第三回電王戦で最も人間が能力を発揮する条件は?(その1)

さて、ボンクラーズポナンザ、どちらも将棋倶楽部24で登場するたびに圧倒的な勝利を収めています。GPS将棋の勝てたら100万円企画でもほぼ同じような結果。

プロ棋士を超えたかどうか?はこれから明らかにされていくべきところですが、早指しでは人間は必ずミスをする、というのを再確認したように思います。(一応、コンピュータのほうが強い、という表現はしません)。

第三回電王戦が行われるとして、人間側が最大限に性能・能力を発揮する条件について考えてみる。

どうやら、もし行われる場合は、その条件について関係者で議論されるらしいのでそのたたき台になるようなものを作る意気込みであります!><

(長すぎたので3回に分けています・・・)。


■1.ドレスコード
これは絶対ですね。なれない和服は棋力を損ないます。最高でもスーツ。できれば先崎学プロのようにビートたけし風まで許されるべきところです。人間がもっともポテンシャルを発揮できる、すくなくとも損なわないと本人が自覚する服装で是非。

こちらはスーツ定跡と一部で呼ばれていた、第二回電王戦の結果に基づく提案となります。特に船江恒平プロは私服あるいはスーツだったら絶対に勝ってましたね。明らかに普段感じない環境、状況によるプレッシャーと和服疲れが原因と思われる、手の乱れが後半見られましたので。



■2.対局場所・環境
こちらは椅子席ではどうでしょうか?そして重要なのはトイレから至近距離であること。レストランでその席に案内されたら「あ、こいつ舐めてるな・・・」と思いつつにこやかにチップを握らせて別の席を催促するシーン。ぐらいの至近距離がいいと思います。もちろん、人間にだけつきものの「お花摘み」のためです、ええ。

あとは報道陣。普段の報道ではありえないようなマナーを知らないメディアの連中が大量にやってくる可能性が高いので、撮影方法や場所を特に対局前、開始直後は慮ってほしいですね。対局時間としてカウントするのは、そういう撮影などが終わってから、人間側がOKです、と準備できてから、というような。

もしくは対局時の着手時点の撮影は無し、でもいいと思います。通常対局ではそういうのは行われないので集中力が高まる、ということもありますし、対局後だけでもいいのではないでしょうか。どのみちそういう野次馬的メディアは結果のことしか報じないわけですから。

どうしても対局開始時点の写真が必要ということであれば、日本将棋連盟公式カメラマン的な人間が最初に撮影して、それを提供する形をとる、という手もあります。

この辺は不慣れな報道陣が、対局者の集中や機嫌を損ねた・・・という故米長邦雄vsボンクラーズの第一回電王戦のエピソードに基づく対応策になります。

ニコ生の入場シーンカメラ、は興行のためにどうしても必要、という可能性はありますが、細心の注意、もしくは007か痴漢ばりの小型カメラでの隠し撮り、もしくは野生動物を取るときのような赤外線カメラ(将棋指しの黒目が赤く反射する感じで)がいいと思います。


次回に続く・・・。



電王戦効果か、これが結構売れてるみたいです。うちにもありますがやはり駒の動きが分かりやすいみたい。
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【R3372点】ponanza、将棋倶楽部24での最高R点達成!

昨晩のニコ生は良かったですねー。

ボンクラーズ改めプエラαの開発者の伊藤英紀さんと、東大将棋棚瀬寧さん、ponanza山本一成さんという悪の?正義の?開発者トリオによる、電王戦ぶっちゃけトークを交えた放送でした。

特に、伊藤英紀さんがニコ生では愛されキャラで良かったですw

松本博文さん含めて放映時に居たひと四人が東大卒、という高学歴ニコ生でしたね。

ちなみにあの秒読みちゃん的な女子は山本一成さんの彼女さんなのでしょうかね?だとしたら良かったです。GW真っ只中でこんな放映するってことはもしかしたらフラレてしまったんだろうか…と思っていたので。(余計なお世話すぎますが…

で、将棋は8局指されて全勝でした。これで17-2、12-0、7-0、8-0ですかね。計算できないですが、44-2とかかな。そしてレートはタイトルの通り、3372点とあっさりボンクラーズの記録を更新しました。

