プロ将棋棋士の仮想レーティング状況@101025

今日も軽めのネタで。

結構正しいのではないか?と思っているこのプロ将棋棋士の仮想レーティング状況だが。

トップは不動の羽生名人で1935点。今年度八割超の成績ということで64点の増加となっている。

二位は渡辺竜王で1866点。前期が絶好調だったので点数自体は6点しか増えていないが、一頃の不調は払拭しての持ち直しなので見事といえよう。また羽生名人との竜王戦での直接対決があるのも大きい。

ちなみにこの二人のレーティング差だと期待勝率は渡辺竜王からみて四割ぐらいなのだが、初戦を勝っていることで竜王戦としての防衛確率は50%近くまで上がっている。本日から始まる後手番で勝てばかなり防衛確率が高丸がどうなるか。

三位は久保二冠で1835点。こちらは?17点とやや奮わない。二冠奪取のときの勝ちっぷりを思うとやや足踏み中。原因をゴキゲン中飛車の停滞にあるとみているがどうか?A級や竜王戦挑決などここぞというところでゴキゲンでの敗戦があったように記憶する。

以下、今期の点数の増減が50ptを越えている人を取り上げてみる。前述の羽生名人以外に以下の4名が50ptを越えて増加している。

5位の広瀬王位が69点up、25位の横山プロが58点up、36位の中村太プロが50点up、そして50位のアベケンプロが91点upとなっている。アベケンプロは昇段後のディフォルト値からのアップなので大きいのだと思う。新王位の広瀬と今期の新人王のアベケンは当然ながら、横山プロ(糸谷新人王時の対戦相手)、中村太プロ(広瀬新人王時の対戦い相手)という新人王戦での準優勝男も好調なようだ。

反対に今期の点数が50pt以上下落しているのは以下の棋士。

11位 深浦康市九段 1730 -67
17位 木村一基八段 1706 -51
103位 北島忠雄六段 1479 -54
112位 桐山清澄九段 1454 -63
120位 野秀行五段 1423 -54
123位 福崎文吾九段 1420 -52

深浦・木村の両名はトップクラスでの不調二人組。ただし負けてる相手をみるとどれもみな一線級であり、取りこぼしてのものではないのが、トッププロの辛いところ。

北島プロは現在も連敗中で今期3?11、桐山プロはここ数年指しわけ程度をキープしていたのだが、ここまで2?12と奮わない。高野プロも1-10と10連敗後に漸く今期初白星を挙げている。福崎プロも今期1-10。

具体的に何かの共通項があるかどうか?といえば特に見当たらない。一定数の人間が集まって勝ち負けのあることをやれば似通った実力のなかでもばらつきが出てしまうのは仕方ないところなのだろう。

強いてあげるとここ数年の勝率において、指しわけを下回る年度が多くなると大きな落ち込みに繋がることがあるのかもしれない。


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Tag : 将棋 レーティング 木村一基

コンピュータ将棋の将棋倶楽部24でのレーティングは3000点以上か?

結論から書けば、(コンピュータ将棋のトップということで言えば)YESということになりそうだ。ただし3000点以上だとして、どこまで上なのかが分からない。

ここ最近、コンピュータ将棋の棋譜を真面目に見ることが多くなり、その正確な実力、レーティング点について気になり始めた。ただし棋力が伴わないと、なかなか分からない部分はある。羽生名人クラスの人間が高みから眺めれば、その強さの全貌、自身の実力との距離感が見えるだろうが、決して語られることはない。というわけで、この手の与太話はネタが無いときに使い回しが利くので、比較的多投している印象があるのだが、再び掲題の件について以下に記す。

私の現時点の見解としては大まかには「奨励会有段者≒アマトップ群≒女流トップ群≒コンピュータ将棋トップ群」というものなのだが、この「群」という言葉が曲者であり、曖昧にしていると思うので、今回は、「第20回コンピュータ将棋選手権の決勝に残ったソフトの実力はどのぐらいか?」ということについて語りたい。

現在、将棋に関するレーティングというのは大きく分けて4つある。アマ棋界のものと、将棋倶楽部24のもの、プロ棋士に関するヴァーチャルなものと、Floodgateというコンピュータ対戦用のサイトのもの、である。今回はコンピュータの実力の話になるのと、アマ棋界のものは一般人の実名が絡むのでややこしそうなのでアマ棋界のものは割愛することとする。

それぞれが同じロジックで、かつリンクしていると良いのだが、全くの別物なので、それぞれを繋げるための、いわば「ロゼッタストーン」が必要となる。時代が完全には同期していないのだが、実はそれぞれのレーティング制度の橋渡し役となるロゼッタストーン的な仲介者がいるので、それを元に推測しようと私は考えた。ただし、私自身は、数学的・統計的な知識を持たないので、根本的な誤りを含む可能性があるので、酒のツマミの与太話としてお付き合いいただきたい。

