7月22日の対局結果のアップ…(遅すぎ

第70期B級2組順位戦

今期は広瀬章人王位と、残りベテラン1名で決まるのではないか?という予感のする第70期B級2組順位戦。

7月22日に行われた二回戦で連勝スタートを決めたのは7名いるが、6名が30代以上、しかも4名が40代という状態。


豊川孝弘vs中川大輔
これは40代同士の、それぞれに独自の味わいをもつ棋士同士の対戦。相居飛車かと思ったが、豊川孝弘プロの先手中飛車、しかしゴキゲンではなくクラシカルな形。

それに呼応するように急戦で仕掛ける後手の中川大輔プロ。二人の修行時代にあったであろう古き良き時代の将棋となった。

結果は先手の振り飛車の遠さが生きて豊川プロの勝ち。


北浜健介七段vs野月浩貴七段
攻めっけの強い棋士現役NO1を争うのではないか?という二人の対戦。相掛かりから後手のひねり飛車に。これは渡辺明竜王が以前見せていた気がする趣向で、こうなるのであれば後手でやりたい有力な作戦と思う。

飛車角交換になった局面ではどちらが良いのか分からないが、パッと見では飛車の打ち込みの隙が目立つ。しかし55手目の▲4七角でもしかすると先手の方針のほうが分かりやすくなったかもしれない。

後手の攻めに乗りつつ、上部開拓しつつ、後手玉を寄せる形になって野月プロの早めの投了となった。





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時代の変化 第69期B級2組順位戦

下位の一敗、或いは上位の2敗で決まりそうなB2クラス。1月14日の対局は直接対決が幾つか組まれており、それによって若干先頭集団がバラける事となった。

▲島朗九段-△橋本崇載七段

先手の3手目6六歩に対して振り飛車に構えるハッシープロ。昨年の横山大樹vs船江四段戦と同じオープニングだ。これであれば後手でも石田流に組めるし、相振り飛車になっても角道を開けている後手が先攻出来る可能性が高い。

この将棋は割と不思議な印象で、居飛車としてやりにくいのではないか?と思われた際に行われた飛車交換はどうだったのだろうか。

その後の応酬では流石に飛車交換の成算がありそうな局面もみえたのだが、進んでみると振り飛車側が必勝になっていた。理由としては、やはり飛車交換にあったように思う。

ハッシー一敗をキープ。島プロは二敗勢に後退した。


▲桐山清澄九段-△北浜健介七段

先手桐山清澄プロの相掛かり2六飛型に。どちらも相掛かりを得意としている棋士だ。

いわゆる尻出棒銀に。これは昔屋敷プロの得意戦法だったように記憶しているが、近い将来一手損中座飛車のようにリバイバルで流行るかもしれない。

私が相掛かりをやるときに、角道をなかなか開けない形もよくやるのだが、先手の形はそれに似ていたので真剣に眺めたのだが、その悪さを後手が指摘した格好。徐々に形勢の差が開き、と金を作ったところでは後手が良いだろう。

先手が最後の突撃を試みるも、後手北浜健介プロの詰将棋の創作・解答能力の名手であるところを示す寄せが出て後手の勝ちとなった。北浜健介プロはこれで二敗をキープ。


▲阿久津主税七段-△戸辺誠六段

年上で天才の称号を天才の集団であるところの将棋界においてもほしいままにしていた(過去形!)阿久津主税プロが、若手の出世頭、広瀬章人プロが王位を奪取するまでは渡辺明竜王に次ぐ出世頭だった戸辺誠プロを迎え撃つ。

ここで勝てば自力の阿久津主税プロは、ゴキゲン外しの三手目▲6八玉。もし、ここで居飛車の秘策があれば最強なのだが、そしてそれがあるのでこの手はアマのオープン戦ではほぼ使えないのだが。

この形にはほぼ戸辺誠プロは角道オープン型の四間飛車、途中下車型の石田流モドキを使っている。(というか振り飛車にする場合の選択肢はそれぐらいしかない)。

私の個人的趣味として、3三銀型の向かい飛車を持つのは相当に好きではない。この3三銀の罪は重く、4四銀、3三桂、2一飛車の形に出来たとしても、3二に居るであろう金の分、かなり良くならないと勝てない印象。

後手はもう先手の攻めに対する反撃しかなく、ある意味先手のミス待ちという感じになるが、91手目の3二歩をもって先手が良くなったと思う。どう応じても駒得が確定した瞬間であり、こういう駒の利きを弱める焦点の歩というのは、投入する資本が歩であるが故にリターンが確実に約束されている。

戸辺誠プロとしては、比較的珍しいように思われるが粘りようもなく、そのまま押し切られて負けとなった。これで阿久津主税プロとともに6?2になった。


▲森下卓九段-△中川大輔八段

未だ順位戦で勝ち星のない森下卓プロ。正直誰も、本人を含めこんなことになるとは思っていなかっただろう。幾つかのアッサリした負け方を前期以前は見たように記憶しているが今期においては、どれも接戦の末に敗れており、あの森下卓先生がB2でこのようなことになるとは、佐藤康光プロのA級降級よりもある意味衝撃的である。

特に今期は島朗プロと共に昇級候補に挙げていたぐらいなのだ。

この将棋もまた、接戦の末に中川大輔プロが勝ち、一敗をキープするのだが、矢倉の大家の森下先生が、失礼ながらにたかが右玉如きに本割の順位戦で敗れるとは信じられない。もちろん将棋は熱戦で、特に右玉党としては勉強になる戦いだったのだが、それでもしかし…。

++++++++++++++++++++++++

この結果、B2は以下のようになった。森下プロは勝ち星なく8連敗で降級点が確定した。森下先生が失礼ながらその他のB2の降級点持ちの方々よりも早くB2どころか、C1に落ちるという自体が起こるとは思えないのだが、次期最下位スタートということを考えると十分にありえる。本道の矢倉戦法に特化しすぎたイノベーションのジレンマ、j時代の変化に対応出来なかった、というようなことが森下先生に訪れているのだろうか?


