誕生日で抜け番。第72期B級1組順位戦

タイトルは仮です。阿久津さんが誕生日のため抜け番でした。(たまたまです)。

削がれた更新意欲を、ゆるい更新でしのぐ。老人が酔拳で戦う、という感じですね。

この前、youtubeでジャッキーチェンの昔の何とか拳ってのをたくさん見ました。なんとなくアガりましたのでお勧めします。

たぶん、出社前にジャッキーと一緒に蛇拳とか、酔拳とかやってから会社に行ったら、気分よく出勤できると思います。・・・その勢いで上司を殴らないようにしてくださいねw

さて、あっ君こと阿久津さん、あつくつさんこと、阿久津さんの前髪ですが、たぶん今、過去最高にカッコいいと思います。そうなんです、もともとイケメンだし、おでこが広いのは禿たのではなく、もともと広いんですよ。

広い人は短い前髪、これです。山崎隆之プロがいい例ですね。決して髪の毛は多くない。おでこもなんとなく広そう。しかし禿ないタイプ。で、あの髪型です。美容室に行ったら、「分けなくていい程度の長さに」っていえばいいんですよ。それで大体は解決します。

前髪はどうしますか?って聞かれたら「何もつけずにおろしてても自然になるように」って答えるんです。あとは、もう天気の話でもしてれば完成です。切ったあとに何かつけますか?って言われたら、「今日はこのままでいいです」って答えるんです。どうせ、美容師がやったスタイリングなんて後で再現できないんですから。

そして、これで阿久津さんの結婚は間違いないですね。もともとのイケメンが最強の髪型を手に入れた。いわば猛烈な攻め将棋の中村太地が振り飛車党から居飛車党に転向したようなもんですよ。。

・・・このまま阿久津さんの前髪談議だけでブログ一つ別に建てられる(タイトルはあっ君の前髪)ぐらいには語るつもりですけど、そろそろ怒られそうなので、以下感想を簡単に書きますね。

お昼時点、夕方時点、終局後、という感じになると思います。例によってその時間帯の私の気分と、湿度、温度、によって分量は変わります。蕎麦打ちと一緒ですね…。

今、お昼時。

藤井vsハッシーは藤井先生の例の形。どちらにどういう工夫が出るのか?に注目。ただ私はこの角交換振り飛車は全然歓迎なのでどういう作戦が取られてもOK。この形というか角交換型で急戦調の含みがなくて・・・っていう作戦は居飛車党にとってはそんなに脅威じゃない気がするんだけどなあ…。

アマがやるなら、断然4→3とかの石田流系かごきげんでしょうね。(ゴキゲンの超速はアマ一定レベル以下の大部分の人にはそれほど勝ちやすい戦型ではないとおもう)。

畠山鎮vs鈴木大も角交換振り飛車ですね。

山崎vs木村一戦は先手の相掛かり。最近そういえば将棋ウォーズで相掛かり調が増えてきた気がします。理由は私がどっちをもってもやるから、というだけなんですがw

山崎流の角道をあけるのをなるべく後回しにする指し方は、意外に悪くないですよ。是非お試しください。少なくともひねり飛車よりは居飛車党に向いてる気がします。

丸山飯塚はノーマル角換わり腰掛銀っぽいです。スペシャリストの丸山さん相手に、穴熊の作戦が出るか?&先日のダニーのような打開になるのか?に注目です。

みっちーvsとよぴーは、横歩取り。とよぴーにとってはA級で通用するかどうか?の試金石第二弾っていう戦いですね。

松尾広瀬は後手のごきげん中飛車。戦型は超速に銀対抗ですね。私は相当前のブログで超速にはこの銀対抗しかないような気がするなーと書いた覚えがあります。それが主流になる前ですね。だからといって何も偉いわけでもなく、私の棋力があがったわけでもないのですが。耳年増、みたいなやつですね。女の子はみな、耳年増なんです。お勉強してるんです。おニャン子クラブ懐かしいですね。。