まだ指されるみたいなので、3400点台までありえるんでしょうか?ただし1点もらえる点差の人間が既に少なくなってきている…というところもあるので、どこかでバグ的負け方をすると大きく点数を失うので人間次第、というのはあるかもしれませんね。

ざっと棋譜を見てみたところ、あの初日に2勝しているshogigokiさんが2敗してましたね…。なかなかに鮮やかな勝ちっぷりで初戦は横歩取りの力戦で圧勝。二戦目は相居飛車の力戦系で圧勝。もはや名人を超えているという伊藤英紀さんの言葉が脳裏をよぎります…。

この日の対戦は最初の方になかなかのねじり合いがあっただけでほかはほぼponanzaの圧勝だったように思われます。人間側が入玉系の将棋、アンチコンピュータ将棋な展開を求める時点で既に負けてる気もするんですよね。。普通に指して敵わない時点で。

昨日の日記にコメントをいただいていたのでそちらに対する回答?をここに書いておくと、昨晩のニコ生でもコンピュータ将棋開発者のお三方が言っていたのですが、もしかしたら電王戦は手遅れだったかもしれない。

本当であれば、対局禁止令を出した頃、或いはまだコンピュータ将棋が明らかにプロよりも弱かった2005年ぐらいから電王戦らしきものを行なっていれば…というのはあります。

今更の結果論ですが。

それこそ価値の有無が分からない状態なので多少は手弁当的になるかもしれなかったですが、やる。でその価値を理解した企業がスポンサーに名乗りを上げてくる。そういう展開はあったかもしれません。

なので、今回の電王戦、第三回があるかどうかはかなり先まで分からない様子ですが、スポンサーがいて、是非やりたいと言ってくれてる時点でありがたいことなんじゃないかなと思うわけです。

某有望な若手が18連敗した、とか、或いは米長邦雄の「我、敗れたり」で元タイトルホルダーが負けたとか、そういう情報を無意味に流出して、プロ棋士が負けることのショックを和らげる意味がないというか。

車と人間が競走しても負けるに決まってる、人間が計算作業でコンピュータに負けるのは自明であるとか、そういうのが前提としてあるのであれば、そこにお金を払ってくれる、耳目を集めるイベントを開催してくれるスポンサーがいることはありがたい話だと思うんですよね。

勿論、権威の失墜みたいなもの、いままでのスポンサー、特に新聞などにあった言葉は悪いですが文化としての尊重みたいなものから、もっと違った側面が引き出されていることがプロ将棋指しにとって必ずしもプラスばかりじゃないことは勿論理解していますが…。

将棋には学術的な研究の側面、伝統芸能的な文化の側面、そして勝負としての興行的な側面があります。コンピュータ将棋はそのうちの少なくとも二つを充実させてくれる可能性が高いです。

プロ将棋指しの尊厳みたいなものは文化の側面で、自身の立ち居振る舞いや姿勢で示していけば十分に保たれるのではないでしょうか。

ちょうど脳味噌の格闘技として、昔プロレスや相撲界に起こったことが20年遅れぐらいで将棋界にもやってきたような、そんな印象を受けます。

とここまで長々と書いておいて、また3日連続で同じ事を書きますが、第三回電王戦は行われないような気がするんですよね…。私のTwitterの、将棋リストのなかでのつぶやきを見ると、そういう風に観ている人がぼちぼちいますね…。

電王戦、対コンピュータ将棋の戦いをヤマタノオロチへの人身御供とみるか、あるいは新しい時代の幕開けのきっかけと見るかで色々変わってきそうですね。

第三回の開催有無をもって、電王戦のことをプロ棋士全体が、米長邦雄の狂言というか暴走として捉えていた・いるのか、或いは普及・発展のための大いなる遺産としてみているのか?が分かるような気がします。

その辺もひっくるめての、将棋連盟の理事選になると思います。どういう人が選ばれるのか、そして選ばれた人たちがどのような舵取りをしていくのか?については大いに注目したいと思っています。



