20121101の晩飯と行方尚史の快進撃に思う愛のチカラ

昨晩は家呑み。最初はスーパードライから初めて、アキアカリで作った自家製ポテトサラダ。マヨネーズ少なめにして、和風ドレッシングを少量かけて食べるのが我が家の技。

そのあとは水炊き。鳥と水菜とお豆腐としめじ、葱、等。ポン酢であっさり頂く。食中酒は伯楽星 特別純米酒 冷卸を二合ほど。

〆は雑炊にして茶碗二杯ぐらい、残ったポン酢をかけながら食べました。

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さて。昨晩も強豪で昇級レースの競争相手だった山崎隆之プロを打ち破った行方尚史プロですが。本当に今期は調子が良いですね。乱れること無く、中盤のねじり合いでの強さを発揮しています。

昨晩のB1の将棋でも、序盤はザ・ヤマザキワールドという感じに山崎隆之プロが大模様を張ってきました。一手損角換わりから居玉のまま、二段目の横がスーッと通った状態を維持して、飛車が左右に二往復する序盤~中盤、と書けばその凄さが分かるでしょうか。

しかしそれに惑わされること無く、的確に反撃して最後は大差での勝利。今シーズン開幕前でしょうか、確か結婚ほやほやの新婚さんです。今までは飲む機会も多かったんじゃないかなとおもいますが、生活が安定して将棋のブレまでなくなった…と思わざるをえない、内容の良い将棋が今期は多いです。



一方、同日B1順位戦で対局していた、圧倒的な終盤力を誇る穴熊王子こと、広瀬章人プロがいまいち突き抜けられない状態です。噂では最近は振り飛車穴熊を封印しているとか。やはりプロ同士、特にトップとの対戦ではたまに使う分には良いでしょうが、エースとして登用し続けるのは辛かったのでしょうか。

本局は久保利明プロのごきげん中飛車に対抗して5筋逆襲から位をとる将棋になりました。内容的には非常に面白く、終始押し気味に進めていたと思うのですが、83手目の▲9五角と出たタイミングがどうだったのか、というのを結果論的には思いました。いわゆるよくある両方向からの金銀の攻めによる必至形に似たような局面が終盤出ては流石に辛かったようです。

そこから猛烈に追い込むものの、羽生善治プロからのタイトル奪取では強烈な終盤力を魅せつけた久保利明プロがきっちり即詰めに打ちとりました。こうなると、行方尚史プロの久しぶりのA級復活が現実的になってきたように思います。


以下は私が実際に買った・飲んでいた日本酒です。


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王位戦第二局(広瀬王位vs羽生善治二冠)

後手番で久しぶりに一手損を選択した羽生善治二冠だったが、それほど目新しい工夫もなく、普通に指して普通に先手が良くなっていったような印象がある将棋だった。

終盤、形作りではないものの、3三の地点で角金交換から飛車を成り込んで4三に桂馬打って、銀打って桂馬成って▲3五歩と抑えて…というのはアマでもパッと見える手順で、ここまで一本道なのも珍しい。

さすがにこれで終わりだろうと思ったところからもう一丁あり、竜切りに変えて△5四銀という手で相当に難解だったらしい。

序盤の体系化が進み(間違いなくそこには羽生善治自身が一役買っている)、終盤力に優れた広瀬章人渡辺明クラスが相手になると、羽生善治といえども勝てないということと、近年の何か序盤で趣向を見せる羽生善治の、中原誠名人がいうところの「楷書から叢書へ」というような姿勢の変化が微妙に棋界の勢力図になにかを示しそうな気配がする。

週刊将棋の名人奪取後の森内俊之名人インタビューにおいて、あの森内俊之ですら勝負を急ぐようなところが出てきたということだ。

王座戦では渡辺明が勝ち上がってきたが羽生善治のタイトルが1つになる時が久しぶりに来たかもしれない?


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(2011/04/13)
広瀬 章人

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第60回NHK杯二回戦第十四局 野月浩貴vs深浦康市

居飛車党同士、しかし先後の関係で攻めの野月浩貴と粘り腰の深浦康市という形になるか、或いは後手の深浦康市プロが攻勢を取る作戦に出るか、というところ。野月プロが先手ということで相掛かりも期待されるところだ。

第60回NHK杯二回戦第十四局 野月浩貴vs深浦康市

相掛かりを志向する▲2六歩に対して後手の深浦プロはそれを拒否し、後手飛車先不突の一手損へと進む。

一手の損を中央志向で局面を進めれば、先手が▲2五歩と伸ばした手との比較で良く出来る、という主張。最近では朝日杯の松尾丸山戦の丸山プロの快勝が具体例だろう。

相腰掛け銀模様に進むが、35手目の▲4八飛がやや珍しいか。前述の不満を見てのものだろう。同じく朝日杯の片上三浦戦でゼロ手損だったが▲2五歩に△3三銀と受けない趣向を見せたこともあり、先手としては面白くない思いをしたくないということ。

