羽生善治のメガ進化!? 大山康晴は何故振り飛車党に転向したか?

将棋連盟の新しいサイトがいろいろな意味で話題になっていますが、昔と違って作っておしまい…ではなく、常に変化し続けるものなのでどんどん良くなっていくことを期待します。

特に記事を充実させていくオウンドメディアマーケティングの手法を採っているので、そこが続けば相当いい感じになるとおもいます。将棋の戦法でいえば横歩取りの最新型か、居角左美濃みたいな手法です。

さて、掲題の件ですが。

羽生善治先生が、ちょっと大変そうです。最近タイトル取られたり、連敗したり、タイトル防衛してもギリギリだったり・・・があります。

「そろそろピークでしょうといわれて20年、羽生善治で~す」がキャッチフレーズの羽生先生ですが(嘘)、流石に50歳ぐらいになってくると物理的にいろいろあると思います。生物(なまもの)ですから、多少の経年劣化は避けられません。


偉大なる大山康晴先生は死ぬまでA級というとんでもない化物でしたが、その大山康晴が振り飛車党に転向したのは、タイトルを全部後輩の升田先生に取られたのがきっかけ・・・というのを読んだ記憶があります。

今ほど序盤定跡が体系化されていないこともあり、経験値の差で勝とう・・・という意味があります。序盤五分でごちゃごちゃすれば中終盤のちからが違うし、受けが好き&上手だからどうにかなる・・・という話です。


羽生さんが衰えたらどうするのだろうか?という話を何人かの高段者やプロの方に聞く機会が結構あります。あ、勿論脳みそのなかで・・・です。リアルな話ではありません!><

そこでやはり言われることが多かったのが、「変化球投げ始めるのではないか?」という話でした。真っ向勝負、直球で三振にねじ伏せるような将棋、研究どっぷりの将棋でドハマリするのを避ける意味で、力将棋や振り飛車にするのではないか?ということです。

正直、その話を聞いた時には、いやーしかしきょうびの振り飛車は辛いだけだからそれはないんじゃない?と思いました。勿論最近でも、青嶋プロのような若手の強い人が振り飛車で勝つ例はあるものの、変化して楽して勝ってる感じではなくむしろ強いから勝ってる感じでした。


しかし最近になってようやく意味がわかりました。そして羽生善治はついに熟年離婚・・・じゃなくて熟年期に入ったとみていいだろうと思います。

ヒントは永瀬さんとの棋聖戦の最終局と、木村一基さんとの王位戦第六局にありました。

棋聖戦の最終局では、古い形を少しアレンジして使って上手く勝ちました。永瀬さんは相手の序盤戦術を読み尽くして、どういう戦型でくるか?をかなり網羅的に用意しているらしいのですが、それには確実に含まれていないであろう、矢倉急戦で圧勝したのです。

そして先日行われた王位戦第六局でも似たようなことがありました。序盤からかなりヒネった展開で、いつの間にか右玉にして結果的には先手にとって打開が難しい形にし、うまく隙を咎めつつ、途中うっかりする筋もあり圧勝しました。

トッププロ同士で、後手番の右玉がここまで圧勝するシーンをみたことが正直ありませんが、水面下のやりとり、無限の選択肢のなかでうまく誘導した羽生さんの熟練の技と対人センサーというか幻惑によるものでしょう。

まるで武道の達人のおじいちゃんが、フワフワと動いているだけなのに相手が魅入られたように投げ飛ばされている…という居合術のような。

羽生世代の人たちのなかで、もう少し早く我道を行くようになった棋士たちがいます。例えば佐藤康光先生は変態流…というか、独特な作戦に喜びを見出し、丸山忠久先生は、どんだけ角換わりすきなの?!という感じに後手番では一手損角換わりを多用するようになりました。

羽生さんは序盤作戦にあまり個性がないタイプで、どんな作戦もそつなくこなすところもあり、それゆえに振り飛車を多投するイメージは持てなかったのですが、最近の力将棋への誘導をみてナルホドなぁ・・・と感心している次第です。


