電王戦観戦記(第一戦から第四戦まで)をまとめました。

ここまでの感想をまとめましたので、念のためお知らせです。

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電王戦関連の記事第1戦から第5戦までのリンク】

プロ棋士は強いんです!人間圧勝!第二回電王戦、阿部光瑠四段vs習甦

佐藤慎一敗れる。第二回電王戦第二局▲ポナンザ対△佐藤慎一

【追記有】将棋の常識が変わる?詰まし屋一閃?! 第二回電王戦、第3局▲船江恒平五段vs△ツツカナ

【追々々記有り】引き分け:入玉に賭ける星 第2回電王戦第4局 ▲Puella α vs △塚田泰明九段
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また、電王戦関連というタグページからも見れるようにしました。

ちなみに昨日書いた記事に紹介した剱持松二棋士の活躍については以下の書籍が詳しいです。とてもおもしろいので是非読んでほしい一冊です。(観る将棋ファンに特にオススメします)。

ハッシーの師匠にして加藤一二三九段の師匠でもある、剱持松二さんの面白エピソード以外にも、振り飛車党の棋士の面白話が満載です。


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【追々々記有り】引き分け:入玉に賭ける星 第2回電王戦第4局 ▲Puella α vs △塚田泰明九段

第2回電王戦第4局 ▲Puellaα vs △塚田泰明九段。

第四戦にて、人間側の負け越しが確定する可能性がある。初戦のコンピュータ将棋の癖を見ぬいた勝利以外は、競り合いからコンピュータがコンピューター将棋ならではの計算能力で人間を圧倒した。第2・3局は途中人間が良い局面はあったが疲れないコンピュータ将棋が最後は人間を打ち倒した。

ここで人間が負けると負け越しが決まるという将棋だが、解説の木村一基プロが言うように、プロ棋士は個人主義なので団体戦としてのイメージもありつつ、どの棋士も自分は勝つ!という気持ちのほうが強いだろう。

本局の塚田泰明九段も団体戦としての負け越し云々よりも自身の真剣勝負として対局に臨んでいるはずだ。

序盤は塚田泰明九段の作戦がうまく行った印象だった。コンピューター将棋が、飛車先の交換に無頓着であることを逆手にとった後手番での矢倉志向。

人間同士の対局であれば、ちょうど前期のNHK杯の決勝、▲渡辺明vs△羽生善治のような展開になっていたはずだ。すなわち、先手が飛車先を早めに伸ばして、角を引いて二筋の交換を狙う筋だ。

しかしコンピューター将棋はそういう展開に興味を示さない。結局後手の塚田泰明九段が飛車先を突かずに、まんまと矢倉構築に成功した。


後手番だが先手番の作戦を使えたということで、人間が見た場合は特に文句のない序盤だった。しかし、△2二玉と入った手が不急の一手で、控え室のプロもそれを指摘していた。Puellaαは知ってか知らずか、プロの将棋としても前例のあった構想を盤上に示すのだった。(詳細は松本博文氏のブログを御覧ください)。

手順としては1筋を突き越して、桂馬を跳ねて、▲1三桂と特攻してからおもむろに▲2五歩と突く筋。矢倉ではしばしば見られる手順で駒損でも先攻したほうが得、という矢倉特有の手筋なのだが、コンピューター将棋がこの展開をしっかり理解しているのが驚きである。


しかもこれだったら後手もありがたいでしょう、と高段者でも思うような局面でじっと8三に銀を打ち、2六に角を覗くという手順。これがプロの棋戦でも過去に現れている構想だったというのだから本当に驚いた。(驚いてばっかりだが)。

とすると、結果論だが44手目は△4五歩ではなく、△3三金寄だったかもしれない。(それでも良い手を用意していた可能性もあるが)。

プロは1筋での銀を取りに行く手が早い!といっていたが、8三の隙をみて機敏な一着だった。8三のいわゆる羽生ゾーンといわれる地点に銀を打ち、飛車が逃げたところでその飛車を狙う▲2六角が絶品の味わい。


