第70期B級2組5回戦


島朗が敗れて全勝者が広瀬章人だけになった10月7日の対局について。


田村康介vs広瀬章人

先手の石田流に後手が1筋の位取りからの居飛車穴熊。左側での等価交換では勝機がないと観た先手が端から攻めるがややありがたい展開で後手の広瀬章人が全勝を守った。将棋としてはやや雑な印象をもつ内容だった。


飯島栄治vs島朗
天才島朗が震災地の復興祈願を背負って、二走目でやや奮わない飯島栄治を迎え撃つ。一手損の最近主流の序盤から後手の右四間に。40手目ぐらいまでの展開は後手としては良い部類に入るだろう。

焦らない先手の指し回しで、後手は最近よく見かけるようになった、チェスでいうところの引き分け狙い的な上手風味の展開に。要は普通に開戦のチャンスがないため、先手に攻めてもらってのキャンセル待ちに近い。

こういうじっくりした展開は飯島の得意とするところで中盤からは完勝ではないか。


戸辺誠vs先崎学
千日手後、先手の石田流に後手の左美濃。この左美濃が強敵と見ていたが、この日の戸辺誠による戸辺攻めは素晴らしかった。後手の先崎プロがらしいといえばらしい、危険な受けを選択したために、投了図は先手の圧勝。

こういうのがあるので現実主義な私は二手目に△8四歩とするのだった(苦笑)。


阿部隆vs畠山成幸
ここ数年、感想戦が温厚になったという噂の阿部隆プロだが成績不調とリンクしているようでもあり、少し心配だ。

中座飛車の最新型で、後手中住まい+中原囲い、先手中原囲いの相中原囲い。

阿部に新手が出たが結果的には一手パスのような感じで後手の攻めが炸裂した。

燃料の歩を全部使い尽くしたところでピッタリ飛車桂の両取りが掛かった後は後手がよさそうだ。



森下卓vs神谷広志
千日手で先後入れ替わっての対局。

ゴキゲン中飛車から44と46で銀が見合いになってからの相穴熊に。正直この形というか相穴熊に興味がないのだが、大駒が全部先手にいき、その代わりに小駒が後手に溜まった局面の形勢判断が難しく、面白かった。

穴熊の堅さと脆さの両方を実感させられる展開で、私は好まないものの、将棋の奥深さの一端を担っている戦型であることは理解した。

+++++++++++++++++++++++++++

B2の面々の年齢をみると、少し、驚く。なかでも驚いたのが泉正樹プロがもう50歳になっていたことだ。20代は戸辺誠広瀬章人だけということにも驚く。この二人はやがて上にあがるはずだから、20代の数は一向に増える感じではない。



広瀬流四間飛車穴熊勝局集広瀬流四間飛車穴熊勝局集
(2011/04/13)
広瀬 章人

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将棋世界には、失冠後、自室に戻って泣いたと書いてました。ただしタイトル獲得の歓びを知ってしまったので、より良い意味で貪欲に精進していくのでしょうね。

関連するタグ 広瀬章人 島朗 戸辺誠 畠山成幸 森下卓 阿部隆

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全勝は二人 B級2組4回戦

結果は以下の通り。

中川大輔八段(2勝2敗)●-○飯塚祐紀七段(2勝2敗)…21時10分
相掛かり系力戦の雄といえば、西の山崎隆之か東の中川大輔か、というところ。後手の飯塚プロといえば、棒銀大好きな鋭い攻め将棋。

この相掛かりは私が大好きな形なのだが、最近復活モードでよく登場する。先手の攻めのバリエーションが大体出尽くしたので、後手としても受け甲斐のある戦型で、先手としても主導権を握って戦えるので攻めは細いが気分は良い。特に長い時間があれば読みきれるだろう、というところか。

54手目の△3三銀打ちが驚きの一手。こう指すようだと辛いものだと思ったが…。

一本道の展開となり、先手の攻めが刺さってそうだったが、63手目の銀打ちぐらいからちょっと違和感があるかもしれない。してみると、3三に銀を打った手が良かったのかもしれない、という展開になり、そのまま後手が勝った。