ようはその序盤戦術の巧みさ、豊富さを上手く活かして、相手の用意のない方へない方へと誘うのです。振り飛車の場合、序盤が体系化されすぎているのと、居飛車穴熊にされると辛い&されやすい(避けるすべが基本的には無い)ということで難しいですが、居飛車定跡であまり流行っていない形、特に具体的にダメな順があるわけでもない形・・・というのがどうやら結構あるみたいです。

羽生の頭脳という本がありましたが、多分羽生さんの頭のなかにはそういう未解決課題局面のようなものが一杯あったり、事前の準備のなかでも、そういう局面をある程度用意している可能性が高いのではないでしょうか。

糸谷さんが一手損角換わりをやって、なぜかごちゃごちゃしてるうちに勝ってしまう・・・(ただし羽生さんを除く)というのを、もうすこし洗練した感じでしょうか。

ただ、毎回それをやるかというと、多分今回や前回のように、ギリギリ追い込まれた時に、研究一発でやられるリスクを回避する意味でやる・・・ぐらいだと思います。

ということで、王位戦の第七局は振り駒勝負になりますが、もし羽生さんが後手番になった場合、また似たような力将棋や珍しい形への誘導が見られるのではないか?と思っています。


もともとが勝負師タイプだと思うので、その辺の駆け引きを全面にだした羽生将棋というのも、かなり面白いのではないでしょうか。うさぎおじさん、怖いです!><

大人のための将棋講座:第3章 効率的な将棋の勉強法(11)

大人のための将棋講座:第3章 効率的な将棋の勉強法(11)

しつこく一度タイプを振り返り。代表的なプロ棋士を今度は昔の大棋士で表現してみますね☆

1.序盤型×定跡型:学者タイプ・・・中原誠
2.終盤型×力戦型:野武士タイプ・・・米長邦雄
3.終盤型×定跡型:アスリートタイプ・・・大山康晴
4.序盤型×力戦型:芸術家タイプ・・・升田幸三

こんなかんじです。異論は認めます・・・が議論は勘弁してください!><

さて。それぞれ初段に至るまでの時間はどのぐらいでしょうか?想定される学習時間を書いてみますね。まあ適当なので鵜呑みにされると困りますが&ご意見いただければ加筆修正します(^^)

1.序盤型×定跡型:学者タイプ・・・必要勉強時間:1000時間。
選択する作戦の幅にもよるが、もしかすると一番時間が掛かるのがこのタイプかもしれません。序盤の耳年増というか、最初の30手ぐらいはプロも真っ青なのですが、駒がぶつかり合ってから弱いのがこのタイプの特徴。

あとは学歴というか頭の良さというかお勉強のでき具合というか。そういうのと上達に正の相関があるのがこのタイプですね。ちなみに1000時間あると簿記1級とか英検1級とか、そこそこの資格が取れますよ☆

そういうところとの比較というか、それぐらいの費用対効果というか、いろいろ考えたほうがいいかもしれません…。「将棋をすると頭がよくなる」ではなく、「将棋が上達する人は頭が良い」という可能性。


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(2011/02/23)
中原 誠

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関連するタグ 中原誠 米長邦雄 大山康晴 升田幸三 行方尚史

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第二回電王戦、最後の予習(三浦弘行とGPS将棋の実力・棋風について)

さて、いよいよ電王戦最終局まであと2時間を切りました…(切ってない)

切ってないですが、もう既に対局始まったようなもんです。皆さん既にギロッポンですよね?ニコファーレ前ですよね?今、私はギロッポンのニコファーレ前にエア並びしていますが、脳内のニコファーレは既に長蛇の列です…。

もう戦前に書くことは殆どない…と思っていたのですが、有りました。それは三浦弘行プロとGPS将棋の棋風、実力についてです。

まずは三浦弘行プロ。棋士レーティングでいうと1728点。プロ棋士全体で20位に位置しています。A級棋士ということでトップ10である、という言い方もできますが全棋戦の成績で作ったレーティングだと20位。大体その10位から20位の間に位置していると考えられます。

2000年から今年までの成績をみてみると、まず今期はまだ0-2と勝ち星に恵まれておりません。2000年度から今期までの年間勝率をみてみると、強いところと当たり続ける宿命ではありますが、勝率は五割台が最も多い状態です。

2007年からのレーティング推移をみても、今が一番低い状態ですね。。以下がグラフになります。(参考:レーティングサイトのこちらより。アダルト含むのでご注意ください)。

無題
(クリックで拡大)

レーティング自体は上がっていますが全体でのインフレ傾向が更に強い(全体のレベル上昇が大きい)ために、順位としては徐々に下がっているという感じが見て取れます。

ただし、羽生善治の七冠を破った男であり、そもそも羽生善治からタイトルを奪取できた棋士というのが棋界にはごくわずかしか存在していませんが、その中の1人です。(羽生善治からタイトル奪取出来たのは、一〇人いないですよね。六人ぐらいかな?)