今一度、この本を読み返してみると面白いかもしれません。ぶっちゃけトークには未だに納得?いきませんが…。

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米長 邦雄

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一言で言うと、ぶっちゃけすぎw
こんなこと書いていいの?という。プロとコンピュータの対局前に、こんなことを書いてしまっていいのか?という話。ちょっとひいてしまったので、ブログには感想載せてないですが、プロオワタ、、的な話を読みたい人は是非。凄いですから。



全勝消える 第23回世界コンピュータ将棋選手権(二次予選の結果)

昨日5月4日に行われた第23回世界コンピュータ将棋選手権の二次予選結果について少し書きます。

強いところ同士を当てていく仕組みであり、かつ実力伯仲しているために全勝者が消えました。

【9勝0敗】――
【8勝1敗】激指ponanza
【7勝2敗】GPS
【6勝3敗】Bonanzaツツカナ
【5勝4敗】NineDayFever習甦YSS(以上8チームが決勝リーグ進出)

【5勝4敗】Apery、Blunder、大槻将棋
【4勝5敗】竜の卵、N4、Selene、AWAKE、Sunfish(以上16チームは来年二次予選シード)、

【4勝5敗】柿木将棋、棋理、ひねもすのたり、奈良将棋
【3勝6敗】無明4
【2勝7敗】クマ将棋
【1勝8敗】ひまわり、なのは
【0勝9敗】――
http://computer-shogi-live.cocolog-nifty.com/



という形になりました。

衝撃的なのがあのGPSが2敗している、ということでしょうか。タイトルも狙える某若手が十何連敗したとか、明らかにずば抜けて強いとあの三浦弘行八段に言わしめたというGPSが2敗しています…。(個人的にはだからああいう伝聞調の記事は好きじゃないんですが…。)

Bonanzaは今年はBonanzaクローン的なものたちよりも上位ということで本家の面目を保ちました。省エネ読みのツツカナも頑張りました。

ボンクラーズが今回出場していないので、その穴を埋めるのは誰か?ということで注目していましたが実力者の激指がまず出てきて、そしてボンクラーズ系のNineDayFeverが同着ながらも習甦を点数で上回る形で決勝リーグを迎えています。

二次予選の結果がそのまま決勝に反映するか?というとそういうわけでもないので、どのチームにもベスト5に入る可能性があると思います。

是非その上でコンピュータ将棋と人間棋士との対決、第三回電王戦が開催されることを祈っていますが…。

以下、幾つか感想です。

GPS将棋が負けた「二次予選 4回戦 ponanza - GPS将棋」ですが、後手GPS将棋の一手損から腰掛銀に構えました。ただし、後手の序盤が酷く、具体的には△4四歩が早すぎたためにコンピュータ将棋ならではの単仕掛けが決まりました。

GPS将棋は暴発気味に反撃しますがあっさり攻めが切れて負け。コンピュータ将棋の弱点が綺麗に出た将棋でした。これだったら人間も勝てる。阿部光瑠戦のあれ、みたいな感じでしたね。

こちら、「二次予選 5回戦 GPS将棋 - NineDayFever」は相矢倉で相早囲いからの脇システムちっくな展開。

後手のNineDayFeverがいわゆるその本性を表してボナ攻め。角金交換に突入するんですが、なんとこの時の先手GPS将棋は、mtmt定跡と呼ばれるGPS将棋へのハメ手に近い手順を取ったために後手が角金交換を仕方なく行ったんですね。なかなかおもしろいです。逆に言えば深く読めばGPS将棋でもそういう穴がなくなるということなんでしょうね。

GPS将棋の二敗目は二次予選 9回戦 ツツカナ - GPS将棋でした。後手番とかも影響するんでしょうかね?というか、ほぼ似たような展開から負けました。すなわち後手の角換わり相腰掛銀で、4四歩が早いために当たりが強く、桂馬の単跳ねで手にされてしまう…というもの。

極論、今日の対戦相手がGPS将棋後手番の時にこのように進めるように誘導したら勝てそうですね。いわゆるハメ手系です。ponanzaの山本一成さんならばやりかねない?w