お昼休みはとりあえずそんな感じでした。

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夕方は、あまり見れませんでした…。

ただ、畠山鎮vs鈴木大介戦の穴熊にしてから銀冠は、後手にそれほど有効な手段がなく、穴熊になることもないので、銀冠最終形として考えている場合に、隙のない駒組みのやり方かもしれないと思いました。

夕方時点で松尾vs広瀬戦は流石に先手が良さそうと思いました。藤井vsハッシーは上手に組み上げるものだな…・と先手については思いましたが、先手の得がどのぐらい残っているのかは不明。角換わり腰掛け銀になった丸山vs飯塚戦は新手・新構想に期待。

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そして今は朝。結果はというと・・・


高橋 道雄九段(0勝2敗)●-○豊島 将之七段(2勝0敗)
先手の横歩取らずからの中原囲い。これは中押しで後手の圧勝でした。

畠山 鎮七段(2勝0敗)○-●鈴木 大介八段(0勝2敗)
これは夕食休憩時点の構想が面白いなと思いましたが、そこからが大激戦。馬を作った先手が良さを保ってそのままゴール。先手玉がよく動く?働く?将棋でした。

丸山 忠久九段(1勝1敗)○-●飯塚 祐紀七段(0勝2敗)
後手が相当攻めました。飯塚さんらしい攻め。しかし後手の攻めがさっぱりしたところでは、先手良し。馬で飛車をとって自陣に引きつけたところでは流石に先手が良くなっていたが、その手前では後手にも他にやりようがあるかもしれない・・・と思いました。

松尾 歩七段(2勝0敗)○-●広瀬 章人七段(1勝1敗)
これもプロレベルでは先手が良さを保って危なげなくゴールした感じでしょうね。ちょっと悩める天才は長くなりそうですなあ…。

山崎 隆之七段(1勝1敗)●-○木村 一基八段(1勝0敗)
これは不思議な力戦だった。先手が良さそうな局面から後手の桂馬が歩の餌食になる前に大仕事をしたところでは後手勝勢になっていた。山崎さんにとっては残念な将棋だろう。

橋本 崇載八段(1勝1敗)●-○藤井 猛九段(1勝1敗)
千日手指し直しからの先後入れ替えでまた角交換四間飛車。しかしこれは藤井プロの経験値が生きた戦いのような気がしました。というか、ハッシー不出来な戦いでは?

結果は松尾、畠山鎮、豊島が連勝スタート。連敗スタートは高橋、鈴木、飯塚。





勝負という生き方 将棋棋士32人の肖像勝負という生き方 将棋棋士32人の肖像
(2013/06/26)
高橋 呉郎

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内容紹介
羽生善治が、谷川浩司の光速流を目の当たりにした際の高揚を楽しげに語る。
佐藤康光が、タイトル戦の終局直後に思わず涙した理由を語る。
郷田真隆が、自らの信念と美学に裏打ちされた独特の将棋観を笑顔で語る。

トップ棋士だけではない。勝負に生きる者には、ひとりひとりに大舞台がある。
自らの哲学を、名誉を、人生を懸けて戦う棋士の姿にベテラン観戦記者が迫る。
将棋世界の人気連載「感想戦後の感想」から、32編を選り抜いて収録。
著者について
高橋呉郎(たかはし・ごろう)
将棋観戦記者。
昭和8年生まれ、千葉県出身。早稲田大学文学部仏文科卒業後、光文社に入社。『女性自身』『宝石』などの編集に携わる。
梶山季之主宰の月刊誌『噂』の編集長。将棋ペンクラブ大賞選考委員。著書に『週刊誌風雲録』(文春新書)など。


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二人の早指し棋士、田村康介と鈴木大介(の最近)

二人の早指し棋士。

昨日の携帯中継は、松尾歩vs鈴木大介田村康介vs広瀬章人という対戦だった。全然気づいていなかったがそういえばこのそれぞれの対局に登場している田村さんと鈴木さんというのは若かりし頃?は早指しで競い合うような早見え早指しの棋士だったのだった。

なぜこのようなことを書くかというと、夕方にふと見てみたらどちらの対局も18時よりも前に終わっていたから。終わっていたのをみて「あ、そういえば・・・」と思った次第。