【追記】コメントいただいたので正確にその棋士の名前を記すと以下のとおりです。
谷川浩司 竜王 名人 王位
森内俊之 竜王 名人 王座
佐藤康光 竜王 王将
深浦康市 王位
渡辺明  王座
丸山忠久 棋王
久保利明 王将
三浦弘行 棋聖
郷田真隆 棋聖


得意戦法は矢倉。前期のA級順位戦では屋敷伸之、羽生善治を先手番の矢倉で破っていますので、得意戦法になれば超トップクラスの実力を発揮することは間違いないと思います。

もし後手が振り飛車であれば穴熊を志向する可能性が高く、角交換型の振り飛車にも勿論対応しています。ただGPS将棋も基本的には居飛車志向なので相居飛車の可能性が高そうです。

仮に後手番のGPS将棋が、横歩を志向してきた場合は、アンチコンピュータ戦略であれば違う作戦を採る可能性もありますが、プロ棋戦においては基本は横歩を取るタイプではあります。

GPS将棋の二手目が△8四歩なのか、或いは△3四歩なのか?には注目したいところです。


さてGPS将棋。コンピューター将棋の対局場であるFloodgateではコンピューター将棋用のレーティングが用意されています。最近二週間のレーティングをみるとgpsshogi_exptというものがあります。こちらがast_modifiedが2013-04-19(昨日)で、レーティングは2966点となっています。Gekisashi_X5590_7c、ponanza-990XEEに続く値であり、コンピューター将棋の中でもトップクラスなのは間違いないです。

これが東大のPC繋ぎまくりでどこまで向上しているのか?が気になるところです…。

最近の対戦サマリーを見ると、Gekisashi_X5590_1c(激指の1コアということでしょうか?)には、2-2。Gekisashi_X5590_7c(7コア??)には2-5と負け越しています。

GPSの種類がいっぱいありすぎてどれがどれなのかわかりませんが、とりあえずGPSと名のつくコンピューター将棋の後手番がどういう作戦を指しているか?というのをサンプルチェックしてみました。

こちらの対局ではいきなり四手目に角道をふさぎました…。

これがあるなら、ほぼ先手必勝であるべきですね。コンピューター将棋は終盤強いのでどうにかされる可能性も当然高いのですが、棋理としては。ただ現代に全盛期の大山康晴が戻ってきたら?という仮想対決として観戦が面白くなる可能性もあります。

この対局でもまた角道塞いでるんですが…。なんだろうこれは。後手番で4手目に角道を閉じる作戦を今日は用いる可能性あるんですかね?戦型固定しているわけじゃないですよね??

これも先手が咎めない展開だったにもかかわらず普通に四間飛車にしていますね。中盤の展開はプロとしてはありえないもので、こうなるなら三浦弘行プロであれば圧勝するでしょう。

こちらは、変な序盤です。コンピューター将棋特有の変な序盤で駒組みとしては後手が相当苦しそうな将棋。これも三浦弘行プロであれば圧勝しそう。

これもありえない序盤ですね。

こちらはゴキゲン指してますね。

こちらは一手損。

なるほど。色々やってますね。ちょっとありえない序盤になっているものも幾つかありました。

こうなると、人間側、三浦弘行プロ次第ですが序盤の隙を咎めに行く船江恒平スタイルか、或いはそこは穏便に行く作戦か。もしくは少しだけポイントリードして無難な中盤を目指す佐藤慎一スタイルというのもありますね。

阿部光瑠プロのように序盤でハメる展開だけは今回は考えにくいのと、後手番ではないので塚田泰明先生のようなプロ側からいい意味で対人間だと通らないけどコンピューター将棋だから通る…というような、やや誤魔化したような序盤もなさそう。

