糸谷哲郎、全勝キープ!!! 第72期C級1組順位戦第八回戦

現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~

いやー良かったです。糸谷哲郎が全勝キープしました。角換わりからやや力戦調になり、夕食休憩前の馬に角をぶつけた辺りでは先手のほうがペースを握っているなあという気がしましたが、途中から怪しくなってます…。特に先手なのになぜだかいつものダニー調の玉捌きが出てきた時は、見ていて私も「お、おう…ダニーぽいな…よね?っていうか大丈夫?」という気分になりましたw

あんなにギリギリで凌ぐ展開になるはずがない将棋だったと思うのですが後手の反撃が超厳しくて流石の小林裕士プロ、ッて感じでしたね。本当に力強い。本来であれば、小林裕士は関西居飛車党代表格として、今の関西若手陣が台頭する前に東の同年代の居飛車党棋士たちを蹴散らしていてもオカシクない才能なわけですから。

取組表みたときからここは大勝負になるな…と思っていましたが、途中後手の勝ちまであったような、そんなギリギリの先手玉でした。このへんは先日の棋王戦の挑戦者決定戦における永瀬vs三浦戦と比べるとよくわかりますが、やはりダニーの玉捌きは鍛えが入ってますね。この泳いでからの生命力の強さは若手時代の丸山さん、今の渡辺明、佐藤康光、あたりとあわせて代表格ですよね。

ほかも昇級候補は勝った模様で、次の高崎一生戦がまたもや大勝負ですよね。

高崎一生といえば、小学生名人戦から覚えている天才棋士であり、振り飛車党らしい振り飛車。玉頭戦の強さに特徴があり、その長所を活かした居飛穴退治が同日あったC1対局での金井戦で見られました。

振り飛車党で対居飛穴を苦にしないというのは本当に素晴らしいことで、糸谷哲郎戦でも居飛穴対振り飛車という戦いが予想されます。

降級点争いはベテラン勢がやはり目立ちますね。加藤一二三九段は食事内容や体格、その後の痩せ方をみると血糖値方面で医者からの指導が入ったのではないかなと思いますがどうなのでしょうね。。一緒に糖質制限しましょう!><


将棋世界Special.vol4「加藤一二三」 ~ようこそ! ひふみんワールドへ~ (マイナビムック)


以下、事実情報のみ転記。

本日の結果は以下の通りです。(名前左=先手、☆=大阪)

[C級1組]
斎藤 慎太郎五段(5勝3敗)○-●阪口 悟五段(4勝4敗)…15時38分☆
片上 大輔六段(5勝3敗)○-●土佐 浩司七段(2勝6敗)…17時59分
佐々木 慎六段(7勝1敗)○-●脇 謙二八段(4勝4敗)…19時49分☆
平藤 眞吾七段(2勝6敗)○-●小林 健二九段(3勝5敗)…19時57分☆
宮田 敦史六段(4勝4敗)○-●大平 武洋五段(3勝5敗)…21時40分
富岡 英作八段(3勝5敗)●-○高野 秀行六段(4勝4敗)…21時53分
神谷 広志七段(2勝6敗)●-○桐山 清澄九段(2勝6敗)…22時15分☆
千葉 幸生六段(4勝4敗)●-○福崎 文吾九段(5勝3敗)…22時46分
真田 圭一七段(5勝3敗)○-●日浦 市郎八段(4勝4敗)…22時57分
近藤 正和六段(4勝4敗)○-●菅井 竜也五段(6勝2敗)…23時2分
塚田 泰明九段(1勝7敗)●-○長沼 洋七段(5勝3敗)…23時28分☆
糸谷 哲郎六段(8勝0敗)○-●小林 裕士七段(3勝5敗)…23時56分☆
北島 忠雄六段(5勝3敗)○-●加藤 一二三九段(1勝7敗)…0時4分
浦野 真彦八段(3勝5敗)○-●佐藤 秀司七段(3勝5敗)…0時22分
阿部 健治郎五段(3勝5敗)●-○船江 恒平五段(6勝2敗)…0時56分☆
中村 太地六段(7勝1敗)○-●田中 寅彦九段(2勝6敗)…1時1分
金井 恒太五段(4勝4敗)●-○高崎 一生六段(7勝1敗)…1時2分

[C級1組成績一覧] ( )内は順位、*は降級点

【8勝0敗】糸谷(9)
【7勝1敗】佐々慎(4)、中村太(10)、高崎(20)
【6勝2敗】船江(18)、菅井(28)
【5勝3敗】真田(2)、片上(6)、福崎(22*)、長沼(26)、斎藤(30)、北島(31*)
【4勝4敗】千葉(3)、宮田(5)、金井(8)、日浦(13)、高野(14)、近藤(17)、阪口(29)、脇(34*)
【3勝5敗】阿部健(7)、小林裕(12)、富岡(15)、佐藤秀(21)、小林健(23*)、大平(24)、浦野(25)
【2勝6敗】神谷(1)、平藤(16)、田中寅(19)、土佐(27*)、桐山(32*)
【1勝7敗】塚田(11)、加藤(33*)

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好きなら道なら楽しく歩け 第60回NHK杯一回戦第十六局 里見香奈vs小林裕士




第60回NHK杯一回戦第十六局 里見香奈vs小林裕士

先手の里見女流は言わずと知れた有名人。今期は殆どの対局が対男性棋士とあって、もはや普通の女流プロとは言いがたい。対する小林裕士プロは、早見え早指しの才気あふれる将棋。力将棋を得意としており、後手番での一手損角換わりの指し回しが絶品。