対する激指はどうか?というと他のソフトよりも振り飛車がでる可能性が高いのでしょうかね?このへんは一つの注目点のような気がします。

あとは、コンピュータ将棋に角換わりは危険、という話がありましたが昨日の将棋を見る限りでは実は角換わりはありなんじゃないかな?と電王戦?人間との対戦の時の作戦としては思いました。結構変な手順に見えたんですけどね…。

優勝予想は山本一成氏のポナンザ(ponanza)でお願いします。序盤の巧さという話がこの日の対局で何となくわかりました。ソツのない序盤というか。激指は振り飛車に不安が、GPSは角換わりに不安があるので、総合的に考えてマシンスペックも良く序盤がソツのないというのは大きいのかなと。



杉本昌隆プロの相振り飛車の本は久しぶりですかね?前作は名著だった覚えが・・。

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人間負け越し? or 回避! ▲ボンクラーズ改Puella α(伊藤英紀) vs △塚田泰明九段

さて、遂に「▲ボンクラーズPuella α(伊藤英紀) vs △塚田泰明」の対決があと24時間を余裕で切りましたので、ここから全裸正座、かつお風呂に入りながら開始を待ちたいと思います。

で、ここまで1-2で来てますので、ここで人間が負けると最終戦を待たずして人間の負け越しが決まってしまうので、是非塚田泰明九段には頑張って欲しいところです。

では塚田泰明九段がレーティングでどのぐらいなのか?をちょっと見てみますと、全棋戦レートで1500ぐらい。ほぼ棋士の平均値ですね。第二戦の佐藤慎一プロと同じぐらいです。

(ちなみに前回熱戦を演じた船江恒平五段は全体で30位ぐらい、1650点とかです。)

対するボンクラーズPuella α(伊藤英紀)のレーティングは、伊藤英紀さんのブログから引用するとこんなかんじです。

かなり長いので箇条書きに要約しますね…。

・将棋倶楽部24における人間の歴代最高レーティングがピークで3200台、普段は3100台。(bonkrasが指していた頃である11年末の時点で)

・bonkrasは24でピーク値3364、通常3300台であり、24の人間トップより約200上だった。

・24の人間トップは、棋士レーティングでR1600くらい、と推測できる、24登場時のbonkrasは棋士レーティングで約1800相当、と推定できる。

ボンクラーズ/ Puella αは、5月の選手権ごとにバージョンアップしており、以前のバージョンに対してほぼ2勝1敗ペースで勝ち越す

・レーティングで120差に相当し、100近くは上がっている見込み。

・更にハード面の進化があり、2世代でほぼR50程度上がっている

・これらを合計すると最新のPuella αはR1950程度、となる。

・人間の棋士レーティングトップがだいたいこのぐらいの数字であり、これはレーティングからみて、名人クラスであることを意味している。

現状認識@2013年4月



という感じですね。


私が以前推測したアプローチにほぼ近く、私も大体同意するところです。ただ将棋倶楽部24の母集団を思うともう少しプロレーティングへの当てはめ値(初期値)は下であってもおかしくないかなと。

要は人間、特にプロ棋士が長時間になったときの検討手順の深化とアマチュア群による検討の深化というのはかなり差異があるように思います。

コンピューター将棋も深化するでしょうがツツカナが見せたような水平線効果によるウッカリがヒューリスティックな判断で回避しきれない可能性。(逆に人間もヒューリスティックによるウッカリもあるのでお互い様、という話もありますが)。

なので1900台は大げさだとしても、船江恒平五段との接戦をみても(統計的に有意な回数試行した場合)1600以上はある可能性は高いでしょう。それが将棋として序盤の美しさを伴わない可能性も高いのですが(笑)。

となると、塚田泰明九段とボンクラーズ改めPuella αの対戦においては、Puella αのほうが勝つ可能性が高いということになります。

塚田泰明九段は、どちらかといえば順位戦適性のほうた良い棋士なので、先後が決まっていることはメリットだと思いますが、順位戦ほど時間が長くないことが懸念の一つです。第三局の後のインタビューでも、「だから私は長時間でやりましょうと言ったんですがね」と苦笑していました…。