飛車が隠居する形になってどうするのか?と思ったが、後手の塚田泰明プロは56手目△1六歩と垂らした。これは入玉含みの手で私のような雑魚レベルでも浮かぶ手。コンピューター将棋は入玉に弱いということもあり、そこからも指したい手だ。

そこでもし私が先手であれば何も考えずに▲1八歩と受けてしまいそうなのだが、Puellaαが指した手は▲2九飛だった。単に歩成りを許してしまう一着。指された瞬間、私は「は?なにこれ?」と思ってしまった。思ってしまったのだが、実は良い手だった。本当に良い手だったのかは分からないが、ここからの進行を見ると結果論で良い手だった。


飛車引きでと金を作らせた代償に先手のPuellaαが指した手は59手目▲4六歩。この飛車引きと歩突きの組み合わせは相当凄い。若いころの羽生善治が指しそうな手順だと私は思った。

後手はこの局面でと金を引いた。引いたのだがこれがどうだったか。先手は馬をつくり、人間であれば読まない手を指した。成銀を遊んでいる銀と交換したのだ。普通は遊ばせて別の手を指すところだが、この構想が塚田泰明九段のと金引きを悪手たらしめる良い構想だった。

65手目の▲4四銀打ちという手が先手で攻めを継続する一着で筋悪な交換の意味。この銀が打てると後手のと金の働きが乏しく、先手の飛車を虐める術が無い。71手目の▲6三馬という手で先手の指しやすさが確定した局面だと思う。

ここで塚田泰明九段は決心する。おそらくだが、ここで塚田泰明九段の心理は個人戦から団体戦に移ったのではないだろうか。もしプロ棋士同士の対局でこの局面になればここから数手で投了していただろう。しかしここで投げると将棋が終わるだけではなく、人間の負け越しが決まってしまう。

団体戦としては勝ち越さなければ意味が無い。戦前のインタビューでも年長者として団体戦の勝ちを最も意識した発言を行なっていたのが塚田泰明九段だった。

よってここでいわゆる通常の将棋ではなく、対コンピューター将棋として頭の切り替えを行い、(入玉に弱点があることを事前研究で知っていただろう)入玉に全てを賭けることとなった。

これはこの時点で厳密な意味での勝ち星ではない。しかしコンピューター将棋の弱点を突くことで何とかして持将棋の引き分けに持込み、あわよくばPuellaαの入玉対策具合によっては勝ちを目指し、団体戦としての勝利につなげる、希望の橋を賭けようとしているのだ。入玉に勝ち星を賭けたのだった。

この将棋の解説がニコ生で行われており、途中ゲストとして登場した河口俊彦が、この展開を暗示するようなエピソードを語っていたので紹介する。

若いころの塚田泰明プロは大変投げっぷりが悪かったそうだ。羽生善治か塚田泰明かというぐらいに投げっぷりが悪かった。強い人はそういう粘り強さがある、ということなのだが、ある対局で対戦相手の駒台には持ち駒が溢れんばかりに載っていたらしい。

対戦相手は剱持松二プロ。いわゆる曲者タイプで、ハッシーの師匠、アマキラー(確か将棋ウォーズを作ってるヒーローズの社長の林さんも全駒級に屠られているw)、そして「羽生に順位戦負けたら道場をたたむ」という発言からの見事な勝利。そういう曲者だった。

駒台に溢れる駒をみて、更に駒を取った剱持松二プロが一言。「申し訳ないがここに置くよ」。

ここというのは畳の上だった。


それをみて、塚田泰明プロは投了したという。河口俊彦老師がその語り部としての才能を文筆ではなく口述で示したものだったがなんとも味わい深いエピソードではないか。

しかも、そういう展開にこの将棋もなっているのだ。ただ、この将棋は粘っているだけのつまらない将棋ではない。若かりし頃の負けることを何よりも厭うがゆえにクソ粘りしていた塚田泰明と今日の塚田泰明九段は違う。