【7勝1敗】中川(8)、橋本(15)
【6勝2敗】阿久津(3)、北浜(6)、島(10)、戸辺(21)
【5勝3敗】畠山成(17*)、飯島(22)
【4勝4敗】阿部隆(1)、野月(5)、飯塚(9)、南(14)、泉(16)、神谷(18)、窪田(19)
【3勝5敗】堀口一(2)、先崎(4)、青野(11)、安用寺(12)、土佐(24*)
【2勝6敗】桐山(20*)、佐藤秀(23*)
【1勝7敗】田中寅(13)
【0勝8敗】森下(7)



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第69期順位戦 B級2組 6回戦

恐らく1敗勢で昇級が決まるか、或いは上位の二敗+下位の一敗で決まりそうなB2。ということで一敗勢の将棋だけ触れてみる。

▲南芳一(1?4)vs△阿久津主税(4?1)
現時点トップの阿久津プロが南プロと対戦。後手のゴキゲン模様からの相穴熊となった。
進んで74手目、後手の桂馬が3七へなり込めることが確定しており、後手が良いのかと見ていたが、玉頭方面で先手が稼いだ分のほうが大きかった。玉頭戦における怖さを知った一局。これで阿久津プロは早くも二敗。順位が良いので残り全勝でのキャンセル待ちに掛けることとなった。


▲土佐浩司(3?2)vs△中川大輔(4?1)
順位8位で二番手の中川大輔プロが土佐プロと。先手の相掛かり引き飛車棒銀に後手の中川プロが如何にもな金銀の運用を見せて対抗する。

この将棋は棋理云々ではなく、昭和の将棋の味。感想とするべき部分が多すぎて割愛せざるを得ない。ひとつ言えるのは、こういう後手の長くなることを厭わない、大変なことになることを前提とした指し回しというのが、安易に堅くする将棋とは対局の面白さを持っているということだろう。

相穴熊戦が好きではない、対穴熊退治を好む私としては堪能出来た一局だった。中川プロは阿久津プロが敗れたことにより昇級レースの一番手となった。


▲田中寅彦(1?4)vs△島朗(4?1)
相矢倉模様で先手が飛車先不突き、後手が右四間+左美濃となった。後手の戦い方を用いるものとして、よくあるのが暴発してポッキリ折れることだと思うが、そういう人には是非見てもらいたい一局だった。

プロらしい行くぞと見せかけてのじっくりした指し回しが大変勉強になった。

島朗プロが1敗をキープし、中川プロに続く二番手に。


橋本崇載(4?1)vs△青野照市(2?3)
先手橋本プロの石田流に。

後手の対策は天守閣美濃からの銀冠。金が横に二枚並ぶ形で角道は開けたままにしている。銀交換となり、その銀をすぐに後手が手放さざるをえないのであれば、先手が良さそうだ。

しかも攻めの桂馬が5三の地点に成り返って磐石。先手の攻めゴマが沢山ありローラー作戦でいけば間違いがないということで終盤の寄せ合いの前に青野プロが投げて、橋本プロが一敗をキープ、三番手の位置を確保した。


▲泉正樹(4?1)vs△安用寺孝功(0?5)
後手の△3三桂戦法からの四間飛車に。なんとなくだが、佐藤康光プロの左玉戦法をアレンジしようとしたように見える先手の駒組だったが、その暇を与えずに後手の△2五桂ポンが炸裂した。

これは負け方としてはかなりアツい部類に入るだろう。町道場であれば感想戦なく、駒台の駒を盤に投げて立ち去るオッサンがいてもおかしくない。


戸辺誠(4?1)vs△野月浩貴(2?3)
先手戸辺プロの中飛車から相穴熊に。金銀交換が早い時期に実現し、その金を打ちつけて歩得を目指した戸辺プロの構想が面白い。

確かに相穴熊では無条件に玉頭方面の歩を得することが出来ると&その筋の歩を伸ばしていくことが出来ると良くなるようなケースが多いと思う。

後手側から打開せざるをえなくなり、捌き合ってみると先手必勝に。途中、先手戸辺プロの馬を自陣に引きつける手順が勉強になった。

**************************

一敗勢では阿久津プロ・泉プロが脱落し、中川・島・橋本・戸辺という順番になった。またもやベテランが若手を差し置いて昇級する可能性が出てきた。ただし、橋本・戸辺の若手両名が一敗キープすれば、という前提ではあるが、昇級できるのではないか。流石にベテランの二人が残りを全勝で行くとは考えにくい。

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「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

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