しかし先攻したのは後手。飛車先を伸ばさずに▲2六角と据える展開も角換わりでは稀にあるのだが、それと比べると二手費やしているのが先攻の理由だろうか。

△8五桂からの開戦は一手損ならでは。ただしこの桂馬は跳ねただけでは一丁前ではなく、その後の味付けが重要。

本譜の深浦プロの△3三銀型ではなく(四筋の当たりを一時的に緩和する)△3三金型等、後でどうしても一手の遅れが響く一手損を知り尽くした組み立てだったと思う。

71手目の局面。玉の堅さは後手、手番は後手、駒割は▲桂香△金で先手。後手は歩切れで、先手の入玉狙いが見えているので上手く攻めを繋げる必要がある。

72手目の△7八金が上に逃がす手伝いのような意表の一手。打たないと角を殺しにこられて攻めが切れるということだろうか。続く80手目も驚いた。細く、そして筋悪に重く攻める後手だが、相手に一息つかせないことだけが活路、というような攻めに見え、依然切れると負け、という勝負。

すぐに切れそうに見えてナカナカ切れない手段、すぐにいじめられそうで玉の入玉を阻止し続ける後手の飛車。圧巻は90手目の△7一香だろう。取れそうで取れない魚屋のネコ、取れないとこれで意外に煩い。92手目の△8二飛も取れない。入玉防止に適さない駒ばかりに思われた後手だったが、ちゃんと阻止している。

何がどうなっているのかわからないが、先手からの反撃は間に合わず、101手目に▲4五角とほぼ受け一辺倒の手を指すしかないとなれば後手が良さそうだ。

正確に指せば先手が入玉できた将棋なのかもしれないが、ぱっとweb上で再現しただけでは私の棋力ではよく分からなかった。

後手一手損での指し回しだけではなく、攻め将棋の野月浩貴プロに対してこういう入玉模様の展開を強要したという意味を含めて深浦康市プロの作戦巧者っぷりが前面に出た将棋だったと思う。

先手に逃げ道があったのかどうか?は別途考えてみたい。



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(2010/02/24)
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2010年11月1日、第4回朝日杯二次予選三局の感想

この日は三局あった。どれもそれぞれに面白い戦いだった。


第4回朝日杯二次予選 ▲丸山忠久?△中村太地

早稲田の先輩後輩対戦は後手中村太地プロのゴキゲン中飛車丸山忠久プロの▲3七銀急戦となった。最近は▲7七銀からの二枚銀の展開を多く見る気がするが本譜は銀単騎で単純に攻める方針。

この形はかなり前からあるような気がするが、2筋の突き捨てを先に入れて、3四の地点で得た歩を2三に使えるのであれば居飛車が満足かもしれない。32手目の△4二角が旨そうに見えたが、後手の左翼を捌かせること、成銀が遊ぶことを怖がらずに単純に駒得を求めたのが正解だったようだ。

7七歩と蓋をして角道が閉じたが再び通り、自分の歩が邪魔でなれなかった飛車が成り込んだあたりでは先手の模様が良い。その後、派手に大駒が振り替わって97手目に手番が先手に渡った。「大駒は近づけて受けよ」を狙う後手に対して指した99手目の▲7四歩が勝利打点の味。

このシンプルな速攻でもし先手が良いのであれば、後手ゴキゲン中飛車というのはかなり辛い気がする。▲3七銀がゴキゲンを滅ぼすのかどうか?に今後注目したい。


第4回朝日杯二次予選 ▲村中秀史?△松尾歩

居飛車党同士の対戦は松尾歩プロの一手損中座飛車となった。それでも1?3筋から攻めるために端歩を伸ばすか、或いは他のところから手を作るか?というところで先手の村中秀史プロは後者を選択した。具体的には先日の日浦vs佐藤天において日浦プロが見せた構想をなぞる。

研究手は53手目の▲8六歩だったが、取れる金を取らずに「と金は引く手に好手あり」とした△8七とがあり、後手が良くなった。日浦アマヒコ戦もそうだったが、この戦い方は先手の右翼が全く働かないのが不満であり、まだ修正が必要なようだ。1筋の位を取らずして他でポイントを稼ぐ手順があるかどうか?に今後期待したい。或いは山崎プロが新々山崎流を確立するかもしれない。


