渡辺竜王、羽生マジックに敗れる…。第71期A級順位戦A級8回戦一斉対局

▲羽生(6-1)-△渡辺(5-2)

いやーまさかの逆転劇で羽生勝ち。横歩取りを久しぶりに渡辺竜王が選択し、優勢に進めていたが、羽生ゾーンに打ち込まれた▲8三金が逆転のきっかけに。飛車を取るためだけの▲8三金、▲8六桂という投資が実った。

最終盤で△7七歩成としていれば後手の勝ちだったが違う手順を後手が選んで逆転。それまでさっぱり手が当たらなかった控え室だったが、終盤のこの辺りは控え室の文殊の知恵が優っていたようだ。ということはこの局面までコンピュータが進めることがもし出来れば、後手のコンピュータが勝っていた、ということでもある。

3月に控えるコンピュータとの電王戦のことを少し考えた次第。



▲三浦(5-2)-△深浦(3-4)

それにしても何故深浦康市プロはA級残留出来ないのだろうか。勿論まだ分からないが、今期もやはり最終局まで残留が持ち越される形となってしまった。戦型は横歩取りの8四飛車型、中原囲いの5二玉型。先手は中住まいから端桂で攻め立てる。5二玉が逃げてるとも言えるし、端攻めを誘発しているとも言える形だ。

先手の攻めがやや空振りとなり、後手の模様が良いと言われていた中盤だったが、スローペースなので勝ち切るまでが大変な将棋だった。途中激しく逆襲に転じた後手だったが、と金を敢えて作らせる手順が上手く先手が逆転した。1九の地点にいると金が邪魔駒となり、後手の深浦康市の攻めが頓挫してしまったのだ。

細い道を深く掘り下げたい三浦弘行としては望む展開となり、先手勝利。上記の羽生渡辺戦といい、先手はワンミスまでOK、後手はノーミスでなければ、というようなトッププロの厳しさを思い知る一戦だった。



△屋敷(4-3)-▲佐藤康(3-4)
ここは相矢倉から終始先手が攻め立てる展開に。玉頭の垂れ歩が出来た時点では決まっていたように思う。後手にチャンスらしいチャンスはなく、ひたすらに先手の攻めが決まった。屋敷伸之プロは、先手で全勝、後手で全敗、という順位戦の展開に。天才が酒をやめて精進してもこの先後の差異は容易には埋まらないのがトッププロの現実であろう。


▲郷田(4-3)-△高橋(2-5)
後手の中座飛車に。後手がペースを掴んだようだが、二枚の飛車が使えない展開となり、先手の勝ち。高橋道雄プロの中座飛車はいつもこういう展開が多いような気がするのだが…。それだけ歩越し飛車の活用は難しいということなのだろう。。


▲谷川(2-5)-△橋本(1-6)
注目の一戦。ハッシーは負けると後が無いが、角交換からのダイレクト向かい飛車で逆転勝ち。正直中盤では相当厳しいと思っていたが、80手目の△7五香が、一連の手順のなかでの狙いだったようだ。これで後手玉のシンプルな片銀冠が堅いのだ。

なんとも現代的な局面であり、銀の割り打ちが入ったところではてっきりすっかり先手の勝ちだと私は思っていたが全然違った。嵌め手、ではないがなんとなく油断ではないがうっかりしてしまいそうな手順と局面だった。

ハッシーの後手番のこの作戦についてはどうなのだろうかと思っていたが、この一年で負け続けるなかで経験値がたまっていたようだ。

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この結果、挑戦者争いは羽生善治三冠と三浦弘行プロに絞られた。残留争いは、深浦>谷川>高橋>橋本という順に危ない。橋本は他力。ハッシーは最終局の羽生善治三冠戦は和服で臨んで勝ち切って欲しいところだ。


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トップ棋士に焦点を当てた、ムック・シリーズの第2弾は「羽生善治」です。
囲碁トップ棋士である張栩棋聖との対談。作家・大崎善生氏や、チェスプレイヤー・ジャックピノー氏による評論、渡辺明竜王、森内俊之名人、郷田真隆棋王、佐藤康光王将、谷川浩司九段ら28人の棋士が選ぶ「羽生将棋名シーン28」、ほかにもロングインタビュー、記録・データ分析、100の質問、豊富なカラー写真など、さまざまな角度から羽生三冠の魅力を紹介。棋士・羽生善治のすべてが分かる一冊。将棋初心者や見る将棋ファン、女性、子どもでも気軽にお楽しみいただける内容です。





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20121106の夕食と、丸山vs八代など、朝日杯の感想

2012年11月6日の夕食は、焼き鮭、味噌汁、冷奴、キュウリの浅漬、キンピラゴボウ、でした。飲酒せずにお茶を飲みました。飲まないとすこぶる調子がよい!などという人が居ますが、私は飲んでも飲まなくても調子が良いですけどね…。良い酒しか飲まないので二日酔いも無い!…と思いたいところです。

二日間の禁酒の成果がでるかどうか?は明日に掛かっていますが。明日は日没とともに、しっぽりと行く予定でございます。



さて、朝日杯。好調な、高勝率を誇る新人の八代弥が、名人獲得もある丸山忠久に勝てるのかどうか?には注目していたのですが、中座飛車なのかな?、横歩取りの後手番を持って、挑んだ。もののかなりの大差で負けてしまった。

流石に、横歩取りの大家にはすんなり勝てないところだったか。割りと良い所無く負けた感じもあるが、序盤というか中盤で工夫しようという、突っ張ろうという意思が感じられた。

その後、深浦康市を相振り飛車で破った田村康介丸山忠久が対戦したが、如何にもな将棋で深浦康市をふっ飛ばしたマッハ田村だったが、丸山忠久には負けてしまった。しかも結構な大差だったように思う。