まさ再び、伊藤英紀さんのブログから戦前予想を引用します。

【勝敗予想:Puella α】

勝敗予想。レーティング300差ならば勝率84.9%。6,7回に1回は負ける計算になります。なので、塚田さんが勝つ可能性も十分あると言えます。

正義のヒーロー・塚田九段が、侵略者・コンピュータと戦うために立ち上がった!絶対絶命のピンチに陥りながらも、最後には悪の首領・伊藤を倒し、棋界に平和を取り戻す…というドラマティックな展開も十分あり得ますので、期待して見ていていいのではないでしょうか。

現状認識@2013年4月




とのことです。こういう言い方が適切かどうかわかりませんが、理系人間の悪いところが出てしまったような言動…というか某特定ワードが幾つか思い浮かびますが、ある意味対立構造をプロレス的に作って盛り上げてくれている…という見方もできます。(それを意図してやっているか、無自覚にやっているか?は判断つきませんが…)。

根拠としているレーティングが私の予想よりもちょっと高ぶれしているので、個人的には85%の勝率ではないと思っています。ただしコンピューター将棋が勝つ可能性のほうが、50%を超えていることは残念ながら確実だと思っています。

先後決まっていますが、戦型の予想が全くできない状態です。コンピューター将棋側が変化して勝負になる、という状況があるというのもありますが、今回のPuella αは特に変な序盤を意図的に狙う可能性は低いと思います。

塚田泰明九段も一発で負けるような将棋ではなく、ある程度じっくりした、斬り合いに持ち込まない将棋にする可能性が高いのかなと。その場合の懸念としては、組み上がった時点で既に為す術がない、という展開。

コンピューター将棋には米長邦雄永世棋聖が採ったような極端な待機作、盛り上げ作戦じゃないにしろ、似たような作戦が有効である、というのが通説となっていますが、伊藤英紀さんのコメントを読む限りだとすでに入玉対策はされているそうですし、割りと危険な気がします。

よって私は相居飛車であれば相矢倉の最新形を期待したいです。

まだ振り飛車、対抗型は出現していませんがこのまま出ないような気もしますね。コンピューター将棋が振ってくれたら、ひとつのチャンスでしょうが、なさそうかな…。

どっちが勝っても、事前の雰囲気がプロレス的なので対局後のインタビュー・記者会見が楽しみです。

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第22回世界コンピュータ将棋選手権/電王戦出場ソフト決定

過去の大会の様子も含め、全てコンピュータ将棋協会のサイトから情報は入手可能だ。

第22回世界コンピュータ将棋選手権の結果は、


【6勝1敗】GPS将棋
【5勝2敗】Puella α(ボンクラーズの新名称)
【4勝3敗】ツツカナponanza
【3勝4敗】習甦、激指
【2勝5敗】YSS
【1勝6敗】Blunder

となった。


第2回電王戦について

閉会式で米長邦雄・日本将棋連盟会長から「今回の世界コンピュータ将棋選手権の上位5チームが第2回電王戦のコンピュータ代表として出場する」旨の発表がありました。
すなわち、GPS将棋Puella α、ツツカナponanza習甦がコンピュータ代表として第2回電王戦に出場いたします。



なんと、あの激指がベスト5に入れず、過去実績のあるGPS将棋が優勝、昨年の覇者ボンクラーズ(現:Puella α)が二位となった。三位のツツカナはここ最近の躍進具合と、その特徴において今後が大いに期待されるソフトである。以下、ツツカナの紹介文より引用。

ツツカナのアピール点は、「ツツカナの一番の特徴は、指し手を読む深さを機械学習によって決定していることです。
これと他の手法を組み合わせることで20手前後の先読みを行っています。」



ツツカナのマシン構成が「CPU:Corei7 3930K メモリ:4.2GHz 1プロセッサ 6コア 16GB」であることを考えると、かなり凄い健闘のように思われる。(GPS将棋にいたっては788台のコンピュータによる戦いだった。勿論単純に台数が棋力に直結するわけでもないし、台数を多く統べる技術も必要ということで一概には言えないものの、決勝上位のソフトとしては最小構成だったことには間違いない。)