第4回朝日杯二次予選 ▲松尾歩?△丸山忠久

実力者同士の対戦。私は一手損を密かに希望していた。その通りになり、しかしその後の展開が全く予想していないものだった。

本譜の手順からの一手損は本当にプロらしいと思う。最初の20手目までをじっくりと解説を見ながら並べて欲しい。後手は一手損しているが、飛車先不突のため、また先手は飛車先を決めていることとあわせて、それらの違いを活かしきれば(相手の2筋からの攻めを甘くして、後手からの攻めにおいて8筋を関係ないものとすれば)逆に得していることになる。

一手損の後手番だけをもつ私としては。本譜の序盤については後手がかなり得をしているように思う。後手番をもっていてやりたい手というのは本譜の手順にも現れる△6四角。この角を打てると勝っても負けても満足、というぐらいに気持ちが良い。

角換わり腰掛け銀系の将棋で、8四に角を置く筋もあるのだが、攻撃力に富む反面、角がやはり標的になることがあるが、6四の場合は攻撃の要素もあるものの、先手の攻めを牽制している意味があり、特に2八に飛車を置きっぱなしにしずらいので二筋の二手を甘くしている意味がある。

双方の駒組みがひと段落した時点では先手の棒銀が捌けなかったと見ることも出来るので後手の作戦勝ち模様。ただし角が睨み合っているのでお互いに仕掛けどころをさぐる展開となり、先手の消極的な手をみて後手の丸山忠久プロが仕掛ける形で開戦となった。

私が痺れたのは70手目の△6七歩成。これぞ角換わりのスペシャリスト丸山忠久、という手で、自玉が堅いことと先手の攻め駒(飛車角銀桂香)が全て働いていない!ということで飛車を一枚渡しても大丈夫とみたもの。ここからの手順は角換わり愛好家にとってはまさにこれだけでご飯三杯、という展開。

角換わりのこの楽しさを知らない振り飛車党を哀れに思う…というと大袈裟だが、角換わりの攻めの楽しさを存分に味わうことができる一局だった。

丸山忠久プロが、巧みな序盤戦術から優勢⇒勝勢と淀みなく指し進めた会心の一局だった。


以下、上記の対局と関係していそうな戦型の最新書籍一式。


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第69期B級1組順位戦8回戦

前期順位二位からまさかの降級となった佐藤康光プロが一人一敗で格の違いをみせつけてくれているB1。ほぼ一人は佐藤康光プロで決定とみるがどうだろうか。実勝敗数で1ゲーム差をつけてゆうゆうゴールしそうな雰囲気だ。気になるのはもう一人の昇級者。個人的には今日の結果でほぼ見えてくるのではないかと思っていた。

第69期B級1組順位戦 八回戦

▲佐藤康(6-1)?△中村修(4-3)
トップを走る佐藤康光プロと過去B1では結果を残せていないが今期は円熟味を増した受けの妙技で白星がひとつ先行している中村修プロの対戦。

戦型は後手中村プロの△3三角戦法から途中下車型の向かい飛車となった。角は手放すものの自然に玉を固める先手に対して、歩を先手にタダで渡したり玉の囲いよりも△7四歩を急いだりと後手番らしい苦心の手順で駒組みを進める中村プロ。

先手の玉が7七角型の左(高)美濃に収まったところでは先手が指しやすそうに見える。そこからの佐藤康光流の、相手が備えている2筋からの攻めが凄かった。もっと凄かったのが終盤の寄せの構想。足を止めての殴り合いというか、一直線にやりあって勝っていると読みきっての「やって来い」という手順。

勝利打点は103手目。攻めるだけ攻めて最後にふっと抜いて催促するという手。86手目に痛そうな歩の叩きが6七の地点に入るのだが、その手が103手目まで放置されていたにも関わらず後手が△6八歩成と出来なかった、と書けばそして最後にその歩から金が逃げられたと書けば、佐藤康光プロの寄せの構想が如何に巧みだったかが伝わるだろうか。

そこからは佐藤康光プロが危なげ無く唯一の一敗を守った。



▲松尾(4-3)?△山崎(4-2)
強敵との対戦をこなしたうえでの3敗である松尾プロと、まだ控えている2敗である山崎プロの対戦。山崎プロがが後手番ということで一手損に進む。

先手の松尾プロは今期のB1の対佐藤戦において、最後の最後まで勝ちだった将棋で用いた棒銀フェイクの早繰り銀を採用。

この手順であれば先手は後手に無駄な1筋の端歩を突かせることが出来、一手損においては合計二手損になる。ただし後手は飛車先不突なのでその得を活かしきれるかどうかは微妙。佐藤プロは苺囲いの右玉にて対応して二手損を緩和した。