GPS将棋が変な序盤固定をしていないのであれば、割りとあらゆる戦型が出現する可能性がありますね。二手目△8四歩であれば三浦弘行プロは矢倉を目指すでしょう。二手目△3四歩であれば▲2六歩。ここからGPS将棋が指す可能性のある手は、考え方で分類して4つあります。

■1.一手損角換わりを志向する場合
一番可能性が低いのは、一手損を目指す△3二金。これは専門的には既に後手が面白く無い展開しか残っていません。なので一手損を目指すのであれば、4手目で△8八角成り。これはありえますね。こうなると将棋としてはかなり面白くなる期待はあるものの、GPS将棋にプロの最新形の情報が少なすぎるので超力戦からグダグダになる可能性のほうが高いでしょうね。


■2.角道オープン型振り飛車(新藤井システム)
これもある意味、一手損の派生系ではありますが、将棋としての盛り上がりはかなりありそうな戦型です。ただし、一手損と同じ理由で超力戦型からのグダグダ…という懸念がありますね。。


■3.ノーマル振り飛車
△4四歩と角道を塞いでノーマル振り飛車をGPS将棋が目指す展開。コレもあります。これがもしかすると序盤・中盤に隙がなく、一番おもしろいかもしれません。先手の三浦弘行プロは確実にイビアナを目指すでしょうが、大山康晴名人の亡霊と戦うような勝負になると思います。これは正直見てみたい。プロの攻めが完切れにされる可能性もあります。疲れない全盛期の大山康晴がみれるでしょう。ただし、専門的には三浦弘行プロというか先手が勝つべき勝負ですね。


■4.横歩取り
これも見てみたい戦型です。先手は引き飛車もありますし、普通に横歩取りにするのもあります。コンピューター将棋にもある程度定跡蓄積されていて、戦いとしてもコンピューター将棋の性能がフル活用されるので面白いはず。正直、コンピューター将棋というか今回のGPS将棋のスペック、東大駒場のPCをたくさんつないだ状態でどういう将棋になるのか?を観る意味では一番楽しい戦型だと思います。

ということで、戦型予想としてはやはり矢倉が第一候補なのですが、GPS将棋がもし二手目に△3四歩と角道を開けると、かなり面白い将棋になるか、とてもグダグダの将棋になるか?の二択。

そして面白い将棋になったとしたら、現代に蘇る大山康晴か、スーパーハイスペックを完全に活かせる激しい戦いの二択になりそうです。

んーやっぱりそういう意味では△3四歩を期待したいですねえ。いやー超楽しみです。いよいよあと一時間を切りましたよ!(まだ切ってない

角道を塞いだノーマル振り飛車期待ということで以下の書籍を紹介しておきます。特に現代に生きる~は本当に名著です。私も何度も読み返しています。

四間飛車激減の理由 (マイナビ将棋BOOKS)四間飛車激減の理由 (マイナビ将棋BOOKS)
(2012/10/23)
阿部 健治郎

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(2006/12)
藤井 猛、鈴木 宏彦 他

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コンピュータは将棋をどこに運ぼうとしているのか?

片上大輔プロのブログから少し引用。

世間への受け止められ方としては先週のインパクトのほうが大きいのだと思いますが、プロは将棋の内容を見ますので、今回のほうが衝撃が大きかったです。

ここまでの3局を観ていて、コンピュータは数年前にはすでに明らかだった弱点を克服しないまま、力技で強くなり続けているという印象を改めて強くしました。おそらく今後もそうなのだろうと、僕は予想しています(いました)。

今回の将棋の内容を受けて、プロの将棋もまたすこし変わってくる可能性を感じます。
ちょっと具体的に言うと、将棋の世界ではこれまで「マシンになる」訓練によって強くなるという発想は薄かったのですが、今後はそういう面が出て来ざるを得ないだろうと思うのですね。
それが進歩であればいいなと思います。

電王戦、名人戦、ほか




この中で特に印象に残るのは。

・コンピュータは数年前にはすでに明らかだった弱点を克服しないまま、力技で強くなり続けている
・将棋の世界ではこれまで「マシンになる」訓練によって強くなるという発想は薄かったのですが、今後はそういう面が出て来ざるを得ないだろう