全部の将棋を観たわけではないのだが、ツツカナの二次予選から決勝における、強いソフトとの対戦を観る限りでは、全く遜色ないどころか、コンピュータ将棋が不得意とする入玉形であっても、自然に見える指し回しで勝っていたのが印象的。

例えば、GPS将棋と旧ボンクラーズ(Puella α)の将棋が入玉模様になってからが酷く、最後は必敗のはずの旧ボンクラーズ(Puella α)が時間切れ負けで勝利するというものだった。この1勝が大きく、Puella αが総合順位で2位となった理由だろう。



今回のコンピュータ将棋選手権で好成績を残した5つのソフト、GPS将棋、Puella α、ツツカナ、ponanza習甦については、将棋倶楽部24のレーティングにおいて、おそらくは3300点近くあると思われる。人間でいうと、最高峰で3000点ぐらいであることを考えると、早指し戦においては人間を既に凌駕している可能性がある。いかにプロと言っても、早指しでノーミスで指すことは難しいので、後手番で一度ミスすれば逆転され、先手番でも二手ほど緩めば捲くられるのではないか。


GPS将棋、Puella α、ツツカナ、ponanza習甦。それぞれに特徴がある。

Puella α(ボンクラーズ)とponanzaはどちらもBonanzaライブラリ採用ソフトであり、ラーメンで言えば家系ラーメンみたいなものだろうか。本家があって、それをアレンジした分家、と言ったところ。(こう書くと将棋やコンピュータ将棋に詳しくない人にもわかるだろう)。追記:ponanzaは名前をもじっているだけで、ボナンザライブラリは使ってないとのことです。(詳細はこちら→http://www.computer-shogi.org/wcsc22/appeal/ponanza/appeal.pdf)

駒組の自然さというか筋の良さに定評があるのがボナンザ系だろうか。あとは詰将棋の長手数を詰まし上げることをやや不得手としていたが最近は解消されたはず。あとはボナ攻め(角金交換の駒損の猛攻)やボナ囲い(天野矢倉、片矢倉っぽい形)が有名だろうか。

GPS将棋は東大のゲームプログラミングセミナーの略語でGPS。激指とGPSが最近の二強と思っていたのだが、今大会では終始GPSのほうが強かった。安定的だったのは788台のおかげだろうか?

習甦はこれで「しゅうそ」と読むはず。名前の中に「羽生」の二文字を含むところからも分かる通り、羽生善治の指し手をベースに評価関数が設定されているはず。プロ棋士との対戦の暁には、羽生善治の影響を感じる指し回しだったかどうか?を聞いてみたいところだ。

やや散漫だが以上。今後もこの件については書き記す予定なのであっさりめで終わっておくw


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閃け!棋士に挑むコンピュータ

ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る

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Author:将棋観戦
「将棋観戦記」というブログで、プロ棋士の将棋を観戦して思ったことを記しています。棋力はありませんが、将棋観戦の楽しさを一人でも多くの人に知ってもらい、「観る将棋ファン」を増やすために貢献できればと思います。主に順位戦速報・タイトル戦等、ネット中継されている将棋を中心に将棋観戦記を書いています。棋譜・符号はなるべく用いずに、将棋のルールが分からない人でも、将棋の勝負の面白みが伝わるように努力します。

基本的にはリアルタイムでの将棋観戦中に思ったことを書き溜めつつ、対局終了後の感想を付け加えて、将棋対局のあった翌日の朝7時頃にアップされるように将棋観戦記を予約投稿しています。「一日一観戦記」をモットーにしているので、同日にネット中継が重なった場合は、対局の重要度を個人的に評価して観戦記の投稿日を調整しています。

将棋観戦中に書き始め、対局が終了すると思われるところから観戦記を完成させていることが多いです。文章内の形勢判断は個人的主観によるもので、観戦中の控え室のプロの意見を取り入れず、将棋ソフトの解析を行なっていないため、形勢判断が正しくない可能性があります。

また、あまり推敲することなく投稿しているので、観戦記内に誤字脱字、情報の誤りがある場合があります。お気づきの場合はコメント欄にてご指摘いただけると助かります。早急に訂正させていただきます。

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