11月30日の結果(B級1組7回戦)

5-0が糸谷、阿久津が5-1、谷川が4-2で追いかけるB1。11/30に以下の対局があった。

▲松尾 歩八段(1勝4敗)vs△糸谷 哲郎八段(5勝0敗)
▲谷川 浩司九段(4勝2敗)-△菅井 竜也王位(2勝4敗)
▲阿久津 主税八段(5勝1敗)-△山崎 隆之八段(3勝2敗)
▲斎藤 慎太郎七段(2勝3敗)vs△郷田 真隆九段(2勝3敗)
▲丸山 忠久九段(2勝4敗)vs△橋本 崇載八段(2勝3敗)

以下、簡単に結果について。

▲松尾 歩八段(1勝4敗)vs△糸谷 哲郎八段(5勝0敗)
▲谷川 浩司九段(4勝2敗)-△菅井 竜也王位(2勝4敗)

この二局は奇しくも?後手番の二人が阪田流向かい飛車に構えた。菅井さんはわかるがダニーはなかなかに意表。後手番での作戦が固まりきってない印象を受けるが、力強い金の運用が必須となるこの形はエースとはならないまでも、ローテーションの谷間を補う可能性はあると中継を見ながら私は考えていました。

同じ戦型でもそれほど定跡が整備されていないからか、二人の作戦の方向性の違いが面白かったです。菅井さんは陣形が堅いものの、金がさばきにくく、しかも早々に角を手放している(先手の谷川先生もですが)のがどうなのか?と思われ、糸谷さんは角を手持ちにして金の位置も悪くないものの、玉が薄い。二人が何を重視するのか、どういう棋風なのか?がよく出た中盤戦でした。

糸谷阪田流向かい飛車は、中盤から徐々に優位を拡大し夕食休憩時点ではほぼ勝勢に。なぜこの戦法で一流棋士同士で、こんなにも圧勝できるのだろうか?と本当に不思議になるぐらいの圧勝でした。

対する菅井竜也王位は、B1で苦戦しています。タイトル奪取後、中村太地王座とともにちょっと苦戦している感じもあります。こちらは明暗が分かれたかんじで、菅井竜也王位が重い金の運用を図った瞬間の谷川浩司先生の反撃が美しかったですね。如何にも谷川流の、歩の突き捨てからの手順が参考になりました。こちらは逆に居飛車の圧勝。


▲阿久津 主税八段(5勝1敗)-△山崎 隆之八段(3勝2敗)
▲斎藤 慎太郎七段(2勝3敗)vs△郷田 真隆九段(2勝3敗)
▲丸山 忠久九段(2勝4敗)vs△橋本 崇載八段(2勝3敗)

こちらの三局は角換わり腰掛銀の派生形に。阿久津vs山崎の戦型が最も普通の形に近く、斎藤慎太郎とハッシーは先後の違いはあるものの、桂馬を単騎で跳ねる作戦のアレンジ。

最初は一番まともだった山崎隆之さんは如何にも…な展開でこの将棋が一番中盤が長かったでしょうか。堅める思想の先手阿久津さんと謎の指し回しで右玉から先攻、堅かったはずの先手に広さで余して勝ちました。やはりこれが今の将棋のトレンドですね、堅さが正義という時代は終わりました(と言い切っていいのかな?)

桂馬単騎で跳ねる作戦をとったハッシーと斎藤慎太郎は、それぞれの持ち味が出ててどちらも面白かったですね。斎藤慎太郎は攻め倒し、ハッシーは手厚い受け将棋の妙味を見せてくれました。

その結果、以下のようになりました。

[B級1組成績一覧] ( )内は順位
【6勝0敗】糸谷(6)
【5勝2敗】阿久津(1)、谷川(7)
【4勝2敗】山崎(2)
【3勝3敗】橋本(3)、斎藤(10)
【2勝4敗】木村(4)、郷田(8)
【2勝5敗】丸山(9)、菅井(11)
【1勝5敗】松尾(5)


糸谷さんがだいぶ有利になりましたが、総当りなのでまだ気が抜けません。ぜひ緩めずA級に上がってほしいですね!

