今日の見所 12/14(木)

12月14日(木曜日)の注目対局は以下の通りです。

竜王戦6組 中尾敏之vs香川愛生
中尾敏之 10勝6敗 先勝率0.556 後勝率0.800。
香川愛生 12勝9敗。
女流棋士香川が中尾に挑戦。今期は男性棋士相手に0勝2敗だが、過去には有名男性棋士を負かした事もあり侮れない。


順位戦A級 佐藤康光vs深浦康市
佐藤康光 9勝11敗 先勝率0.455 後勝率0.444。
深浦康市 13勝10敗 先勝率0.615 後勝率0.500。
9月から6勝1敗と好調の佐藤。対する深浦も今期は勝ち越している。
レーティングでは、ほとんど差のない二人、好調キープの佐藤が優勢か。

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Tag : 中尾敏之 香川愛生 佐藤康光 深浦康市

12月1日(金)の結果

この日はトップ棋士が沢山登場しました。

順位戦A級 ▲広瀬章人vs△屋敷伸之
角換わり、後手の早繰り銀。先に二歩得ることが出来たのと、先手玉が居玉、そこからの反撃の手順で桂馬を損した…というかんじで全体的に先手が無策だったように見えました。なんとなく広瀬さんの突き抜け無さは序盤巧者ではないところにあるように思えますが、それでもA級なのではやり中終盤がずば抜けて強いのがやはり重要なんですかね。。後手屋敷さんの快勝譜と思います。

順位戦A級 ▲深浦康市vs△行方尚史
深浦さんの雁木は予想してましたが、まさかの相雁木。ただし深浦さんに一日の長があり夕食休憩前後では先手がよくなっていました。その後かなりもつれますが、人間同士にありがちな良かった時間の長かったほうが勝つという展開に。深浦さんはこれで星を五分に戻し、行方さんはちょっとキツくなったかもしれません。


棋王戦 挑決T ▲三浦弘行vs△永瀬拓矢
角換わりから後手の早繰り銀模様に先手が手厚く構える作戦。この将棋、よくわかりませんでした。なんとなく先手が作戦勝ちかな?多少指しやすいのかな?というところから知らない内に後手が指せるようになっていました。形勢の差がそれほどでもなく、指し方の方針が良くも悪くも後手のほうがシンプルだったのが功を奏した、という感じでしょうか。

棋王戦 挑決T ▲佐藤天彦vs△黒沢怜生
角交換振り飛車。いやーここはアツかったですね。対抗型の醍醐味というか、レーティング差とかあんまり関係ないんですよね、ここまで来ると。黒沢さんの序盤の用意が行き届いていた印象で、飛車が向かい合う形で単純な押し引きなので少し間違ったほうが悪くなり、今回はそれが名人の方jに出て、そこからミスなく有利を拡大していきました。

名人はどちらかというと悪くなってからの粘りや、悪くなりそうなところからの踏みとどまりに特徴がありますが、こういう対抗型でしっかり対処されるとどうにもならないですよね、さすがに。よくある38角からの馬を作ったところでは勝勢までないにしても、形勢差よりもかなり逆転のしにくい局面であるといえます。

黒沢さん、ダークホースになれるか?ただ永瀬さんは元振り飛車党なので相手にするとちょっと嫌かもしれませんね。竜王戦ドリームならぬ棋王戦ドリームなるか?

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今日の見所 11/27(月)

11月27日(月曜日)の注目対局は以下の通りです。

王位戦 予選 深浦康市vs日浦市郎
深浦康市 11勝8敗 先勝率0.667 後勝率0.429。現在3連勝中。
日浦市郎7勝7敗 先勝率0.625 後勝率0.333。
両者の過去の対決は2勝2負の5分。最近の成績とレーティング差を考えると深浦さんやや有利か。深浦さんの雁木がみれるかどうか注目。

棋聖戦 二次予選 中村太地vs野月浩貴
中村太地 18勝6敗 先勝率0.625 後勝率0.813。
野月浩貴 9勝4敗 先勝率1.000 後勝率0.556。 
両者の過去の対決は2勝2負の5分。攻めっけの強い両者の対戦。今季の成績とレーティング差を考えると中村さんが有利だか夏場の9連勝ほどの勢いはない。
それより目下4連勝中で勢いのある野月に注目。

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Tag : 中村太地 野月浩貴 深浦康市 日浦市郎

豊島将之八段、第67期王将戦の挑戦者に!(▲深浦九段vs△豊島八段)

いやースリリングな戦いでした。

深浦九段と豊島八段、対戦成績は五分と五分なんですが先手番をもったほうがサービスキープする展開が多かったんです。そして本局は深浦九段が先手、ということで王将戦挑決リーグ、混戦模様になるか?とちょっと期待していたのですが、結果投了図だけみると後手豊島八段の圧勝でした。

ただ、序盤中盤はかなり後手が欲張った手順で、なんらか咎めることが出来たような、もしくはそれができなかったのであれば、先手番での雁木調の序盤を後手の豊島八段が狙い撃ちした、ということになるのでしょうか。

20手目の△75歩で早くも戦いが始まります。後手は22が壁銀ですが、玉が一路逃げており、角道が通っています。かなり反撃のリスクのある先制ですが、先手玉が居玉で右が壁、角道が塞がっているということで既に成立している可能性すらあります。藤井システムの対居飛車穴熊の構想ではないですが、この局面を咎めるためには?という逆引きの考えで生み出した攻めのように思いました。

2筋を突き捨てて▲79角と引いてから激しくなりましたが、先日のA級での同一カードでもそうだったようにこの過激な応酬の結果、後手がよい局面しかなかったように思います。駒を取り合いますが自陣で先に取られる展開となったからです。▲16角など、先手は後手玉に襲いかかりましたが、ちょっと足りなかったように見えます。

条件よく44の角を取りに行く手順、39手目か2筋を突き捨ててからの45銀の手順しかなかったのかもしれません。(ただそこで△35角と逃げられた後、どうするべきか?がよくわかりませんが…)。

豊島さんはこれでまず王将戦の挑戦を決めました。まだ名人戦と叡王戦でも奪取の目があります。今期~来期にかけてでいきなり三冠王になっていても誰も驚かないでしょうが、果たしてどうなるか?