将棋界を背負い、若い棋士たちとともに戦い、人間の負け越しを決定するか否かの勝負を背負った男が、必死になって戦っているのだ。

この姿をもって、盤外の人間がどんな批判を投げることが出来るのだろう。控え室のプロ棋士や解説の木村一基プロもこの粘り自体に対してはあまり芳しい評価を与えていない。

ただ、塚田泰明九段は単に自分が負けたくないからこのような粘りをしているわけではないことは理解したいところだ。

この将棋がどういう結末になるのか、今現在一七時二〇分だが全く予想が出来ない。というのも、Puellaαの開発者の伊藤英紀氏曰く「それほど完璧な入玉対策をしているわけではない」ということだからだ。

ただ、駒得を重視する、大駒を重視する、という調整はしているとのこと。

正直に書くと、ここから塚田泰明九段が大逆転したとしても、コンピューター将棋が入玉将棋に弱い、という話が再確認されるだけであり、見どころとしては何もないようにも思う。

とはいえ、上記のようにプロ棋士の、人類の負け越しが掛かった勝負なのである。そういう側面も理解したうえで、私はこの塚田泰明九段の頑張りを応援したいと思う。

(ここまで102手目の局面をみて書きました。あとで記者会見の様子等を追加予定です。)

塚田さん「(投了を考えたかと聞かれて)自分からは...」と突然の涙。思わずもらい泣きしました。


伊藤英紀「あくまで勝ちを逃した。引き分けだったということはしょうがない。第五局はGPSに頑張って欲しい。三浦さんにも頑張って欲しいところはあるが。」

塚田泰明「三浦さんに頑張って欲しい。本当は勝って回さなければいけないのに…」

以下、インタビュー。

塚田泰明九段「途中は形勢が苦しくて。点数勝負で多分ダメだろうと。でもそれしかなかったので。それが幸いしました。」

伊藤英紀氏「えーと、正直言ってげんなりしながらみていましたが、負けなくてよかったです」

小谷副会長「はい、まず立会人としては特殊な状況が起きた時どうすればいいか?と考えていて、持将棋についても考えていましたがそれが役に立ってよかった。提案して受諾するという取り決めをきめたがそれがピッタリマッチしてよかった。もうひとつ、終盤のコンピューター将棋に持将棋についての若干お話していただくと、ああいう状況におけるコンピューター将棋というのはとても不得意。」

神谷七段「塚田九段とは三五年以上の付き合いだけど、泣いたのは初めて見たので良かった。コンピューター将棋は赤ちゃんみたいなところがあるなと」


三浦弘行「最終局これで人間が負け越し決まらない形で回してもらったので、来週人間側が負けなかったと、団体としては。という責任を追っているので頑張りたいと思います。」


川上量生「はい、ある程度は予想をしていたが、それ以上に反響があり、また将棋の内容についても大変おもしろく、いろんなユーザからもそういう声を聞いている。是非、まだ将棋連盟からは回答はいただけていないが第三回についても開催させていただきたい。そして第三回電王戦については今回の結果を踏まえて、双方色々協議をしてルールを決めて行きたい。コンピューター将棋開発者に提案したいが、歴史的な名局を作ったコンピューター将棋ソフトについては永久保存をしたい。費用はこちらでもつので。電王戦以外のところでもいろんな試合ができればなと思っている。」

田中寅彦「はい。まず最初に塚田さんよくやりました。ご苦労様でした。人間の強さを見せてもらった。伊藤さんのコンピューター将棋の強さと弱点も見せてもらいました。これからいろんな意味で面白いことが出来るんだろうなと思いました。谷川会長と相談しながら色々考えたいです。三浦さん、よろしくお願いします」

以下、メディアからの質疑応答。

報知新聞「塚田先生、終局直後のこみあげたものの理由を」

塚田泰明九段「チーム戦ですから(涙ぐむ)。自分が負けたら終わってしまうので、最低でも引き分け。九点ぐらい足りない時期があって。大駒とっても足りなくて。でもだんだんとっていけまして。十中八九負けると思っていたので泣いてしまいました」

観戦記者サカザキ「塚田先生にお聞きしたいのですが、入玉を目指す方針に切り替えたのは?」

塚田泰明九段「△6三馬とされた時点で、受けてもきりがないので、その局面で入玉をして頑張ってみようと思っていた。事前の研究では先手の玉が8八のままだったのですが。入られてしまって、それが大誤算でもうだめだとおもった。」

