(追記有)ベテランのスタートダッシュ。第72期B級2組

また少しだけ順位戦について。結果からいうと、私の好きな棋士が沢山2連勝していたので良かったです。



堀口 一史座七段(1勝1敗)○-●中村 修九段(0勝2敗)…15時19分

まずいちばん早く終わったのはここ。後手の中村が角交換四間飛車をやってから、飛車交換に応じてからの受ける中年。しかし受かってませんでした。先手の圧勝。やはり飛車交換した時点で辛かったか。

中川 大輔八段(1勝1敗)●-○田村 康介七段(1勝1敗)…19時51分
先手の横歩取りからのひねり飛車。ただし後手も2筋に絆創膏を貼らずに頑張る手順。両者の特徴がでた将棋でしたが、先手陣のほうが攻められる箇所が多かった…という印象。特に受けなかった2筋を活かした攻めとひねり飛車の角頭が目標になる手順が生じたのが先手にとっては痛かった。


青野 照市九段(2勝0敗)○-●豊川 孝弘七段(1勝1敗)…20時27分
私の愛するトルイチ、こと青野先生。本当に青野先生の将棋は好きで、対振り飛車急戦ではお世話になりました。最近のこの角換わり、一手損での序盤研究の深さも素晴らしく、初戦に引き続き、一手損撃破で圧勝でした。横歩取りでも青野流が流行っているように、その序盤感覚はいまでも序盤研究の第一人者であるといえます。


野月 浩貴七段(1勝1敗)○-●畠山 成幸七段(0勝2敗)…21時44分
横歩取りで野月プロらしい攻めが炸裂。と金作った時点では良さそうだったが、そこからの決め方も震えない指し方でかっこ良かった。


南 芳一九段(0勝2敗)●-○先崎 学八段(2勝0敗)…23時31分☆
相矢倉から先手良しとされる定跡に入るが、途中で後手の先崎プロが前例から変化。ただしそれで良かったわけではないので今後は微妙だが、中盤のねじり合いで先手の疑問手もあり逆転。これで先崎プロも連勝。


島 朗九段(0勝2敗)●-○杉本 昌隆七段(1勝1敗)…23時38分
角交換振り飛車にいつのまにか先手陣の金銀が分断されてさしきれないと判断されたのか、島先生早めの投了となった。


井上 慶太九段(0勝2敗)●-○佐藤 天彦七段(2勝0敗)…23時48分☆
横歩取り青野流の最新形に。例の羽生vs小林裕士戦の形だ。52手目で後手の天彦プロが手を変える。前例では2九の香車一発で先手の勝ちになったように見えたが、それを回避するような、香車を除去する手順だった。その構想が良かったようで、後手の勝ち。天彦も連勝。


以下、まだみてないので結果だけ。どうやら戸辺さんは詰みを逃したらしい。(ツイッターでの呟きより。)また、注目していた稲葉中田戦は後手の勝ち。中田先生の連勝も嬉しいし、角換わり腰掛け銀で後手待機策をとっていたので、どういう構想で勝ったのか?をあとで楽しみに鑑賞したいと思う。

窪田 義行六段(1勝1敗)○-●森下 卓九段(1勝1敗)…0時5分
安用寺 孝功六段(0勝1敗)●-○飯島 栄治七段(1勝1敗)…0時41分☆
北浜 健介八段(1勝1敗)●-○阿部 隆八段(1勝1敗)…0時51分☆

村山 慈明六段(2勝0敗)○-●戸辺 誠六段(1勝1敗)…0時57分

ここは本日の大一番、という将棋でしたね。携帯中継もありましたし、ご覧になられた方も多いと思いますが、こういう将棋を毎回みたい。

どちらもこれぞプロ!という序盤の構成力と真剣勝負ならではの中盤、端からの攻撃。本当に素晴らしい将棋でした。

戸辺プロとしては詰みを逃して残念だったと思いますが、本当にかっこよかったですね。


稲葉 陽六段(1勝1敗)●-○中田 宏樹八段(2勝0敗)…1時13分

この将棋も良かったです。角換わりの後手で様々な工夫を編み出している中田宏樹プロですが、本局もかっこよかった。

序盤の馬を作った所では先手がすぐ行けば後手も苦しかったように思いますが、銀を立て直したあたりでは後手も相当。

特に壁銀ならぬ壁馬でしたが、馬と銀の性能の違いを思い知りました。

終盤の寄せも鮮やかで中田宏樹プロのいい所盛りだくさんの将棋でした。

その結果が以下。連勝スタートは五名。全員私の好きな棋士なのでとても嬉しい。(連勝してないところにも好きな棋士はいるのでもちろん複雑な気分ではありますが)。

[B級2組成績一覧] ( )内は順位、*は降級点

【2勝0敗】中田宏(2)、佐藤天(4)、青野(11*)、先崎(16)、村山(22)
【1勝0敗】泉(25*)
【1勝1敗】飯島(3)、窪田(5)、北浜(6)、戸辺(7)、阿部隆(8)、森下(10)、野月(14)、杉本(15)、田村(17)、豊川(18)、中川(20)、稲葉(21)、堀口(23*)
【0勝1敗】安用寺(9)
【0勝2敗】井上(1)、島(12)、畠山成(13)、中村修(19)、南(24*)