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今日の見所 11/30(木)

11月30日(木曜日)の注目対局は以下の通りです。

順位戦B級1組 郷田真隆vs斎藤慎太郎
郷田真隆 8勝14敗 先勝率0.333 後勝率0.429。
斎藤慎太郎 27勝12敗 先勝率0.727 後勝率0.647。
過去の対局は3勝1敗で斎藤。実力者郷田が巻き返すか。

順位戦B級1組 松尾歩vs糸谷哲郎
松尾歩 10勝12敗 先勝率0.364 後勝率0.545。
糸谷哲郎 14勝11敗 先勝率0.462 後勝率0.667。
全勝で首位を走る糸谷と実力者の対局。前局の棋聖戦決勝トーナメントでは糸谷の勝利。今回も糸谷有利か。

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王将戦挑戦者は?藤井聡太連勝続くか? 今日の見所(17/11/20火曜)

今日は久しぶりに藤井聡太さんの対局がありますね!平藤さんとは何局目だろう?

王座戦 一次予選 平藤真吾 藤井聡太

平藤さんの軽快な将棋に藤井聡太さんが翻弄されないことを祈りましょう…。

王将戦 挑決リーグはこれが最終戦でしょうか?

王将戦 挑決リーグ 渡辺明 佐藤天彦
王将戦 挑決リーグ 郷田真隆 斎藤慎太郎
王将戦 挑決リーグ 深浦康市 豊島将之

豊島さんは勝てば挑戦決定。豊島さんが負けて斎藤慎太郎が勝つと3人で決定戦やるのかな?斎藤慎太郎さんが負けると深浦さんと二人で決定戦??その辺は棋譜解説コメントで出てくるでしょう…。

ちょっと豊島さんの調子が落ちているような気がするので、そして深浦さんの前回のA級での対戦ではかなり押していたので、あの将棋を前提としたやり取りになる気がします。誰が挑戦者になっても奪取確率が50%以上はあると思うので本当にワクワクします。ここは斎藤慎太郎さんがまさかの逆転挑戦からの奪取で、豊島将之さんが悲運の実力者の称号を森内俊之永世名人から譲り受ける展開まであるのではないでしょうかw


朝日杯はこのカード。
朝日杯将棋オープン戦 一次予選 飯島栄治 三枚堂達也
朝日杯将棋オープン戦 一次予選 渡辺大夢 佐々木大地

三枚堂さんは去年一次予選抜けしてます。早指し戦での成績がよく、去年の覇者が八代さんということで若手は気合が入っていると思います。どちらも、かなりの激戦が期待されます。

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Tag : 藤井聡太 斎藤慎太郎 豊島将之

経験値の蓄積されていない作戦 ▲斎藤慎太郎七段vs△渡辺明竜王

今期の王将リーグは顔ぶれのせいなのかとても面白いです。いつにもまして面白い。

最近の将棋界の乱世ぶりを象徴するような途中経過であり、本局も初対局を斎藤慎太郎が制しました。斎藤慎太郎さんが先手だと大体矢倉かな?と当日の朝の記事では予想しましたがその通りに。対する渡辺明竜王は例の雁木模様やら急戦調かな?とも思いましたが、普通の矢倉っぽい出だしになりました。先手が早めに飛車先を決めてるのがちょっと通常の矢倉とは違いますが、駒組み自体は双方矢倉っぽいかんじ。

先手の46歩47銀という形、後手も同じ形ですが昔の矢倉戦、本当に昭和中期ぐらい将棋のような印象を受けました。

34手目、後手が52の金ではなく32の金を43にあがったのにはびっくりしましたが、前例があるそうです(豊島さん)。後手は将来の角交換に備えたバランス重視の構え、ということのようです。

先手が先攻し、後手が△22歩と謝った54手目の局面、相当な屈服にも見えましたが、飛車角の両方が利いている地点よりも一段低く受けつつ、手順にのって繰り出している守りの金銀のスクラムが先手の攻めごまを圧迫していて後手の序盤の構想が生きている印象を受けました。

とはいえ、先手も矢倉に玉を入城させることが出来たので強い戦いが出来ます。抑え込まれるとまずい先手が銀桂交換で先攻しましたが、駒の価値や63手目の▲同桂と取った手がどこにも当たっておらず後手に手番が移ったのでもしかするとここでは後手が指しやすくなっているのかもしれません。

後手が反撃して74手目、86に歩を垂らした局面では控室曰く後手良しとのことですが、言うほどの形勢の差はないというか、後手玉が薄すぎるので形勢が振れやすい将棋だった気もします。