伊藤英紀氏「(自陣の駒を逃がすという技術を改良していくという方針は?)今回はそれが勝ちを逃した理由なので課題としてはあると思います」

朝日新聞村瀬「塚田さんに御聞きたいですが、コンピューター将棋は事前にこうやってきた、というのから判断して入玉を目指したということですが、人間が相手だったら別の手を選んだのか?コンピューター将棋と人間との違いは?」


塚田泰明九段「コンピューター将棋だからそうした。人間であれば違った。序盤は矢倉模様にしてまったりしようと思っていた。事前の研究だと序盤で暴発してくるので暴発待ち。序盤で有利にたとうとおもっていたが、普通にやってこられて、こっちが暴発したので不満な序盤だった」

山崎バニラ「伊藤さんに聞きたいが、今でも名人に超えたという考えは変わらない?」

伊藤英紀氏「ハードによるがハードの性能によっては超えていると思う。異論はあるとおもうが」

フリーライター「伊藤さんにお伺いしたいが、103手目に1分使ってからは1分だが、ツツカナ同様にチェスクロックとストップウォッチ方式の違いにより、ということだったが事前に設定していた?」

伊藤英紀氏「ひとつはツツカナと一緒では数切り捨て。トラブルがあったらこまるので40分程度復旧時間をもたせていた」

読売新聞カワムラ「軽快な攻めの将棋が塚田将棋。今回コンピューター将棋と戦うにあたってまったりとした重厚な将棋ということでしたがそういう将棋のほうが向くということですか?」

塚田泰明九段「普段は横歩取りをやるが、凄い強いので互角に戦いになっては行けないので、まったりやっていくと変わったことをやってくるのでそれを待っていたがそれがおこらなかった。コンピューター将棋用の作戦でした。(事前の準備は?)6月ぐらいに内定したが、伊藤さんに旧ボンクラーズを借りたのが2月。ツツカナを提供していただいたのは年末。最初は30秒、60秒でやっていたが、勝てなかった。1時間1分で少しは勝てるようになって、長いほうが人間有利だなと実感した。2ヶ月ぐらいやって準備期間としては短いなと。自身の対局、生活があったのでもうちょっと1・2ヶ月あれば。いいわけですが」

伊藤英紀氏「(これまで過去3戦をみるとソフトの序盤が課題だったが、今回は人間らしかったが?)ツツカナみたいにやっておらず、全くのランダム選択。その後の人間らしさは機械学習によるもの。Bonanzaの保木さんが偉いということ」

日本テレビサガワ「塚田さんにききたいが、三浦さんへのメッセージを」

塚田泰明九段「本来勝って回すべきだったが、最後勝てば引き分けなので。頑張ってね>三浦さん」

日刊SPA坂本「7七玉が誤算だったと塚田さんからあったが、入玉対策は?」

伊藤英紀氏「入玉対策は24でやってた一昨年の年末に入れた。米長邦雄戦では既に入っていた。(塚田さんが練習将棋でやっていたものとは?)違います。(と金を全く関係ないところにつくっていたのは?)えーと、入玉の時に駒得を重視する、大駒5点で、というかいうのは考慮するんですが、通常の評価関数と入玉時の評価関数がミックスされるので。完璧にするのは難しい。妻されてしまうので」


朝日新聞村瀬「まだ第五局ありますがコンピューター将棋の引き分け以上が確定したが、コンピューター将棋の強さが示されたが、その個々数年のコンピューター将棋が強くなったことについてどのように受け止めているか?」

伊藤英紀氏「なにか原動力か?さっき行ったようにBonanzaが機械学習で評価関数を正確なものにした。クラスター並列、パソコン一列じゃなくて3台、4台、700台とやった。700台で10倍になるようにした。言い換えるとお金で棋力を強さを換えることを可能にした技術。今はお金をだせば強くなるという世界。Bonanzaにつぐブレイクスルー」