南芳一九段(2勝2敗)●-○窪田義行六段(2勝2敗)…21時26分
後手の藤井システム。今時これを使っているのは窪田義行だけだろう。というかこれで勝っているのは。本局の工夫がどこにあったのか?と観てみると、単に相居飛車だった。一手損からの山崎隆之がやるような思想で、相居飛車だとすると先手の玉形は悪いし、ちょっと先手の駒が固まりすぎて戦力不足。

藤井システムに決め打ちしすぎたというか、右四間の強さを再認識した。


田村康介六段(2勝2敗)○-●飯島栄治七段(1勝3敗)…21時29分
今期は振り飛車で通すという田村康介と、戸辺誠と同様に昇級候補に挙げられていたが苦戦中の飯島栄治の対戦。飯島は調子がわるいのだろうか、今期は取りこぼしが目立つきがする。

この将棋は相振り飛車となり、相金無双。金無双という囲いのいけていないところが全面に出た将棋だった。序盤の後手の先攻もそうだし、後手陣が6三歩一発で崩壊するとか壁銀のせいだし、本当に恐ろしい囲いだと思う。



神谷広志七段(1勝3敗)●-○泉正樹七段(3勝1敗)…22時29分
神谷プロの中飛車に謎の作戦。ちょっと対振り飛車右玉的な。しかしあっさり咎められたような気がする。。というところから、凄い展開が待っていた。恐らく研究なのだろう。
これは対振り飛車右玉の次のレパートリーとして持っておきたいところなので個人的には研究したいw

早指し将棋ではドハマリしてくれるのではないか。再現性に乏しい気もするが…。

両者の持ち味がでまくった将棋で、野獣流の豪快さ、引っ張り込む受けの神谷、相乗効果でド派手な展開。72手目の銀のほおりこみが凄いのだが、本譜の順をとりたい人情(王手飛車はやばそうなので)。しかしあっというまに先手玉がよってしまった。

逃げて王手飛車も持たなそうなところをみると、やはり序盤の作戦が炸裂していたのだろう。この将棋は必見。面白いです。


広瀬章人王位(4勝0敗)○-●野月浩貴七段(2勝2敗)…22時56分
広瀬穴熊と鋭い攻めの野月プロの戦い。誘いの一手から咎めようとした桂馬が逆に大活躍する展開となり、あまり居飛車に良い所がなかった。最後ははっきり穴熊の遠さが生きた。


北浜健介七段(3勝1敗)○-●青野照市九段(1勝3敗)…23時4分
攻めっけの強さでは当代一二を争う北浜健介が、作戦巧者、序盤の大家に作戦勝ちした一局。これは序盤のじっくりとしたやりとりにおいて先手がかなり得をしたようにみえる。
私も一手損を指すが、この飛車を振った後に玉を左に囲う将棋はあまり好きではない。



安用寺孝功六段(1勝3敗)●-○桐山清澄九段(2勝2敗)…23時29分☆
序盤早々の開戦から、後手が上手く振舞って5筋位取りに。こういう将棋の経験値の違いで常に居飛車が圧倒していたように思う。

居飛車で抑えこみをはかる将棋を高めたい人は並べるべき一局。私は並べます。



島朗九段(4勝0敗)○-●豊川孝弘七段(2勝2敗)…0時5分
今期昇級まちがいなし、と思われる島朗プロの完勝譜。センスの高さが全面に出ているのでこれも並べたい。正座して真剣に島朗汁を棋譜から抽出することが出来れば、私のイモ筋も少しはまともになるんじゃないかと思う。

この将棋は序盤がまず見どころ。急戦するぞするぞと見せて後手がそれに備えたのをみて、同型的な手順で先手の利得を主張する。先手だけ玉を囲い先制し、後手の手に乗ってB面攻撃。

「プロの将棋はどこまで行っても一手勝ち」とよく言うことだが、その一手の利得を最大限に活かした将棋で、必ず先手の攻めが一歩先んじていた。最後までよどみなく寄せて完勝。今期の島朗は相当走るとみた。他棋戦でも挑戦トーナメントの上位に顔を出しそうな気がするので、あとで各棋戦のトーナメント表をみてみる。