勝負という生き方 将棋棋士32人の肖像勝負という生き方 将棋棋士32人の肖像
(2013/06/26)
高橋 呉郎

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内容紹介
羽生善治が、谷川浩司の光速流を目の当たりにした際の高揚を楽しげに語る。
佐藤康光が、タイトル戦の終局直後に思わず涙した理由を語る。
郷田真隆が、自らの信念と美学に裏打ちされた独特の将棋観を笑顔で語る。

トップ棋士だけではない。勝負に生きる者には、ひとりひとりに大舞台がある。
自らの哲学を、名誉を、人生を懸けて戦う棋士の姿にベテラン観戦記者が迫る。
将棋世界の人気連載「感想戦後の感想」から、32編を選り抜いて収録。
著者について
高橋呉郎(たかはし・ごろう)
将棋観戦記者。
昭和8年生まれ、千葉県出身。早稲田大学文学部仏文科卒業後、光文社に入社。『女性自身』『宝石』などの編集に携わる。
梶山季之主宰の月刊誌『噂』の編集長。将棋ペンクラブ大賞選考委員。著書に『週刊誌風雲録』(文春新書)など。


関連するタグ 先崎学 青野照市 中田宏樹 佐藤天彦

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MY定跡を持ちたい貴方にオススメの「対矢倉 左美濃作戦」

これは良書です。

もうこれは最初から
イカガ?(´・ω・`)つ マイナビ将棋BOOKS 対矢倉 左美濃作戦
という感じですねw


マイナビ将棋BOOKS 対矢倉 左美濃作戦マイナビ将棋BOOKS 対矢倉 左美濃作戦
(2012/01/25)
中田 宏樹

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既に残り刷数は少なそうです。amazonでは在庫あり、になっています。昔だったら絶対に二冊買ってましたねw

二冊買うの意味は、売る用というか保存用。オークション販売の含みを残す手筋です。いまだと電子書籍化があるので微妙ですが。

実は右四間と左美濃、棒銀と左美濃、というのは私の隠し玉的なレパートリーの中には入っており。相手の顔色と指し手をみて、という具合ですが。

将棋倶楽部24でも使い手が一定数いると思われます。

多分、厳密な手順でいうと難しいと思うのですが、全体的な思想を学ぶという意味においてはかなり有効な良い本です。

プロの最新定跡というと、厳密な手順の踏襲になるので難しいのですが、この手の定跡においては思想を学び、実戦で自分でアレンジしていけるので、後手番矢倉で有効な作戦がなく、気づいたら相手の定跡型にハマって負ける…とかの人には超オススメ。

難しいですが、全体的な方針を自分なりに咀嚼するのがポイントでしょうか。


イカガ?(´・ω・`)つ マイナビ将棋BOOKS 対矢倉 左美濃作戦


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第70期順位戦B級1組1回戦 

遂に開幕した順位戦。前期のように頻繁な更新が出来ない私にとっては嬉しいような悲しいような(苦笑)

▲行方尚史八段-△木村一基八段
後手の一手損中座飛車。これは、今期昇級候補に私が上げていた行方尚史が不出来な将棋だった。土下座の連続で勝ちがなく後手の圧勝という印象だった。


橋本崇載七段-△藤井猛九段
後手の角道オープン四間飛車。この形は単調になりがちだが、単調さ故に真面目に研究する人も少なく、細かすぎて伝わらないモノマネ選手権的に、藤井猛が掘り下げていても全く驚かない、という印象がある。

本局も理論上は先手が良さそうだが経験値的には、というような具合に案外難しそうな将棋が続いたが、やはり最後まで先手が良かったようだ。橋本崇載プロはA級に向けての好発進となった。


井上慶太九段-△松尾歩七段
これは井上慶太の名局だろう。後手の一手損中座飛車の派生型で先手が8七を打たずに頑張る形。中盤は先手が良さそうで、後手に追い込まれるがギリギリに凌ぐ。「シノギの井上」という愛称?は初めて聞いたが、たしかに納得させるものがあった。

85手目の▲8八飛には本当にシビれた!コンピュータはこういう手を指すのかどうか?に興味があるので、お手持ちのソフトで当該局面を検索の上お知らせ下さい。松尾プロの玉の八筋への異動と合わせて両者のディフェンスにおける特徴が出ていた将棋だと思う。