山崎プロの対策に注目したが、、そこからの自由すぎる発想には驚かされる。24の早指し将棋ならばいざ知らず、本割り順位戦の持ち時間が長いところでのこの作戦。

どういう作戦かは筆舌に…という感じなので有料サイトにて確認いただきたいが、中盤のワカレを見る限りでは成功していないように思われる。前期、松尾プロとの対戦において相当の作戦負けを穴熊で緩和して遂に逆転したが、本局はどうなるか。

この将棋が一番早く終わった。素人目にも後手の作戦が破綻しているように思われ、穴熊のときはそれでも堅さ遠さの実利があったが本局は薄い玉のせいもあり、後手に粘りようがなかった。

後手が序盤早々に7三に角を打ち、先手がそれに合わせる形で2八に角を据えたのだが、双方の角の性能の違いが出たのが勝敗の分かれ目だった。先手の角筋だけが受け難しの典型となり、49手目にKOパンチが入りあとは指しただけとなった。

プロではなかなか勝てないと思われるような奔放な序盤で七割勝つ男も流石に一度破綻した構想をまとめきることはできずに松尾プロの勝ちとなった。ちなみに個人的にはここが昇級決定戦だと密かに考えていて、これをもって松尾歩プロが、佐藤康光プロに続いての昇級候補になったのではないか。…と思ったら星勘定的にもどうやら二番手に躍り出たようである。



▲畠山鎮(4-2)?△屋敷(3-3)が千日手により▲屋敷vs△畠山鎮で指し直し
後手屋敷プロのノーマル中座飛車に。一手損中座飛車が登場したので中座飛車までノーマルをつける日が来るとは…という感じだが。

割と昔からあるような気がする先手の作戦。激しい反撃を秘めつつも後手からの攻めを催促する…という手順。後手は歩切れになることはないが、攻めを急かされているので上手くパンチを繰り出し続けることができるかどうか。両者らしい戦いになっていると思う。と思ったら途中で千日手になっていた。

先後入れ替えての将棋中座飛車となり、先手の屋敷伸之プロが新山崎流を選択した。畠山鎮プロの作戦は屋敷流の△5五角だった。従来の手よりも一本調子ではなく含みがある良い手だと思う。NHK杯の谷川豊島戦でも見られた作戦だ。

しかし本局は含みがある手というよりもゆったりし過ぎていて、先手屋敷伸之プロの居玉の猛攻がもろに炸裂してしまった。攻めの鋭い畠山鎮プロだが、後手番で比較的こういう負け方をすることがあるように思う。それだけプロ将棋において攻めの主導権を握るのが難しいということだろう。



▲井上(4-2)?△行方(2-5)
ノーマル腰掛け銀に行方プロが誘導した。ということはもしや中田新手を狙っているのか?と思ったら違った。粘り強さが棋風の行方プロらしい二枚金の構え。ある程度攻めさせてからカウンターしようという後手番的考えだろう。

と思ったのだが、大捌きになった後の63手目の局面をみると延々と後手が受ける展開か。△3七角?△2六角成とする手が見えるがその隙に先手が攻め倒せるかどうか。攻め倒せそうな展開で行方尚史プロが指した76手目の△2七桂が新井田基信氏の遺作「週将ブックス 手筋の隠れ家」に出てきそうな実戦的な好手だった。ほとんどクリンチに近い手だが、大きく振りかぶった先手の攻めを一旦は止めている。

その手を見て、井上慶太プロは後手が先手陣の最前線で張った防衛ラインを撃破する方針に切り替えたところで勝負の流れが変わった。ややスローダウンしたところであり、後手に粘りがいがある展開になった。二枚の小駒で先手の攻めを支える行方尚史プロ。更に5九の地点に角を投入して頑張る。それに対する井上慶太プロの、防衛ラインの小駒を一掃しようとする構想がやや上手くいかなかった結果、先手の攻め自体が継続不可能となり、102手目の△4七歩成で遂に行方尚史プロが逆転し、ほどなく井上慶太プロの投了となった。

人間同士の戦いらしい、心理的なものが勝負に作用したように思える一戦だった。行方尚史プロは後手番でのこういう勝ち方が上手い印象がある。


△中田宏(3-3)?▲杉本(2-4)
この序盤をみれただけでも今月の500円の価値はあった、そう思わせるザ・中田宏樹という手順だった。角交換してぼちぼちやる、というのはどちらをもっても私は好きなので参考にしたいと思う。