森下卓九段(3勝1敗)○-●阿部隆八段(1勝3敗)…0時24分☆
居飛車の大家同士の対戦。中座飛車から殴り合いになり、相当荒い将棋だなあとみていた(先手が負けるとみていた)ら、先手が勝ちだった…。


畠山成幸七段(3勝1敗)●-○杉本昌隆七段(2勝2敗)…0時31分☆
全勝がかかっていただけに、途中まで有利だったようにみえただけに残念だが、最後はかなり一方的に振り飛車の勝利だった。


先崎学八段(2勝2敗)○-●田中寅彦九段(0勝4敗)…1時1分
この将棋も相当面白い。両者の味が存分に発揮されている。序盤のエジソンらしい序盤、急ぎすぎる攻め、そこからようやく目を覚ます先崎プロ。怪しい▲2八歩。先崎プロのああいう歩は本当に百戦錬磨の手だと思う。


戸辺誠六段(1勝3敗)○-●堀口一史座七段(2勝2敗)…1時24分
戦前は昇級候補にも挙げられていたはずの戸辺誠の不振が意外だが、順位戦に限らず今期は勝ち星が少ない。ただし、当たっている面子と負けている面子をみれば仕方ない気もする。先手番が指し分け程度、後手番で3-7ぐらい、という成績だった。

ぱっと見た感じでは3七銀戦法のせいではないかと思う。

二度千日手となり再度得た先手番では、早石田。相当に乱戦になる戦型を選びノータイム指し。流石にこのタイミングでこれをノータイム指しされると、研究の行き届いていない居飛車党側としては辛い。四〇手台の圧勝だった。

この将棋で吹っ切れて、持ち前のメカニカルな指し回しをまた見せてくれるのではないか?というきがした。(こういう派手な将棋ではなく、従来の指し方で)。

とはいえ、こういうのもまた観てみたいものだ。



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(2011/06/24)
戸辺 誠

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ダンディズム・島美学 第五回大和証券杯最強戦 ▲戸辺誠-△島朗


5月22日に行われた対戦。選出方法が大幅に変わって、登場メンバーががらっと変わった今回、ある意味一番目についたのはこの、島朗だった。観戦前にそれを呟き、選出方法について聞いて納得。

各段位から成績優秀者を選出し、高段位になるほど選出率が高いという方法であり、あわや順位戦昇級まであった島朗九段が選出されるのは当然だった。

島朗といえば55年組、というよりもバブル世代、という印象が強い…というと失礼かもしれないが、その時代を一番エンジョイしていた棋士、着こなしていた棋士という印象がある。

米長邦雄が対局に負けて窓から放尿しようとしたり、ホテルの大浴場まで裸で疾走している時、都内の高級ホテルのプールで、対局の記憶を徐々にリセットしている…そういう印象だ。

そんな都会派を代表するような島朗も今は地方在住棋士として普及に勤めつつ優雅な、ある種のセミリタイヤライフ、競技プロとしてのセカンドライフを送っており、このあたりもまた島朗らしい美学に彩られているなあと感心する。

島美学といえばもう一つあるのが、その投げっぷりの潔さ。窪田義行が悪形勢の利子で駒を失いながらも必死に自陣に金銀を打ち付けたり竜や馬を引きつけたりしている頃には島朗は自宅で就寝準備している…ぐらいの違いがある。

自身との戦い、というような負けを見切ったときの投げっぷりの良さは早投げのことを業界では「島投げ」といわれるぐらいだ。(嘘です、スミマセン)。

本局は、先手の5筋位取り型の中飛車に後手の亜急戦というか押さえ込み。一目アマだと先手の勝率が高そうな戦型。後手居飛車は先手の取り込みを逆用して盛り上がるが、玉が固くならないのと角が使えないのがポイントで、35手目における先手勝率が7割ぐらいあっても驚かない。

5筋逆襲策で後手から開戦したというか、先手の7筋への催促に乗った形だったが、一手、せめて3三角ぐらいになっているとまだ戦えるような気もするが、捌きあった後は、振り飛車ペースで進んだ。