プロのレーティングについては、「http://homepage3.nifty.com/kishi/rating.html(内容は素晴らしいがアダルトバナーを含むので職場での閲覧時注意されたし)」にて記されているものが、期待勝率と実際の勝率の乖離についてもそれほど大きくないので、かなり信頼性としては高いと思っている。問題は将棋倶楽部24レーティングだろう。24のレーティング制度では、200点の点差があると、格下が勝つと24点、格上が勝つと8点もらえる。これは即ち、両者の勝敗が3?1でバランスする、格上から見た勝率が.750ぐらいでバランスする、ということになる。

個人的には上位にいけばその信頼性は上がり、寧ろ上手上位になるが、下位ではもう少し勝率が下がるような印象がある。例えば3000点クラスだと2800点にはめったなことでは負けない(9?1か8?2)が、1500点は1300点に負けそう(7?3ぐらい)だし、1000点は800点に負けそう(ヘタすると6?4ぐらい)、という具合である。

そのあたりの印象を裏付ける分析としては、「http://www10.plala.or.jp/greenstone/content1_4.html」があり、やはりバランスしていないようだ。とはいえ、その歪みを考慮しようとすると面倒なので、ここで私は、上記の話に基づき、仮説を一つ置く事にする。

■仮条件1:将棋倶楽部24でのレーティングロジックは上位では正しく機能しているものとして、そのままコンピュータの24における点数の推測に用いる

次にコンピュータの24での戦績について調べた。良く探したわけではないのでもっと新しい情報があるかもしれないのだが、とりあえず私が見つけたのはYSS将棋のページ(http://www32.ocn.ne.jp/~yss/24rating.html)だった。これによると2007年時点でYSS将棋は将棋倶楽部24で、既に2800点ぐらいあったようであり、その年に行なわれた第17回のコンピュータ将棋大会において6-1で優勝している。

第17回以降のYSS将棋の大会成績は以下の通り。

第17回:決勝6-1
第18回:決勝4-3
第19回:決勝1-6
第20回:二次予選:6-3、決勝1-6

第17回当時が2800点だとして、そこからの上昇はどのぐらいだったのだろうか?ここで私は二つ目の仮説をおく。

■仮条件2:YSS将棋の実力は毎年50ptずつ上昇しているものとする。

そうするとYSSのレーティングと大会での成績から、その試合全体のレベル感が推測できると考えた。ただし、これは本当にいい加減な仮説であり、ここを詰められるとすみません、と謝るしかない。とはいえ、全体的なレベルの上がり方はあるにしても、ここ2回における低迷はYSSの上げ止まり感を示しているのではないか?ということで一応の上限値のように思われる3000点手前まで伸びてきていると仮定してみたわけだ。そうするとコンピュータ将棋選手権のレベル感は以下のようになる。

第17回:YSSは2800点、決勝6-1⇒決勝戦のレベルは2500点ぐらい?
第18回:YSSは2850点、決勝4-3⇒決勝戦のレベルは2800点ぐらい?
第19回:YSSは2900点、決勝1-6⇒決勝戦のレベルは3200点ぐらい?
第20回:YSSは2950点、決勝1-6⇒決勝戦のレベルは3250点ぐらい?

さて、現時点のコンピュータ将棋のトップ3ぐらいが3250点クラスだとして、これはプロでいうとどのぐらいの強さに該当するのだろうか?

現時点の将棋倶楽部24において、断片的な情報ではあるが、見聞きしているところによるとどうやら奨励会三段リーグを勝ち抜くものたちのレーティングが3000点ぐらいのようだ。上記仮条件が正しいとすれば、奨励会を抜けてプロになる実力が既にコンピュータ将棋には備わっているといえる。それどころか、仮に3250点だとすれば、3000点クラスとの対戦においては、8割勝つことになる。(将棋倶楽部における250点差の期待勝率は約八割)。

では、新四段に八割勝つというのはどのような実力なのだろうか?奨励会新人棋士はプロの仮想レーティングにおいて1500点台を付与されている。ちなみにこの仮想レーティングは理論勝率と、実質勝率の乖離が10%以内に留まっているので、ほぼ正しいとみてよいのではないかと考えている。(特に2007年の収まりが素晴らしい)。

羽生名人が若手低段者に対して何十連勝もしている話は有名だが、その羽生名人には仮想レーティングで1800点台後半が付与されている。羽生と新人クラス(1500点台)の対戦における期待勝率は(http://homepage3.nifty.com/kishi/kakuritsu/1175.html)をみると、90%以上勝つようだ。

ここで丁度1500点ぴったりの棋士(大平プロ)がいたので、その期待勝率を見てみる(http://homepage3.nifty.com/kishi/kakuritsu/1243.html)。すると、1500点台のプロに八割勝つためにはレーティング点で1700点以上なければいけないことがわかる。

ちなみにこの1700点以上を維持している棋士は棋界全体で17人しかいない。この理論でいくと既にコンピュータ将棋はトップクラスの実力を誇ることになるが、にわかに信じがたい。

一つ考えられることとしては、将棋倶楽部24のレーティングの3000点自体の意味が変わっている可能性だ。宇宙は大きくなり続けている、ではないが、将棋倶楽部24のレーティングも上がり続けている。将棋倶楽部24のトップページに記されている最高点記録の推移を見ると、以下のようになっている。

