ponanza、渡辺明邸でアガった?一敗を喫する。

昨晩、20時からのポナンザ with山本一成さん featuring保木邦仁 in渡辺明邸 by松本博文さんのニコ生がありました。

前半のゲストは将棋ウォーズのみなみんさん。安定の可愛らしさでぽにゃんざのイラストも紹介していました。

渡辺明竜王が登場したのは22時頃でしょうか。すでに泥酔していた私はよく覚えていないのですが、渡辺明竜王がケーキを2個食っていたのは覚えていますw

興味のある方は、「将棋中継コミュニティ」を見てみてください。

ポナンザが負けた将棋を渡辺明竜王と保木邦仁さんがゲストで説明しています。

横歩取りでボナンザが謎の暴発・・・からの延々の粘りからの大駒四枚が人間に渡った状態での入玉確定、という負け方でした。

この特別期間のポナンザの登場で分かったのは、やはり入玉形に弱いということ。あとは負けのうちの2つが横歩取りだったので、次回の電王戦ではプロが横歩取りに持ち込む展開もあるかもしれませんね。

コンピュータ将棋側は早めに定跡を切る傾向にあるので、ゆえにむしろひどい手が出る可能性も増えている、というような。

渡辺明竜王の解説は毎度のことですが、発声的にも発言内容的にも歯切れがよく、ニコ生の音声であっても聞こえやすく、とても良かったです。

保木邦仁さんも、なかなかお茶目なキャラクターで、お約束的な山本一成さんのKY発言との掛け合いも面白かったです。

23時で終わるはずが延長してくれたわけですが、そこに突っ込む渡辺明保木邦仁コンビw

渡辺・保木「誰が得するんですか?」

これには笑いましたw

この延長費用は松本博文さんの自腹、なんでしょうかね?将棋の周辺環境はこういう献身的振る舞いに支えられていますよね・・・。

5局目、ポナンザが負けるわけですが、入玉模様になってきたので、持将棋になったらどうするんですか?という話題の時のソフト指し云々のやりとりも面白かったです。

コンピュータ将棋の入玉将棋対策はどうするか?という話で、山本一成さんの発言が面白かったです。強い人に沢山入玉将棋を指してもらえばいいじゃんとアドバイスされたと。ただしその数は100や200ではなく、万単位であると。

ある意味人間の知識の蓄積と終盤の計算能力でコンピュータ将棋が成り立っている、ということを再認識させるエピソードでした。

最後、投了後に、質問コーナーがありました。

山本一成「コンピュータ将棋は活用してますか?」

渡辺明「データベースとして使っている。コンピュータ将棋使いたいが形勢判断が違うので使いにくい。どっちが正しいかはわからないですが。ボナンザは結構いいですよ(ポナンザは・・・)w」

山本一成「ご自身が強くなったと感じるのはどんなとき?コンピュータ将棋だと改良前後で試行しての勝率で測るんですが」

渡辺明「いやーでも人間はできないのでね。よく取材では聞かれます。プロになったときと、今の自分で戦ったら?とか。なんとなく答えるんですが。プロになった時と比べると1:9か2:8。竜王になった時と比べると、4:6とか」

山本一成「コンピュータ将棋では三すくみになるような経験があります。」

保木邦仁「ありますね。どんどん強くなったと思ったら、そのソフトと古いバージョンとやると最新のが負けたり。」

山本一成「100局やると70-30なのに、試行回数を増やすと互角だったり。強くなったと判断するのは珍しい」

山本一成「将棋の勉強はどのぐらい?」

渡辺明「土日は競馬なので。日によります。10時から4時半までは競馬です。馬券はパソコンで買います。」

保木邦仁「私もこの前、東京競馬場に行きました」

山本一成「コンピュータ将棋と将棋のプロの関係は今後どのようにすすみますか?」

渡辺明「わかりませんね。」

保木邦仁「ちょっとわかりませんね」

山本一成「わかりません。どうなるんですかねー」

渡辺明「コンピュータ将棋とプロ棋士の関係ねえ・・5年ぐらいまえ、2008年とかじゃないですか。ボナンザと僕がやったのは2007年。それから5年後はわからないですからね。」