小谷「Bonanza的なものは非常に強さに影響している。あとただ、個々の選手の方はパラメータパターンも違いますので、だいぶ広がりがおおくなっていて、GPSもBonanza的なものとは全く別で強くなっている。10年ぐらい前に遡ると詰め探索。探索の深さを上手くコントロールするというのが深化している。昔やったのだが読まないはダメだった。良いては深く読む、悪いのは読まないというのが発達している」

以上記者会見。

以下、ニコファーレ。

木村一基「塚田さんの思い入れ、背負っているものがすごかったんだろうなと」。

安食総子「正直諦めていたが諦めないことが重要だなとおもいました」

安食総子「神奈川県男性のかたからメール。男としての矜恃。引き分けに持ち込むベテランの凄さ。本当に感動しました。名人は超えていないと即答してくれた塚田先生がプロ棋士の強さを魅せつけてくれたことを本当に感謝します。感動しました」

木村一基「コンピュータの強さを把握したうえで、それが結果的によかった。これからどんどんコンピューター将棋も強くなるだろうか、もし次があればますますおもしろくなっていく」。

安食総子「福岡県男性:三戦までドラマがあった。次回は6時間でどうでしょうか」


木村一基「指したひとがそう言っているのでそのほうがいいかもしれない。コンピューター将棋はトラブル用でとっておいたほうがいいのかもしれない。普段私がやっているときも、やっぱり感じが違う。条件が違うのも面白い」。

安食総子「過去三局も感動しましたが、絶対に諦めない塚田さんが本当に素晴らしかった。」

木村一基「まあ将棋はいいもんだってことですよね。本当にそう思います」。

安食総子「埼玉県の男性。塚田さんが涙ぐんだ時に、今回の対局に悔しかったんだろうなと思いました。」

木村一基「注目されるよさもあれば、プレッシャーを感じる酷さもある。これほど追い詰めるものがあるのかと。やった人じゃないと分からない。涙が浮かんだ時には私どもにも十分つたわりました」。

安食総子「コンピューター将棋とやることによって人間の感情が浮き出たとおもいました。」

木村一基「今回は人間の良さもでたとおもいます。」。

安食総子「来週はGPS。10時からです。」

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プロ棋士は強いんです!人間圧勝!第二回電王戦、阿部光瑠四段vs習甦

佐藤慎一敗れる。第二回電王戦第二局▲ポナンザ対△佐藤慎一

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「神武以来の天才」と呼ばれる著者が、天才棋士「羽生善治」を徹底分析。なぜ、彼だけが強いのか? 七冠制覇達成を可能にしたものとは? 40歳になっても強さが衰えない秘密とは?
著者について
1940年、福岡県生まれ。将棋棋士。九段。早稲田大学卒業。「神武以来の天才」と呼ばれ、54年、史上最年少棋士、史上初の中学生棋士となる。名人、十段、王将、王位、棋王など数々のタイトルを獲得。1950年代から2000年代まで順位戦最高峰A級に在籍した唯一の棋士。


関連するタグ Puellaα 塚田泰明 伊藤英紀 河口俊彦 剱持松二 電王戦 木村一基 安食総子 田中寅彦 GPS将棋

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第二回電王戦の第二戦に登場する佐藤慎一プロについて。

山本一成さんが開発したポナンザと対戦する佐藤慎一プロについて少し。この方はブログをやっていますがその男気あふれる感じが何ともたまらない、男だったら惚れるタイプの棋士です。

いくつかそういうところが出ているブログを引用しようと思ったのですが、どれだったか忘れました…。あとで探してみます。

何となく、どっちが年上でどっちが年下に見える、というわけでもないが阿久津主税プロとは小学生の頃からの友達のようです。お互いの関係がいかにも(いい意味で)腐れ縁、という雰囲気。

ちょっと天然っぽいけど、人一倍熱い男で普及にも熱心、でも女子よりは男子にもてそうなタイプw 平成版寅さん、みたいな雰囲気でしょうか。そんな佐藤慎一プロについて少し書きたいと思います。

師匠は剱持松二八段。剱持松二八段はいかにも勝負師タイプで、棋士キャリアの後半はアマキラーとしても名をはせていました。かなりのトッププロを相手にして、震えるどころか穴熊の姿焼きにしてしまったり。また、羽生善治プロが若手の頃、順位戦で対戦する前に「羽生に負けたら道場をたたむ」宣言をして見事勝利を収めたり。そういうちょっと曲者っぽい雰囲気がある師匠です。

