新のものを入れている。定跡といっても30手から35手ぐらいで自分の考えて指すようになっているし、勝っているひとが少なくなった時点で外れるようにしている。また、急戦の定跡は短く切っている」


ここまでが電王戦第五局の会見とする。ここから全体会見。

※誤字を修正しました@4/21


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第二回電王戦の勝敗予測 from将棋世界2013年4月号&ニコ生直前記者会見

将棋世界 2013年 04月号 [雑誌]のiPad版が今回はかなり早かった。いつもは10日以降に発売されることが多いのだが、9日?とかで思わず見逃していました…。で昨日読んだという。

アップル様の承認次第なのはわかるんですが、早ければ早いほど売上が良くなるのは間違いないのでロジカルにそこを説明すれば今回以上にOKスピードが上がる気がします。逆に言えば遅いほど電子書籍版の普及は進まないと思う。週刊将棋もKindle版があれば私は正直毎週買うんですけど流石にKindleで表示するための構成が大変かな。。

で、将棋世界、観る将棋ファン向けの記事が増えてきた印象がありますが指す将棋ファンでもある私から見ても別に悪くないと思います。

今回は第二回電王戦についての記事がありましたが、その中で「勝敗予測」に絡むところだけを抜粋したいと思います。あとは先日行われたニコ生での直前記者会見の様子からも言及したいと思います。

まずは、プロ側の意見から。

阿部光瑠四段は特に言及なし。自信の程は?の問いには「50・50です。」とのこと。

佐藤慎一四段は「平行棒を強風の中目隠しして歩くくらいの自信ならあります。」とのこと。これは普通に考えるとかなり強気と思われそうですが、そういう状況でも「歩く」という意思の表現なので、歩いて「落ちない」といっていないところはご理解くださいw

船江恒平五段は「持てる力を出しきれば、勝てると思っています。根拠のない自信ですが、それが大事だと某棋士に言われました(笑)」とのこと。団体戦としてのスコア予想は「3-2か2-3になると思っています」とかなりの接戦を予想されていました。

塚田泰明九段は「(5勝全勝を当然狙うが団体戦としては)現実的には3勝2敗でも勝ちなので、これがスコア予想です。」とのこと。そういえば塚田泰明先生は、直前記者会見でボンクラーズの伊藤さんのインタビューに相当むかついてましたねw「あの序盤で名人を超えてるとかよくいえますね…」みたいな。

三浦弘行八段は「希望を込めて4勝1敗。」とのこと。ただし、三浦弘行八段はニコ生の直前記者会見でもあまりGPSを研究している感じではなく、例の勝てたら100万円企画についてもよく分かっていなかったです。3人の勝者が出たことについての感想を求められて、逆に「普通に指して勝ったんですか?それとも弱点を突いて?」と逆に質問していました。

それに対する現場の人の回答がやや誤解を生むなあと思ったのは、普通に右玉で勝ったというニュアンスで理解されているような感じだったところ。3勝とも正直コンピューター将棋のバグを突いた・突けただけ、という勝ち方だったというのが私の理解なのですが。

次にプログラマー側。将棋ソフト側の意見です。

習甦の竹内章さん「プロ棋士側の対策次第で大きく変わる可能性もあり、予想は確率の問題で難しい。確率が最も低いと思われるのはプロの全勝で、コンピューターのほうが勝敗に直結する局面でのミスが出にくいと考えるため」とのこと。

この方は会見などでも非常に誠実そうなお人柄がにじみ出ていたのですが、その方が冷静にこういうことを言われているということにやはり現実があるような気もします。「プロの全勝が最も確率が低い」という点に注目したいところです。

ponanzaの山本一成さんは特に言及されていませんでした。

ツツカナの一丸貴則さんは「コンピュータ側からみて2勝3敗までいければ御の字」とのこと。控えめですねw

この方の発言で注目したいのは「ponanzaの序中盤が佐藤四段に通用するか、等に注目している」というところでしょうか。ponanzaは他のソフトに比べると序盤中盤が強くて終盤が弱いらしいんですよね。対する佐藤慎一四段は序盤が上手い印象は正直ないんですが、割りと混戦になってきたところで勝負根性で突き抜けてくる印象なんですが、正直対コンピューター将棋としてのタイプとしては最も不向きな気がするのですが大丈夫でしょうか。

しかも後手番なのでおそらく角交換振り飛車(新藤井システム)を使うんじゃないかな?という気がしています。或いは横歩取り?この二点買いです。

GPS将棋の皆さんはスコア予想として具体的な数字は語っていませんが「研究者としてはコンピューター将棋の強さに期待したい。世界コンピュータ将棋選手権の順位は毎年変わっているので、ほかのプログラムも同等の強さが期待できます。」とのこと。