山本一成「じゃ、皆様も五年後の未来をご期待ください☆ (理想とかあるんですか?)人の学習の支援を出来るっていうのが一つの理想じゃないですかね。ボナンザ強すぎますよ!(と保木邦仁さんに突っ込み)」

山本一成「チェスのソフトで、あえて隙を見せる学習ソフトがあります。」

保木邦仁「チェスはコンピュータが出てから更に熾烈になった印象があります」

山本一成「本日は渡辺明、保木邦仁さん本当にありがとうございました。今後コンピュータ将棋と将棋指す方々、それぞれに少しでも良い方に進むといいなと。この放送をやったきっかけもそういう趣旨でした。今回ので少しでもみなさんの心にのこるものがあれば幸いです。」

楽しめましたか?のアンケート結果は97%がはい、でした。

個人的には電王戦が終わって寂しかったのでその余韻としてはちょうどよい特集?だったと思います。今後もまた定期的にこういうのがあるといいなと思いました!山本一成さん、松本博文さんお疲れ様でした!



6月3日発売ですがすでに予約受付中ですね。→将棋世界 2013年 07月号 [雑誌]




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コンピュータとのお付き合い・・・の先輩、バックギャモンから。

http://blog.goo.ne.jp/mochy3_8/e/51a5cc147458958345ca54282b0197d9


ポナンザの山本一成さんが、この前の日曜日のニコ生でちらっと話してた内容があって。

僕は普段通りギャンブルではなくお仕事としてのデータに基づく競馬をやりながらみていたんですが、すごく興味深かった。

で、そのことについて記事も書いたんですが。で、ツイッター上でそれにリアクションをくれた方もいて。僕はあまり有名人?にメンション飛ばさない(というかチキンで飛ばせないw)んですが、ちょうど一成さんのアカウントにもメンションされてて。

きっと山本一成さんがそれに反応してくれて、この記事を紹介してくれたんだと思う。

ので、紹介します。全部読んだんだけど、最初から最後まで鳥肌立ちまくりでした。それぐらい、僕にとっては興味深い内容でした。観る将棋ファン、そしてコンピュータ将棋と人間プロ棋士の将棋の良い関係、さらなる将棋の進化、に興味がある人は是非音読してほしいエントリです。

以下、あまりにわくわくしたので、個人的な感想を記します。引用しだすと結局全部引用してしまいそうなぐらいにいい記事ですので、絶対に上記リンクから原文を読んでみてくださいね。

親兄弟、親戚一同ぐらいにはURLをスパミングしたほうがいいと思うぐらいに感激したよ!わんわんお!

以下、引用しつつ私の感想。

> ・いつ頃から、ソフトのほうが強いと認識されるようになったか
1999年にNack Ballardがコンピューター(多分Jerryfish)と勝負して、Nackが60点勝利。この勝負は
コンピューターの欠点をついたとかそういうことはなかった。単に彼が強かったんだと思う。



このへんは将棋のケースと非常に似通っていますね。昔はプロ棋士であれば角落ちでも簡単に勝っている印象がありました。

しかし、2003年(私がラスベガスで優勝した年)はみんなの共通認識としてBotは人間より強いと思われていたと思う。だから、2000年前後ではないかと思います。2001年か、2002年だと思います。



この時期にはすでにプロを凌駕していたということです。その理由が非常に示唆的なのですが、

> ・どういう理由で、そう思われるようになったか
人間がたくさんいるゲームサーバーで常に上位にいたのは大きかったと思う。また、コンピューターの言うムーブに逆らっても(プロポジション等)まず勝てない。



とのこと。ゲームサーバー、いわゆる将棋でいえば将棋倶楽部24や将棋ウォーズがそれに当たりますね。そこで常に上位に居たという事実をもって、人間を超えているというコンセンサスが生まれていたと。また(将棋でいうところの)コンピュータの局面における評価値の正確さもかなり認識されていた。このあたりは将棋ソフトにおける詰将棋の解答能力、のようなものでしょうか。