丸山忠久は竜王戦ではいいところがないが、この二つの勝利、勝ち方をみていると、流石に強いのだなというのが分かる。これに圧勝してしまうあきらたんはどんだけ強いんだか…。


明日対局。明日対局。
(2012/07/13)
渡辺 明

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Tag : 八代弥 中座飛車 丸山忠久 田村康介

研究にハマる 第42期新人王戦決勝三番勝負第1局 ▲佐藤天彦-△豊島将之

佐藤天彦最後の新人王戦で5分遅刻からの中座飛車となった。名人戦第七局の後手が負けた将棋を淡々となぞる豊島将之

絶対に研究手が出るはずで、それは先手の佐藤天彦も知っている。ただ先手としては前例以上の変化点がない。まだ先だ。

先手良しと思われる・思われていた局面で、自然に温めていた研究手を披露する豊島将之

どこかで出る出る、というのは分かっていてもどこでどんな手が?というのは分からないのが素人のかなしさだが、鈴木大介プロはしっかりと看破していた。

おそらく、佐藤天彦も気付いたのだろうが、既に「ハマった」状態だったのだろう。

62手目の△6四角の局面は。

後手の歩切れ・駒損だがこの振り飛車との対抗形で振り飛車が指すような手ですこぶる感触が良い。この手でぎりぎりにバランスが取れているどころか、後手が良いという話があるらしいことが、鈴木大介プロから語られていた。

そのあとの3枚替えの展開は既にあきらめた、というわけではないだろうがじり貧を嫌った展開。首を差し出した、ではないにしろ、死中に活を見出すための激しい手順だ。

・・・と思ったらすぐ終わった。首を差し出したようだ。

横歩取りらしい、恐ろしい展開だった。

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これが最後のチャンスとはいえ既に取っている佐藤天彦よりも、一度はとらせたい・取ってほしい豊島将之が幸先の良いスタートを切った。

次は先手番。後手になる佐藤天彦は、同じ横歩取りでリベンジを誓っているだろう。



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以下、対局後まもなくつぶやかれた佐藤天彦プロの感想。これは得難い。素晴らしい。

相手の研究範囲にすっぽり嵌って、なす術がありませんでした。勉強不足でした。 また次頑張ります。

因みに遅刻は自分の手落ちです。申し訳ありませんでした。

今日の将棋はちょっと前に調べなおしていて、9月号の森内さんのインタビューもしっかり読んだつもりだったのに△54歩のくだりは頭に入ってなかった。しかし▲9一とで難しい勝負にも見えたけど、本譜の△4五桂~△6四角が用意の好手順だったみたいです。

http://twitter.com/#!/AMAHIKOSATOhより。



遅刻したことも、特に粘らずにすっぱり行った理由のひとつのような気もなんとなくしました。

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一手損中座飛車への最新対策 A級2回戦 ▲渡辺明-△屋敷伸之

天才同士の対戦、の頭に新旧とつけたほうがよいか?先週行われた一戦。

戦型は横歩取りとなった。一手損中座飛車の最新型で、どこから攻めるか?という課題局面で先手の渡辺明竜王が研究を見せた。33手目の▲2四歩が如何にも鋭い攻めで渡辺明竜王らしい。

一筋二筋から勝負するのもこの戦型ではあるのだが、早逃げの中住まいの顔を立てる意味もある。55手目の局面、自ら一筋にちょっかいをだしていた先手が反撃されて飛車を逃げているようであればおかしいのだろう。

とはいえ65手目の▲1三香成で一応の挟撃。そして71手目の▲2六飛が気持ちの良い一着。これで先手が良くなっていそうだ。少なくとも方針としての分かりやすさが出てきている場面。

先手としては7筋が壁で生きた心地がしない状態だったが、先手の手が最大限に効いているために、△7六歩を指すヒマがなかった、という事実に驚く一局。

香車を得てそれを8五に打つというのは高飛車を咎める手順で、有力かもしれない。



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森内俊之名人誕生(4-3での奪取)

昨日は某所の大盤解説に行きました。腰の悪い私としてはあの椅子に不安が残る感じで、案の定今腰が痛い訳ですが。

私が着いたのは丁度次の一手の局面。パッと見では後手が苦しそうな局面で、ほぼ一択。ということでサラサラと番号を書き、商品当選を祈ると、見事に当選しました!(…と書くと記憶力の良い方には特定されてしまうかもですが…)。

次の一手の局面で既に後手が悪いように見え、そこからも延々と先手をもちたい局面が続きました。大駒、二枚の角が縦横無尽に自陣を守っているので寄らないものの、攻めが細く、▲3九銀などの気持ちの良い手もあり、先手玉がとにかく寄らない。

後手玉は桂馬一発で崩壊する形で、その桂馬を入手する手を防ぐ術がない…というちょっと後手に勝ち目のない将棋だったようです。

殆ど手がないように見える中でも手順の妙を見せて、怪しく粘る羽生善治名人でしたが、先手玉に対する脅威が少ないので、森内俊之新名人としては、紛れも少なくプレッシャーはあったであろうものの、確実に後手玉を寄せ切った。

これで永世名人として並ぶ二人の名人在籍位は羽生善治7期、森内俊之6期となった。来期の挑戦者争いに興味が移るが、まずはA級で再び羽生善治の将棋がみれることを素直に喜びたい。

そして歴史的な展開でいうと、谷川浩司名人誕生時の相手が中原誠ではなく加藤一二三だったこと、羽生善治名人誕生時の相手が米長邦雄だったことと同様に、渡辺明名人竜王誕生の相手が森内俊之名人だった…ということになるのではないか?


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