早いといっても昔のような消費時間30分、みたいな感じではなかったので早すぎてがっかり、ということはない。むしろ戦型的には面白い趣向が両方の対局にあり、そしてその趣向を出したのが田村康介プロと鈴木大介プロの二人だった。片方の工夫は幸いし、もう片方の工夫は残念な結果に終わったのだが。

まずは幸いしたほうから。田村康介vs広瀬章人戦は、広瀬章人ゴキゲン中飛車に。最近流行復活の兆しがある丸山ワクチンの端歩交換を入れる前に角交換してしまう展開に。

その後の展開は、瀬川プロが得意としている、すきを作ってその隙を突かせる形で後手だけ角を手放させる・・・という作戦。対筋違い角ではないがそれに似た発想で後手の歩得と先手の持ち角の違い、&手順で固めた・・・というのが先手の主張点。

シンプルに左美濃に囲ってからの先手田村康介プロの速攻が素晴らしかった。イメージ的には左美濃に対する藤井システムのような素早さ。玉は8八ではなく、7九の地点で前述の手得と合わせて、後手陣が未整備な状態で仕掛けてそれが成功していた。

広瀬章人プロは強いのだが序盤にやや難があった・・・という過去の印象があるが、それがここ最近は明らかに表に出ているような気がする。前回の対行方尚史戦のゴキゲン中飛車での穴熊もそうだし、今回もそんな感じ。

53手目の▲3五銀が素晴らしい一手。遊びかけてた銀を活用してこの手で先手良しが確定したように思う。

そこから後手も猛烈に追い込むものの、田村康介プロが淀みなく寄せて勝利。ケンカ殺法、いい意味でのラフファイトな味も含めてすべて田村康介プロペースだった。

広瀬章人プロは後手番は四間飛車穴熊も目が慣れられてしまい、ごきげん中飛車も対策が進み、勝率が良かった後手番も苦労するようになってしまった。ただ才能は段違いなのでこれで終わることはないと思うが、苦難は続く。

松尾歩vs鈴木大介戦は鈴木大介プロが後手番でかなりの趣向をみせて面白かった。結果は失敗に終わったのだが、おもしろい将棋を見せようという心意気は感じた。一手損の3手目角交換から、ダイレクト向かい飛車ではなく△5三銀を急いでそれから振ろうとした手順を先手が2筋突破を目指して咎めに行く・・・という展開。

結論からいうと無理だったのだが、本当に面白い将棋だった。(先手の▲7七桂という序盤の一手で終了していたようだが…)。

こちらについては携帯中継でご確認ください。

アマの振り飛車にはゴキゲン中飛車よりもこっちのほうが合うかもしれません。

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(2013/03/27)
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奔放な山崎流など全局感想 第71期B級1組10回戦 (2012/12/20) 

久しぶりに全局感想を。

鈴木大介八段(4勝6敗)●-○行方尚史八段(9勝0敗)…21時27分
一番最初に終わったのがこちら。昇級の掛かる行方が全勝で昇級を決めた。ただし一番早く終わったので昇級が決まった時には帰宅?飲み?に行っていて昇級インタビューは無かった。

戦型は先手中飛車に対して後手も5筋の歩をついてそこから銀を上がる作戦。金銀分断され、角交換するので右側の金は置きっぱなしになるため、先手からの技が決まりやすいのだが、馬を作ってからの指し回しがこれぞ行方流という感じで素晴らしかった。

ほぼなにもさせずに完勝といっていいだろう。ここからの数年間の行方尚史は羽生世代並に活躍すると思う。一頃の木村一基状態になるというかw



木村一基八段(3勝6敗)○-●畠山鎮七段(6勝3敗)…23時43分☆
ここが畠山鎮負けで、行方尚史の昇級が決まったわけだが終了時刻に2時間の開きがあるので仕方ないところか。戦型は相掛かりの後手高飛車という最新のもの。

両者の持ち味がでる序盤で畠山鎮の攻め、木村一基の受けという形に。ただし端から攻める将棋というのは多少の形勢の差しか産まない事が多く反撃がきついか、形勢がひっくり返りやすい。本局は前者で2筋から先手が逆襲する形となって勝負あり。