> ・ソフトを強くしていく過程で、どんなことがあったか
技術的なことは皆上さんや山本さんにきいた方がいいと思いますが、ニューラルネットなので自分同士の対戦を繰り返して強くなったはずです。成長が止まったら人間が介在してすこし評価関数をいじり、また対戦を繰り返させる。

それ以前のコンピューターは人間が頑張って評価関数を作っていたはずですが、めちゃくちゃ弱かったです。



これも興味深いですね。ボナンザがもたらしたブレイクスルー、機械学習による評価関数の精度向上、コンピュータ同士の対戦での実力の把握、そしてそれを踏まえての人間によるチューニング。全く同じことがコンピュータ将棋でも起こっています。


以下の望月さんの発言はもしかするとプロ棋士やその界隈?に読まれることを強く意図してない可能性があるのですが、かなり興味深いところなので引用しますね。


ところで、将棋関係のいろいろな記事を読むと、将棋の人はコンピューターに対してうぶというか、負
けてはいけないというアレルギーがあるのかと思います。でも、コンピューターが強くなると、人間のレベルはどんどん上がると思いますよ。



ここですね。文章の前半部分は若干人によっては煽りっぽさを感じるかもしれませんが、それこそがナイーブであることの証明かもしれません。後半部分こそが重要で「コンピュータが強くなると、人間のレベルはどんどん上がる」かもしれない、と望月さんは語っています。

これは単なる予想ではなく、望月さん本人が実感していることです。具体的には以下のようなことを語っています。

たとえばSnowie1と勝負しろと言われたらわたしはやります。多分勝てると思います。私の技術がそれ以降のBOTによってだいぶ進歩したからです。また、BOTによって創造的なムーブが増えました。自分の引き出しが増えていった感じ。将棋でもそういうことが今後どんどんでてくるんじゃないかな。



これです。読んでるだけで、これが将棋でも起こると思えばワクワクしませんか?続く次の発言も興味深いです。

BOTは創造しているわけじゃないんだけど、固定観念がないから人間にとっては面白い手を指すと思いますよ。



ここはどちらも将棋倶楽部24など等で将棋でも思い知らされているところですよね。「創造しているわけじゃないんだけど」という言葉がすごくいいなと思います。創造するのは藤井猛をはじめとする人間なんですよ!><


あと、これはギャモン特有の話だけど、BOTの一番強いところは常に同じ実力を出せて、疲れを知らないことだと思う。ギャモンは回数を重ねて勝負してなんぼのもんなので、その時に疲れを知らないのは本当に有利です。



これはもしかするとギャモン特有の話じゃないかもしれません。武道でも百人組手、みたいなのがありますよね。ああいう感じです。人間も結局順位戦の終盤とか二日制の最後の秒読みとかを思うと、常にポテンシャルを安定的に発揮することが重要なはずです。

そういう意味で新人棋士たちのなかに、菅井竜也や永瀬拓矢のようなタフな棋士たちがすでに含まれているのは素晴らしいことだと思います。


最後の〆もカッコいいですね。

自動車と徒競争をするひとはいないわけで、車に乗って楽しめばいいじゃん、というのが私の見解です。



戦う相手ではなく、ツールであると。便利な道具として活用すればいいじゃんと。そういうことですね。

ここで一つ私が困ってしまうのは、電王戦はまさしく「車と競争することを愉しむための場」であるということ。あるいは「剣闘士と猛獣の戦い@コロッセオ」。

これについては、どんなにいろんなことを言っても、絶対にここに帰着すると考えています。すでに人間がコンピュータ将棋に凌駕されているのであれば、その凄惨さは強まるのは間違いないです。

ここについて、羽生さんと川上会長の話し合いでは、人間が負けることを受け入れる途中段階のもの、通過儀礼的なものだ、っていう趣旨のことを言っていたように記憶しているんですが、ややきれいごとにすぎる、可能性はありますね。

既にプロ棋士をコンピュータ将棋が超えていたら、決着のつき方として、ドン引きするようなオチが待っている可能性すらある。

一旦は決着をつける意味で第三回なり四回なり決着までの開催があったとして、そのあとはさすがになくなるのかな?あるいはもっとも人を呼べるコンテンツということで継続されるのか。レギュレーションの変更で接戦をマッチアップするのか。