50手目に△1四歩という手が出て、これで後手が勝つのであれば悠然としすぎているというか、優雅すぎると思った。戦いが始まってから、自ら開戦してのここら辺の二手はやはり勿体無かったようだ。

59手目の▲5二歩が勝利打点の味。並の島朗であれば既に東京駅で仙台行きの新幹線を待っててもおかしくない形勢だが、ネット棋戦の良いところ、島朗プロは既に自宅からの対局ということもあり、投げずに最後まで指してくれた。(注意:早く帰りたくて早投げしているわけではありません…)。

投了局面は取った手が竜当たりの先手でやむを得ない。

********************

この対局の解説が高橋道雄プロで、島朗の美学を知り尽くしており、同じ時代を戦った戦友同士にだけ通じ合う何か、を勝手に感じた次第。苦み走った中年男のダンディズムを感じた一局。というか勝ったのに殆ど戸辺誠プロについて触れずにスミマセン…。



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(2011/06/24)
戸辺 誠

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携帯中継2月21日?25日の感想(その2)

昨日は「携帯中継の最近の状況」についての感想になってしまったので、今日は実際の対局の感想。棋譜を取り上げないし、再見しないので誤りがあるかもしれないが、印象としての感想ということでご容赦ください。

2011/2/21

第52期王位戦挑決リーグ 吉田正和-佐藤康光
確か相矢倉だったと思う。三筋七筋でお互いに角で歩を換えに行く展開。先手が得た歩で先攻したが、やや細い攻めで途中からは完全に切れてしまった。やや暴発っぽい淡白な将棋だった。


第82期棋聖戦決勝トーナメント 深浦康市-飯島栄治
この将棋も藤井流の矢倉の早囲い版のような展開。終盤、合い駒請求に応じなかった後手が詰まされてしまったが、先手の挟撃が上手かったと思う。あの王手飛車手前ぐらいからは先手が良かったのかもしれない。


2011/2/22
この日の将棋だけで払った価値があると思った。未見の方は是非御覧ください。

第52期王位戦挑決リーグ白組 村山慈明-三浦弘行
同型から新構想が見られた。後手は秘奥義を繰り出してようやく価値、ということに変りはないが、そろそろ△8四歩にもどりつつあるようだ。


第52期王位戦挑決リーグ紅組 遠山雄亮-豊島将之
相穴熊。これも良い将棋だった。遠山雄亮編集長プロ、通称「編プロ」が序盤で勝勢を築いた。そこから逆転模様になるが、勝ち切り、穴熊で屠った一流棋士リストに豊島将之プロの名前を刻んだ。


第82期棋聖戦決勝トーナメント 戸辺誠-渡辺明
こちらは、鈴木大介流の角道オープン中飛車美濃からの居飛穴退治。棋理的には振り飛車が良いはずだが、勝負としては穴熊が強い、というような将棋。これで振り飛車が勝てれば手合い違いだろうが、それを是非目指して欲しいとも思う。


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恐ろしく簡単な感想だが、そして繰り返しになるが2月22日の将棋はどれも面白かったので是非ご覧頂きたい。


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時代の変化 第69期B級2組順位戦

下位の一敗、或いは上位の2敗で決まりそうなB2クラス。1月14日の対局は直接対決が幾つか組まれており、それによって若干先頭集団がバラける事となった。

▲島朗九段-△橋本崇載七段

先手の3手目6六歩に対して振り飛車に構えるハッシープロ。昨年の横山大樹vs船江四段戦と同じオープニングだ。これであれば後手でも石田流に組めるし、相振り飛車になっても角道を開けている後手が先攻出来る可能性が高い。

この将棋は割と不思議な印象で、居飛車としてやりにくいのではないか?と思われた際に行われた飛車交換はどうだったのだろうか。

その後の応酬では流石に飛車交換の成算がありそうな局面もみえたのだが、進んでみると振り飛車側が必勝になっていた。理由としては、やはり飛車交換にあったように思う。

ハッシー一敗をキープ。島プロは二敗勢に後退した。


▲桐山清澄九段-△北浜健介七段

先手桐山清澄プロの相掛かり2六飛型に。どちらも相掛かりを得意としている棋士だ。

いわゆる尻出棒銀に。これは昔屋敷プロの得意戦法だったように記憶しているが、近い将来一手損中座飛車のようにリバイバルで流行るかもしれない。

私が相掛かりをやるときに、角道をなかなか開けない形もよくやるのだが、先手の形はそれに似ていたので真剣に眺めたのだが、その悪さを後手が指摘した格好。徐々に形勢の差が開き、と金を作ったところでは後手が良いだろう。