そうなんですよね。そこが恐ろしいところです。

最後にコンピュータ将棋協会会長の瀧澤武信さんのコメントからの抜粋。

コンピュータ将棋は棋力としては、05年でアマ六段、07年で奨励会二段、11年でプロ並みとされています。と冒頭でしれっと発言されていて、度肝を抜かれますw

そして興味深いのは出場ソフトの特徴についてのコメント。

第一戦の習甦は受けが得意ですね。ということなのですが、対戦相手の阿部光瑠四段は攻めが鋭いというかやや暴発気味の攻めがあるような気がしてるんですよね…。ただし、攻めと受けという形になると先手番阿部光瑠と後手番習甦ということで将棋としては大変おもしろいものになりそうです。

第二戦のponanzaは、特徴がよくわからない。ソフトの提供もない。

第三戦のツツカナは読み筋を人間ほどではないがほかのプログラムと比べると絞るのが特徴。

第四戦のPuella αはボンクラーズの後継で、Bonanzaのやり方を更に突き詰めたような形。

第五戦のGPS将棋はたくさんマシンを繋げて頑張るw

加えて、これらはお互い勝ったり負けたりで、能力的な差はない、と語られています。


ここから先が興味深いのですが、「どのソフトもそうですが序盤が上手ではないので、プロであれば間違い無く作戦勝ちできます」と断言しているところですね。

定跡が網羅されているので抜けがない、という印象があったのですが、そういうことではないのか、或いは入っていない局面になるとおかしな手を指すということなのか。後者のような気はします。

「ただしそこから優勢にするのに、大優勢でも逆転の要素があるようなよさではダメなんです」とも語っています。これは最善の頑張りで人間が一手でも緩むと逆転する、という展開に持ち込まれるからですね。

局面をスローダウンさせて、中押し勝ちを狙うべきだという。これは私も以前から主張しているところですが同意です。

もう一つ興味深いなと思ったのは、「ソフトが優勢になってもまれに詰みの途中で間違えたりバグもありますので、プロ側が不利になっても諦める必要はないです」というところ。この達観は如何にも開発者側らしいなと思いました。

そしてこの会長の予想ではなんと、「今回はプロ側の全勝か4勝1敗でしょう。その1敗も終盤トン死で勝てればいいのかなと。もちろんプロに勝ちたいとは思いますが、現実は厳しいでしょう」と答えてるんです。

ボンクラーズの開発者の伊藤さんがニコ生の直前記者会見のインタビューにて「既に名人超えてますし」としれっと言い切っていたのとは対照的ですね。

この瀧澤武信会長の発言で私は若干混乱していて、プロが全勝か4勝はすると言ってるんですよね。確かに序盤感覚というかプロの序盤とアマの序盤は違うんですが、定跡データベースに乗っている展開で中盤までいけば、かなり強いと思うんですが。。

ただ将棋ウォーズでも角換わり腰掛銀の既に結論がでている定跡にすっぽりとコンピュータ将棋がはまりこんでそのまま詰む、ということもありました。(例の渡辺明vs郷田真隆戦で郷田真隆プロが知らなかった筋)。そういう展開は確率が高いかは別として理論上はありえます。

すごく悲観的な展開予想を書くと、阿部光瑠四段の角換わり腰掛銀の攻めが習甦に受け止められて負け。佐藤慎一プロの角交換振り飛車がponanzaに上手く対応されて作戦負けしてそこから有利を拡大されて負け。船江恒平五段は矢倉系の熱戦になるも終盤の競り合いになって負け。塚田泰明九段はやっぱり後手番で横歩取りを指してpuella αの強烈な一撃を食らって負け。三浦弘行八段は矢倉を選択して熱戦になるがGPS将棋の終盤の強烈な計算力に屈する…というような。

プロ・アマの成績が2-8から4-6の間であることを考えると、そして直前記者会見で塚田泰明九段が秒読み将棋にすると全然敵わないと既に発言していることから、相当な苦戦が考えられるというのが私の今のところの予測です。

ただ瀧澤武信会長がおっしゃられるような、序盤中盤でコンピュータが変なことをやると中押し勝ちというのは、プロの優勢を勝勢に拡大する技術の高さを思うと当然ありえます。接戦ならばコンピュータ勝ち、中盤まででコンピュータがやらかすと中押しでプロ圧勝、という感じでしょうか。

なので見苦しい棋譜が残らないように、コンピュータ将棋側は形勢判断において大駒一枚分+金か銀ぐらいの差がついたら投了する、というような形にしておいてほしい気はします。この前の勝てたら100万円企画のときは負けた時の手順がやはりちょっと…と思いました。

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Author:将棋観戦
「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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