この望月さんの記事のタイトルの問いの答えが最後の一文なわけです。

自動車と徒競争をするひとはいないわけで、車に乗って楽しめばいいじゃん、というのが私の見解です。

だとしたら、電王戦に、特に決着がついた電王戦にどんな意味があるのか?もたせるのか?というのはなかなかに難しい問題です。

正直、個人的にはポナンザの将棋倶楽部24降臨の最終日には、最高点更新の興奮もなく、対局内容についても特に熱戦があったわけでもなく、むしろニコ生放映内容のほうが楽しかったぐらいなので。。

次回は開催されてほしい。でももし第三回電王戦で内容的にもプロ棋士が圧敗したら?それなりにすごいメンツを集めて言い訳の利かない条件設定にして、それで5-0とかになったら?

その時に次をどうするか?ってのは一つあります。あるいは、本当にその可能性があるなら、行わないという選択肢もあるかもしれません。

ただ逆に言えば負けて当然の勝負に金を払うスポンサーがいるってことは、一度は決着をつけるべき、という気もします。

グレーシー柔術とか、プロレスが異種格闘技戦に参入したころ、K-1グランプリなどなどが人気で始めた時代・・・をいろいろと思い出しますね。



合わせて読みたい:
「人間対コンピュータ将棋」頂上決戦の真実【後編】一手も悪手を指さなかった三浦八段は、なぜ敗れたのか

こちらもすごいですね。山本一成さんの逡巡と、三浦弘行プロの検証後のコメント。


そして今晩20時からは渡辺明邸から、ポナンザの放送がありますよ!

将棋中継コミュニティ

ponanza in 将棋倶楽部24
5/17(金)20:00〜 渡辺明竜王、保木邦仁さん(Bonanza)





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ならではの戦いの数々でBONANZA優勝!第23回コンピュータ将棋選手権

第二回電王戦で三浦弘行を破ったGPS将棋の金子知適氏が対局後のインタビューでこのように言いました。

「コンピュータ将棋選手権で連覇したチームが殆ど無いように、まだ棋力向上の余地はある」と。

そして第23回コンピュータ将棋選手権はその通りになりました。

ほぼ勝利を手中に収めていた?GPS将棋がなんと時間切れ負けという劇的な幕切れ。

その結果、1位Bonanza 2位ponanza 3位GPS将棋 4位激指 5位NineDayFever、6位ツツカナ、7位習甦、8位YSS、となりました。

しかも最終戦まで全敗だったYSSが習甦に最終戦で決勝初勝利を収めていましたが、もしここで習甦が勝っていたら、ponanzaが奇跡の初優勝だったとのこと。(参照)。

それほどまでに上位陣の実力は伯仲している、ということです。

再び金子知適氏の言葉を引用させていただきますが、一回勝負での結果をもってその実力が反映されているとは考えられないわけで繰り返していくことでこの順位が入れ替わる可能性も十分にあるわけです。

以下、簡単に決勝戦の様子を振り返りますが、最初に簡単に総括すると、人間同士、或いは人間対コンピュータ将棋とは全く違った異質な戦いが多かったように思います。

また、これまでのコンピュータ将棋選手権と大きく異るのは人間との実力差がある程度正確に把握されて始めての大会だったのでそういう目線で見ることが出来ました。

出来ましたが、コンピュータ将棋は決して完璧ではない。それでもその上であれだけ強い。まさに若かりし頃の羽生善治プロを観ているような気分になります。

そしてこのコンピュータ将棋を見ていて思うのは、人間・コンピュータかかわらず、まだ将棋を高めることが出来るのだろう、ということです。

囲碁の世界では史上最強の棋士は?という話のなかで現代の棋士ではなく、昔の棋士の名があがるということをきいたことがあります。

将棋においても、定跡の発達はあるものの、将棋無双・将棋図巧等、現存する長手数の詰将棋の完成度を見る限りにおいてはその中終盤力や構成力は現代に劣るものではありません。

人間のクリエイティビティとコンピュータ将棋の計算能力をベースにした定跡の完成度を高める作業、新手筋の発見、異感覚の取り入れ…などにより人間・コンピュータ将棋の双方に、さらなる発展が期待できるような喜ばしい予感をおぼえました。