この2つ。片上大輔プロは、将棋・バックギャモンをはじめとした複数のゲームにおいて(グランド)マスターレベルに精通しているので、他の業界?についても詳しい方です。その片上さんの発言としてこういうものが出てくるのはとても興味深い。

人間における将棋の実力の向上というのは詰将棋的な力が二十代前半までにピークを迎える。それに対して大局観というか経験で蓄積される能力(を安定的に発揮する力)は三十代のどこかでピークに到達する。そして、それぞれどこまで維持することができるか?というのがポイントである、という理解があった。

この年齢というのはその時代時代によって少しずつ変わっている(若年化している)が、人間の生理的な成長過程を思うと、終盤力がピークに到達するタイミングというのはこれ以上早めることはできない気はする。その一方で終盤力のピーク期間についてはトレーニングによって引き延ばすことはできるかもしれない。(これは最近のプロスポーツにおける寿命が伸びている例と似ている)。

一方で大局観は?というと、羽生世代が作った高速道路が優れているためにこちらも昔に比べると素早く高めていくことが可能となった。しかし、定跡の勉強会のような側面で、受験対策の名門塾という形で棋力の強化が図られているために、もしかすると未見の局面における判断力、高速道路ではなく荒野を行く性能としては相対的に細っている可能性・懸念がある…というのは、梅田望夫氏が羽生善治氏から引き出したものであり、再確認された気がする。


これは負けた二人がそういう意味で欠けているという意味ではない。逆に狭き門を抜けた精鋭ですら負けるコンピュータ将棋の強さというものが、定跡や大局観というところではなく、延々と久保利明プロが座右の銘としている「前後裁断」で取り組み続ける、負けない限り最前を尽くし続ける・・・というような奥を極めるということが将棋において重要なのではないか、ということを再認識させたという意味だ。

(現に、羽生世代やトッププロが未見・初見の局面においても正着を解答する、あるいはその当時の見解とは異なるより正しい方針を示せる…というのは、月刊誌将棋世界の連載コーナーで毎月、トッププロたちが証明しているところだ。)

船江恒平が感想として「最後に人間としての弱さが出た」というコメントを残しているが、これは彼の弱さではなく、文字通り人間の生き物としての性質・性能に基づく弱さ、がコンピュータ将棋との戦いにおいて浮彫になったということだろう。この弱さは完全に克服できるものではなく、生き物・人間としての限界に挑戦する作業・行為の連続、命を削り魂を込めて指すという人間の美しさを示すものだと思う。

人間がマシンとなって、精密機械のように一手のミスもなく指し続ける。卓球のスタイルでひたすらに拾いまくる、カットマン・chopperと呼ばれるスタイルにも近いというか。これは攻め手であっても受け手であっても同じ精神性が問われている気がする。そういう意味ではやはり大山康晴名人は偉大だったなと。将棋の現時点の・コンピュータ将棋との戦いを通じて示されている最新版の仮定というのが、もしかしたら大山康晴流の将棋哲学にあったかもしれないのだから。

そういう意味で言うと、やはり米長邦雄も偉大だ。米長邦雄の将棋というのは、まさにコンピュータ将棋のような序盤の歪みとその後の泥沼、そこから抜け出す剛腕にあったのだから。最後は力のあるものが勝つ、というのをそれぞれの哲学で示したのがこの二人だった。

「コンピュータ将棋が将棋を解明する?」というロマンがもし消え失せるとしたら。その時の将棋というのは、今、電王戦でコンピュータ将棋が見せているような、ある意味殺伐とした、双方がミスをしなければ永遠に戦いが続くような、最後にミスをしたほうが負け、致命的なミスが出るまでは最強の攻撃手と最強の防御で応酬しあう、というようなものなのだろうか。昔の牧歌的な序盤が失われたように、形式美や両者の同意の上での指定局面とかではなく、常に踏み込み、常に斬り合う、というような。

ちょうどこれを書いていて私が思い出したのはプロゲーマーの梅原大吾と、麻雀の桜井章一だった。この二人に似たような精神性の将棋を指す人ということでいえば、将棋界には幸運にも何人もいるように思う。姿勢としてオリない、常に向かっていく、というもの。