▲畠山鎮七段-△山崎隆之七段
もはや使っているのは山崎隆之と糸谷哲郎だけ、という具合の一手損が登場。しかし序盤で既に後手陣の歪さに辛さを感じる。

ひたすらに延々と辛そうな状況が続きチャンスらしいチャンスもないままに終わったように思う。山崎隆之の苦難は今期も続きそうだ。


中田宏樹八段-△鈴木大介八段
居飛車党に転籍後、また振り飛車党に復党したか?という鈴木大介プロのゴキゲン中飛車に先手の中田宏樹プロが、らしい独自の構想を示した。これは正直相当に有力だと思う。多分、ものすごく流行る。そしてゴキゲン中飛車の勝率をすごく下げると思う。

というぐらいに凄い圧勝劇。また離党する可能性が…。


▲中村修九段-△阿久津主税七段
後手の角交換型の中飛車に。藤井猛プロが構想を示し、深浦康市プロが愛用する形で私も一頃似たような中飛車を指していた。普通のゴキゲン中飛車よりもサッパリしているというか、紛れが少ない。

ただし本譜のように先手にがっちり組まれても辛いし、金銀分散型になっても大変で、序盤のリスクが少ない分、中盤以降のリターンも少ない、というボラティリティの小さい戦型。

この将棋の中盤も正しくそうだが、先手の手が正確に続けば多分八割負ける。しかし人間は考える葦ならぬ間違える葦なので、本局のようなことが起こるということだ。これまでアンラッキーにまみれた順位戦なのでたまにはこういうことがあってもバチは当たらない。後手番としてはやっぱりアリな戦い方だったと思う。

********************

阿久津・ハッシーの昇級コンビが当然と言ってもいいぐらいの実力を示した。その他の既存面子はよくも悪くも従来通り。そして相変わらず中田宏樹プロの天才っぷりにシビれた。



将棋のチカラ将棋のチカラ
(2011/02/26)
阿久津 主税

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君臨する羽生世代 第69期B級1組順位戦

正確にいうと、羽生世代という印象は無いのだが遂に屋敷伸之プロがあがった。その才能は誰もが認めるところであり、10年?の長きに渡ったC1での停滞があったが、やはりよくも悪くも収まるところに収まるということだろう。

しかも最後は最終対決、どちらが勝つかで昇級が決まるという勝負でしっかり大差で勝ち切ったのは大きい。いつかは挑戦まで見たい棋士である。そして故新井田基信氏が、広瀬章人について、「才能だけなら屋敷以上」という言葉を残していたことが、この昇級の事実をもって広瀬章人への期待を高める。

屋敷 伸之九段(8勝4敗)○?●松尾 歩七段(7勝5敗)…23時34分
相居飛車は後手に選択肢がある。松尾歩が一手損中座飛車を選択し、屋敷伸之がそれに応じた。

しかし僅か50手ばかり進んだところで後手の桂損。その代償は見当たらないのであれば先手が優勢という声が控え室から出ても仕方ないところ。

そこから少しだけ手は進めるものの紛れの無さに早々に駒を投じることとなった。作戦巧者なだけにやや不可解な終局だった。ともあれ、屋敷伸之A級へ。


中田 宏樹八段(6勝6敗)○?●山崎 隆之七段(6勝6敗)…0時28分☆
特に昇級降級に関係のない取組だが、好きな二人の対戦なので少しだけ触れる。

戦型は後手山崎隆之の一手損中座飛車。先手の中田宏樹プロは自身の読みを頼りに独自の作戦を用い、それが棋界に広まるというタイプの棋士であり、その点においては山崎隆之プロに似ている。両者を私が好む理由だ。

先手の作戦に感心した。相中原囲いかと思ったが、4九の金がポイント。飛車の打ち込みに強いのは先手の陣形だ。

そして飛車の交換となったところでは手番は後手だが角の働きと飛車の活用範囲において先手が上回っていると思う。しかし手番を握った山崎隆之プロの飛車の打ちどころが流石の一着で一旦は千日手まであったが、先手が打開して後手が中原囲いの耐久力を活かせるかどうか?という勝負になり、先手陣に攻めが及ぶことなく、先手が攻め切った。


杉本 昌隆七段(4勝8敗)●?○鈴木 大介八段(6勝6敗)…0時48分

こちらは降級を争う中で最も危なかった杉本昌隆プロが落ちることとなった。豊川・杉本というのは申し訳ないがある意味順当だろう。二人の実力が劣るというわけではなく、他の面々は実績面でもかなり秀でておりAクラスにいてもおかしくないからだ。

豊川・杉本の両者はまさに鬼の棲家に相応しいが、A級かと言われればその実力ではなく、将棋の雰囲気としてそういう感じでもない。戦型はノーマル中座飛車に先手中住まいでじっくりした将棋に。

55手目、この歩が取れないようでは、そしてこれがと金になり取れないどころか香車を先に損するようであれば先手が辛いと思う。そこからの手順も淀みなく、後手の完勝譜だろう。

終わってみれば、松尾と深浦も7?5。やはり次期の昇級候補であることは間違いない。山崎隆之プロの6?6というのは、完全な力将棋であることを思えば仕方ないが、その実力からすれば物足りない。来期の奮起を期待したい。



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「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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