個人的には一番好きなタイプの戦型と展開となったが先手の反撃が的確に決まり続けたというか、序盤の構想が勝ちに結びつけるまで難しそうな印象をうけた。



中田宏樹八段(2勝7敗)●-○松尾歩七段(6勝4敗)…23時46分
矢倉。しかし後手の松尾歩が五筋に飛車を転回する急戦策をとった。木村一基の上記の将棋でもそうだが私は銀が横に二枚並ぶ形がとても好きなのだが、この将棋も後手の二枚の銀が四段目で並んだ。そういう攻勢をとった将棋だった。

どこで悪くなったのかわからないが序盤から守勢に立たされた先手が二筋に飛車を戻して銀と桂馬で攻めの形を作ったものの、それが間に合わずに五筋で決戦されて悪くなった、という印象。投了図には先手の攻めの三枚が自陣に手付かずで残っていた。



久保利明九段(7勝2敗)○-●山崎隆之七段(5勝4敗)…0時33分☆
この将棋はなんというか山崎隆之らしい将棋だった。16手目の時点で後手の山崎は2~4筋の位を取った。そういう将棋(笑)。普通に考えてこの位は負担になるとしたものだが、プロから見て後手良しの局面を築きあげるのだから恐ろしい男だ。

45手目▲7七角の一手で、私は後手がちょっと模様を張りすぎた印象を受けたのだが、そこから進んだ57手目では後手に一発かます手があったようだ。それにて後手良しということだったが、その順を見送りやや形勢は先手に傾くこととなった。

73手目で先手から強く飛車交換を挑まれて交換した局面では、先手の壁銀は解消し、模様を張りすぎた将棋に飛車交換はやはり後手がつらそう。そこからは先手ペースで久保プロが押し切った。

少し話はそれるが、コンピュータ将棋に模様をはる、位を取る将棋が良いというが、勝つときに簡単に勝てるがその勝率自体はあまり変わらないような気もする。勝ちになった時の勝ちやすさは上がるが、ほころびが出た時の負けやすさは通常の将棋以上であり、そういう点を踏まえた上で位を取る将棋を電王戦では行われるのか?というのがちょっと気になるところ。(まだ位取り宣言は誰もしていないが。。)


丸山忠久九段(4勝5敗)○-●広瀬章人七段(6勝4敗)…0時34分
後手の広瀬章人が9筋位取りの角交換型四間飛車に。この作戦は一流どころに通用するのだろうか?しないのではないか?と当日この戦型が確定した時点で私はTwitterで呟いた。

プロの将棋においてはこういう戦型は駒落ちから鍛えた将棋ということでしっかりと序盤から徐々に先手が良くしていくような印象がある。

47手目の局面の先手は玉頭の歩を交換して位は張っているものの伸び伸びとしている。このへんは序盤に無理をして広げた位との違い。ただし、対抗型で煮詰まったときに先手が穴熊ではないので、後手の主張点としては悪くない。

62手目の△4六角の成否が本局の命運を分けたかもしれない。私も右玉などでこういう展開を経験するのだが、この角を打った後、よっぽど丁寧に指さないとよくならない印象がある。先手の右側の桂馬香車はやはり捨て駒じゃないが攻めゴマなので取られたら取られたなりの代償があれば働いたということになるのだろう。

七九手目の局面、控え室では評価がわかれているらしいが、コンピュータにかけたらどうだろうか。おそらくどちらかに評価が傾いている局面のようにも思う。私はと金と龍の威力をみて、先手が良いのではないかと思う。

そして九三手目の8七香が出た。こういう序盤の貯金が終盤で生きるような展開になると、人間対コンピュータとなったときに、構想力の違いが出そうだ。コンピュータに知性はないので、定跡とその局面の解析能力だけで将棋を指しついで行く。人間は構想力、自分の意思のチカラがあるので、それがつながった時に美しさがある。