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Tag : 豊島将之 深浦康市

豊島独走?深浦進化論 第76期A級順位戦▲豊島将之八段vs△深浦康市九段

最近の深浦康市九段に注目している。

比較的中堅よりも年上の層で、最近の雁木調の将棋に追従している人は少ない気がする。羽生さんはやってますかね。

そんななか、かなり早い段階、たぶん夏ぐらいには既に雁木を取り入れていたのが深浦康市九段。先手でも後手でも組みやすいというのもあるだろうが、かなり多く雁木を指している。 17年度としての成績はそれほど特出したものではないが、夏以降に限っていえば、この雁木調の将棋を指しこなし、勝ちまくってる印象がある。

本局は順位戦ということで先後が決まっているのでお互いに準備があったはずで当然豊島将之八段もそのへんの作戦を前提に、本局の序盤を採用したのだと思う。

26手目△43金右がひとつの分岐点で、雁木と思われて先手の急戦調をみて手厚く一旦は受け止める方針。先手は銀を68に上がっている関係上、これ以上堅くならないので攻めるしかない。この辺の駆け引きは本局の見所の一つだった。(ただ、端歩の形を除けば類型は幾つかあるとのこと)。

この辺をみて私は以下のようにツイッターで呟いた。




そこからの豊島将之九段の指し回しがなんというか相当に過激だった。後手からの角交換にたいして同銀ではなく77同桂馬とした手、桂馬を跳ねてから71角と打った手、極めつけは51手目の▲33銀だった。後手のと金を放置して駒がいっぱい利いている33の地点に銀をぶち込んだ。言い方は悪いが、アマチュアっぽい直線的な手順だと思う。

ただ過激な一手だったが進んでみると穏便な局面に戻っていて、嫌な変化を回避するための過激さだったのかもしれない。

そして一旦収まってから後手待望の反撃。8筋を突き捨ててからの桂馬打ち△9四桂が厳しく、ここではやはり微差かもしれないが後手が良いと思う。

61手目、▲83銀と飛車取りに打った手に対して、深浦九段は32に飛車を逃げる。攻めに活用する含みのある一手。そこから先手の94の桂馬をむしり取った銀(94同歩で取れる銀)が終局(111手目!)まで残ったのがこの将棋の恐ろしさを示している。111手目まで……。

どこかで取り返す順があるはずと思ったがその余裕がなかった。その理由の一つは、67手目▲45桂に対して飛車を取り合う順を選んだことにあるかもしれない。ここは一旦は飛車を浮いて33歩で叩かれるのを避けておく、という手も有力だった。

飛車をとりあって53の地点に成桂を作られた73手目の局面では後手が相当忙しそうにみえる。この桂成りが詰めろというのが痛い気がする。ここでは先手が良くなっていてもおかしくないと感じた。後手の深浦九段は△39飛と王手にうち、詰めろの手順をひとまず回避。先手の豊島八段が桂馬を投入したことで局面が少し落ち着いたようにみえる。

しかし△42歩と受けて、▲33歩と叩かれてみると先手と後手の囲いの差が目立つ。後手にはもはや94の銀を取る余裕がない時点でその分、先手が良くなったのかもしれない。そこからジリジリと攻められて苦しくなった後手が84手目に△86角勝負手を放つが、豊島八段が冷静に▲81飛車なりと面倒をみて勝負あり、ということだった模様。

最後まで残った94の銀不成が先手玉の詰みを逃れている手順もあり、豊島八段がただ1人無敗の5連勝となった。

最近の豊島将之八段の将棋は強いというより恐ろしさを感じる。序盤の深い研究と鋭い踏み込みで圧勝することも多いが、本局や先日の対渡辺竜王の将棋のように局面に含みをもたせずにある程度まで決めきってしまって、そこで実戦的に勝ちやすそうな展開にもっていくという二段構えのような印象。

コンピュータソフトの影響、ということではないのかもしれないが、谷川が終盤を高速化し、羽生世代が序盤を整備して一応の人類の高みに登った後、停滞ではないがその流れの中で培われてきたコンセンサスのようなものに対してソフトがもたらした革新があり、その感覚を自身の将棋に取り入れたプロ棋士が何人かいると思うが、豊島将之の最近の将棋を見ていると確実にその中の1人であり、もっとも最先端の大局観というか将棋感覚を持っているのだな、と思わされる。

羽生・広瀬・久保と二敗で追いかける3人がいて、そのうちの二人との対局を後半に控えている豊島八段だが、このまま挑戦者になる勢いを感じさせる勝利だった。

深浦九段は負けてしまったものの、新しく取り入れた雁木調の作戦がかなり馴染んでいることを再確認した。三名降級という厳しい今期だが、キツイ面子をクリアしての2-3での折り返しは上出来ではないにしても残留可能性でいうとそれなりにあるような気がするがどうなるか?

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