以下、決勝の様子です。基本的にはBonanzaの戦いについて記します。

【第3回戦まで】
3連勝を決めたのはBonanzaとGPS将棋。BonanzaはNDF、YSS、ツツカナに勝利。GPS将棋は習甦、ツツカナ、YSSに。

ツツカナ、YSS、習甦はこの時点で脱落してしまった。

Bonanzaの初戦NDF戦は山崎隆之ですらやらないような超謎力戦。攻めの銀を3七に残したまま、しかも飛車もニートのまま、玉頭方面から敵陣を制圧するという謎将棋だった。

二回戦目のYSS戦は序盤は矢倉の本格的な展開だったが中盤の分かれからはまた謎のコンピュータ将棋同士らしい戦いに。攻めたはずが攻めごまを責められる展開で辛そうだったが、玉が中段に泳いでからはコンピュータ将棋特有の震えない寄せで辛勝。

三回戦のツツカナ戦は後手番でノーマル振り飛車。ツツカナは左美濃に構えるもののやや定跡形から外れる進行。後手は四間から中飛車に振りなおして、伸びすぎの5筋を咎めにいく展開。

この将棋も中盤からいきなりのノーガードでの打ち合いになり分かれは後手のBonanza有利。一目良さそう。ただしここからのツツカナの粘りがまさに船江恒平戦で見せたツツカナらしいものでした。これを見ていて人間では勝てんなーと思うと共に、何人か人間のベテランの先生、特に鬼籍に入っている先生方の名前を思い浮かべたのでした。主には振り飛車党の先生たちですが。

80手目ぐらいで人間なら勝ちやろーと思う将棋が終わったのが160手台、そんな将棋でした。


【4回戦、5回戦】

3連勝で迎えた4・5回戦、遂に全勝者が消えます。1敗で切り抜けたのは激指、ponanza、GPS将棋。Bonanzaはポナンザと習甦に連敗してしまいます。

四回戦のponanzaとBonanzaの対決は、先手ponanzaで正調の角換わりに。先手ponanzaの早い玉上がりが既に人間にとっては異質なのですがコンピュータ将棋はそこをスルーして粛々と進めます。それに呼応するように4二玉ではなく、4一玉と進めたボナンザに対して、おそらくponanzaはこれを得意技にしている?と思われる、桂馬の単跳ねでいきなり仕掛けます。(コンピュータ将棋は本当にこういう攻めが多いですね…)。

4二玉であれば桂馬の利きに対する受けゴマが多いのですがこの一手で銀を上に逃げるしかないようではキツイです。3三の地点に無限オカワリが実現して先手のponanzaがペースを握ります。

65手目、気持ちのよい手ですね。
ponanza65teme.png

死ぬほど攻めまくるんですが、やややりすぎて息切れというか、逆転していたのですが、なぜかBonanzaが攻めに転じずに受けて無理を通す形となり、ponanzaの勝ちとなりました。

この勝負は振り返ってみればかなりの意味をもつ将棋で、ここをすんなり勝っていればBonanzaは普通に優勝していた…かもしれません。また、ここのponanzaの勝ちがあったからこそ、最終戦でponanza優勝の可能性もあったわけです。

五回戦については、その時点で優勝に最も近かった「激指とGPSの戦い」について触れます。

この将棋は個人的には凄く面白かったです。先手激指が相掛かりを所望して後手のGPS将棋が応じます。しかしなんだか後手のほうが先手のような手順で攻めます。この攻めは…そう、中原誠先生のアレです!