24最高R保持者(→の後ろは現時点のR点と勝率、勝敗)
04/6/5:3003 dcsyhi→3003 .812 168-39
05/6/29:3010 Aug 02→3010 .664 368-186
05/9/14:3035 Jyuhappo→2964 .682 628-293
06/9/23: 3064 aoba81→2987 .747 354-120
07/2/7:3084 sakitama→2859 .656 942-495
08/2/13:3093 Aleksandros→2979 .553 161-130
08/9/28:3113 H-Paris→3046 .741 438-153
09/3/28:3129 yomoni-→3010 .799 139-35
09/7/26:3172 pameus→3090 .743 335-116

分布をみたわけではないし、それぞれの将棋を比較したことも無いので分からないのだが、04年時点の3000点と、現在の3000点ではその意味合いが変わっている可能性はないだろうか?例えば、以前は殆どがアマチュアだけの母集団だったものが、本格的に奨励会員が参加し始めたのが2005年ぐらいから起こっている、というような。それにより母集団自体の性質が変わり、特に上位クラスの実力、層の厚さが変化したことにより3000点近辺のレベルが「04/6/5:3003 dcsyhi」の頃よりも下がっている、というような。

個人的な意見としては、少なくとも前回のコンピュータ将棋の決勝戦の序盤戦術を見ている限りではプロレベルの将棋ではないと思う。ただし、中終盤は鬼強い。よって先日のネット将棋、大和証券最強位戦での郷田先生の仕掛けからの負け方も微妙な感じだったので、郷田先生をしてああいう不出来な将棋があれば、あの仕掛けに対して後手がコンピュータであっても正確に応じられてコンピュータが勝っていたような気もしなくもない。

コンピュータ将棋が、奨励会有段者レベル、アマトップクラスまで来ていることは既に証明されているが、アマトップとプロトップの手合いが角落ちであることを考えるとまだトッププロレベルまで到達していえるとは考えにくい。現時点の将棋倶楽部24のレーティングでいえば3000点クラスであることは否定しないが、プロ棋士のレーティングにおける1700点台、トッププロクラスというのは無いと思うのだが(思いたいのだが)。

というようなことを暇つぶしに考えている私としては、先週から週刊将棋(http://shogi.mycom.co.jp/)にて始まっている「第2回週将アマCOM戦」については必見だと思っている。これは前回(http://toybox.tea-nifty.com/memo/2006/03/com_3233.html)は「持ち時間の長い1回戦が2?3、短い2回戦が1?4といずれもCOMの勝利に終わった。通算アマ3勝、COM7勝。」だった。


アマ3勝、COM7勝というのは、プロアマの手合いとほぼ同じだ。そういう意味で言えば、既にプロレベルにあると言ってもいいかもしれない。ただし、人間も戦い方が分かってきているはずなので、斬り合いに持ち込まずに長期戦を厭わずに徐々に形勢に差をつけてあげれば、水平線効果による変な歩の突き捨てなどが出てきて、それでも丁寧に受けて…という具合に200手にて人間の勝ち、という状況になるのではないか。

コンピュータと友達になる必要は無いので、どんどん友達をなくす手を指して欲しいところである(既に終わっている対局なので今更欲しいとか書いても仕方ないが)。

というわけで、今週から結果がアマ側の自戦記として掲載される週刊将棋は毎週水曜日発売ですので、お近くのコンビニ・キヨスクなどでお買い求めください(一回戦の結果が載っている5/12号は既に月曜日ぐらいから発売済みです。水曜日発売とありますが、週刊将棋の最も早い発売については「最速は将棋会館にて土曜日の夕方。新宿将棋道場も土曜の夕方にはうられていたかな。」とのことです。(lallapallooza7さん、情報ありがとうございました。)

個人的にもここ5年ぐらいは買っていなかったのだが、将棋世界がマイコミから出版されるようになったということは、内容の被り(が出ないようにすること)を双方でより意識するようになっている可能性があるのかな?という気がしているので、とりあえずこの5週間は購入してみて、そこから定期購読について検討したいと思っている。

前回のコンピュータ将棋大会で優勝した激指の最新版はこちら。恐らく普通のPCで用いてもアマトップクラスの実力はあると思われます。
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【追記】
5月11日の朝に週刊将棋を購入し、早速読んでみたのだが、そのなかであっさりコンピュータ将棋のレーティングについての記述があった。floodgateでの激指のR点とfloodgateが将棋倶楽部24と比べてどうなのか?について。その話と上記はそれほど相違なく、あとはfloodgateと、将棋倶楽部24と、プロ棋士の仮想レーティングの整合性だけの話になりそうだ。リンクしているのだとすれば、既にトップクラス級の実力があるということになるのだろう。

とはいえ、本当なのかどうかはまだよく分からないので、そして週刊将棋のアマCOM第二戦の結果は参考になるはずなのでこれからしばらくは購入したいと思う。

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