とはいえ、馬を作りながらボロっと飛車を取れた82手目、△28角成では後手が良さそうに見えます。素人目には飛車を取らせるのは怖すぎるので81手目で銀ではなく角を取りそうなものですがプロ的にはこう進むところなのでしょうか。まさに王より飛車を可愛がり、の精神ですかねw

89手目、先手が▲79桂と受けたところでチャンスがあったようです。本譜も普通に見えましたが、受けたところを更に攻め立てる手順が良かったとのこと。確かに本譜はここから徐々にもつれた印象があります。

最も危なかった手、敗着ではないにしろ形勢の振れ幅をより大きくしたかもしれない手は96手目の△84飛だった気がします。▲65桂を打たせるのは流石に危険すぎたというか。

ただ、推奨手である△55金もその後に示される手順をみると相当おっかない感じではあります。先日の堅める時代かどうか?という渡辺竜王発言にもありましたが、こういう後手の作戦は指し慣れているかどうか?が大きいように思いました。これが例えば後手をもっているのが糸谷哲郎であればこの前の豊島戦のように生き生きと指していた気がしますねw

終局直後は竜王がやはり不調なのか?とも思いましたが、感想戦コメントをみつつ改めて見てみるとやはり玉が薄いと逆転されやすく、「堅さは正義」的な現実味が出ていた将棋のように思いました。

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Tag : 渡辺明 斎藤慎太郎

今日の対局の見どころ(藤森哲也vs加藤桃子、渡辺明vs斎藤慎太郎)

11月14日(火)の対局から2つピックアップ。

朝日杯将棋オープン戦一次予選 藤森哲也vs加藤桃子

カトモモ先生はキレイな将棋を指す印象があります。この前の里見さんとの王座戦、穴熊にしてからの指し回しは見事でしたね。最近の対女流でみても里見さん・香川さん・甲斐さんにそれぞれ2連勝しています。というか、ほぼ対女流では負け無しなかんじです。そもそも里見・香川・甲斐が対女流でそういうかんじなのにその3人に連勝しているあたりに好調さを感じます。

対男性棋士でいうと直近は2連敗ですが、この朝日杯では藤倉・中川を破っての対藤森戦です。藤森さんは抜群の勝負根性で相手なりに好勝負に持ち込むタイプ。たとえば佐々木勇気さんと3-3の指し分けです。反面格下への取りこぼしもあるんじゃないか?と失礼ながらにカトモモ先生応援したいところ。

戦型ですが、藤森さんといえば急戦矢倉という印象がありますが最近どうなんでしょうか?加藤桃子さんも居飛車正統派、というイメージです。どちらか先手になったほうが矢倉系を志向するのか、或いは最近流行りの雁木系が登場するのか。

勝ったほうが一次予選抜けをかけて泉八段と対戦予定です。激アツですね。


王将戦 挑決リーグ 渡辺明vs斎藤慎太郎

両者2-2で迎えたこの対局。王将リーグは3/7名陥落するので勝つのと負けるのでは大違い。斎藤は最後に後手番で郷田戦、渡辺竜王は先手番で佐藤天名人との対局を残しています。

この二人は初手合でしょうか?好調の斎藤慎太郎とやや不調だった所から脱しつつある渡辺竜王。斎藤慎太郎さんは矢倉党なので先手矢倉を志向した駒組みになるかもしれません。対する渡辺竜王は最近「攻めるか、玉を固めるか、という選択肢がある局面で自分の好みは圧倒的に後者なんですが、先日の順位戦も長考した局面でその辺りを葛藤した上で時代に取り残されないためにチャレンジした意味はありました。隙あれば穴熊、はもう古いんだな。」と言っていたので、後手番で右四間飛車などの急戦調を採用する可能性は高いかな?と思っています。

タイトルホルダー乱立の戦国時代に突入していますが斎藤慎太郎さんがこの乱世に名を挙げられるかどうか?を占う意味で重要な対戦になります。

すごく失礼な書き方をすると、安定的に勝ちつつも超一流には刺さってない…というのがここまでの印象です。(糸谷さんの逆、みたいなかんじ)。

矢倉党が先手番で矢倉を志向すると、新型の急戦への対応策と従来定跡で出てきた有力な後手の対応策の両方が必要になるので苦労が多い印象がありますがどうなるか?

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Tag : 渡辺明 斎藤慎太郎 加藤桃子 藤森哲也