向かい飛車の▲6六銀+▲7七桂型を角の打ち込みを気にせずに作れたので先手も悪くないと思うがどうか。34手目までの局面についていえば、個人的には先手を持ちたい。

そこからの手順は流石に後手に無理があった。先手は飛車を2筋→5筋→8筋→5筋と動かしているだけで、後手が勝手に動いてくれて勝勢になっていた、という将棋。対抗型で急戦調の将棋をやるときは誰しも端のタイミングで悩むものだが、早すぎて幸せになったためしはない、という典型例のような気がする。

こういう将棋をみると堅さ偏重と言われてもプロ将棋においては自陣を固める将棋が主流になるのもうなずける。玉が堅ければこその粘りがい、というか。杉本昌隆プロは3勝目、中田宏樹プロと同じ3勝4敗となった。



▲深浦(2-4)?△豊川(2-5)
もう一つも負けられない、しかし残り全勝だと昇級まである深浦康市プロと、B1は家賃が高いと思われつつも確りと戦っている豊川孝弘プロの対戦。

ここもノーマル角換わりだったので、腰掛け銀の中田新手か?!と思ったが後手の手損での右玉となった。角換わりで右玉を用いることが多い私としては気になるところだが、この手損はプロ的には先手が咎めきりたい。

54手目の局面では先手持ち。形勢云々は分からないが、玉の堅さが違いすぎるので確率的な意味で後手に勝ち味が薄い将棋。と思ったのだが、攻め合って現れたのは先手が千日手に持ち込みたい局面だった。後手は玉が薄く、先手番を貰えるのであればもう一局、と私なら思うところだが、持ち時間の差を気にしたのか、と思ったが殆ど時間に差はなかった。

恐らく相手が嫌がっているのをみて、打開手順に成算をもって後手の豊川孝弘プロが千日手を回避したのだと思う。ただし玉は薄い。これで勝てば相当にカッコいい。打開後の厳密な形勢判断は難しい。後手が勝つ手順としては本譜の展開を思えば入玉しか無かった。

打開した局面での駒割は▲金桂△飛の二枚換えで先手の駒得。玉の堅さは大差、ただし後手玉は広い。手番は後手。この状況で打開するべきだったのかは分からない。特に打開後僅か数手で作りたての竜をぼろっと取られるようでは辛いし、その後は完全に攻守逆転している。

入玉の道筋がもしかしたらあったのかもしれないので、それだけが勝ち筋だった。そう思うと現代将棋における後手番というのは、やはり千日手か入玉が最善、というような辛い世界が待ち受けているのではないか?というような気がする。

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8回戦終わっての順位は以下のとおり。

順位2位の佐藤康光プロが7?1で先頭を走る。
次が5?3の松尾歩プロ。
抜け番消化済の井上、山崎、屋敷、畠山鎮が4?3で続く。

残りの7名は4敗以上喫しているため、昇級戦線はほぼ上記の6名で絞られたとみるのが妥当だろう。ただし深浦が3勝4敗ではあるものの、順位が井上・佐藤に次ぐ3位であるため、残り全勝での後方一気のマクリはある。

ただしあくまで3敗勢がこけた場合、という条件がつくところで、二番手の松尾が残りの相手関係を見る限りでは全勝でゴールしても全くおかしくないので佐藤・松尾で決まるような気もしている。

松尾歩プロは他棋戦でタイトル挑戦等は無いもののそれなりの成績を収めており、作戦家で安定感のある指し回しなので、順位戦適正という意味では優れている。

昨日のブログでタイトルを取っているからA級残留するでしょう、取ったことないから落ちるでしょう、という安易な書き方に違和感をもたれた方も居らっしゃったのでここで改めてお詫びしたいが、上記のように一年の対戦相手と先後が予め決まっている順位戦特有の勝負というものがあり、その適正の有無というのは昇降級において、当然重要な要素であることを否定するものではないことをお含みおきいただきたい。



7手詰将棋 (将棋パワーアップシリーズ)7手詰将棋 (将棋パワーアップシリーズ)
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これの五手詰めのを持っていますが、詰将棋的な曲芸めいた手順がなく、ただひたすらに実戦形式の詰将棋。詰将棋というと短手数でも玉が入玉模様のを詰ませたり、捨てて捨てて両王手、みたいなのがうんざり、という方にはお勧めできるシリーズだと思う。

実戦形における詰み形のパターン認識するというのが上達の一つの方法という意味では、以下の書籍もお勧めします。

光速の寄せ 振り飛車編 (将棋連盟文庫)光速の寄せ 振り飛車編 (将棋連盟文庫)
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谷川 浩司

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「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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