先手が最後の突撃を試みるも、後手北浜健介プロの詰将棋の創作・解答能力の名手であるところを示す寄せが出て後手の勝ちとなった。北浜健介プロはこれで二敗をキープ。


▲阿久津主税七段-△戸辺誠六段

年上で天才の称号を天才の集団であるところの将棋界においてもほしいままにしていた(過去形!)阿久津主税プロが、若手の出世頭、広瀬章人プロが王位を奪取するまでは渡辺明竜王に次ぐ出世頭だった戸辺誠プロを迎え撃つ。

ここで勝てば自力の阿久津主税プロは、ゴキゲン外しの三手目▲6八玉。もし、ここで居飛車の秘策があれば最強なのだが、そしてそれがあるのでこの手はアマのオープン戦ではほぼ使えないのだが。

この形にはほぼ戸辺誠プロは角道オープン型の四間飛車、途中下車型の石田流モドキを使っている。(というか振り飛車にする場合の選択肢はそれぐらいしかない)。

私の個人的趣味として、3三銀型の向かい飛車を持つのは相当に好きではない。この3三銀の罪は重く、4四銀、3三桂、2一飛車の形に出来たとしても、3二に居るであろう金の分、かなり良くならないと勝てない印象。

後手はもう先手の攻めに対する反撃しかなく、ある意味先手のミス待ちという感じになるが、91手目の3二歩をもって先手が良くなったと思う。どう応じても駒得が確定した瞬間であり、こういう駒の利きを弱める焦点の歩というのは、投入する資本が歩であるが故にリターンが確実に約束されている。

戸辺誠プロとしては、比較的珍しいように思われるが粘りようもなく、そのまま押し切られて負けとなった。これで阿久津主税プロとともに6?2になった。


▲森下卓九段-△中川大輔八段

未だ順位戦で勝ち星のない森下卓プロ。正直誰も、本人を含めこんなことになるとは思っていなかっただろう。幾つかのアッサリした負け方を前期以前は見たように記憶しているが今期においては、どれも接戦の末に敗れており、あの森下卓先生がB2でこのようなことになるとは、佐藤康光プロのA級降級よりもある意味衝撃的である。

特に今期は島朗プロと共に昇級候補に挙げていたぐらいなのだ。

この将棋もまた、接戦の末に中川大輔プロが勝ち、一敗をキープするのだが、矢倉の大家の森下先生が、失礼ながらにたかが右玉如きに本割の順位戦で敗れるとは信じられない。もちろん将棋は熱戦で、特に右玉党としては勉強になる戦いだったのだが、それでもしかし…。

++++++++++++++++++++++++

この結果、B2は以下のようになった。森下プロは勝ち星なく8連敗で降級点が確定した。森下先生が失礼ながらその他のB2の降級点持ちの方々よりも早くB2どころか、C1に落ちるという自体が起こるとは思えないのだが、次期最下位スタートということを考えると十分にありえる。本道の矢倉戦法に特化しすぎたイノベーションのジレンマ、j時代の変化に対応出来なかった、というようなことが森下先生に訪れているのだろうか?


【7勝1敗】中川(8)、橋本(15)
【6勝2敗】阿久津(3)、北浜(6)、島(10)、戸辺(21)
【5勝3敗】畠山成(17*)、飯島(22)
【4勝4敗】阿部隆(1)、野月(5)、飯塚(9)、南(14)、泉(16)、神谷(18)、窪田(19)
【3勝5敗】堀口一(2)、先崎(4)、青野(11)、安用寺(12)、土佐(24*)
【2勝6敗】桐山(20*)、佐藤秀(23*)
【1勝7敗】田中寅(13)
【0勝8敗】森下(7)



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Author:将棋観戦
「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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