偶然性が(少)ない将棋においてはそういう展開に持ち込むことができるので、そこに私はロマンを感じる。山崎隆之の将棋の魅力もやはりそこだろう。

本局は113手目に9一銀というほおりこむ手があって後手がしびれた。やはりこの戦型の宿命というか、位取りした九筋で反発されて止めの手が出るようでは、作りとして難点を抱えているように思うのだが。

卓越した終盤力をもつ広瀬章人だが、序盤中盤でリードしなければその終盤力は粘りに活かすことしかできない。ちょうど振り飛車党で圧倒的な終盤力をもつ久保利明プロが見せる脅威の粘りにかぶるようながんばりが最近は目立つがその理由は振り飛車など戦型選択に問題があるような気もする。

ただ矢倉では経験値の違いなどもあり行方尚史プロにやられたりとかしているので、一流どころに決めだまの球筋を見られたあとの2年目のジンクス的な展開がちょうどいまきているということなのかもしれない。



井上慶太九段(2勝7敗)●-○阿久津主税七段(3勝6敗)…0時34分☆
阿久津主税プロもちょうど広瀬章人プロのような感じだった。天才と器用ゆえの戦型選択と一流どころとの対戦結果。最近の佐々木勇気や斉藤慎太郎、あとは八代が伸びそうな印象を持つのは矢倉の本格派という雰囲気があるからなのだが、それは私の感覚が古いせいかもしれない。

ここは最新の横歩取りで正直どういう将棋だったかわからない。横歩取りはわからないというか、あまり興味がないので阿久津主税が勝った、ということだけ記しておく。


久しぶりに書くとやはり時間が掛かるので、次は暫く先になりそうです…。



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(2012/06/26)
金井 恒太

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君臨する羽生世代 第69期B級1組順位戦

正確にいうと、羽生世代という印象は無いのだが遂に屋敷伸之プロがあがった。その才能は誰もが認めるところであり、10年?の長きに渡ったC1での停滞があったが、やはりよくも悪くも収まるところに収まるということだろう。

しかも最後は最終対決、どちらが勝つかで昇級が決まるという勝負でしっかり大差で勝ち切ったのは大きい。いつかは挑戦まで見たい棋士である。そして故新井田基信氏が、広瀬章人について、「才能だけなら屋敷以上」という言葉を残していたことが、この昇級の事実をもって広瀬章人への期待を高める。

屋敷 伸之九段(8勝4敗)○?●松尾 歩七段(7勝5敗)…23時34分
相居飛車は後手に選択肢がある。松尾歩が一手損中座飛車を選択し、屋敷伸之がそれに応じた。

しかし僅か50手ばかり進んだところで後手の桂損。その代償は見当たらないのであれば先手が優勢という声が控え室から出ても仕方ないところ。

そこから少しだけ手は進めるものの紛れの無さに早々に駒を投じることとなった。作戦巧者なだけにやや不可解な終局だった。ともあれ、屋敷伸之A級へ。


中田 宏樹八段(6勝6敗)○?●山崎 隆之七段(6勝6敗)…0時28分☆
特に昇級降級に関係のない取組だが、好きな二人の対戦なので少しだけ触れる。

戦型は後手山崎隆之の一手損中座飛車。先手の中田宏樹プロは自身の読みを頼りに独自の作戦を用い、それが棋界に広まるというタイプの棋士であり、その点においては山崎隆之プロに似ている。両者を私が好む理由だ。

先手の作戦に感心した。相中原囲いかと思ったが、4九の金がポイント。飛車の打ち込みに強いのは先手の陣形だ。

そして飛車の交換となったところでは手番は後手だが角の働きと飛車の活用範囲において先手が上回っていると思う。しかし手番を握った山崎隆之プロの飛車の打ちどころが流石の一着で一旦は千日手まであったが、先手が打開して後手が中原囲いの耐久力を活かせるかどうか?という勝負になり、先手陣に攻めが及ぶことなく、先手が攻め切った。


杉本 昌隆七段(4勝8敗)●?○鈴木 大介八段(6勝6敗)…0時48分

こちらは降級を争う中で最も危なかった杉本昌隆プロが落ちることとなった。豊川・杉本というのは申し訳ないがある意味順当だろう。二人の実力が劣るというわけではなく、他の面々は実績面でもかなり秀でておりAクラスにいてもおかしくないからだ。