その師匠から、プロを目指してみるか?とその才能を見出されたのが佐藤慎一プロのようです。(この前みたニコ生、三月のライオンの宣伝番組での本人の発言から)。

奨励会入会後の成績ですが、6級・5級で相当苦労しています。入会は小学6年生か中学1年生ですがそこから二年半ぐらい5・6級に費やしています。しかし、5級を脱した瞬間、人が変わったように勝ちまくり半年で1級に上り詰めます。

しかし1級でまた2年にもおよぶ長い停滞が訪れます。約2年間の苦悩の後、ようやく初段になるとまた爆発。わずか一年程度で初段・二段を潜り抜け、見事三段リーグ入りします。

ここまで来ると大体想像できると思いますが・・・そう、三段リーグでも苦労するんです。上がる期以外の成績は良くて指しわけ程度。10-8とか。そして年齢制限ぎりぎりの最後に、大爆発、15-3で突き抜けてプロになったという。

これって凄いことだと思いません?阿部光瑠プロの第一戦をみて、私はジョジョの奇妙な冒険の人間賛歌という言葉を思い出しました。そしてこの佐藤慎一プロを見ていて思ったのは、キン肉マンとかドラゴンボールの世界。主人公がコテンパンにやられてそこから復活すると、その時には大きく成長しているという。

佐藤慎一プロはまさにそういう風にしてここまでのし上がってきたんです。

本人のブログの発言でカッコ悪いかもしれないけど素直にさらけ出すことでそれがかっこよくなっている、というような発言が佐藤慎一プロには多いんですが、過去のを探せなかったので、本日のブログで語られていたものを引用します。


電王戦開幕


残念ながら自分には天賦の才はありません。

幼い日にはあったかもしれないけど、もう薄れちゃって見えなくなっちゃいました。


だけど、今の自分には何度もあった壁を乗り越えようと、もがいたときの力があるはずです。




どうでしょうか?こんなことをサラリといえる人ってなかなかいません。勝負を降りてしまった人が自虐的にいうことはあっても、まだ戦い続けている諦めていない男がこういう言葉をさらっと言って、なおかつ最大限に努力している。そんなところが佐藤慎一プロの魅力です。


>今の自分には何度もあった壁を乗り越えようと、もがいたときの力があるはずです。

この言葉、まさに佐藤慎一プロがプロになるまでの軌跡を示していると思いませんか?

この電王戦、単にコンピューター将棋が強いのか弱いのか、とか将棋プロはもうコンピューター将棋に凌駕されてるのではないか?という単純な話として捉えていたんですが、そうじゃなかった。こういう文字通り棋士人生の全てを賭けて、5人のプロ棋士が勝負に臨んでいる・・・そういう姿を見れるだけでも素晴らしいことなんだ、というのがわかりました。

人間同士、プロ棋士同士だとそういう側面がすこしぼやけてしまうところもあるというか、どちらかに肩入れしてしまうところがあったり、年間数十局のうちの一つ、生涯数百局のうちの一つ、ということで何となく薄めて見てしまっていたわけですが、そうじゃなかった。

今回のような対戦に臨む姿をみて、プロ棋士がどのようにして真剣勝負に臨んでいるのか?というのがようやく分かった気がします。

佐藤慎一プロはコンピューターソフトの提供がないだけに初戦のような簡単な勝ち方は出来ないでしょう。阿部光瑠プロは直近8連勝した状況で本番に臨んでいたらしいですが。

山本一成開発者がソフト提供しないのは勝負としては当然なところです。そしてそれにより佐藤慎一プロはかなりの窮地に立たされている。しかも後手番。

でも佐藤慎一さんだったら、この苦難を乗り越えてくれるんじゃないか?と思えてきます。

いやーまだ月曜日ですけど、ドキドキして眠れません…このまま一睡もせずに土曜日を迎えたいと思います!><(嘘ですが、1人盛り上がってるのは本当です。



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Author:将棋観戦
「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

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