コンピュータ将棋の姿がある意味目指すべき方向性を示しているのであれば、将棋の場合は、シンプルなIQの高さによる終盤力をプロスポーツ選手のように科学的トレーニングでどこまでも維持し、理論としての定跡を学者のように体系的に最速で学び、圧倒的な実戦数でその実戦能力を高め続ける・・・という形になるのだろうか。

この想像から、すんなり二人の棋士の名前が頭に浮かんだ。東西の振り飛車の新鋭である、永瀬拓矢と、菅井竜也の二人である。この二人が、その超圧倒的な実戦量からイメージされたのだが、コンピュータ将棋との戦いにおいて示された未来の姿を、すでに先取りしている若手棋士がすでに棋界に存在していることに頼もしさを感じる。(ま、私が勝手に想像した未来の姿ですがw)。

コンピュータ将棋との戦いで人間が敗れても、その面白味は失われないだろう、というのは第一人者である羽生善治三冠もニコ生の川上会長との対談で語っている。まさにその通りで、つまらなくなるどころか、おもしろさが増している可能性がある。

もしこのコンピュータ将棋との戦いで何かを感じた若者が、その新しい取り組み方を実力に結び付けることができたら・・・その時にまた将棋界というのは変わっていくのだろう。その可能性の萌芽を、私は永瀬拓矢菅井竜也の将棋とその取組姿勢に感じる。


永瀬流 負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)永瀬流 負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)
(2012/11/23)
永瀬 拓矢

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04/01のツイートまとめ

shogiwatch

いやー本当に夢枕獏先生の観戦記はすごいよ\(^o^)/俺も大抵手順とか詳しく書かないし、盤面図も入れないけど、それどころではない斜め上っぷり。なにがすごいって、その試合について触れてるのが1パーセントぐらいっていうねw。サイダーに入ってるレモン果汁ぐらい?でも美味しいんだけどねw
04-01 21:49

#ShogiLive 野月-小倉 38手 △3六歩 この手におけるコメントとかカッコいいよなぁ。こういう感覚をコンピュータが身につける日がプロを超える日だろうね。
04-01 21:40

右玉は黙読ではみぎぎょく、なのですが、音読ではみぎたまとなります。同じく入玉は黙読ではにゅうぎょくなのですが、音読では、いりたま、と言います。例)よーし、お父さん今からいりたま、狙っちゃうぞ~。
04-01 21:31

夢枕獏さんの観戦記読んだ。これは斬新wwwhttp://t.co/JFqHuLQlwnhttp://t.co/YfSqLXgCgz
04-01 20:29

最近、知人から得た情報で禁酒デーにノンアルコール飲料を飲んでますがこれが案外( ・∀・)イイ!!。オススメはグレープフルーツ味のやつ。ゼロハイのグレープフルーツ味が一番美味しいかも。
04-01 19:48

ヤバい、急いで池袋むかわねば\(^o^)/“@SHOGIBAR: 橋本です。今日から新年度です。はりきってまいりましょう。さて、今日は将棋バーにAKB48の皆さんが来店しています。”
04-01 19:45

テンプレ化ナイスw“@ametsugu_naoe: (軽く毒舌)サトシン先生のブログに誹謗中傷を書き込むような人はまず自分自身の評価関数を鍛えなおすべきだと思うんだ。先ほどのアリンザメソッドを見習ってほしい。「ある領域まで努力して到達した人は、人の悪口言わない」って至言だと思う。
04-01 19:42

おー是非是非!それまでのお楽しみとしておきます~。“@skmt164: @shogiwatch 聞き手で登場される第4局か、もしかしたら総集編もあるかもしれないので、可能ならどこかに突っ込みたいと思います!”
04-01 19:40

うわーそれは知りたい(笑)“@skmt164: 控え室レポーターの安食先生にうかがって掲載許可もいただいた例の100万円の使い道が、写真につけたキャプションの文字数の関係で削られていることに気づくなうw”
04-01 19:28

おー今から読む!“@ametsugu_naoe: 第一局に続き、坂本さんの素晴らしい記事! 必読! RT @skmt164: 書きました。まだ胸が苦しい感じ。/【将棋電王戦第2局観戦記】将棋会館で何が起きていたか? | 日刊SPA! http://t.co/vxj1n9aIGT
04-01 19:25

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Author:将棋観戦
「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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