豊川・杉本の両者はまさに鬼の棲家に相応しいが、A級かと言われればその実力ではなく、将棋の雰囲気としてそういう感じでもない。戦型はノーマル中座飛車に先手中住まいでじっくりした将棋に。

55手目、この歩が取れないようでは、そしてこれがと金になり取れないどころか香車を先に損するようであれば先手が辛いと思う。そこからの手順も淀みなく、後手の完勝譜だろう。

終わってみれば、松尾と深浦も7?5。やはり次期の昇級候補であることは間違いない。山崎隆之プロの6?6というのは、完全な力将棋であることを思えば仕方ないが、その実力からすれば物足りない。来期の奮起を期待したい。



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2011年01月30日第60回NHK杯三回戦第八局▲松尾歩vs△丸山忠久

後手の丸山忠久プロは最近中座飛車よりも△3三角戦法や四間飛車穴熊、そしてこの対局で採用した一手損(飛車先不突き型)を頻繁に投入しているように思う。

2011年01月30日第60回NHK杯三回戦第八局▲松尾歩vs△丸山忠久


先手の松尾歩プロの端歩は少し珍しい。右玉の含みを見せたのかもしれないが後手が素直に受けたことで普通に進んだ。丸山忠久プロとしては、受けないことで進む相手の用意した想定局面を嫌ったということだろう。

先手は飛車先を保留したが、よくある形としては▲2五歩まで突かせて、後手は不突き右四間に構える…という具合。丸山忠久プロはこの形を相当深く研究していると思われ、パラレルワールドながらも、自身の角換わり腰掛け銀のスペシャリストとしての研究と経験値の高さを活かせると考えている。

似たような形を、元?振り飛車党の鈴木大介プロも用いるが、その理由はこの一手損の右四間が、相振り飛車に似た味を持つから。私も通常の角換わりよりは相振り飛車的な雰囲気を感じている。

先手は玉側の端歩を突き越す。後手の一手損と飛車先の不突き、そして先手の飛車先保留とこの端歩の突き越し。これらが手数に関する変数であり、通常型との違いが戦局にどのような効果を及ぼすのかに注目した。

34手目の△8四歩がタイミング的にも指し手としても面白い。先手の43手目、入城した玉が7九に出てきたところをみると駒組は飽和状態で、自身からの仕掛けはなく、作戦負けを認めたということだろうか。

44手目、△9四歩から後手が開戦。発生頻度としては二割ぐらいだろうか、この突き越しを咎める形で反激される将棋というのはたまに見かける。私もたまに食らう。突き越しているが故に桂馬を△9六に打たれる等。

60手目の△7七角が攻撃継続の強手。先手は後手が取ってくれという飛車を取って反撃を試みるが、いかんせん、手数を掛けたはずの1?5筋の攻撃陣が全く間に合っていないのが痛すぎる。

74手目の△7一金も良い手。後手番、特に一手損についてはこういう最後の一締めという味わいの叱りつける手が重要な気がする。すぐに攻め合わずにこうしてからでないと、おかしなことになる。(私はよく経験している)。

竜を引き上げさせてからは後手の攻めが細くも繋がる展開に。何よりも自玉が鉄壁なのが心強い。実力者同士の対戦としてはちょっと珍しいぐらいに形勢に差があったように感じた。

丸山忠久プロはこの戦型において、おそらくほぼ全ての対戦で勝勢まで築いている(唯一糸谷哲郎戦のみ、最終盤で頓死しているが)。

私は序盤の作りのせいでこの手順にはできないのだが、丸山プロは後手番で相手に選択権を与えずに3つの主力戦法(中座飛車・一手損飛車先不突き・四間飛車穴熊)を持っていることになり、そのどれもが相当に機能しているので、今後の活躍が期待される。もしかすると来期あたりはまたタイトル戦に登場するかもしれない。

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実際に揮毫している姿をみると、こういう扇子も欲しくなりますね。私は木村一基先生のものを入手したいと思っています。

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Author:将棋観戦
「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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