とっておきの右玉 (マイコミ将棋BOOKS)において、著者が奨励会で勝ちまくっているということで同期入会の小林裕士の名前を挙げている。

風貌は金剛力士像のような風貌で、見た感じ酒とギャンブルが好きそうな雰囲気があるが、実際のところはしらない。また、もう一絞りしたほうが良さそうな雰囲気もあるが私も人の事はいえないのでやめておく。

順位戦でもあまり時間を使わず、力将棋なのだが、そういう展開にもっていく序盤の細かさもある。私のお気に入り棋士の一人でもある。里見香奈女流も攻め将棋だが、攻め将棋同士のぶつかり合いで、どうなるか。

先手番の里見女流が石田流に構える。序盤の駒組みは両者普通だろうか。後手の小林プロが様子を見ているようでもある。慎重に、というわけではないが無理せずにひとまず囲い合いましょう、ということ。この人の将棋は大体こんな感じで、序盤からセコセコしく慌しく攻める将棋ではない。

本局の参考になるのは「第68期C1組第7回戦戸辺誠vs小林裕士」であり、出だしが一緒だ。NHK杯放映中に戸辺誠プロが「NHK杯、里見ー小林。興味津々の展開。」というのも無理はない。

通常、この形は先手が手詰まりになる可能性があり、関西では恐らく研究テーマになっている戦型。当然、里見も上記の戦いやその前の久保-阿部戦など頭に入っている。普通に3七に銀を持ってくるような指し方もあったと思うが、この持ち時間の短い将棋で研究手をぶつけてきたということだろう。

ただ一目、形としてイモ臭い。これで良いとするには、相当掘り下げていなければできない手だと思う。後手は普通に応じて△4三角の一発でしびれた。この角は角交換型の石田流では常套手段であり、「手詰まりにさせる」「飛車をいじめる」という対石田流の基本中の基本。最近のB2の順位戦でも現れているが、昔からある手だ。

いきなり悪くなった先手だが止まれば終わり、ということでこれしかないという筋で進めて交換した銀で飛車角両取りを掛けられた。▲7五歩に普通に逃げられたところではかなり辛い。▲8五銀という手も泣きたくなるような手だ。ようは角を打った時点で専門的には終わっているということなのだろう。

殆ど敗着という手は61手目の▲4六銀。△4五歩とされて戻るようでは純粋な一手パスとなって勝負は決した。悪くても▲5八歩だったろうが、それでも先手が良いわけではない。

後手が△5七飛車成と龍を作った局面。
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仮にここで▲5八歩と受けても、△5五龍ぐらいで後手の優勢は維持される。…と思ったが、そこから▲4六銀、△3五龍、▲3七歩で収まっている…ように見えて、やはり後の△4五歩とのコンビネーションがあるので先手に攻めの手番が回ってくることは無さそうだ。

先手としては▲7六銀から飛車先を通して飛車を成り込みたいのだが、間に合わない(し、そもそも左翼の金銀桂馬が辛すぎる)。

昨日の女流将棋のアマプロを見ていても思ったが、序盤戦術において折角限定しているにも関わらず、その研究範囲が狭いか行き届いていないというのは、終盤の強さがあるだけに勿体無いと思う。ただし本局は研究手をぶつけたということであれば、その穴が実戦で埋められたということで良しとするべきなのかもしれないが。


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この本の装丁は、祖父江慎さんとのことです。明日はフリーの日なので書店でチェックしてきます。(もう発売してますよね、きっと)。

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テレビ将棋棋戦「銀河杯」の棋譜はネットで閲覧可能

テレビ将棋棋戦「銀河杯」の棋譜はネットで閲覧可能であることを知っている方がどのぐらいいるのだろうか?

少なくとも私は知りませんでした。先日、なんだったかは忘れましたが、とあるキッカケで棋譜が閲覧参照できることに気づいたのですが、ユニークなURLが通常のトップページからの遷移では発見することが出来ずに、グーグルの検索で「銀河杯 棋譜」というようなことをして漸く発見した次第。それが上記のURL「テレビ将棋棋戦「銀河杯」の棋譜」になります。

今日(6月30日です)は中継がないので、この棋譜の中で興味があるものを取り上げたいと思います。


以下は6月10日に放映されたという「第18期銀河戦Aブロック10回戦 小林裕士六段vs藤井猛九段」についての感想、将棋観戦記です。

先手の小林プロは、私のお気に入り。力強い将棋でもしアマ将棋界にいたら…と恐ろしくなってしまうタイプの棋士。対する藤井プロはシステム封印後は奮わない印象があるのだが、それでもどうして強いところに勝っている。今期というか今年1月以降は相当に好調に思われる勝ちっぷり。

後手の藤井プロはなんと久しぶりの後手システム!これにはファンならずとも、振り飛車党ならずとも感動してしまうのではないか。たまーに放たれる、久しぶりのシステム、というのは相手も意表を突かれるので有効だろう。ましてや早指し棋戦であれば尚更。

記憶は定かではないが、38手目の3四歩が誰かの新手だったように思う。その後、52手目で後手の飛車が2筋に転回したところでは後手が良さそうだ。そして58手目の55香車が痛打。歩を受けても同香車成りで意味が無い。となれば相当に後手が良いだろう。

どこでハマったのかは定かではないが、後手の策略にまんまと先手の小林裕士プロがやられている。しかしここから力を出すのが豪腕たる所以。終盤、何だか危ない雰囲気になり、これが藤井猛プロのファンの皆さんが渇望されているファンタというものなのだろうか…とぼんやり眺めていたが、さすがに差が大きかったようでしっかり勝ち切った。

投了図以降は受けるか取るしかないが、ベタッと金を打って詰み。プロといえども全ての定跡を完璧に覚えているわけではない、ということを実感させられた一局となった。これをもって、アマでは四間飛車でもまだ十分にやりくりできることも確信した。


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「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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