なんどかこのブログに私は書いていますが、中原先生のこの相掛かりを私は本当に愛していました。今でも大好きです。ただし、人間であればこういう攻めを後手で取ることはしないように思います。ちょっと図々しいよな…と空気を読むというか、大局観・全体観で知っている・感じ取るからです。コンピュータ将棋はある意味KYですねw

41手目までの進行は中原流相掛かりにおいてはかなりメジャーな手順です。定跡をなぞったのではないのだとしたら、コンピュータ将棋がプロにある部分では近づいているであろうことを示しています。独力で考えて似たような展開をたどっているのであれば。

で、例によってこの将棋、プロでも実戦譜があるんです。類似局面が。これは勝又教授が当日のUstreamでも話していましたが、中原流相掛かりフリークであれば、この手順はあるだろうなーと思う、かなりメジャーな手順です。それこそ清水市代先生の将棋でも出現していてオカシクないですね。

大野八一雄 vs 中川大輔 1997-06-03 王将戦

これがプロ棋戦で出現している局面。先手が中原流相掛かりです。(大野先生も相掛かり好きでしたね。)
oononakagawaaigakari.png

で、こちらが昨日出現した局面。(を先後逆にしたもの)
gekisasigpssengogyaku.png

手番の違いで玉が5二に上がれていないので、後々飛車を渡してストレートに王手が入ったために先手の中原流相掛かりを受けている激指がよくなりました。この将棋もコンピュータ将棋の特性を示していますね。(ただしこの将棋も後手が勝ち切るまでに192手まで掛かってますが…)。


【6回戦、7回戦】
ここで優勝の目が残っていたのは、一敗の激指、ponanza、GPS将棋、そして2敗のBonanzaでした。どれか一つは連勝するでしょう、という勝又教授の御言葉もあり、まさにその通りBonanzaが連勝して優勝したわけですが、最後の勝負がGPS将棋勝勢での時間切れ、だったわけです。

まずはBonanzaが最終戦に望みを託した「決勝 6回戦 Bonanza - 激指」から見てみます。

ボナンザ先手でゴキゲン中飛車が出現します。正直、二次予選の感想でも書きましたが激指だけ居飛車ではなく振り飛車の出現率が高いのでその一点において、優勝候補にしにくいと思っていました。

定跡としてはかなり旧型の作戦に進みます。先手の金が7八だったことも理由ですが、二つ位を後手番で取るのはやはり負担になる、ということで人間ではあまり見られなくなった作戦でもあります。

先手は、後手の立石流っぽい展開に対するセオリーで組み上げ、打開を図る後手の銀交換に乗じて穴熊に組み上げます。交換した銀を8八に打ちつけてハッチを閉めるという手順はアマ強豪がやりそうな手でニヤリとしてしまいました。ここでも幾つかの名前が浮かびましたw

後手は5筋で歩損が確定しており、打開の糸口がないので先手の作戦勝ちは間違いないでしょう。後は等価交換の作業を進めるだけで先手のBonanzaがあっさり勝ちました。二次予選以降を通じて最もあっさり負けた将棋ではないでしょうか?

ゴキゲン中飛車が優秀ではない、というつもりはないのですがコンピュータ将棋を観ているとやはり振り飛車は勝つのに大変苦労する将棋なのだな、と思わされます。

そして七回戦最終戦、「決勝 7回戦 Bonanza - GPS将棋」は、Bonanza先手で正調の相矢倉になります。

馬を作られてBonanzaやや苦しいか?というところから困ったときの穴熊w

コンピュータ将棋もなかなかの実戦主義ですね。そしてこの将棋、その実戦主義が結実するわけです。ここから勝ってるのに時間切れ負けした、というのは既に大きく流れているので割愛します。上記URLから手順を追ってみてください。

私が思ったのは、昔のトップアマのタイトル戦っぽいな。ということです。敗勢の将棋を必死に粘り続けて詰めろがとけた瞬間に…など、幾つかの有名な将棋を思い出しました。

将棋の性質としては如何にもコンピュータ将棋、という具合でしたがそこから生まれるドラマ、与えられた感動はプロ将棋よりもむしろアマのタイトル戦のようなものでした。

プロ将棋も面白いし、アマ将棋も勿論楽しい。そしてコンピュータ将棋も人間からみれば理解不能な手順が出てきたりしますが、面白いし感動するのだな、ということを改めて確認することが出来ました。

願わくば、次回はニコ生でちゃんとした放送がみたいですし、是非今回ベスト5に入ったコンピュータ将棋の面々とプロの、特にトッププロに近いところの面々との第三回電王戦が観たいなぁ、と心から思った3日間でした。

関係者の皆様、そしてBonanza&開発者の保木邦仁さん、お疲れ様でした!


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基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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